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おしらせ

  • 2007.1.23
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おさんぽクマさん春の庭

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2021年8月

2021年8月27日 (金)

刑務官が明かす死刑の話

Keimukangaakasushikeinoohanasi

死刑に立ち会った人のお話。

一之瀬はち
「刑務官が明かす死刑の話」

刑務所のなかのことを刑務官が語るというスタイルのエッセイマンガ。シリーズになっているものらしく、これは死刑について。
数年前に死刑執行される刑場が公開されたり、オウム真理教事件の死刑執行があったり、またそれ以外でも死刑制度の是非だったり、何かの折に考える機会がないわけではありませんが、執行する側、死刑囚に接する側という視点で考えたことはあまりなかったので、興味深く読みました。
今のところ、死刑がなければ国民感情として納得いかない部分も多い気かするのですが、「国際的に死刑は廃止の方向だから」というような、周りに合わせなければ…というような理由ではなく、自然に高まるような流れになるのであればそれもありなのかもしれない…とは思います

2021年8月24日 (火)

戦争は女の顔をしていない

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戦争のお話。

小梅けいと(原作:スヴェトラーナ・アレクシエ―ヴィチ/監修:速水螺旋人)
「戦争は女の顔をしていない」第1・2巻

第2次世界大戦に従軍したソ連の女性の証言を集めた“証言文学”のコミカライズ。
原作者のアレクシエ―ヴィチさんは500人以上の人にインタビューしたのだそうですが、その人数でも、まだまだ氷山の一角なんでしょうね…。
生活するなかであたりまえのものさえ手に入らないのに、国のために命を賭けて戦う。何とも言えない気持ちになります。
最前線で従軍していた方のお話、家族を送り出した方のお話、どちらも戦争の辛い面が分かり、どのような場所にいても戦争に人生が左右されていて。
やっぱり戦争なんてやるもんじゃないと思わずにはいられません。
そんなことを思う、終戦の日でした。

2021年8月20日 (金)

白い病

Shiroiyamai

パンデミックもの、ふたたび。

カレル・チャペック
「白い病」

戦争が迫るなか、未知の疫病が流行。そこに特効薬を発明したという町医者が現れる…というお話。
この町医者の、治療行為や薬、つまり命や健康を盾に条件を突きつけるという行為が良いことなのか?という疑問や、そういう状況でも戦争やりたいのか…という人間の業の深さなど、短い戯曲のなかで色々なことが心に過る作品でした。
それに、1937年に書かれたというこの戯曲が、あれ…これ今のコロナ禍を書いているのでは?と思わずにはいられない部分がたくさんあったことに驚かされました。

2021年8月17日 (火)

豆の上で眠る

Mamenouedenemuru

“本物”とは。

湊かなえ
「豆の上で眠る」

結衣子が小学一年生の時、小学三年生の姉・万佑子が行方不明になり二年後に帰ってきた、けれど帰ってきたのは見知らぬ少女だった…。
中盤くらいから「こういうことじゃないの?」という予想はだいたいできます。ですが…、主人公が全く疑いもしていないならともかく、帰ってきた姉に疑いを持っている主人公に対する周囲の人々の対応、とくにそれなりに分別のつく年齢になっても本当のことを話すということもなければ、姉が行方不明になった間に受けた心の傷のケアもしていないし、それに対する罪悪感も薄そうで。その酷さはもちろん、真実を知ったことで“本物”の姉も失ったのではないか…と思うと、主人公のことが気の毒になりました。

2021年8月12日 (木)

盤上の向日葵

Banjonohimawari1 Banjonohimawari2

将棋と将棋の駒に関わる人々の数奇な運命。

柚木裕子
「盤上の向日葵」

埼玉県の山中で発見された白骨遺体と将棋の駒の謎。そして異色の経歴を持つ天才棋士・上条桂介の生い立ち。
幼い頃に将棋と出会い大学進学で故郷を出て、真剣師の東明(とうみょう)と出会った佳介。
そして、死体遺棄事件を追う埼玉県警の佐野・石破。
ふたつの視点で進む物語を追いながらだいたいの筋は予想し、でも何か意外な事実もあるかもしれないな?という期待もしつつたどり着いた真相。
なんというか…、色んなものに苦しめられ続けた佳介が選ばざるを得なかった道がこれか…と思うと辛く切なくやるせなかったです。
ただ、あの駒が、ああいった出自のものではなかったら、警察が事件の真相にたどり着くのは難しかったのでは…とも感じました。
将棋は少し興味のあるジャンルでしたが、真剣師の存在は今回初めて知りました。
そして、羽生善治さんによるあとがきで、登場人物のモデルらしい人と幼い頃遭遇したというエピソードに驚きました。

2021年8月 6日 (金)

作家の秘められた人生

Sakkanohimeraretajinsei

秘密は明らかになったのか。

ギヨーム・ミュッソ
「作家の秘められた人生」

地中海に隠遁しているかつての人気作家フォウルズ。彼にコンタクトしようとする小説家志望のラファエルと新聞記者のマティルドが島に現れた頃、島で女性の惨殺死体が発見される事件が起こり、大きく事態は動く…というお話。
思った以上に登場人物同士の関係が濃く絡み合っていることや、様々な“真実”が明るみになっていくたびに、ページをめくる手が止まらなくなっていきました。
そして、フォウルズが実在の人物のようであり、でも“真実”は別にあるようにも思わせるエピローグでモヤッとする感じが、読み終わった後に何とも言えない余韻を残します。
初めて読む作家の方だけど、とても夢中になれる作品を読めて良かった。また何か読んでみたいと思いました。

2021年8月 3日 (火)

100分de名著「老い」

Oimeicho

2021年7月の課題。

100分de名著
ボーヴォワール「老い」
解説:上野千鶴子

NHK-Eテレ「100分de名著」のテキスト。
私にとっては「老い」はいつか来るものとは思いつつも、当事者感覚にはまだ遠い部分もあります。
上野千鶴子さんの解説のなかで、ご自身が40歳過ぎに新しいジャンルで研究を始めたことが書かれており、私自身が20代後半の頃「転職するなら30歳までにしないともう無理」と漠然と思っていたことを思い出し、ハッとさせられました。
40代50代でも、まあなかなか体や頭がついて行かないこともあるでしょうが、新しいことに挑戦することをあきらめなくてもいいのかもしれない…と少し勇気をもらう部分はありました。
反面、「老い」とどう向き合うか、それを周囲や多くの人にどう見せるか、または見せないのか、そういう面では、社会の概念にとらわれている部分もあるかもしれないけれど、その人や家族それぞれの考え方があり、「こうするべき」「こうあるべき」と決めるべきでもない、とも思いました。

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