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読書の記録2016年5月分

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:3816ページ
ナイス数:6099ナイス


5月は、アート系の本を読みつつ、小説もいくつか読みつつ、エッセイも読みつつ、漫画も読みつつ…、それなりに色々なジャンルのものを読めて良かった。
5月のベスト3:①風葬②銃③大奥


六本の色鉛筆六本の色鉛筆東山魁夷
東山魁夷さんが昭和50年の秋に個展のためにパリとケルン(ドイツ)を訪れ、その後に年明けまでをドイツとオーストリア各地を旅しながら過ごしたときのことを綴った本。最後の滞在地であるザルツブルクでこの旅のことを回想するエピソードは、それぞれに色の名前がついた章が進むごとに時間は遡っているという構成が興味深い。魁夷さんの幅広い芸術や文学への興味、戦争体験や家族の病や金銭的困窮、そして画家としての不遇の時代。そういうすべてのものを静かな文体で語るところ、魁夷さんの作品に通じるものを感じさせられる。
読了日:5月2日


心の風景を巡る旅 [東山魁夷 ART ALBUM]心の風景を巡る旅 [東山魁夷 ART ALBUM]東山魁夷
東山魁夷さん生誕100年記念のアートアルバム第三巻。この巻は、唐招提寺の障壁画や襖絵、皇居や東宮御所の壁画やそのもとになった準備作などがメイン。そういう大きな作品の迫力や華やかさに心奪われつつも、「宵桜」の月の光に仄かに輝く桜の花ひとつひとつの繊細さや大好きな「コンコルド広場の椅子」に心惹かれる。
読了日:5月2日



カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦杉本章子,深井国
お狂言師の歌吉こと駕籠屋の娘お吉の登場するシリーズ4作目。大奥とお狂言師の世界をめぐって起こる事件。大きな権力や欲望の前にひとりのお狂言師の恋や夢があっけなく潰えてしまう哀しさ。そして、お吉と日向のもどかしい恋模様が日向に持ち上がった縁談によって大きく動く展開。昨年末に杉本章子さんが亡くなられそれまでに読んでいた3作目で終わりなのかと思っていたので続きが読めたのは良かったけどあと1話で完結だったとは。惜しかったなあ。他のシリーズとか過去のものを機会を見つけてまた読もうと思う。
読了日:5月3日



モダンモダン原田マハ
MoMA(ニューヨーク近代美術館)に関わる人がそれぞれに主人公の5つの短編。このなかでは「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」がいちばん好きかな。主人公スコットのアートのことはよく分からないけどなんとなく面白いと感じる作品があると感じているところに親近感を覚える。そして「新しい出口」を読んでて「楽園のカンヴァス」の登場人物に気づいて久しぶりに読み返したくなったなあ。
読了日:5月4日




銃中村文則
主人公である大学生の「私」が拳銃を拾ったことによって内面に変化が起こっていく…というお話。家で眺めたり磨いたりして密かに楽しんでいたものが次第にエスカレートしていく行動。手に入れたものが拳銃だからすごく突飛に思うし取り返しのつかない事件に発展することになるんだけどたばこやお酒やギャンブルや恋愛などもっと身近なものに置き換えても自分の心が支配されていくところなんかは通じる部分があるなあと感じられた。
読了日:5月7日




蛇行する月蛇行する月桜木紫乃
主人公は高校を出て和菓子屋に勤めたものの不倫の末に生まれ育った北海道を出ることになった順子。でも彼女の一人称で語られるお話は一つもなくて友人とか彼女に関わる人それぞれが主人公のお話のなかで順子の姿が語られるというのが面白いというか興味深い。久しぶりに会った友人に「内臓はぼろぼろだけど目は元気」と語るところにぐっとくる。楽なことばかりじゃなかっただろうけど…ちゃんと幸せだったんだろうと思えてくる。
読了日:5月8日




イロメン ─十人十色─ 1 (マーガレットコミックス)イロメン ─十人十色─ 1 (マーガレットコミックス)田村由美
最新巻読む前の復習。前回読んだのが随分前だから断片的にしか覚えてなかった^^;青木も赤木も緑川もそれぞれにイケメンなのにみんなちょっとずつ残念なところが良い。あと枯枝がちょっとずつ黄色寄りになってくところも良い。
読了日:5月9日






