大河ドラマ『龍馬伝』第34回「侍、長次郎」
今回は、長次郎の最期。
大河ドラマ『龍馬伝』
第34回「侍、長次郎」
ユニオン号を下関に運んだ龍馬たちですが、船の運航は亀山社中が行い、社中や薩摩藩が自由に使えるという約束を近藤長次郎と井上聞多がしていたことが問題になり、薩長を結びつけることを優先するため、龍馬は、船の管理は長州がすることで話をまとめます。社中の生活費用をやりくりしてきた長次郎は、社中が動かせる船を持ちたいと思ってしたことでした。しかし社中のメンバーには私欲に走ったと責められてしまい、社中での居場所がないと思った長次郎は、グラバーからイギリスへの留学を勧められ密航を決心しますが、その晩、海が荒れ船は出港できず。密航の情報が奉行所に入り社中に調べが入ることに。桂とともに西郷のまつ京へ向かおうとしていた龍馬に、長次郎が奉行所に追われているという知らせが届き、桂を先に京へ向かわせ長崎へ向かった龍馬ですが、追い詰められた長次郎は…。
うーん…、なんだかやり切れないというか、なんというか。
亀山社中が船を自由に使えるという約束を取り付けたというのは、やっぱり、長州にしてみれば納得のいかない部分が多いし、社中の台所事情を知りつくしていたからとはいえ、焦ってしまった感じがして、よろしくない感じはしました。が、しかし。みんなで白袴をそろえたり、記念撮影したり、それにかすていらを作るための費用。こういうことにどんどんお金が出て行って、私利私欲に走らないとか、武士は食わねど高楊枝などと言っていてはやっていけないという、長次郎がもとは商人だったからこその考え方に共感する部分もあります。だからこそ、社中での居場所を失くしたように感じて、いつかは…と思い始めていたイギリスへの密航に踏み切った結果、腹を切ることになってしまったのは、新しい時代に向かって、高い志を持ち、現実的な考え方も出来る長次郎のような人は絶対に必要だったに違いなく、この先もっと力を発揮する場面もあったはずなのに、と思うととても残念です。
さて、次回はいよいよ薩長同盟。舞台はまた京に戻り、新撰組はもちろん、後藤象二郎から薩摩の動きを探るため京へ行くよう命じられた弥太郎も登場するということで、なんだか派手な回になりそうです。
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心意気を重視する武士と、現実と向き合う商人の、価値観の違いのようなものを見る思いでした。
「武士は食わねど~」という考え方も無駄ではありませんが、現実にそれを続けて生きながらえることはできませんし、かといって現実問題を担ぎ出しても武士の理解を得るのは難しかったのではないでしょうか。
「にせ侍」とまで言われた長次郎さんにとって切腹は、自分が真の侍になったことを証明する唯一の方法だったのかもしれませんね。
投稿: あんず | 2010年8月28日 (土) 07時39分
>あんずさん
武士と商人、歴然とした身分制度のなかでは、物事の考え方だったり価値観にも大きな壁が存在していたんだなぁということを、改めて感じさせられた回でした。
龍馬は責任を取る=切腹という考え方を歓迎しない向きが結構ありますが、長次郎にとっては、自分が侍なんだということの最大のアピールでもあったのかもしれませんね。
投稿: りみっと | 2010年9月 8日 (水) 23時44分