第七回塩尻能inレザンホール
一年おきに行われる能と狂言の催しに出かけてきました。
第七回塩尻能
2010年6月19日(土)13:00開演
仕舞 竹生島(ちくぶじま) 鵜沢光
岩船(いわふね) 浅見慈一
能 巴(ともえ)
前シテ 里女/後シテ 巴御前の亡霊 鵜沢久
ワキ 旅僧 宝生欣哉
間 里人 高野和憲
[お話]木曽から都へ旅をする僧が、近江国の粟津が原で出会った里女。琵琶湖近くの小さな社の前で涙を流す彼女は、僧が木曽から来たことを知ると、この社が源義仲を祀ったものであると語り、姿を消します。僧は近くに住む人に巴御前の話を聞き、さっき会ったあの女はその亡霊だったのだと思い、弔いのため度胸を始めます。するとそこへ、甲冑姿の巴御前が現れ…。
狂言 二人大名(ふたりだいみょう)
シテ 通行人 野村万作
アド 大名 高野和憲
小アド 大名 深田博治
[お話]野遊びに来た二人の大名が、通りかかった男を無理やり説き伏せ、刀を持たせる供をさせることに。しかし大名の横暴な態度に腹を立てた男は刀を抜き、次々に持ち物を奪うと、さらに大名たちに物真似をするよう言いだして…。
能 鞍馬天狗(くらまてんぐ)
前シテ 山伏/後シテ 大天狗 観世銕之丞
子方 牛若丸 伊藤嘉寿
ワキ 鞍馬山東谷の僧 宝生閑
ワキツレ 従僧 宝生欣哉/宝生朝哉
間 能力 野村万作
間 木の葉天狗 深田博治
[お話]鞍馬山の東谷の僧が平家の稚児たちを連れて花見にやってきたところへ、山伏が分け入ってきます。僧が稚児たちとともに去っていくと、あとにひとり残った稚児が。その稚児は源義朝の子で名は牛若丸。平家の出の稚児たちのなかで自分は不本意なことが多いと語る牛若丸と山伏は桜の名所めぐりをします。感謝する牛若丸が山伏に名を尋ねると、自分は鞍馬山の大天狗だと言い残し、平家討伐の兵法を教えようと再会の約束をして去っていきます。そして翌日、牛若丸が稽古をしていると…。
何だか…前半の能「巴」の辺りでどうにもこうにも身体が重くて。中盤辺りはとくに、耳だけでかろうじて台詞を拾っている感じだったでしょうか…。間狂言で高野さんが出られていたのに、その姿を満足に見ることもできませんでした…最前列だったのに、なんて勿体ない(爆)。ただ、終盤、粟津が原での戦いと義仲の最期の壮絶さ、巴御前の女武者としての戦いの勇ましさ、そして、義仲と運命を共にすることを義仲から許されず形見を託され、一人故郷へ落ちていく巴御前の切なさには思わず見入ってしまいました。
そして続いては狂言「二人大名」。無理やり刀を持たせる供にした男に逆に脅されて可笑しなことになってしまう…という筋書きは、先月長野で見た「昆布売」とほとんど一緒ですが、とくにこちらの「二人大名」での見どころは、身ぐるみはがされた大名二人が刀と着物を返して欲しいがために行う物真似。そのなかでも“起き上がり小帽子”の真似は、舞台の上をコロリと転がって起き上がる様子が何とも面白くて、演じる側は結構ハードだろうなぁと思いつつも、楽しませてもらいました。
休憩をはさんで、もうひとつの能「鞍馬天狗」。周りから何かと避けられてしまう山伏(じつは天狗)と牛若丸が一緒に花見をし、心を通わせる様子には心を打たれるものがありました。そして、山伏が天狗であることを明かして去っていくときのスピード感のある身のこなし、そして天狗として再び姿を現してからのどこか不思議な雰囲気を漂わせる様子…、なかなか面白かったです。
…今回、いつも出演されている萬斎さんはいらっしゃいませんでしたが、それでも、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
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