イロメン ─十人十色─ 2 (マーガレットコミックス)イロメン ─十人十色─ 2 (マーガレットコミックス)田村由美
色にまつわる人々によるサラリーマンコメディー第2弾。冒頭で様子のおかしな緑川。そうか、その設定うっかり忘れてたよ。なんだかんだ言いつつ仲良さそうな青木と赤木が好き。それにしても枯枝は最初とはどんどん別人になってきてるなあ^^;他の色の人が出てきたりして恋愛っぽい展開もこれから色々ありそうな感じで楽しみ。だけどまた2年待つのか〜(>_<)
読了日:5月10日





もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション)佐藤康宏
若冲展鑑賞の前に再読。なんといっても「動植綵絵」をはじめとする色鮮やかでダイナミックで緻密な作品の数々にドキドキさせられる。若冲に興味を持ったのはドラッガーコレクション展で見たごくシンプルな水墨画だったけど、鮮やかな色をたくさん使っていたり対象物が画面いっぱいに細々描かれていたりするのに煩く感じないこのバランス感覚、本当にすごいと思う。
読了日:5月11日



ヲタクに恋は難しい (1)ヲタクに恋は難しい (1)ふじた
2巻読む前におさらい。相変わらずゲームのことはよく分からないけどふたつのカップルが面白いところとキュンとするところがあってなかなか良い。とくに先輩カップルがやっぱり好きだなあ。
読了日:5月12日






ヲタクに恋は難しい (2)ヲタクに恋は難しい (2)ふじた
ヲタクカップルの恋愛、第2弾。全くと言っていいほどゲームというものをやらないのでゲームの中にみんな入ってるエピソードが興味深かった。それにしても、ヲタクの人が非ヲタの人と自分の趣味を隠して付き合うと映画館や遊園地やなんかで普通にデートしつつ自分は自分で趣味のスポットやイベントにも出かけたり家で趣味を楽しんだりするってことか…超忙しそう!確かに恋は難しそうだ^^;
読了日:5月14日



カラヴァッジョ巡礼 (とんぼの本)カラヴァッジョ巡礼 (とんぼの本)宮下規久朗
イタリアの画家カラヴァッジョの生涯を作品が描かれ残された場とともに巡る本。画家として名声を得ながらも様々な揉め事が絶えず殺人まで犯し各地を転々とする日々を送ったカラヴァッジョ。亡くなったのが38歳ってずいぶん早いしもっと長く生きてたくさん作品を残した可能性もあるけど、この人の気性などからすると、長生きするところがなんだか想像できない気もする^^;カラヴァッジョ展で見た作品もたくさん載っていたので復習になって良かったけど見に行く前に読みたかったかも。
読了日:5月17日



大奥 12 (ジェッツコミックス)大奥 12 (ジェッツコミックス)よしながふみ
最新巻読む前のおさらい。治済公に人生を狂わされた二人の女性の執念、母が倒れてから人が変わったように赤面疱瘡の治療法である熊痘を広めることを推し進めた家斉の苛烈さ。赤面疱瘡が克服されたのは良かったけど…色々恐ろしいなあ。次の巻はまた男女逆転!
読了日:5月17日





大奥 11 (ジェッツコミックス)大奥 11 (ジェッツコミックス)よしながふみ
12巻読んで、家斉が赤面疱瘡撲滅のためにお忍びで黒木を訪ね、のちに熊痘接種を苛烈に推し進めるに至ったものはなんだったか…を確認したくなり、遡って再読。結果、小さい頃から色々な嘘をつき謀りごとをしてきたその理由が「退屈だったから」という治済のサイコパスぶりに当てられた。
読了日:5月18日





大奥 13 (ジェッツコミックス)大奥 13 (ジェッツコミックス)よしながふみ
この巻から幕末編。まずは13代将軍家定(女)と老中の阿部正弘(女)そして大奥総取締の瀧山(男)のお話。主従であっても言うべきことは言い思いやり合うこの3人の関係…すごく良いなあ。そして、篤姫(男)が最後の最後に登場!しかもこの顔って!びっくり。次の巻は篤姫が大奥にやってくるまでのことが語られるだろうし、幕末に向けてのざわついた空気のなかで篤姫が新たに加わりどんな風に関係が築かれていくのか…続きを読むのがすごく楽しみ。
読了日:5月18日



