朝日のあたる家
久々のこの方。
丸山健二
「朝日のあたる家」
なにやら非常に寒く不自由な場所に置かれた主人公の「若者」。
その生い立ち、その不自由な場所に置かれるようになる経緯が、彼が当事者の裁判が行われたある一日の無味乾燥な法廷や面会室や彼が充てがわれている一室での出来事が描かれているなかにふと表れて、その過去の光景や彼の願望といったようなものが繰り広げられていきます。
そのめまぐるしく舞台が切り替わる展開についていくのが大変なところもありましたが、時系列に沿ってであったり、生い立ちの部分はまとめて描くというような構成でもそれなりに読ませる物語ではあると思うのですが、あえて混在させることによって、それぞれの場面が印象的に感じられる気がしたのと、人間の頭のなかって、実は脈絡なく色々なことを断片的に考えたりしているような気がするので、そういう部分を表現しているのかなあという気もしました。
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