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2006年12月 8日 (金)

映画『ストロベリーショートケイクス』in松本CINEMAセレクト上映会。

Sscここのところ毎月1回はお邪魔している、「松本CINEMAセレクト」さんの上映会。今回は池脇千鶴さんや中越典子さんなどなど…が出演されている映画。ちょっと気になっていた作品だったのと、先月『太陽』を観にいった時の予告編でますます気になってました。


映画『ストロベリーショートケイクス』

(松本CINEMAセレクト自主上映会)

「恋がしたい」と、ある日道で拾った“神様石”に願うフリーターの里子(池脇千鶴)。
たったひとりの男性を思い続け、老後は惚けたら自殺するため老後はマンションの5階以上に住むと決めているデリヘル嬢の秋代(中村優子)。
自立した女性に憧れながらも、男性に愛される女性を演じるOLのちひろ(中越典子)。
強くありたいと思うがゆえに、ストレスから過食と嘔吐を繰り返すイラストレーターの塔子(岩瀬塔子)。
それぞれに、傷つきながらも人生に向き合おうとしていく物語。

席に座って上映を待っているときに、この映画を作った矢崎仁司監督が挨拶されました。
入り口にあったポスターには“上映後”とあって、それだけだと思っていたのでちょっと驚きましたが、観る前にもお話が聞けたことはすごく良かったような気がします。
…さて、映画について。
登場する4人の女性が、職業だったり生き方も違うのに、どこかで「あぁあるある」と思うところがあったり、また逆に「えー?」と疑問というか反発するような思いを抱くところがあって、そういうところで楽しめたかなぁという感じ。それに、アクションものや、純愛もののような大きなヤマ場があったりするわけじゃないのに、緊張感が途切れなくて、それは4人の女性が入れ替わり立ち代わり登場するからなのかな、と最初思ったんですが、どうもそうじゃないような…不思議な引力のある作品で…面白かったです。
私は魚喃キリコさんの原作を読んでいないので(他のは確か、何だったか読んだことはあったと思うのですけど)、そういう角度から感想を述べることは出来ないんですが、上映前にパンフレットに目を通していて、そこに使われている写真がすごく素敵で(私がいちばんいいなと思ったのは、観覧車がアスファルトの水溜りに映っているのでした)、それだけでもなんというか、作品の世界に少し触れたようで、何だかわくわくしてきました。…パンフレットといえば、ちひろを演じた中越さんが「どうしても最初ちひろのことを好きになれなくて」
と語っているのを読んで、何でなのかなぁと思っていたけれど、映画を観て、あぁなるほどなぁと思いました。確かに、こういうタイプの女性は、同性から見ると特に、ちょっとなぁ…と思ってしまう人が多いのではと思いました。永井(加瀬亮)の、別れたくなる気持ちすら解ってしまうような。でもそれは自分と違うから相容れないと思ってそういう感情を抱くということもあるでしょうが、自分の中にもそういう部分が少なからずあるからこそ、好きになれないなぁと思ってしまうんじゃないかなぁと思いました。私はそういう、自分の中のきれいごとだけでは済まない部分を引き出されるような気持ちになりながら、ちひろのことを見ていました。あそこまで、男の人の前で可愛らしく自分を演じられるような器用な人間ではないけれど、自信のなさとか、漠然とした不安とか…そういうところは、いちばん共感できるところがあったなぁと思いました。そういう彼女が塔子のような人に憧れる気持ちが、なんだか身近に感じられるような気さえしました。というか私も苦しむ姿に痛々しさを感じながら憧れに近い気持ちで塔子を見ていました。あとは、里子のたくましさとか、さっぱりしたところに私はいちばん憧れました。もっと若かったら(ってすごい発言ですが)というかもう何歳か若返れたらこういう生き方もいいなぁと。彼女が“神様石”にお祈りしているのがまたなんとも可愛いというか、でも、神様にお願いするときって、なんだかんだ言ってあんな感じで自分の都合のいい願いこととかしてそうだなぁと思って、笑いながらも共感というか…自分も言っちゃいそうだなぁなんて感じました。また、デリヘル嬢っていうのはすごく自分の生活圏からすると、想像のつかない職業という感じがして秋代という人は、うーんどんな感じなのか…と観る前は思っていて、でもなんというか、菊池(安藤政信)の前での彼女がずっと彼のことを好きで…っていう気持ちが、さっぱりした友人関係を続けている中にもすごく伝わってきて、ドキドキしました。何とか思いが叶ってほしいような、複雑な気持ちで。
…とまぁ、とても長くなりましたが、4人の女性それぞれに、憧れやら共感やら疑問やら…色々なものを感じることができて、とっても満足でした。
さて、このあといよいよ、矢崎仁司監督のトーク。とても緊張されているということで、それほど饒舌な感じはしませんでしたが撮影中のことだったり、俳優さんのことだったり…色々なお話が聞けて、とても興味深かったです。上映前に「いろんなことを感じて欲しいと思って映画を作っています」と仰っていたそのとおりの映画で、そこがすごいなぁと、何だか妙に感動して、そんな余韻のなかでのトークだったような気がしました(あくまで私的に)。
すべて終わって携帯電話の電源を入れてから「あぁもうこんな時間か~」気がついたような、時間さえ忘れるような、そんな上映会でした。

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