北斎 冨嶽三十六景の旅 天才絵師が描いた風景を歩く (別冊太陽 太陽の地図帖 5)北斎 冨嶽三十六景の旅 天才絵師が描いた風景を歩く (別冊太陽 太陽の地図帖 5)
北斎の冨嶽三十六景に描かれた場所を旅することを想定して作品を紹介する本。富士山が描かれたシリーズとはいえ富士山がドーン!というものよりも富士山のある風景や人々の姿を描いたものが多いなあとあらためて気づかされた。武陽佃島とか相州七里浜は藍色が美しいのはもちろん画面構成が面白くて興味を惹かれる。あと、身近な実体験を伴った風景ということなら私の住んでる場所からいちばん近いところを描いた信州諏訪湖、それから以前訪れたことのある御坂峠と河口湖(最近読んだ太宰作品にも出てきた)が描かれた甲州三坂水面を挙げたい。
読了日:5月22日



陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)伊坂幸太郎
ひょんなことから出会い銀行強盗となった成瀬(人間嘘発見器)・響野(演説好き)・久遠(スリの名人)・雪子(体内時計の持ち主)の4人。いつものように銀行を襲うことに成功したものの逃走中のアクシデントをきっかけに連鎖するトラブル。このお話読むのは3回目くらいだけど自分でもびっくりするくらい忘れてたから事態が動く度にいちいちびっくりしてた^^;銀行強盗しててもどこかゆるい雰囲気が漂っているかと思えば裏で別の計画が動いてたり何気ない雑談と思うようなことが後々重要な意味を持っていたり…伊坂さんやっぱり凄いな。
読了日:5月24日



アンソロジー そばアンソロジー そば池波正太郎,黒柳徹子,タモリ,檀一雄, ほか
文筆業に携わる方を中心として様々なジャンルの著名人たちによる蕎麦のお話。このなかでは唯一、黒柳徹子さんの「わんこそば」は昔うちにあった徹子さんの著書で読んだことがあった。他にもいっぱい、こういう可笑しくて可愛らしい徹子さんらしいエピソードが書かれていたような記憶があるなあ。それから檀一雄さんの「わが家の年越しソバ異変」の思わぬハプニングで盛り上がる年越しの様子が面白くて微笑ましい。とにかく蕎麦の話題いっぱいで無性に蕎麦が食べたくなる。表紙のかけ蕎麦の写真だけでももう堪らんです^^;
読了日:5月26日



もう二度と見ることができない幻の名作レトロ建築もう二度と見ることができない幻の名作レトロ建築伊藤隆之
老朽化、経営破たん、震災、戦火。様々な理由で取り壊された建築物を紹介する本。そういうテーマだと分かっているのに、お!この建物見に行きたいなあ!と思い、もう存在していないということをその度思い出す…というのを繰り返しながら読んだ。昔の建物って曲線が多く使われていたり空間の使い方が贅沢だったりステンドグラスなどの装飾が凝っていたりして心ときめくものが多い気がする。
読了日:5月29日



遮光遮光中村文則
恋人を失った喪失感からとんでもない行動に出てしまった主人公の「私」の顛末。冒頭から、なにやら怪しげな瓶が登場してモヤモヤと不安な気持ちになり、呼吸をするように嘘に嘘を重ねる主人公の様子を見ていると、どこからどこまでが本当なんだろう…というそもそもの前提すら揺らいでしまうような、そんな感覚のまま大変な事態が起こり、…読み終わっても、うーん何だったんだこれ?っていうモヤモヤが。とにかく色々なことが気持ち悪く受け入れがたいと思いつつ読むのはやめられなかった。
読了日:5月29日



風葬風葬桜木紫乃
かつて北海道の海端に住む漁師とその娘が死に、それから30年後のお話。娘の担任だった男とその息子、娘と関わりのありそうな書道教師の母娘、それぞれの視点から、薄いベールがひとつひとつ剥がれるように、かつての事件の真相ととある人物の出生の秘密が明らかになっていく…というお話。今まで数作読んできた桜木紫乃さんの作品の中ではいちばんサスペンスものみたいな緊張感が色濃く、先が早く知りたくて夢中で読んだ。どうしようもないやるせない空気に溺れそうになりながらも…今回も凄く引き込まれた。
読了日:5月31日


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