かざうた
GWに尺八奏者・藤原道山さん(と、マリンビストSINSKEさんの)ライブに行ってから、車で家で…とヘビーローテーションで聴いているアルバム。かなり良いです。
藤原道山
「かざうた」
1 月の鏡
2 はじまりの音
3 もらい泣き
4 かざうた
5 水の影
6 光
7 東風(こち)
8 四季
9 島唄
10 花
11 春告鳥
なんか…このアルバム、すごすぎる!
尺八の音が…清々しくて冴え冴えとして、ときには温かく朗らかで…ほんとに表情豊かで。癒されるというのもありますが、心躍る感じとか、胸に突き刺さるようだったりとか、ほんとに色々な感情を呼び起こされます。音楽に身も心も満たされる喜びを味わえました。
それから、プロデュースが一青窈さんなどの楽曲を手がける武部聡志さんということもあり、ポップス的な親しみやすさを持ち合わせていて、非常に耳に心地よく、聴きやすいアルバムじゃないかなぁと。
「月の鏡」「光」「四季」「春告鳥」は静かに、シンプルなアレンジで心の奥から豊かにしてくれるような感じ。とくに「光」の尺八だけがどこまでも清らかに響き渡る感じ、かなり好きです。
「はじまりの音」は朝イチで聴くのにぴったりなワクワク感があって、同じフレーズが何度も出てきますが、そのたびに変化がつけられていて、そんなところもなかなか楽しい。
そして「かざうた」は…今朝家を出るとき雨が降っていて、そんななかで聴いたら、とくに最初のピアノのところがこれまた雨にぴったりで。梅雨時や秋のしっとりした空気に合いそうだなぁなんて思いました。
「かざうた」と「花」はヴォーカル入りになってますが、人の声ってやっぱり微妙なニュアンスとかを伝えるのにすごく向いてるなと改めて感じますが、道山さんの尺八の音色が同じメロディをどんな風に表現しているのかな?というのを聴くのもまた、興味深いです。
「島唄」「もらい泣き」という一般によく知られたこの曲たちも、歌声が入っていないからといって寂しさなんてまったく感じない、尺八の音色を聴くだけでもおなかいっぱいの気分になってきます。
あとすごくカッコイイのが「東風(こち)」。ノリが良くて、聴いてて楽しい曲。この曲と「もらい泣き」辺りは、なんというか…ひとつの楽器をコレだけ自由自在に操ることができたら、さぞかし気持ち良いんだろうなぁ…と思いました。
最近は道山さんのブログをチェックするのが日課みたいになっているんですけども。この間は過去の記事までずーっと遡って読んでいったら、「東風」はライブでは色々なバージョンで演奏されてきたということが書かれていて。きっとライブで共演する楽器だったり、その楽器を演奏する人によって少しずつ違いがあったんだろうな、と思ったりしました。この間のまつもと市民芸術館でのライブ、ホールのHPで事前に発表された演奏予定の曲にはこの曲が入っていて。実際には演奏されなかったわけですけど…もしかして、マリンバと演奏するバージョンっていうのもアリだったんでしょうか。だとしたら、それはそれで聴いてみたかった気がします。…でもまぁライブで聴いた曲はどれもこれも素晴らしかったので、それはそれで満足っていうか…(どっちだ)。
で…私、実はこの間のライブとか、その前の日に参加したワークショップをきっかけに、自分でも尺八をどーしてもやってみたくなりまして。近所の楽器店で紹介して頂いた尺八の先生にお会いして、本当に尺八をはじめることになりました。ここまでちゃんと行動に移したのは、たぶん最近にはあまりなかったことです。
というわけで、いま我が家には先生からお借りした尺八があります。とりあえず、音を出せるようになったらお稽古が始まる予定なので、その、音の出る息の出し方だったり体の感覚を今は掴めるよう、自主練習中です。
…で、何が言いたいかというと。
今まで、きれいだなぁとかカッコイイなぁとか、ただただ聴いているだけだったのが、自分で音を出す努力をするようになってから道山さんの演奏する尺八の音を聴くと、その音色だとか色々が、どれだけすごいことなのか…というのを肌で感じているここ数日で、どうしてこんなすごい音が出るんだろう?と…驚きと尊敬、感動でいっぱいになっています。
「ほんっとにちょっとですけど、尺八吹けるんですよー」というレベルでいいから、人に言えるくらいにはなりたい、それが今の私の目標です(笑)。
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