エドワード・ボンドの「リア」inまつもと市民芸術館実験劇場(アフタートークあり)
この週末、お芝居を見てきました。
エドワード・ボンドの「リア」
まつもと市民芸術館実験劇場にて
2009年12月18日(金)19:00開演(アフタートーク付)
ブリテン王リアは、領土を敵から守り自由を得るために、長年にわたって人民に壁を築かせていますが、なかなか完成しません。それは農民たちがこっそり壁を崩しているからでした。さらにリアは、残虐な企みに走る2人の娘、ボディストフォンタネルと、この壁をめぐって対立し、国を追われてしまいます。
国を追われたリアを助けた墓掘りの息子は、リアをかくまったため兵士に殺され、亡霊となってリアの前に現れ、2人は父と子のように寄り添うようになります。一方、墓掘りの息子の妻コーディリアは、革命派のリーダーとなり、やがて勝利し権力の座へ就き、リアやその娘を捕え、裁判にかけます。
リアはかつての自分の過ちを悟り、壁を壊しはじめるのですが、その壁はコーディリアが築き始め…。
なんというかその…重たくて難解なお話でした…。
難解ですべては理解できないところもありましたが、墓掘りの妻であるコーディリアが革命派のリーダーとなり、やがて権力の座に就く…という、その、彼女のたどる人生が、人のいい夫がリアをかくまったために殺されたことに始まっているのを思うと、なんだか切なく、やりきれない気持ちになりました。
権力がリアからリアの娘たち(とその夫たち)へ、そしてコーディリア率いる革命派へ…と移り変わり、良い国にするための理想を持っていたはずの人々も、権力の座につくと、結局同じことを繰り返すことになっていく、という展開には、今年の政権交代をどこかで思い浮かべて、このお芝居のようになりませんように…と願わずにはいられませんでしたが、さてどうなることでしょう。
また今回、この串田さんと白井さんのシリーズ、第4弾にして初めて、アフタートークを聞くことができました。ここでは、リアを演じた串田さんと、演出をされた白井さんのお話はもちろん興味深かったですが、客席から感想や質問を受け付けていたときの、お客さんたちの声。共感する部分もたくさんあって、かなり聞き入ってしまいました。
楽しくて愉快で、笑ったり心が浮き立つようなお芝居も好きですが、こうして様々なことを考えさせてくれるお芝居も、ときには必要だなぁと思います。
(出演)串田和美/緒川たまき/久世星佳/村岡希美/水橋研二/あさひ7オユキ/真那胡敬二/藤井びん/原金太郎/内田紳一郎/三松明人/草光純太/大橋智和/弓削智久/斉藤悠
(演出)白井晃
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