文化・芸術

2009年5月26日 (火)

「国宝 阿修羅展」in東京国立博物館平成館

Ashuraten「なかなか見られない」と聞くと、じゃあ見ておかなくては!と思ってしまう、ミーハーなところがありまして(笑)。というわけで、他の用事があって上京したついでに、いま話題の阿修羅さまに会ってきました。

興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」
国立博物館平成館にて2009年3月31日~6月7日まで開催

平成館の前にできた、長蛇の列。私がそこにたどり着いたのは70分待ちのときでした。そんな状態なので、中に入っても全部の展示をゆっくり見ることは叶いませんでしたが、阿修羅像を初めとした仏像は、その姿を間近で目にすることができました。この時代の仏像の特徴は、写実的で表情が豊かなことだそうですが、確かに…どの仏像も、そこにその人がいるみたいな印象がありました。
いちばん見たかった阿修羅像の周りは凄い人だかりでしたが、私も頑張ってその中に混ざってみました。三つの顔が、それぞれに異なる表情なのはもちろんですが、そのひとつひとつが、正面から見たときと、左右から見たときの印象も全部違うのが興味深かったです。そして…横顔が本当に綺麗で…じっと見ていたらなんだか涙が出そうになりました。
ありがたいとか、そういうのではなくて…本当に素直に、美しいものを見て感動するような、そんな気持ちでいっぱいになりました。
今回のように360度どこからでも見られるという機会はもうあるか分かりませんが…またどこかでこの阿修羅さまに会えたらいいなぁと思います。

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2008年10月11日 (土)

「ボストン美術館浮世絵名品展」と「えどはく寄席」と「琥珀の道」(江戸東京博物館にて)

BostonukiyoeASKAさんのコンサートの余韻を残しつつ…翌日のきょうは、両国にある江戸東京博物館を満喫しました。いやほんと…訪れるのは3回目か4回目くらいですが、今まででいちばん充実していたというか、そのぶん長時間いたというか…。

まず、1階特別展示室で行われている企画展を覗いてきました。
「ボストン美術館浮世絵名品展」
(江戸東京博物館にて、11月30日(日)まで開催)
アメリカ・ボストン美術館に収蔵されている約5万点に上るともいわれる浮世絵版画・版本・肉筆画。そのなかから、選りすぐりの作品が里帰り。初期から幕末までの浮世絵の歴史とともに紹介されています。
私はとくに北斎が好きなので、富嶽三十六景とか…わりと後半のものを興味深く見ました。北斎以外にも、広重による東海道五十三次などの旅の風景を描いたものも良かったです。富士山のある風景といえば…、北斎は諏訪湖と富士山が組み合わさった作品があり、地元民としては嬉しかったんですが、今回の展示のなかでは英泉による、塩尻峠から望む富士山と諏訪湖を描いた作品がありました。結構描かれているものなんですねぇ…やっぱり嬉しいものがあって、しばらく立ち止まって他の作品より長めに見てしまいました。
それから…浮世絵といえば役者絵、というくらい歌舞伎や能などの芸能とかかわりの深い浮世絵。観たことがあったり知っている演目のものはやっぱり、興味が湧きますね。また、歌舞伎では仇討ちのため主人公が虚無僧(こむそう)に身をやつす…というお話がよくありますが、虚無僧といえば尺八、尺八といえば虚無僧。虚無僧姿の役者が描かれる作品では、さり気なーく尺八も描かれていたりして、やっぱり気になってしまいます。
イヤホンガイドのナレーションは、里見浩太郎さんがされています。やわらかく穏かなその声色で楽しむことも出来ました。
さて…この企画展のテーマ曲は、なんと古武道。「リベルタンゴ」と「琥珀の道」という最新のアルバム「風の都」の収録曲が使われています。展示室の入り口近くに大きなスクリーンが設置されていて、企画展の見所紹介((市川亀治郎さん出演)とともに、「琥珀の道」を演奏する古武道の3人の映像がずっと流れていました。
ライブのときの演奏風景って感じでしたけど…3人とも素敵素敵♪と、8月に行ったライブを思い起こしながら、心の中で密かにキャーキャー言っておりました(笑)。展示を見終わってから私、そこにしばらく立って2回ほど繰り返し見ました。怪しい客で申し訳ありませんです…。

