大河ドラマ『篤姫』―第十二話・さらば桜島
とうとう薩摩を離れ、新しい一歩を踏み出すことになった篤姫です。
大河ドラマ『篤姫』
―第十二話・さらば桜島
篤姫が江戸に向けて出立する日が近づいていました。篤姫のお披露目のため、家中の主だった家のものが城に集められ、初対面の忠教は、篤姫とじっくりと話し、その人物の大きさに素直に感服します。また篤姫は、忠剛やお幸とも久しぶりの対面を果たすものの、幾島からは、実父母といえども家臣であり、もはや親とは思うなと厳しく申し付けられ、儀礼的なあいさつし感情を抑え続けることが出来ず、斉彬の面前で泣き崩れ、幾島に厳しく叱られるのでした。
とうとう篤姫が江戸へと旅立つ日、篤姫は、進む駕籠(かご)からこれまで自分を育んでくれた薩摩の人々や自然を目に焼きつけていきます。最後に、篤姫は桜島が一番美しく見える思い出の場所へと向かい、桜島に薩摩を守って欲しいと祈ります。行列を追いかける尚五郎や西郷らも、近い将来自分たちも江戸に行って広く世の中を見ようと決心するのでした。
船に乗り込んだ篤姫は、遠のく桜島を甲板からみつめながら、この日初めて涙を流します。篤姫は「薩摩を思って泣くのは、これが最後」と幾島に誓うのでした…。
篤姫の江戸への出立を祝う宴が催されることになって、藩内の主だった家の人々が城へやってきました。そのなかには、今和泉家の父母や兄、そして尚五郎の姿もあって、幾島からきつく言われていたにも関わらず、取り乱してしまいます。久しぶりに会えた両親たちと親しくすることも出来ない寂しさ、もう以前のように接することができないその現実を目の当たりにしたショックはとても大きかったでしょう。
…そんな篤姫の様子を見て斉彬は、あらためて今和泉の人々を城に呼び、家族だけの対面を取り計らいます。「父上」と忠剛の手をとり、お幸に抱きつく篤姫。忠剛も「於一」と呼びなれた名前で篤姫を呼ぶ、その様子に涙しました。
しかし泣いたといえば今回は、いよいよ出立を迎えたその日でしょう。城を出るときの、広川や高山といった、養女となってからの侍女たちも、ともに過ごした時間は短いながら、最初はぶつかることもあり、そして姫を見守る気持ちを芽生えさせていただろう部分もあって…その表情にも別れに対する思いがにじんでいて、切ない気持ちにさせられました。
そして何より、道中に立ち寄った今和泉家での様子が…もう涙が止まりませんでした。城で篤姫と家族としての対面を果たしたのちに倒れ、寝込んでいた忠剛も助けを借り門前に出ていました。…その姿がだんだんと遠ざかる様子が駕籠のなかから見えるのが、斉彬の養女となるため、今和泉家を出たときの光景と重なって、でも今度はもう二度と会うことがかなわない、そういう別れになるわけで…そう思ったら堪らないものがありました。
見送る側も遠ざかる駕籠と行列をじっと見送る人々の姿、そしてお幸に「戻りましょう」と促されても「あともう少し」と門の前を立ち去りがたい様子の忠剛の様子が、ほんとうに切なかったです。
そして尚五郎もまた沿道で、西郷や大久保とともに篤姫の駕籠を見送っていました。意気消沈してその場を立ち去ろうとする尚五郎でしたが、「同じ薩摩にいられるのもあとわずかなのだから」と言う西郷たちに引っ張られるようにして駕籠を追うことになります。尚五郎はいい友人を持ちましたね。
駕籠を追った尚五郎たちは、一行が船着場に向かっていないことに気づきます。篤姫は最後に、桜島が美しく見える思い出の場所に立ち寄ったのでした。そこへ追いついた尚五郎たちは「お元気で」と別れの挨拶をし、自分たちも江戸へ行くことを決心します。尚五郎の表情も、それまでとは違い、清々しく前向きになっていて、明るい気持ちになりました。
船に乗り込んだ篤姫は桜島に別れを告げ「薩摩を思って泣くのはこれが最後」と誓います。篤姫が桜島を見たのはこのときが最後で、死ぬまで薩摩の土を踏むことはなかったのだそうです。薩摩から江戸は約1700㎞、参勤交代には当時の金額で毎回5万両、今で言うと約5億円かけて行われる、ほんとうに大変なものでした。距離的にもおいそれと帰ることの出来ない場所であるのと同時に、御台所となれば大奥を出ることもかなわないのですから…。
こうして薩摩に別れを告げ、また新たな一歩を踏み出した篤姫。しかし…またまた篤姫を様々な苦難が襲いそうな予感。思えば、今和泉を出て斉彬の養女となったときもそうでしたし、この先も、大奥に入るとなれば、またそういう目に遭うでしょうし…篤姫の人生はこれの繰り返しなんでしょうね。
御台所の話が阿部から出て…幕府でも色々と揉めるようで、なんだか波乱の様相ですね。次回も非常に楽しみです。
篤姫…宮﨑あおい
尚五郎(小松帯刀)…瑛太
島津斉彬…高橋英樹
島津忠剛…長塚京三
お幸…樋口可南子
島津忠敬…岡田義徳
小松清猷…沢村一樹
肝付兼善…榎木孝明
お近…ともさかりえ
幾松…松坂慶子
広川…板谷由夏
高山…左時枝
しの…小林麻子
島津忠教…山口祐一郎
西郷吉之助(隆盛)…小澤征悦
大久保正助(利通)…原田泰造
フク…真野響子
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