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2008年10月18日 (土)

クラシックミステリー『名曲探偵アマデウス』事件ファイル♯17リスト パガニーニ大練習曲「ラ・カンパネラ」~喋りすぎる男~

Amadeus今回は…噛んだら大変、の難事件…だそうです。


クラシックミステリー『名曲探偵アマデウス』
事件ファイル♯17
リスト パガニーニ大練習曲「ラ・カンパネラ」~喋りすぎる男~

「この曲には喋りの秘伝が隠されているはずなんです。それを教えてください…。
何としても、もう一度スポーツ実況をやりたいんです。お願いします、探偵さん!」
名バイオリスト・パガニーニ作曲のバイオリン協奏曲第2番「ラ・カンパネラ」のメロディーをもとにして作曲されたと言われる、天才ピアニスト・リストによって1851年に作り上げられた名曲。
高音が絶えずきれいに鳴り響く「ラ・カンパネラ」。本家本元をはるかにしのいだと言われるこの曲の秘密に名曲探偵が迫ります!

依頼人は…部屋に入る前からすでに喋っているアナウンサーの男性。結構うるさい…(笑)。上司にスポーツ実況から降ろされてしまった彼は、スポーツ実況の神様と呼ばれる先輩アナウンサーが聴いている曲をこっそり覗いてみたのだとか。覗きはいけませんよ、覗きは…。
それはともかく、その先輩が聴いていたのはリストの「ラ・カンパネラ」。そこにどんな秘密があるのか…天出が推理することに。

イタリア語で“鐘の音”を意味する「ラ・カンパネラ」。よく耳にするものが第3稿で、それ以前のものがあるのは、実は知りませんでした。21歳のときの第1稿と、28歳のときの第2稿。第3稿もあわせて、ピアニスト・小山実稚恵さんの演奏とお話を聴きました。それにしても…あぁ…珍しい演奏だったので録画しておけば良かったです。また再放送があるといいなぁと思います。

天才ピアニストとして有名になったリストが、同じく天才と言われたヴァイオリニスト・パガニーニの作品に感銘を受け、ピアノ曲に編曲したと言われているこの曲。
第1稿は「さあ聴いてくれ!」と言わんばかりの見るからに(いえ“聴くからに”?)難解な曲ですね…。個人的には…なんか凄いんだろうけどよく分からないみたいな感じ…でしょうか。すごく若い頃の、演奏家としてバリバリ活躍しているときだからこそ良かったのかも。
第2稿は、そんな演奏家としての自分に意味を見出せなくなり、作曲家への転身を考え始めた頃のもの。第1稿に比べると第3稿に近くて、鐘の音の切々としたところが感じられます。第1稿に見られた超絶技巧の部分をそぎ落としたようなんですが、やりすぎというか…多少…スカスカした感じもしましたね。
そして大作曲家への転身を遂げた頃に書かれた第3稿。第1稿のようなこれ見よがしではなく、さり気なく超絶技巧を駆使し、鐘の音を聴く人の心に響かせる工夫を凝らしています。特に…演奏する人の心にまで魔法をかける“同音異名”。印象的なレ♯は、第3稿ではミ♭でした。違う言い方をしていますが、実は同じ音。しかし感じ方(印象)が違うことで演奏にも影響があるのだとか。
この3段階を追ってみると、リストの作曲家としての成長がはっきりと分かって面白かったです。演奏家として活躍していた頃の「自分が自分が」とか「さぁ聴け!」みたいなところから人の心に響かせようとする、その効果的な方法を編み出していくまで…。すごく興味深かったです。

…こんなところから天出は、依頼人の先輩が実況の前に「ラ・カンパネラ」を聴いている訳を、自分を押し付けるのではなく人の心に訴えるように喋ることを心がけるためではないか、と推理します。
何気なく、さらりと聞き流している部分にとんでもない超絶技巧が隠されている…そんなことを想像するのも楽しいですね…。



天出臼夫…筧利夫
響カノン…黒川芽以
大下貞夫…鈴木浩平

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