映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』
2011年、映画館で観る13作目はこちら。
映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』
2500年前のインドに、世界の王になると予言されたひとりの男の子が誕生。それはシャカ国の王子・シッダールタ。思春期を迎えたシッダールタは、身分の低い人々と交わるなかで厳しい階級制度に次第に疑問を抱くように。そんななか、強大なコーサラ国がシャカ国へ攻め入り激しい戦争が始まります。コーサラ軍の指揮を執るのはブダイ将軍の息子・チャプラ。彼は奴隷出身であることを隠してのし上がった男。シッダールタとチャプラ、戦場での出会いが変える互いの運命とは…。
今、ちょうど原作の「ブッダ」のかなり終盤を読んでいるところですが、この映画の中に出てくるのはかなり最初の方な感じなので、原作を思い出しながら見ました。
まぁなんというか、戦場でシッダールタとチャプラが出会うのはたしか原作にはなくて、そういうかなり大きな違いはありますが、重要(らしい)と思われるエピソードはかなり盛り込まれていました。原作「ブッダ」のエッセンス版という感じもありますが、抽出しすぎで分かりにくいというか、雰囲気でサラッと見れば気にならなくても、突き詰めると「今のどういうこと?」と首をかしげる所もありそうです。
ただ、これをきっかけに原作を読んだり、さらにブッダのことについて違う本を読んだりするとか、知識を深めたり、色々なことに思いを巡らせるきっかけになるのなら良いかなとも思います。そういう私自身も、映画の予習と思って読み始めた原作がなかなか興味深くて、良い作品に出会ったなと思っています。
さて。この映画は、尺八の演奏で大好きな道山さんが参加されているということで知りましたが、堺雅人さんや吉岡秀隆さんなど、気になる俳優さんたちが声の出演をされているということでも注目していました。とくにチャプラ役の堺さんの声というか役の作り方がすごく良かった気がしました。奴隷の身分からのし上がっていく、その強かさや内に秘めた思いみたいなものが感じられました。
そうそう。道山さんの尺八の音色は、大島ミチルさんによる音楽にしっかり溶け込んでいながら、私にとっては、心をとらえて離さないなにか大きな引力を持っていて、思わず聴き入ってしまいました。
物語は、シッダールタ(後のブッダ)が、自分の求めるものを探して歩み出すほんの最初の部分で終わってしまいます。三部作として制作されるような構想だそうなので、次回があるのならまた見たいですね。
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