映画「終戦のエンペラー」
2013年、映画館で観る13作目はこちら。
映画「終戦のエンペラー」
第二次世界大戦終結後、マッカーサー元帥らGHQが上陸し、部下のフェラーズ准将はマッカーサーから“この戦争の真の意味での責任者を探す”という極秘調査を命じられる…というお話。
マッカーサーは日本の統治を円滑に進めるため、アメリカ政府の天皇を裁判にかけて処罰したいという意向に反し、天皇に戦争責任を問うことを回避しようとしています。まあこれは、マッカーサーが後に大統領選に挑戦しようと目論んでいるために、天皇に戦争責任を問い日本国民の反発によって内乱が起こり統治が上手く行かないと自分の今後にも影響するし困るから、という描かれ方ですが、そういう思惑があっての行動だとしても、やるべき仕事をきっちりやってやるぞという部分があるように感じられた気がします。ここ最近の、とにかく首謀者を捕まえて処刑しようみたいな…負の連鎖を生むしかないアメリカの戦争の仕方とどうしても比べながら見てしまったかも。
このお話の主人公はマッカーサーではなく調査を命じられたフェラーズですが、彼が日本人の恋人・アヤと戦争によって別れるしかなかった過去や、専属の通訳兼運転手として行動を共にする高橋とときにぶつかりながらも心が通じ合っている感じ(もしくは高橋の機転の利かせ方の絶妙さ)とか、上映時間はそれほど長くないのに、たくさんの心を動かされる場面に出会いました。同じように尊い命を持ち、家族や恋人や友人といった大切なものを持つ人間同士が互いに互いを奪い合う戦争の罪深さを考えされられ、見て良かったなあと思える作品でした。
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