大河ドラマ『篤姫』―第十一話・七夕の再会
さて、今回は斉彬が粋な計らいをします。
大河ドラマ『篤姫』
―第十一話・七夕の再会
将軍家正室となることを知り、覚悟を決めた篤姫は幾島とともに歴史の勉強をはじめ鼓や琴など諸芸の稽古に余念がありません。斉彬から打ち明けられた篤姫の実父・忠剛はお幸とともに娘の出世を喜びながらも篤姫がこれまで以上に遠い存在になってしまったことを悟るのでした。
忠敬から噂を聞きつけた尚五郎は衝撃を隠せず動揺し、思い余ってどうしても江戸に行きたいと清猷に懇願します。当時、藩内から広く改革案を求めていた斉彬は、西郷という下級武士の意見書が特に優れていることに感銘を受け、西郷のことを知りたいと尚五郎を呼び出した斉彬でしたが、話をするうちに尚五郎が篤姫に強く思いを寄せていることを知ります。…斉彬の粋な計らいで尚五郎は篤姫との再会を七夕に果たし…。
12代将軍・家慶が亡くなり、その息子である家祥が家督を継ぐことになり、さらに翌年にはペルリ(ペリー)が再びやってくるということもあって、幕府では家祥が将軍となることに不安を抱く幕臣が大勢いました。そこで老中の阿部が「新しい御台所」を迎えてはどうか…と前々から斉彬とひそかに進めていた計画を実行に移し始めます。まぁでも斉昭が言うように、それくらいで何か変わるものか…と思うのは無理もないことですよね。家祥、将軍となる前に二度、妻を迎えたことがあって(どちらも早世)、とてもそうは見えない、あの様子ですからねぇ…。そんな家祥と篤姫との出会いがもうすぐそこまで迫っているところです。
自分が御台所候補になっていることを知った篤姫、今までの投げやりな様子がうそのように、清々しい表情で鼓や琴の稽古、歴史の勉強に取り組みます。篤姫って…なにかするときに必ず理由というか、そういうのが必要で、それに納得しなければ進めない性質(たち)みたいですね。それだけに、そこに確信が持てると、とんでもなく強いですね。
「私は橋を渡って、その橋に火をかけた」という言葉は、「女の道は一本道。さだめに背き、引き返すは恥」という菊本の言葉を受けたものだろうな…と感じました。
幾島が篤姫に将軍家やご公儀について述べる様子を見て、後ろに控えた広川と高山が「まるで将軍家にでも嫁ぐようじゃ」とささやき合います。御台所の件はほんとうに一部分の人にしか知らされていなかったわけですね…。
しかし、篤姫の実父である忠剛に斉彬が告げたことから、兄である忠敬を通じ、尚五郎もこの件を知ることになって…少しでも篤姫の近くにいたいという気持ちからでしょうか…小松を訪ね、江戸へ行きたいと願い出ようとします。それにしても…話を切り出そうとすると、西郷と大久保が釣果を届けに来たり、お近がその二人に礼を言いにやってきたり…なかなか本題に入れずおろおろする尚五郎がちょっと気の毒になりました…。
まぁ色々ありながら江戸へ行きたいと小松に告げる尚五郎ですが…そんな彼を、お近が複雑な表情で見守っています。彼女はもう、篤姫の御台所の件を知っているんですね…。それに尚五郎が遠くへ行ってしまうことも寂しく思っているようです。
そして江戸行きを願い出たこと、そして優れた意見書を出した西郷と親しいことを小松から聞いた斉彬に呼び出しを受けた尚五郎は、恐縮しながらも自分の意見を述べ、未だ処分が解けず島流しになったままの大久保の父(利世)のことを尋ねます。そんなやりとりに「はて…?以前にもそんなことを申した者がいたような…」と考え込む斉彬。そこで篤姫の話題が出て、小松から、尚五郎が篤姫の兄である忠敬と勉学をともにし、また篤姫とも親しいことが明かされ…尚五郎の様子から篤姫を想っていることを知った斉彬。
その口ぶりから篤姫の幸せを願う気持ちを知った斉彬は、粋な計らい。斉彬は小松に突然「姫を呼べ」と命じます。驚いた小松が思わず「はっ?」て言いましたよ…。重ねて命じられたときはちゃんと「はっ!」って返事してましたけど…。
そうそう、その小松。斉彬に仕えるとともに、尚五郎や忠敬にとっては恩師で折に触れ尋ねる存在。下々の者、若い者たちと斉彬をはじめとした藩の中枢とを繋ぐ、かなり重要な位置にいますよね。斉彬の養女となった篤姫はその昔(?)、男の子の格好をして小松の開く私塾に潜り込んでいましたっけ…(笑)。
尚五郎が城に来ていることを知った篤姫は、幾島たちが諌めるのも聞かず駆け出し、久々の再会を果たし、そしてこれまた久々に碁を打つことに。笑顔を見せる篤姫にほっとしたように笑顔を見せる尚五郎。一見、なにも変わらないふたりでありながら、篤姫は、自らの行く先を見つめた強さもありましたね。尚五郎に「父と母を頼みます。兄を頼みます。薩摩を頼みます」と後を託します。父母と薩摩は分かるけど、兄(忠敬)も頼んじゃうのか…とちょっと思いましたけど…。篤姫の目には相当頼りなく映っているんでしょうね…(笑)。
で…尚五郎が帰った後、「姫にはその気はなかったのか」と斉彬に問われ「あるわけがない」と応える篤姫、そして「その手のことに関してはからっきし疎いようだな」と独りごちる斉彬。実父である忠剛との関係とはまた違う、親子のような関係を見たような気がしました。
そして…篤姫が江戸へ発つ日が決まり、薩摩との別れ、御台所となる日が近づいてきました。見る側である私も、訪れたことのない土地ではありますが、薩摩を、そして桜島の見える風景を身近にあるように親しんできて、登場する人々にも愛着を感じてきたところだったので、なんだか寂しい気もしますね…。次回は「さらば桜島」。実の父と母との別れに涙してしまうような予感。それに、忠剛にはなにか良くないことがありそうで、気がかりです…。
篤姫…宮﨑あおい
尚五郎(小松帯刀)…瑛太
島津斉彬…高橋英樹
島津忠剛…長塚京三
お幸…樋口可南子
島津忠敬…岡田義徳
小松清猷…沢村一樹
肝付兼善…榎木孝明
お近…ともさかりえ
広川…板谷由夏
高山…左時枝
幾松…松坂慶子
西郷吉之助(隆盛)…小澤征悦
大久保正助(利通)…原田泰造
徳川家祥(家定)…堺雅人
徳川斉昭…江守徹
阿部正弘…草刈正雄
松平慶永…矢島健一
人影…麿赤児
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