茂木大輔の生で聴く「のだめカンタービレの音楽会」in長野県松本文化会館
かなり忙しいことになりましたが…藤原道山さんのライブからそのまま、松本市内を、まつもと市民芸術館→長野県松本文化会館へと移動して、もうひとつコンサートに。同じ日に重なったことが分かった時点で、どっちかを諦めなければと思いましたが、いくら考えても、どちらも諦めきれずこのようなことになりました…。
※注意※
このさき、曲目より下はネタバレとなっております。これからの日程にご参加予定の方はご注意を。ご覧にならない方が、より新鮮に楽しめる部分もあるかと思いますので…。
茂木大輔の生で聴く「のだめカンタービレの音楽会」
(長野県松本文化会館大ホールにて)
指揮・お話 茂木大輔
演奏 中部フィルハーモニー交響楽団
池田昭子(オーボエ)
渡邉恵津子(ソプラノ)
須藤梨菜(ピアノ)
曲目 ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調Op.92より第1楽章
モーツァルト 歌劇「魔笛」K.620より第2幕 夜の女王のアリア
“復讐の炎は地獄のように我が心に燃え”
モーツアルト オーボエ協奏曲ハ長調K.314より第1楽章
ロッシーニ 歌劇「セヴィリアの理髪師」より
ロジーナのアリア“今の歌声は”
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.13より第1楽章
(アンコール) モーツァルト きらきら星変奏曲
…休憩…
ブラームス 交響曲第1番ハ短調Op.68
(アンコール) チャイコフスキー 弦楽のためのセレナーデより ワルツ
クラシックのコンサートは、「のだめ…」を好きになってからいくつか足を運びましたが、そのどれとも違う、なんとも楽しいコンサートでした。
開演前の舞台上に登場したのだめマングース。ピアニカで「ラプソディー・イン・ブルー」と「A列車で行こう」を演奏してくれました。マングースの着ぐるみを着ていたのは、このあとラフマニノフのピアノ協奏曲を演奏する予定のピアニスト・須藤梨菜さんでした。遠かったんですけど、客席に向かって手を振る様子などがとっても可愛らしかったです。登場したときに被っていたマングースの顔の部分を取って演奏していましたけど、原作とかドラマでは被ったままですよね…。実際にやろうとすると大変なことなんだなぁと思ったりしました。
そして最初の曲は、“ベト7”ことベートーヴェンの交響曲第7番。あの“ジミヘン弾き”もやってくれましたよ。そこまでするとは思ってなかっただけにびっくり。完成と笑い声、そして拍手まで起こってしまいました(笑)。普通のクラシックのコンサートではありえないことですけども…(笑)。でもステージ上はもちろん、客席も「のだめ」そのものの状態になって、まるで漫画の世界に入ったみたいな感覚でした。
私としては、この曲を生で聴くのは2回目になりました(前回のレビューはこちら)。今回は第1楽章だけだったので、それはちょっと残念というか、なんというか。第4楽章が最高に盛り上がって、興奮するので。
このあと指揮をしていた茂木大輔さんがご挨拶。なんでも、この“ベト7”が演奏会のプログラムに入っているだけで、チケットの売れ行きが違うのだとか。そうそう、私が前にベト7を聴いたコバケンさん指揮のコンサートも盛況でした。私の動機も、半分くらいはあのベト7を生で聴きたいってところがあったかなぁと、今にして思えはそんなかんじでしたし…。
そして、ドラマ版では多賀谷彩子の歌の吹き替えをされていたソプラノ歌手の渡邉恵津子さんが登場してのモーツァルトの「魔笛」から、夜の女王のアリアと、ロッシーニの「セビリヤの理髪師」からロジーナのアリアを、そして同じくドラマ版で“くろきん”こと黒木くんの演奏の吹き替えをしていたN響オーボエ奏者の池田昭子さんが登場して、モーツアルトのオーボエ協奏曲。ドラマで聴いていた歌声、音色を直接聴いているっていうのは、なんとも贅沢なことだなぁと思いました。また、渡邉さんや池田さんと茂木さんが、楽器や声のことなどについてお話をする場面もあったりして、それもなかなか楽しめました
前半最後は、最初にマングースの着ぐるみを着ていたピアニストの須藤梨菜さんがドレスに着替えて登場、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と、アンコールでモーツァルトのきらきら星変奏曲。のだめの年齢や環境に近いピアニストを探していた茂木さんが、N響と共演された須藤さんを見て「この人だ!」とコンサートへの出演をお願いしたのだとか。茂木さんからの「お友達から“のだめ”みたいだとか言われませんか?」との質問に「自分では思わないけれど周りの人からは言われます」と答えていて、その自覚がなさそうなところが面白かったです。
後半はブラームスの交響曲第1番。今回のコンサート、ステージ奥のスクリーンに曲の解説や、その曲の出てくる「のだめ…」(漫画版)のシーンが映し出されるという趣向なんですけど、この曲のときは、なんだか「名曲アルバム」みたいでした。
で…何が良かったって、主題や特徴的な音が登場するときにタイミングよく解説が流れるところです。他のコンサートでも、配られるプログラムに色々と解説されていることが多いですが、解説されている部分がどこなのか、聴いているだけじゃ分かりにくかったりするんですよね…。それが、その部分が演奏されているときに「ここですよ!」って感じで出てくるので、すごく分かりやすくて納得できました。
そんなわけで、今までになくトークが面白く、曲も分かりやすく聴いて、面白い趣向がたくさんの、楽しいコンサートでした。
…アンコールにチャイコフスキーの弦楽のためのセレナーデの前に、拍手のことについて少しお話がありました。今回のコンサートは「のだめ…」を足がかりにクラシックを身近に楽しむという感じなので色々なことに寛容ですが、これから他のコンサートに足を運ぶ人が出てくるかもしれないということを考えると、必要なお話だったなぁという気がしました。
おまけ…
休憩時間にはオーボエ奏者の池田昭子さんに、最近発売されたアルバムのブックレットにサインしていただきました。
また、終演後には茂木大輔さんに、コンサートのパンフレットにサインしていただきました(本当は会場で購入した茂木さんのご本にしていただくつもりでしたが、せっかくなので…)。
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行かれたんですね~。よくぞ同じ日に2つも。私もりみっとさんと親しい間柄なら引っぱられて行ったかな?
「弦楽のための・・」は拍手はしないか、しても控えめに、ということでしたっけ?
投稿: kn | 2008年5月 7日 (水) 23時32分
>knさん
行ってしまいました…(笑)。
でも、コンサートの余韻を楽しむためには、オススメできないやり方ですね。
拍手は「弦楽…」の件ではなく、「ベト7」と「ブラ1」の途中で起こった拍手の件でした。茂木さんのコンサートでは良いけど、他ではちょっとね…という(上の記事、言葉足らずですみません)。
「弦楽…」の拍手はしない、もしくは控えめにというのは、初めて知りました。確かに…わーっと拍手したくなるような感じではないですよね、あの曲は…。
投稿: りみっと | 2008年5月 8日 (木) 01時33分
弦楽の・・は記憶違いかもしれません。
有名な何かの曲です。
曲の趣旨から言うと、と言うことだったので、レクイエムなのかもしれません。
投稿: kn | 2008年5月 8日 (木) 22時18分
>knさん
そうですか、有名な曲の…。
とても気になりますね。
確かにレクイエムだったら、拍手はちょっと…ですよね。
投稿: りみっと | 2008年5月 9日 (金) 00時40分