Sukeroku_2 それから5・6階の常設展示へ移動しました。すると、芝居小屋を再現したセットの前で「えどはく寄席」を行っている最中でした。入ってすぐの日本橋の上から高みの見物を決めこんでみました。きょうの演目は、津軽三味線と尺八による演奏。第1部の途中から最後まで見て、展示を見終わってから今度はすぐ近くから第2部を見ました。津軽三味線を弾いていたのは白田路明さん。自ら言ってましたが、なんというか…イケメンさんです、今時のお兄さんな感じで。それから尺八を吹いていたのは田嶋謙一さん。白田さんとは全く違うタイプの、好青年そうな、真面目そうな感じでした。古典や民謡のほか、アニメの曲や洋楽をサラッと演奏したりして、30分という短い時間でしたが楽しい演奏でした。とくに第2部のほうが、おふたりのアドリブ(?)などが面白くてあちこちで笑ってしまいました。

尺八を聴いたらまた道山さんが恋しくなって、帰りがけに1階で古武道の映像を見てしまう、おかしな私(爆)。

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2008年7月26日 (土)

諏訪の長い夜2008

Suwanonagaiyoru2008きのうときょう、「諏訪の長い夜」に参加してきました。
諏訪湖周辺の美術館・博物館が夜遅くまで開放され、14の施設の入場料とシャトルバス利用料が含まれる共通パスポート(大人2000円※当日2500円)で、7月25日(金)・26日(土)の2日間、どこでも何度でも見放題、コンサートなどのイベントを催す施設もありました。
詳しくはこちら→諏訪の長い夜HP

昨年はかなり詳しいレポを書いたんですが…、今年はすこしアッサリ目にいきたいと思います(と言いつつ今回も長くなりそうではありますが…)。というわけで詳しくは下のリンクから昨年のレポへどうぞ。カッコ内は記事内で触れている施設。
諏訪の長い夜2007のレポ第一夜
(SUWAガラスの里・北沢美術館新館、儀象堂、奏鳴館、北沢美術館本館、諏訪市美術館、原田泰二美術館)
諏訪の長い夜2007のレポ第二夜
(イルフ童画館、小さな絵本美術館、ハーモ美術館、諏訪湖博物館・赤彦記念館、高島城)

まず1日目、25日(金)。
Suwanonagaiyoru20082_2←下社秋宮で、御柱のライトアップと、星空コンサートをやっていました。写真、ちっちゃいうえにブレブレですが…私が行った時は、下諏訪消防音楽隊の皆さんが演奏していました。インディ・ジョーンズのテーマやサザンの「TSUNAMI」、羞恥心の曲、それに「サザエさん」のエンディングテーマなど、アニメや映画など親しみやすい曲が多かったです。
このあと、イルフ童画館へ行きました。到着した頃、ちょうどサックスのコンサートを1階でやっていましたが、私はそれを耳にしながら2・3階の展示室へ。ロビーが吹き抜けになっているので、階下(した)でやっているコンサートの音色やお客さんの拍手が、展示室の奥までかすかに聴こえていて、なんだか不思議で心地よかったです。
Suwanonagaiyoru20083_2次が、下諏訪にある諏訪湖博物館・赤彦記念館。北京五輪記念とかで、世界の五輪記念貨幣展をやっていました。また、常設展の赤彦展示室では、最近読んでいた斎藤由香さんのエッセイに登場する歌人・斎藤茂吉とその奥さんと一緒の写真もあって、自分的にはすごくタイムリーで、あぁこの人がそうか…と、目にすることが出来て嬉しかったです。写真は駐車場からエントランスまでのイルミネーション。
…このあと、「ひとよ茸ランプ」で有名な北沢美術館本館に行きました。2階の特別展示室では、「日本画壇の五山」展をやっていました(9月15日まで)。すごく良かったのが東山魁夷。緑や青などがすごくほっとする色で…風景画なので当然といえば当然なんですが、近くで見るよりちょっと離れて見たほうがそのすごさが分かるというか…ほんとに、そこに川とか山とかがあるみたいに感じられます。とくに「晩鐘」。空に雲があって、その上から光が差し込んでいる辺りなんかは、写真を見ているみたいに自然な色合いでびっくりでした。
ここまでで時刻は午後11時。ということで1日目はこれでおしまい。

