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おしらせ

  • 2007.1.23
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おさんぽクマさん春の庭

  • わーい
    春の陽気に誘われて、クマさんもおさんぽしてみました。

2007年春の訪れ

  • 綿帽子
    2007年、春の風景を集めてみました。

ほんだな

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2021年10月

2021年10月27日 (水)

移動祝祭日

Idoushukusaijitsu

「100分de名著」より③

アーネスト・ヘミングウェイ
「移動祝祭日」

1920年代のパリで若き日のヘミングウェイが執筆活動に励んだ日々を晩年に回想した作品。
特別難しい内容や文章ってわけでもないのですが、何とも言えない感情が渦巻いているような感じで、思ったより読み進めるのに時間がかかってしまいました。
のちの研究では色々と事実と異なる部分も書かれていることが分かったそうで、たしかに“フィクション”ではあるのかもしれないですね…。
お金ない、貧乏、と言いつつも、仕事部屋が家とは別にあるとか、スキー場のある地域に長期間滞在したりとか、私の個人的な印象ですが、本当に経済的に困っている人に用意できない環境、行動に思えたので…。

私が心惹かれたのは、「サン・ミシェル広場の気持のいいカフェ」である女性を見たときの内面の描写と、牡蠣と白ワインのやたら美味しそうな描写でした。

2021年10月24日 (日)

敗れざる者(われらの時代・男だけの世界)

Wareranojidaiotokodakenosekai

「100分de名著」より②

アーネスト・ヘミングウェイ
「敗れざる者」
(ヘミングウェイ全短編1「われらの時代」「男だけの世界」より
)

今回は「100分de名著」で取り上げられた「男だけの世界」より「敗れざる者」のみ読了。
全盛期を過ぎた闘牛士マヌエルが周囲から引退を勧められながらも闘牛の試合に挑む…というお話。
「老人と海」を読んでからだったので、あまりにも似たタイプのお話だったことにまず驚きました。
しかし、書かれた時期としてはこちらの方が25年ほど早いとのこと。
「老人と海」に出てくる他の漁師たちと同じく、このお話に出てくる若い闘牛士たちに、主人公に対するある種のリスペクトが感じられるのが良かったです。

2021年10月21日 (木)

老人と海

Roujintoumi

「100分de名著」より①

アーネスト・ヘミングウェイ
「老人と海」

老漁師の巨大カジキとの闘い、そして更なる試練…。
カジキとの長時間にわたる闘いを描くなかに、星とか鳥とか、思い出話とか、ちょっとしたエピソードが差し挟まれるのが絶妙なタイミングで、しかもそういう部分もすべて魅力的で飽きさせないのが凄いなと思います。
また、ヘミングウェイは新聞記者時代に培った、ひとつひとつの文章は短くというのを小説を書くときにも生涯続けたそうで、とても分かりやすいのですが、そのなかに、ぐっとくるような表現が多いのも魅力的でした。
作者と作品、両方ともとても有名なので名前だけは知っていて読んだことがなかったのですが、良い時間になりました。

2021年10月13日 (水)

平安あや解き草子⑦

Heiseiayatokizoshi7

第7弾。

小田菜摘
「平安あや解き草子 この惑い、散る桜花のごとく」

平安の後宮が舞台のミステリー、第7弾。
帝の寵愛をめぐる女性たちの争い、嵩那の東宮擁立をめぐる動き。
あれもこれも手に入れようなんて欲張りだと伊子を非難する人物もいるし、伊子自身も「諦めはしないけど全部を手に入れることは難しい」という思いもある状況ではありますが、読み手としては、伊子には望むものは手に入れてほしい、どうにかうまい方法はないものか?と思ってしまいます。
そして、入道の女宮の企みにさらに引き入れられそうになっている人物がひとり。今後が気になるところです。

2021年10月10日 (日)

宝石商リチャードの謎鑑定

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シリーズ1作目。

辻村七子
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」

偶然の出会いから、敏腕宝石商・リチャードの店でアルバイトをすることになった大学生・正義(せいぎ)のお話。
宝石自体はもちろん、その宝石に関わる人が持つ思いにも心惹かれるものがあります。
リチャードの謎めいた部分が気になるし、迂闊で誤解されやすい正義の恋など…気になるところがたくさん。
すでに11作まで続いてるシリーズみたいなので、機会を見つけて少しずつ読み進めたいです。

2021年10月 6日 (水)

日本沈没(小説)

Nihonchinbotsu1 Nihonchinbotsu2

日本がなくなる、そのときに。

小松左京
「日本沈没」(上下巻)

太平洋にあった無人島が一晩で沈む。深海潜水艇での調査で海底の異変に気づいた研究者たちがタイトルのような結論に至り、日本列島は地震や噴火などの災害に次々見舞われていく。そんななかでも多くの人はそれに慣れてしまう…。そして、日本列島の危機に、国民の海外脱出のために密かに交渉を進めていた政府。そして週刊誌に踊る「日本沈没」というセンセーショナルな見出し。
以前、Eテレの「100分de名著」で小松左京さんの作品を取り上げていた月に紹介されて気になっていて、それからずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやく読みました。
なぜ日本列島が沈没するという結論に達したのか…など、内容的に難しいところがかなりありましたが、なんとか読み切った感じ。
災害が相次ぐ様子や人々の様子が逐一細かく描かれることで、阪神淡路大震災や東日本大震災はもちろん、数々の台風や豪雨による災害、そして現在のコロナ禍を思わずにはいられません。とくに、大災害を経験した人々が用心のために始めたものの光景は、マスク姿の人々が町中を歩く今の様子を重ねずにはいられません。
このコロナ禍のなか、カミュの「ペスト」など感染症が猛威を振るうようなパンデミックものはいくつも読む機会があったのですが、実はこの「日本沈没」はそういうつもりは全くなく読み始めたので、感染症によるパンデミックもまさに“災害”なんだ、ということをこんなに強く感じ、心に刺さることになるとは思っていませんでした。
そして、田所博士の語り、解説に書かれた第2部を書くことをためらう原因となった部分など、色々なところに小松左京さんの日本や日本人に対する思いが強く籠っているなあと感じました。
いま、読むことができて良かったです。

2021年10月 3日 (日)

100分de名著「群衆心理」

Gunshushinrimeicho

2021年9月の課題。

NHK-Eテレ「100分de名著」
ル・ボン「群衆心理」
解説:武田砂鉄

善良な人々が「群衆」と化す過程を考察、その特性や功罪を論じた社会心理学の本。
ル・ボンは「群衆」とか一般の人のことを否定しているようにも思われるものの、群衆とか多くの一般の人が、正しく(?)物事を考えたり行動したりすれば、世の中は良い方向に変わっていくよということを期待しているのかも?と思いました。
解説者の方の考え方は少し苦手というか、自分とは相容れない部分もあったものの、多くの人の注目を集める人物を利用してあれこれしようとする人々の存在とか、そういうのは近年、特にこのコロナ禍では感じることがあったので腑に落ちるところもありました。

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