いつまでもショパン
好きなシリーズの最新作。
中山七里
「いつまでもショパン」
舞台はポーランド、ワルシャワ。ショパン・コンクール開催中に市内ではテロ、会場では刑事が殺害される事件が発生する…というお話。
政治色の強い雰囲気で始まりながらコンクールの緊張感や音楽描写の相変わらずの素晴らしさに引き込まれて時折、爆弾犯<ピアニスト>の登場で事件に引き戻される感じ。
この犯人の正体に迫ろうとするのは、この作品にはコンクールの出場者として登場する、このシリーズの主人公・岬洋介。犯人を突き止めるその洞察力にはびっくりさせられますが、それはそれとして、このシリーズならではの音楽描写の凄さについつい惹きこまれます。とくに、岬先生の演奏する「ノクターン第2番」。曲名を見てメロディの思い浮かぶ数少ない曲のひとつということもありますが、演奏する本人の預かり知らないところで意外な出来事が起こったり、印象に残る場面でした。
また、シリーズ内の「さよならドビュッシー」と「おやすみラフマニノフ」に登場する人物が合間に登場する場面もあり、相変わらずな様子にふと笑ってしまったり温かい気持ちになったりもさせられました。
次に読むときは、物語のなかに登場する曲を聴きながら読めたら良いなと思います。
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