「ANJIN イングリッシュサムライ」in銀河劇場
今年出かけたお芝居のラストはこちら。
古武道のライブ(詳しくは前の日の記事でどうぞ。)に出かけるため東京へ行ったついでに、最近お気に入りの尺八奏者・藤原道山さんが音楽を手がけられたということで気になっていた作品を観ることにしました。
「ANJIN イングリッシュサムライ」
銀河劇場にて
2009年12月26日12:30開演
エリザベス女王の時代。オランダ商人たちと航海に出たイギリス人船乗りのウィリアム・アダムスは、嵐に遭遇し日本に漂着。イエズス会の注進によって最初は海賊と疑われ処刑されそうになりますが、自国とスペインの戦争について率直に語るウィリアムは家康に気に入られます。
帰国を望むウィリアムを家康はあの手この手で引きとめようとし、外国との交渉で通訳を任せ、ついには三浦按針という日本名に加え領地までも与えます。
ウィリアムが日本に来て間もないころから通訳を務めた日本の武家出身のキリシタン・ドミニコの影響で日本文化を学び、日本人の妻を娶り子をもうけたウィリアム。心の底では帰国を望みながらも、あきらめつつありました。
そんな折、イギリスからの船が日本にやってきて、家康はウィリアムに帰国を命じます。豊臣と徳川の最後の決戦のときが迫るなか、ウィリアム、そして彼のもとで布教活動をしていたドミニコの運命は大きく動こうとしていて…。
この作品をどうしても見てみたい!と思ったのは、家康を演じる市村正親さんがテレビでこの作品のことやお芝居全般のことについてお話されているのを見て、久しぶりに生で市村さんのお芝居を見たくなってしまったから、というのが本当のところだったり。
私が市村さんを前に見たのは、「スウィーニー・トッド」の松本公演のとき。そのときに感じた役者さんとしてのもの凄いオーラを今回も感じさせてくれて、ウィリアムに帰国を命じる場面や、戦のない世を作るために幼い国松(秀頼の子)に死罪を命じる場面、最期のときが迫る自分を訪ねてきたウィリアムとの言葉を交わす場面・・・、権力の座に就いているが故の孤独などを感じさせられて、何度も何度もその演技に引き込まれました。
また通訳のドミニコを演じるのは藤原竜也くん。彼を生で見たのは初めてでしたが、いや、もうカッコ良すぎですね!宣教師のガウン姿も、広範になっての武士の姿も、どちらも素敵でした。かなり前の列だったので(そのぶん字幕が見辛く難儀しましたが)、間近で見るとその爽やかさやたまに見せる弾けた演技や、自分の信仰する教えと戦で手柄をあげたいという思いとの間で葛藤する姿に目を奪われました。
そして、この作品に最初に興味を持ったきっかけ、藤原道山さんの手がけられた音楽。日本語と英語が飛び交い、字幕も見なくてはいけないので、なかなか音楽を集中して聴く、というわけには行かなかったのですが、登場人物のもつ心象風景や、日本の美しさや魅力を感じさせてくれる音楽が素敵でした。
さて。今年も色々とお芝居を見ましたが、ほかの予定との兼ね合いであきらめた作品も結構あり、残念な思いもあります。とくに、コクーン歌舞伎の「桜姫」と、萬斎さん主演の「国盗人」の再演。これを逃してしまったのは、まぁ仕方がないことですが残念でした。
来年も、良いお芝居にたくさん出会えるといいなぁと思います。
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