映画『チェンジリング』
2009年、映画館で観る13作目はこちら。
映画『チェンジリング』
1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン。しかしある日、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごすことに。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞いたクリスティンは念願の再会を果たすのでしたが、彼女の前に現れたのは最愛のウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年で…。
1920年代のアメリカで実際に起こった連続少年誘拐事件(ゴードン・ノースコット事件)がモチーフになっていて、登場人物はみな実在の人物なのだそう。
最初にあらすじを知ったときは、なんだか不思議な…というか奇妙な物語なのかと思いましたが、汚職や暴力などで腐敗し批判の的だったロス市警が、更なる厄介ごとを嫌い自らのミスを隠蔽しようとしたことが、クリスティンというひとりの女性の運命を大きく変化させることになった、そういう社会悪のようなものが描かれた物語だということが分かりました。
警察官や医者など、ミスをしたとき「ごめんなさい」で簡単に済まない職業はありますが、それでも、ミスをすることそのものよりも、そのときにどうするかということのほうが実は大事なのではないでしょうか。この物語のように、隠蔽し、自分に都合の悪い事実には目をつぶり耳を貸さないこと、それがいちばんの“悪”で、人を不幸にする…ということを考えさせられます。
クリスティンを演じるアンジェリーナ・ジョリーは、私の中ではなぜかアクション映画に出ているイメージが強かったので、こういう役柄は少し意外でしたが、息子を取り戻したい気持ちで警察と対峙し、決して折れないその信念の強さをひしひしと感じさせる演技でした。
それだけではなく、登場する人物すべてがそれぞれに魅力や、思わず大嫌いになってしまいそうなほどの憎らしさを感じさせられて、真相を知りたい気持ちとともに、その物語の世界に引き込まれました。この辺り、物語運びの巧みさや、人の心の機微をよく捉えている部分を感じました。
余談ですが、物語の後半に「今年のアカデミー賞は…」という登場人物同士のやり取りがあって、つい最近、今年のアカデミー賞が発表になったばかりだったので、物語とは全く関係のないところでドキッとしてしまいました。
(キャスト)アンジェリーナ・ジョリー/ジョン・マルコヴィッチ/ジェフリー・ドノヴァン/コルム・フィオール/ジェイソン・バトラー・ハーナー/エイミー・ライアン/マイケル・ケリー ほか
(公式HP)http://changeling.jp/
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