翌26日(土)、2日目。
Suwanonagaiyoru20085_2いちばん早く閉館するところから回ろう、ということで、サンリツ服部美術館へ。こちらは、元セイコーエプソン社長・服部一郎さんのコレクションを展示している美術館です。
代表的な収蔵品は、国宝に指定されている「楽焼白片身変茶碗(らくやきしろかたみがわりぢゃわん)銘不二山」(本阿弥光悦作)や、重要文化財に指定されている「大中臣能宣図」(佐竹本三十六歌仙絵断簡)など。このうち「不二山」のほうは、9月15日まで開催中の「茶入れの美―小壺が「名物」になるとき―」の行われている展示室2の中央ケースで見ることができました。家康から貰った土地に移り住んだ光悦は、そこで作陶を始めて出来た作品だそうです。ろくろを使わず手捏(てづく)ねで成形したうえヘラで形を整えるなど、それまでの常識にとらわれない方法で生まれた作品だそう。手触りの良さそうな雰囲気でした。
Suwanonagaiyoru20086次が、「千人風呂」で有名な片倉館のとなりにある諏訪市美術館。ここでは8月31日まで企画展「入江観の世界展―独歩青天―」が行われています。入ってすぐにあった「翠苑小橋」はなんとなくモネの「睡蓮」を思い出させるような感じ。それから「森の小径(こみち)」は、木立の間に伸びている道にそのまま歩いて行かれそうな、そんな雰囲気。青空や海、湖などの青、山や林などの木々の緑が涼やかで、外の暑さを一瞬忘れさせてくれます。
…このあと、昨年行かれなかったところへ行こうということで、上社本宮前にある諏訪市博物館へ。諏訪湖の中にある曽根遺跡からの出土品や、諏訪の歴史、御柱祭の歴史についての展示を見ました。展示室の入り口にある御柱(平成4年の本宮一の柱)にペタペタと触ってみました。つまり現在建っている柱と入れ替わりに役目を終えたものです。昔は払い下げられたものは橋梁に使ったりしたそうです。
Suwanonagaiyoru20084そして最後に訪れたのがハーモ美術館。アンリ・ルソーの「果樹園」など素朴派の絵画コレクションなどが有名ですが、私はここでサックスとピアノの二人組“デュオ・クレール”のコンサートを聴きました。写真はハーモ美術館から見た諏訪湖と上諏訪方面の夜景。
コンサートではガーシュウィンの「サマータイム」、それからシューベルトとグノーの「アヴェ・マリア」やリストの「愛の夢」をアレンジしたもの、ディズニー映画でおなじみの「星に願いを」などが演奏されました。そんななか、ピアソラの「Libertango」や「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌「My favorite things」はカッコよくてドキドキしました。途中、空調の風でピアノの方の楽譜が飛んでしまうハプニングもありましたが、近くのお客さんが重しにとハンカチや髪留めを貸したりしていて、温かい雰囲気でした。

そんなわけで、2日間参加したアートイベント「諏訪の長い夜」も終わってしまいました。来年はぜひ金曜日にお休みを取って、もっとたくさん堪能したいと思います(できればの話ですが…)。

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2007年10月22日 (月)

「大徳川展」in東京国立博物館(平成館)にて

Daitokugawa 映画を観るために上京したついでに、夏ごろから気になっていた特別展を観に行ってきました。

「大徳川展」
東京国立博物館(平成館)にて
12月2日(日)まで開催中。

徳川将軍家、尾張・紀伊・水戸の徳川御三家をはじめ、久能山・日光・紀州・水戸などの東照宮に伝えられてきた、門外不出の品々および美術、歴史資料として貴重な宝物300点余りが、史上初めて一同に集結しました。


去年あたり、自分の中では『大奥』ブームで。そんなところから、江戸時代というか将軍家のあれこれに興味が湧いてきたところで、これはぜひ観に行きたいなぁと思ってました。
この展示のテーマは大きく分けて「将軍の威光」「格式の美」「姫君のみやび」の3つで構成されています。

