ゴッホ展 東京都美術館
芸術鑑賞in上野。みっつめはこちら。
じつはこれが今回のメイン・イベント。
東京都美術館
ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
2017年10月24日(火)-2018年1月8日(月・祝)
色々な挫折を経験し画家を志したゴッホは、日本の浮世絵と出会い、その色彩に惹かれ南仏・アルルに居を移し、画家仲間たちとの共同での生活そして制作活動を夢見ました。そんなゴッホが浮世絵に影響を受けて生み出した作品などを展示。
浮世絵を模写したり、画面の真ん中を木の幹や枝が横切る構図を取り入れたり、そういう作品を浮世絵そのものと並べて展示している場面が多く、この日最初に見た「北斎とジャポニスム」展と共通した部分が多く、やっぱりこういうテーマだとこうなるよね…という感じはしましたが、どちらもそれぞれに、西洋の画家が浮世絵の持つ世界観に惹かれたことがよく感じられたなあと思います。
ゴッホは浮世絵を通して、色彩豊かで仲間同士が集まって絵画や植物の知識を究めようとする人々がいるところ、と思っていたようで、実際の日本をもし目にしたら、想像と違う部分が多すぎてショックを受けるだろうなあという気もします。ただ、ゴッホにとっては実際の日本がどういう国かは、実はあまり関係がなくて、行きたいと思ってもそう簡単に行くことができない場所だからこそ、自分の見る書物や作品から想像して夢を見ることができる、そういう対象が「日本」だったのかなあという気がしました。そして、そういうなかで生み出された作品を、今、日本人である私たちが観ることができるというのは、なんとも面白いなあと思いました。
生前は、あまり世間で大きく注目されることはなく、夢見た仲間との生活も上手く行かず、精神を病み、そして命を終えたゴッホ。「ポプラ林の中の二人」は、なにか静かに胸の内にこみ上げるものを感じながら観ました。
さて…ゴッホを観に行くぞ!と思い東京へ出かけましたが、ゴッホ展を合わせてみっつの美術館をハシゴし、芸術の秋を堪能した一日でした。
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