夢十夜(再読)
久しぶりに。
夏目漱石
「夢十夜」
「こんな夢を見た」から始まる十の夢のお話。
「100分de名著」で取り上げられていたので、2007年に映画になったときに読んで以来、本当に久しぶりの再読。
内容をほぼ忘れていたからというのもあって新たに読んだ感覚もありながら、…やっぱり不思議過ぎてモヤモヤとするものがありました。それは、自分自身が見る夢でも、なんだか不思議でありえない状況もあったりするので、そう考えれば、ああ分かる…というところもありますね…。
今回読んでみて、十のお話のなかでは、「もう死にます」という女性の枕元に座っている男が主人公の第一夜と、目の潰れた我が子をおぶって歩く男が主人公の第三夜、船旅をしているうちにそれが嫌になってしまう男が主人公の第七夜。この三つが好きだなあと感じました。特に第三夜は、怖いけど、というか怖いからこそなのかとても心惹かれ、お話の展開から目が離せませんでした。
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コメント
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今月の夏目漱石特集楽しいですね!
「夢十夜」好きです!
こわいけど、美しさもあり、感情のゆらぎもあり。
番組の第一夜の女性の演技はまだまだ死にそうになかったなと思っています。
「夢十夜」の映画「ユメ十夜」おもしろかったです。
「夢十夜」をモチーフにした黒澤明監督の「夢」も未来をちょっとだけ予想していたような興味深さがあります。
やはり夏目漱石、いろいろとこじらせてるけどユーモアに変換するところもあって楽しいです。
投稿: ななお | 2019年3月24日 (日) 18時36分
ななおさん◆
特集だと色々な作品が見られて楽しいですね。
「夢十夜」の回で女性の朗読があまり死にそうにないのは、「あまり死にそうには見えない」と主人公(?)が語っているのでそういう感じなのかな…と個人的には思います。あと、朗読なのと、この作品自体の世界観が独特すぎるので、あまり演技で世界観を演出しない感じにしたのかも…。
漱石は、色々厄介な人だったようですが、人を楽しませる小説を書きながら自分のスタイルを模索し、それをいくつもの作品で表現して見せることのできる、非凡な才能の持ち主だったんだろう…とあらためて感じました。
投稿: れみ | 2019年3月24日 (日) 21時27分