映画『SPIRIT』
金曜日はレディースデーで映画が安く観られるってことで行ってきました♪
映画『SPIRIT』
辛亥革命(1911)の少し前の中国で活躍した実在の武術家をモチーフにしたフィクション・ストーリー。武術家の父を持つ霍元申<フォ・ユァンジャ>(ジェット・リー)は病弱だったため武術の稽古をつけてもらえず、それが武術への好奇心をさらに掻き立て、成長した彼は武術家として名声を得るようになります。しかしそれにつれて自惚れ・慢心といった面を目立たせるようになっていきました。…あるときユァンジャは、自分の弟子に大怪我を負わせた秦<チン>という熟練の武術家に闘いを挑みますが、その代償に失ったものの大きさに打ちひしがれた彼は、故郷・天津を離れ彷徨う日々を送っているとき、スンおばさんとその孫・月慈<ユエツー>(スン・リー)に助けられ数年間を農村で過ごします。そんな穏やかな日々のなかユァンジャは、「強さ」の本当の意味を悟り、これを広めるため故郷に戻る決心をしたのですが…。
冒頭のアクションシーンでいきなり「おぉ!」とひきつけられます。
とにかくジェット・リーすごいです~。体の動きがきれいでかっこよく、スピード感に圧倒されました。
で、何て言うのかなぁ…自分の強さに慢心しているときの表情と、悟ってからのそれとは明らかに違うんですよね。農村で過ごした間に憑き物が落ちたみたいになって清清しくなったとでもいうのか。ただアクションがすごいだけじゃなく、そういうところでもしっかり見せてくれる演技だったな…と思いました。
そしてユァンジャはもちろんのこと、彼と闘う武術家たちからも武術精神(SPIRIT)を感じました。中国の武術家たちを次々に負かしては「東洋の病人」と罵っていたオブライアン(ネイサン・ジョーンズ)、異種格闘技戦で対戦した日本の高名な武術家・田中安野(中村獅堂)。ユァンジャの「強さ」を同じ武術家として素直に認める姿は清清しく感動できました。
…さて邦画好きな私としては今回、中村獅堂さんを見よう!という目的もあったわけですが。なかなか武術家らしいたくましく凛とした感じが出ていたなぁという印象でした。ただ中国語には苦労したんだなぁというのも感じました。割と自然にいってるなっていうところもあるんですが…。
また、この映画には平和への願いがこもった言葉がいくつも登場します。
たとえば
「互いに敬えば仲良く生きて行ける」
違う人種、違う文化、違う宗教・・・相手が自分と違うからといってそれを否定するのではなく、それを認め合うことで無用の争いをしない、ということではないかなぁと思いました。
そして
「復讐などしてはならない。憎しみはさらなる憎しみを生むだけだから」
この言葉にはすごくすごく共感しました。
戦争やテロに対する報復を行えば、そこでは必ず犠牲になる人がいて、そこには新たな憎しみが生まれる…そして報復、報復の繰り返し…。どこかでこの連鎖を止めなければ。これは今、世界が抱える一番の問題だと思うのです。
…とまぁ最後はちょっと堅い話になりましたが、アクションもの好きだったら観て損はないだろう作品だと思います。
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