伝統芸能の今2012in身曾岐神社能楽殿
小渕沢へ行ってきました。
伝統芸能の今2012
2012年9月2日(日)17:30開演
身曾岐神社能楽殿
新作狂言 源平争乱「六道の辻」
平忠度:茂山逸平、源義平:片岡愛之助、閻魔大王:市川猿之助
囃子:田中傅次郎、尺八:藤原道山
座談会
市川猿之助、片岡愛之助、茂山逸平、田中傅次郎、藤原道山
創作 「龍神」
立方:市川猿之助、囃子:田中傅次郎、尺八:藤原道山
出かける前から雨が心配だなあという天気予報だったのですが、その割には山梨方面へ向かう時は晴れ間も見えて、このまま大丈夫なんじゃないか…と思ったのですが、会場である身曾岐神社へ到着し、自分の席を探してウロウロしているときに雨が降り始めてあっという間に雨足が強くなりました。
うっかり者の私は傘しか持って行かなかったので、とりあえず傘を差しながら座席に座っていて、せめてこんな大きな傘じゃなくて折り畳みにすればよかった、とか、どうして途中のコンビニに寄ってレインコートを買わなかったんだ、とか色々考えていたのですが、有難いことに無料のビニール合羽が配られ、それを着ることができてひと安心でした。屋外での公演に慣れていないので準備が足らなかったのを反省。使い捨てじゃないレインコートを今度探しに行こうと思います。
…それはさておき。開演時刻が15分遅れたものの、なんとか雨も小止みになって公演スタート。
茂山逸平さんが台本を書かれたという「六道の辻」は、逸平さん演じる平忠度(清盛の弟)と、愛之助さん演じる源義平(義朝の長男)が死後に六道の辻で猿之助さん演じる閻魔大王と出会うお話で、お金の力を使ってでも極楽へ行きたい忠度のちょっと情けなくコミカルな様子が可笑しく、極楽にいるという清盛を討ち取りたい一心で修羅道から抜け出してきた義平は颯爽としてかっこ良く(でも死人の首を落とすとか言ってるところがよく考えると可笑しい)、閻魔大王は怖そうで威厳もあるのに忠度や義平に振り回され気味でドタバタするところが楽しく、それぞれのキャラクターがみんな魅力的で楽しい作品でした。そして、道山さんの尺八と傅次郎さんのお囃子がまた、情景を思い浮かべられるような旋律や台詞の掛け合いに面白さが加わるような効果音的なものを聴くことができて、とても楽しかったです。
後半は、猿之助さんが立役の「龍神」。初めに道山さんの尺八の音色が能楽殿の辺りに響き渡り、その柔らかく澄んだ音色に、屋外なので木々のざわめきや虫の音が合わさって、なんとも言えない心地よい雰囲気になり、そこに登場された猿之助さんの舞う姿からオーラを感じて、すぐそこに異世界が見えているような…とても現実離れしたような感覚になりました。
「六道の辻」と「龍神」の間には、出演者の方たちによる座談会がありました。この公演はチャリティ企画ということで、小児がんの子どもやその家族を支える活動をしている団体や、発展途上国でのワクチン接種の活動をしている団体への募金活動を行っているというお話があり、また、昨年の震災のあとのことも話題になりましたが、自分にできることってなんだろう…と思いながら、何もできなかったりしますが、自分の出来る範囲での募金とか、あとは被災していないからこそ、節電などは心がけながらもなるべく今まで通り生活して、楽しむところは楽しんでいよう、と思っていますが、好きなお芝居を観に行ったり音楽を聴きに行ったりというのも私のなかでは大きな要素なので、そういうなかで少しでも誰かのお役にたてるとしたら、それは一石二鳥という感じでとても有難いです。
猿之助さんは、大河ドラマの撮影でたくさん山梨にいらっしゃっていたこともあって、またここで公演したいとお話されていて、私は長野県民ですが住んでいるところがとても山梨よりなので、また来ていただけると気軽に出かけられるので是非来年もお願いしたいですね…!
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コメント
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雨で大変でしたね。
でも会はとても魅力的でしたね~。いいですね~。
私は猿之助さんの舞踊が好きなので観てみたいです。
手の関節がとても柔軟で無駄のないストイックな体格で、思わず一緒に踊りたくなるような間合いを持ってるすごい人だな~と思ってます。
龍神様が元気で雨が降ったのかななんて想像しました。
舞台を想像で楽しませていただいてありがとうございます。
投稿: ななお | 2012年9月 5日 (水) 22時30分
>ななおさん
たしかに雨はちょっと災難でしたが、公演自体はとても素晴らしく楽しい会でした♪
…そうそう、もしかしたら龍神さまがやってきていたのかもしれませんね(笑)。
私は舞踊のことはあまり良く分からないのですが、猿之助さんは人を惹きつけてやまない
もの凄いオーラを持った方ですよね…!
今回、間近で拝見してそれをひしひしと感じることができましたよ。
投稿: れみ | 2012年9月 9日 (日) 21時57分