「将軍の威光」
武器武具から家康愛用の品々、朝廷・諸外国との交流を伝える資料などによって、将軍の権威・権力について知ることができます。
こういうものを実際に使って生活していたんだなぁと思うと、やっぱりそういうものを間近で見るというのは、貴重な経験だなぁと思います。
歴代将軍を順に、縁のある品とともに知ることもできて興味深かったです。
「格式の美」
茶道具、能装束、絵画、書跡などで、洗練された武家の美意識について知ることができます。
個人的には、普段能や狂言を観に行く機会が多いので、能装束などの展示は徳川家云々から離れたところでも興味をそそられるものがありました。また、「源氏物語絵巻」は期間ごとに展示される部分が変わるのだそうで…私が行ったときは「柏木一」を観ることが出来ました。
「姫君のみやび」
将軍家へお嫁入りした姫君や、将軍家からお嫁に行った姫君の婚礼調度品などによって、工芸の傑作を楽しむことが出来ます。
とにかく衣装や化粧道具など、芸の細かい品が多く、こういった緻密な作業はやっぱり日本人らしいなぁと感じずにはいられませんでした。
しかし…「大奥」を見るようになって本などでこの時代のことを色々と読む中で、お姫さまって窮屈で大変そうだなぁと思っていたんですけど…、やっぱりこういったものに囲まれた生活によって、少しでも気を紛らわせていたのかなぁなんて感じました。

江戸時代の様々なものにどっぷりと浸かった時間を過ごさせてもらいました。

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2007年10月 9日 (火)

いまからここから

Mitsuo東京で行った場所、目黒寄生虫館に続いてふたつ目。
こちらに行くのは3度目くらいになるんですが…ここ3~4年位は行ってなくて…すごく久々でした。


相田みつを美術館(有楽町・国際フォーラム内)

書家・相田みつをさん(1924-1991)の作品を見ることができる美術館です。現在行われている企画展は「いまからここから」(11月25日まで)。

初めてここへ来たとき「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」の前で立ち止まってしまって…何故だか溢れてくる涙に、自分でも戸惑いを覚えたことを今でもよく覚えています。
そして今回、自分でも心が弱ってるなぁと自覚することの多い今日この頃。みつをさんの言葉が、いちいちズシンズシンと来て、ほんとにもう…あちこちで立ち止まって目頭を熱くしてしまいました。その内容によって、グサッと来るようだったり、力強く励ますようだったり、色々なんですがどれも的確に伝わってくるストレートなところが、魅力なんだなぁと改めて思いました。
それから…普段仕事中に目にする手書きの文字を見て、こんな人かなぁとか色々イメージすることってあるんですが、やっぱり字にはその人の中身が現れるなぁと思いますね。みつをさんの字を見ていると温かさや実直さが伝わってきます。それでいてちょっとした皮肉だったり厳しさのにじむ言葉が書かれていたりすると、人間の持つ様々な面を感じさせられるなぁと思ったり。

初めて行ったときの新鮮さとはまた違った感じ方ができて…なかなか有意義な時間が過ごせました。

詳しくはこちら 相田みつを美術館のHP

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2007年7月28日 (土)

