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2008年4月22日 (火)

クラシックミステリー『名曲探偵アマデウス』事件ファイル♯3バッハ「ゴールトベルク変奏曲」~わたしは上司に殺される!~

Amadeusさて今回はバッハのピアノ曲にひそむ魔力!

クラシックミステリー『名曲探偵アマデウス』
事件ファイル♯3
バッハ「ゴールトベルク変奏曲」
~わたしは上司に殺される!~

バッハが、不眠症の伯爵から依頼を受け作曲したこの「ゴールトベルク変奏曲」。
主題のアリアと同じ低音部のパターンが、続く30の変奏で繰り返されます。同じコード進行なのに全く違う印象を与える変奏の数々は、多くの演奏家を魅了してきました。
…いったん聞き出したら止まらない、この曲の魔力とはいったい何なのか?

今回の依頼人は、上司に殺される!と怯えるサラリーマン。上司である女性課長に聴かされたバッハの「ゴールトベルク変奏曲」を聴いているうちに不眠症になってしまい、これは課長が自分を殺そうとしているのだ!と天出のもとを訪れたのでした。
「ゴールトベルク変奏曲」は、バッハが不眠症の伯爵から依頼されて作った曲。“ゴールとベルク”はその伯爵専属のピアノ弾きの名前だそうです。
不眠症の人のために作られた曲なのに、なぜ彼は不眠症になってしまったのか…という謎に、天出が挑みます。
冒頭のアリアから30の変奏を経て、最後にまたアリアに戻る…というのがこの曲の構成。アリアの心安らぐメロディのなかに登場するトリル(音符には表されていない、音の飾りの部分)が華やかさと、そしてハッとさせられるような緊張感をもたらしていることに気づくことができました。トリルを入れたときと入れないとき、聴き比べるとだいぶ違うんだなってことがわかりました。トリルがないと、なんかもったりしてるっていうか、物足りないっていうか…そんな感じ。
そして、続く30の変奏は特徴によって3つのグループに分かれていて、しかもそれがある一定の順番で繰り返されていることが分かってきます。第1のグループではメヌエット調・舞曲風など、共通のモチーフを様々に展開していますが、低音部の旋律はずっと同じであるということから、脳に対する引き込み現象があるのではないか、という説(茂木健一郎さん)も紹介されました。
また第2のグループでは高度なテクニックの追求が行われることによって聴く側に高揚と感動をもたらし、第3のグループではカノン(旋律の追いかけっこ)が繰り返されますが、このカノンが登場するたびに、追いかける旋律の音がずれていきます。1度ずれたものの次は2度、その次は3度というように。
この3つのグループが繰り返されることによって、小さな世界がたくさん作り出され、それが全体を通してみると大きな世界が作り出される…そんな壮大な世界がこの曲に詰まっていたのでした。
結局のところ、依頼人の彼にこの曲を聴かせた上司は彼を不眠症で殺そうとなどしておらず(まぁ当然ですけど…)、広い世界を見せたい、というようなエールを送るつもりだったのだろう、というのが天出たちの辿りついた答えだったという。まぁ殺人(未遂?)事件でなくて何よりでした(笑)。

さて次回はチャイコフスキーの交響曲第6番“悲愴”。ひどく心を揺り動かされることになりそうな予感。

天出臼夫…筧利夫
響カノン…黒川芽以
尾治としのり…尾美としのり

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