第59回野村狂言座in宝生能楽堂
久々に東京で萬斎さん。
第59回野村狂言座
2012年9月7日(金)18:45開演
宝生能楽堂
解説 野村萬斎
狂言「秀句傘(しゅうくがらかさ)」
大名:石田幸雄、太郎冠者:月崎晴夫、新参者:中村修一
狂言「縄綯(なわない)」
太郎冠者:野村万作、主:竹山悠樹、何某:深田博治
狂言「三人片輪(さんにんかたわ)」
博打打:野村萬斎、有徳人:岡聡史、博打打:深田博治、高野和憲
数年振りに訪れる会場だったので、少し迷子(?)になり…到着した時には萬斎さんが解説をされている途中でした…。が、なんとか半分くらいはそのお話を聞くことができました。7月に軽井沢で拝見した時の萬斎さんは「藪原検校」の公演が終わって間もなかったこともあり髪がとても短かったのですが、今回はそれから1ヶ月半ほど経っていたのでスポーツ刈りくらいの長さまで髪が伸びていました。とはいえ、普段よく目にする感じよりはずっとさっぱりしたヘアスタイルで見慣れない感じはありますが、結構似合っている気もします。
さて…、萬斎さんの解説に続いては「秀句傘」。真面目で洒落が理解できなくて、でもみんながそれを言い合って笑っていると、自分も!とやってみたくなったり、大名のそういう単純な性格のところがとにかく憎めなくて、なんとも微笑ましかったです。石田さんがこういう役を演じられるのを見るの、わりと好きです。
引き続き、「縄綯」。博奕事好きの主人に借金のかたで、何某の家に行かされた太郎冠者は怒ってしまい、仕事を言いつけられても何もしようとせず、困った何某は、主人のところへ苦情を言いに行くと、主人は太郎冠者の仕事ぶりを見せるために一旦太郎冠者を引き取りことにし、太郎冠者は主人に何某の家の悪口を言い始めます。主従関係があるからこういうこともありえるのかもしれませんが、きっと日ごろから博奕が好きなのに勝ったためしのない主人を仕方のない人だなあと思っていたであろうところにこの仕打ち。怒るのは当然かも。でも後半は調子に乗り過ぎですけどね。…狂言の良いところは、こうやって登場人物のことが身近に居そうなキャラクターが多くて親しみやすく感じられるところでしょうか。
2曲とも楽しかったのですが、なぜか会場内がとても暑く意識が飛びそうになった時がたまにあり、少し辛くて…休憩が待ち遠しかったです(汗)。
休憩時間に少しリフレッシュできたところで、最後に「三人片輪」。あるお金持ち(有徳人)が体が不自由な人を雇い入れようと高札を掲げると、無一文になった博奕打が三人やってきて、それぞれに座頭、躄(いざり)、唖(おし)になりすまして雇い入れられることに成功。主人が出かけてしまった後、三人はそれぞれが知り合いだと分かり、酒蔵を開けて酒盛りを始め盛り上がって歌ったり踊ったりしているところに主人が帰ってきてしまいます。萬斎さんが演じるのは唖を騙る博奕打で、とても見どころの多い役で楽しいのですが、個人的には、深田さんと高野さん演じる他の博奕打二人も合わせて、この三人の掛け合いがすごく好きだなあという感じで、本当に楽しくていっぱい笑いました。
なぜ博奕が登場する曲がふたつだったんだろう…とか、色々不思議なことはありましたが、どの曲も楽しく、良い時間を過ごすことができました。
おまけ。会場である宝生能楽堂の近くにある讃岐うどんのお店をお友達から教えてもらったので、終演後に行ってみました。一人でも入りやすい雰囲気のお店で良かったです。うどんのコシがとても強く、つゆもとても美味しかったです。また行かれれば良いなと思います。
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