アートが眠らない夜「諏訪の長い夜」第二夜

Suwalongnight1b諏訪湖畔をめぐる、アートな夜、「諏訪の長い夜」(HP)二日目。一日目に廻れなかったところを埋めていく感じで夕方くらいにスタートしました。
写真は、二日間で廻った美術館・博物館のパンフレットたち。
全部廻るつもりだったのに、諏訪市博物館(HP)だけ時間がなくて行かれませんでした。残念…!この記事と、前日ので全施設網羅した記事にするつもりだったのに…。諏訪の御柱祭を中心にした信仰についてとか、そういう展示内容に興味もあったのに…。今度これとは別に、機会を見つけて行ってみたいです。
Suwalongnight2gさて、前日と同じくSUWAガラスの里でシャトルバスに乗って、最初に向かったのは諏訪湖を挟んだ向こう側、岡谷市のイルフ童画館(HP)です。こちらは岡谷市出身の童画作家武井武雄さんの作品をはじめとした、童画作品の展示が行われています。
3階が武井武雄作品のフロアですが、現在、武井武雄作品展示室では武井さんと親交の深かった大澤三武郎さんから寄贈された作品による「大澤コレクション展」が行われています(9月4日まで)。この展示は毎年行われているそうです。武井さんの絶筆となった童画やカットは、どちらも大澤さんに依頼され描いたもので、その親交の深さが伺われます。
大澤さんは歯科医院を開業されていて、その待合室などに作品を飾られていたとか。素敵なお話です。また、この医院で使われていた診察券やお薬を入れる袋も武井さんのデザインが使われていて、楽しいものになっていました。
こちらで、「みずのたび」というお話、文章と絵が一緒に見られるようになっているんですが、すごくたのしくてかわいくて…思わず笑顔になってしまう感じでした。
Suwalongnight2hさて、次に向かったのも絵本関係。同じく岡谷市の小さな絵本美術館(HP)です。こちらは絵本作家さとうわきこさん主宰の美術館で、国内外の絵本原画や絵本の展示がされています。大通りから少し奥に入って細い道沿いにあるので、少し場所が分かりづらいかもしれませんが、それだけに「みつけた!」っていう感動が。ちなみにこの看板の周りに映っている木はリンゴです。良い本にめぐりあったときのワクワク感にちょっと似てるかも。美術館というよりは、フツウのおうちというか、そんな雰囲気のこぢんまりとした建物です。
古い絵本などがたくさん展示されている中に「ちびくろさんぼ」があって、小さい頃に買ってもらってよく読んだので、とても懐かしかったです。絵本って、大人になっても読んだら楽しいし、子どもだったときのことを思い出せて、なんだかほのぼのさせられます。
Suwalongnight2i_2お次は、うって代わって大人な感じ(これは私の勝手な印象)。岡谷市のお隣、下諏訪町にあるハーモ美術館(HP)です。半円形が重なった形になっていたりして、面白いつくりになっています。
ここにはアンリ・ルソーをはじめとした素朴派作品が展示されています。自然をほのぼのと温かく描いた作品がたくさん並び、ドキドキ・ワクワクというよりは心安らぐ感じでしょうか。私はなかでも、カミーユ・ボンボワの「水のある風景」が、水面の瑞々しさと森の深い緑の感じが好きだなぁと思いました。
こちらには“ティーセントホール”という小さなホールがあり、ソプラノ(金井理香さん)・ピアノ(尾中志穂さん)のコンサートをしていたので、半分ほど聴いてきました。プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」より“私のお父さん”や、ピアノソロでベートーヴェンの「エリーゼのために」、モーツァルトの「トルコ行進曲」、ドビュッシーの「月の光」など、かなり有名な曲が演奏されていました。「トルコ行進曲」を弾いたあとでピアノの尾中さんが「モーツァルトの時代は今に比べてピアノの鍵盤が軽かったので、こういった指を早く動かす曲がよく書かれたけれど、今のピアノで弾くと、結構大変」というお話をされていました。たしかに、ピアノの性能や鍵盤数など飛躍的に変わったのはベートーヴェンの時代ですからね…。
Suwalongnight2j_2同じく下諏訪町でもう一ヶ所。諏訪湖博物館・赤彦記念館(HP)です。諏訪湖の自然や暮らしについての展示、そして諏訪出身の歌人島木赤彦さんについての展示があります。諏訪湖についての展示では、諏訪湖にすむ動植物のジオラマとか、漁業について、また下駄スケートなんかもありました。うちの母親は諏訪湖畔の学校に通っていたので、冬には諏訪湖でスケート大会をしたそうです(あ、履いていたのは下駄スケートではないですよ)。今はもう、そんなに湖面が凍ることもないので、完全に昔話ですけど…。昔話と言えば、私が子供のころにはまだあった「校庭リンク」や「田んぼリンク」も、今の学生さんの世代にはそれも信じられない話なのかなぁ…。
ここでは特別展として押し絵作家河西幸峰さんの作品展が行われていました(8月27日まで)。歌舞伎に登場する人物をデザインした羽子板などがたくさんありました。この中にはもちろん、諏訪ゆかりの八重垣姫もいました。
Suwalongnight2k暗かったのであまり映りがよくありませんが…最後に訪れたのが諏訪市にある高島城(HP)です。ことし放送されているNHKの大河ドラマ「風林火山」にちなんだパネル展、高島城の歴史などについての展示をしています。なんか、展示を見ていて、お家騒動とか紹介されていて、諏訪藩にもそういうのちゃんと(?)あったんだなぁと思ったりしました。
あとは、高島城の描かれた浮世絵ということで、北斎の「富嶽三十六景」のなかの「信州諏訪湖」など3点が紹介されていました。どれも、諏訪湖・富士山・高島城がセットで描かれたものでした。
Suwalongnight1cさて最後、高島城にいる時間、ちょうど諏訪湖では花火が打ち上げられていたので、天守閣から少しだけ見てきました。遠くて分かりづらい写真ですが…。
諏訪湖の花火といえば8月15日の諏訪湖花火大会と9月はじめの新作花火大会が有名ですが、ここ数年は、夏の時期に毎日20分ほど花火が打ち上げられる「サマーナイトファイヤーフェスティバル」(7月28日~9月2日まで※8月15日・9月2日は花火大会のため除く)が行われています。
人も少ないのでよく見えるし、車で湖畔を通りすがり、信号待ちの間に見えたりして、花火大会とも違った楽しみがあるかなぁと。

