豆の上で眠る
“本物”とは。
湊かなえ
「豆の上で眠る」
結衣子が小学一年生の時、小学三年生の姉・万佑子が行方不明になり二年後に帰ってきた、けれど帰ってきたのは見知らぬ少女だった…。
中盤くらいから「こういうことじゃないの?」という予想はだいたいできます。ですが…、主人公が全く疑いもしていないならともかく、帰ってきた姉に疑いを持っている主人公に対する周囲の人々の対応、とくにそれなりに分別のつく年齢になっても本当のことを話すということもなければ、姉が行方不明になった間に受けた心の傷のケアもしていないし、それに対する罪悪感も薄そうで。その酷さはもちろん、真実を知ったことで“本物”の姉も失ったのではないか…と思うと、主人公のことが気の毒になりました。
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