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2008年12月23日 (火)

映画『乱』onTV(没後10年黒澤明特集より)

テレビで放送された映画のレビューは久しぶりです。


映画『乱』
(NHK-BS2「没後10年黒澤明特集」より)

戦国時代を生き抜き、三つの城を抱える領土を持つ一文字秀虎(仲代達矢)は、ある日突然三人の息子たちに家督を譲り自らは隠遁することを宣言します。お互いに助け合いながら一族を繁栄させるようにと説く秀虎。しかし「息子たちが助け合うことなどは考えられない」と父親思いの三男・三郎(隆大介)の諌める言葉に腹を立て、彼と、その意見に加勢した重臣・平山丹後(加藤武)を追放してしまいます。
しかし、残りの太郎(寺尾聰)、次郎(根津甚八)に対する秀虎の期待は、間もなく裏切られることになり…。


よく舞台を観に行っている野村萬斎さんがまだ十代の頃に出演された作品ということで、数年前にもいちど見ているんですが…今回の方が色々と考えさせられることが多かったというか、何というか。
主人公である秀虎が、本当に自分のことを考えてくれる息子やその家来を遠ざけ、上辺では取り繕いながらも父のことを思いやりもしない息子たちに家督を譲ってしまう…そんな様子が、愚か過ぎるなぁと。またその息子たちも後々、父を蔑ろにした報いを受けることになるわけですが…仕方ないですよね。
太郎の妻・楓(原田美枝子)と次郎の妻・お末(宮崎美子)はともに、かつて秀虎に攻め落とされた城のお姫さまだったんですよね…。楓のように一族を殺された恨みを以て仇の一族を滅ぼそうとする、その気持ちは分からないでもありません。原田美枝子さんの演じる姿は美しく、そして恐ろしかったです…。
さて…私が好きな萬斎さんは、後半に登場します。宮崎美子さん演じるお末の弟で、城を攻め落とされた際、秀虎に目を潰された鶴丸という少年の役。目が見えない役なので、顔は鼻から下しか映りません。が…その立ち居振る舞いがもうすでに今の萬斎さんを彷彿とさせます。声はやはり、若々しかったです。

映画本編が放送される前、秀虎役の仲代達矢さんが『乱』をはじめとした黒澤作品について語ったVTRを放送していました。黒澤さんに「今日は調子悪いから撮影やめ!」と言われて、数時間かかった特殊メイクを、ワンシーンも撮影しないまま剥がした話とか…語り口が面白いのもあって、何度も笑ってしまいました。
それにしても仲代さん、もう70歳を超えているはずですが、『乱』で50代の頃に特殊メイクで皺を施したときのお顔よりも、ずっと皺も少なくツヤツヤでお若かったです。

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