軽井沢夏の宵の狂言
毎年恒例の、軽井沢へ♪
軽井沢夏の宵の狂言
2018年8月4日(土)18:00より
軽井沢大賀ホールにて
解説:高野和憲
狂言「八幡前(やわたのまえ)」聟:内藤連/舅:石田幸雄/太郎冠者:月崎晴夫/教え手:深田博治
狂言「仏師(ぶっし)」すっぱ:野村万作/田舎者:飯田豪
狂言「千鳥(ちどり)」太郎冠者:野村萬斎/主:中村修一/次郎冠者:高野和憲
まずは演目解説から。今回は高野さんの解説。10年くらい…いやもっと前かな、解説されるのにまだ慣れてらっしゃらなかった頃には、すごく初々しくお話されていた姿が印象的だった高野さんも、最近はすごく流暢な感じでお話されるなあ…と思ったり。
そして、ひとつめは「八幡前(やわたのまえ)」。石清水八幡宮の近くに住む長者が聟を募集していると知った若者が、我こそはと思い立つものの自分には秀でた芸がないので、付け焼刃で何とかしようと知り合いに頼む…というお話。付け焼刃で気に入られたとしても、後々絶対に困ったことになるだろうに…と呆れるばかりですが、若者のあまりの駄目さ加減に、万が一のときのために控えていた知り合いも嫌気がさし、匙を投げることに。意地が悪いとは思いつつ、ちょっとスッキリしました。
ところで…、この曲は今回初めて見たはずなのに、初めてな感じがしないなあ、実は前にも見たのか…?とモヤモヤしていたのですが、ふと、「萩大名」のことを思い出しました。モヤモヤが晴れて、これもスッキリです。
休憩をはさみ、ふたつめは「仏師(ぶっし)」。お堂を建てたばかりの田舎の人が、仏像を作ってくれる人をさがして都に来ると、すっぱ(いたずら者)が仏師を名乗り、仏像の代金をだまし取ろうとする…というお話。素朴で疑うことを知らない田舎の人が、すっぱの策略にまんまと騙されてしまうのか…と思いきや、仏像の姿に対する注文を次々に投げかけて、すっぱを慌てさせるところが面白いところ。仏像と仏師の一人二役であたふたするすっぱを演じるのは万作さん。すっぱは悪いことをしている人なのに、なんとも可愛らしく憎めない感じにも見えてきます。
そして最後は「千鳥(ちどり)」。主人から、明日の信じに必要な酒を手に入れるよう命じられた太郎冠者。しかし酒屋への支払いが滞っており、酒屋は酒を渡そうとはせず、太郎冠者は一計を案じる…というお話。太郎冠者を演じるのは萬斎さん、対する酒屋を演じるのは高野さん。太郎冠者が、代金の米を今運んでくるところだとか言い訳をしたり、歌やおどりで酒屋の気をそらしたり、色々な手を使って酒を持ち帰ろうとし、酒屋もそこは分かっていて太郎冠者の動きを制したり…、その駆け引きが面白くてたくさん笑いました。
今年はとても暑い夏ですが、軽井沢はちょっとだけ涼しく、そんな夏の夜に楽しい時間を過ごしました。
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