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2018年3月 7日 (水)

たゆえども沈まず

Tayutaedomoshizumazu

ずっと読みたかった本。

原田マハ
「たゆたえども沈まず」

1886年、パリ。
浮世絵を売りさばく一人の日本人、林忠正。その助手である加納重吉。二人が出会ったのは老舗画廊の支配人であるテオ、そしてその兄で売れない画家のフィンセント。
世間の人々がフィンセントの絵を理解できるようになるまで生きるには、フィンセントも、それを支えていたテオも繊細すぎたのかもしれません。印象派やジャポニスムで、今までにない新しいものへの「窓」が開いて、フィンセントの作品の魅力にたくさんの人が気づくまで、あともう少しだったのに。今私たちが代表作として思い浮かべる作品の数々がその不遇の時代ゆえに生まれたと思うと、なんとも複雑でたまらない気持ちになります。
そして…幼い頃に憧れの存在だった兄の、すさんだ生活や精神状態を見ていられず遠ざけたいと思ったり、次第に自分の家族を養うことに精一杯になったりするなかで、フィンセントの死の遠因を作ってしまったのではないかと苦悩するテオ。辛すぎる展開です…。
世間ではその作品の価値がまだ理解されないフィンセントと、日本の美術工芸品を海外に売りさばいたことを日本で責められ国賊扱いされてしまった林忠正。ふたりには、理解されないけれど自分のなかに表現したいものや確固たる信念を持っているところに共通点があって、テオや重吉には理解できないフィンセントの苦しみを忠正は感じている。こういう描き方、すごく好きだなあと思います。
実のところ、ファン・ゴッホ兄弟と林忠正に交流があったという記録はないし、このお話に出てくる忠正の助手でテオの友人だった重吉は架空の人物です。ですが、こういうことがあったんじゃないかと思わせるような感覚。マハさんのアートがテーマのお話は今までいくつも読んでいますが、昨年上野でゴッホ展で観た作品がたくさん登場したこともあって、様々な情景がリアルに思い浮かべられて、大変胸を打たれました。

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