…さて、初めて参加しましたが、なかなか刺激的な体験でした。普段気になりながらいざ足を運ぶとなるとなかなか…という美術館・博物館をたくさん見ることができました。しかも、2日間有効で2500円(前売2000円)はかなりお得。通常の入館料で考えたら、3つか4つ入ったら、もう元取れちゃいますから(ちなみに、参加している全ての施設の通常入館料をすべて足すと6000円くらいになる計算です※大人料金)。
それに、普段は見られないような夜遅い時間に、っていうのがなんとも贅沢。
ぜひ来年も参加したいなぁと思いました。今度は、合わせて行われているイベントをもっと色々体験したいです。

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2007年7月27日 (金)

アートが眠らない夜「諏訪の長い夜」第一夜

Suwalongnight1_2この週末、諏訪湖畔はアートが眠らない町になりました。
写真は、二日間使える「諏訪の長い夜」(HP)共通パスポート。ひも付きのケースに入れてくれてあるので、これをぶら下げてあちこち歩きました。…いえ、必ずそうしなきゃって訳じゃないですけど(笑)、そのほうが何かと便利だし、みんなやってるからいっか~、と思って。
1日目は、仕事帰りに行ってみました。なんか、仕事が終わったあとにこういうお出かけって、なんだかワクワクします。これは、映画観にいくとかでも同じことなんですけど…。
Suwalongnight2_2そんな訳でいちばん初めに行ったのは、シャトルバスのスタート地点でもあるSUWAガラスの里・北澤美術館新館(HP)です。入ったとき中から「千の風になって」が聴こえてきました。シンガーソングオルゴーラー(これ、初めて聞きました)の臼井さんという方の演奏中でした。もう最後のほうだったらしく、あまりたくさんは聴けなかったんですけど…。
北大路魯山人の紅葉や楓をモチーフにしたお皿とかを見て、魯山人は料亭経営に関わったこともあって、そのための製作活動をしていた時期もあったそうなので、きっと「このお皿(食器)はこういう料理に」とか、かなり具体的に考えながら作ったんだろうなぁと思って、どんな料理に合うんだろう…と色々考えるのも楽しかったです。
Suwalongnight2b_2シャトルバスでぐるっと諏訪湖を回って次に向かったのは、下諏訪町の諏訪大社下社秋宮ちかくの諏訪湖時の科学館 儀象堂(HP)です。写真は中庭にある水運儀象台です。高さ約20メートルほどある、水力で動く大型天文観測時計塔で、約900年ほど前の中国で作られながら、当時の戦争によって壊されたものを、当時の解説書をもとに、世界で初めて完全復元したのだそうです。時計塔の中に入って、水車の動く様子などを近くで見ることもできます。狭くて、階段が急なので大変ですが、ちょっとした探検気分も味わえる気がしました。
Suwalongnight2c_2次、ほのかな行灯の明かりで照らされた温泉街を歩いて向かったのは、こちらも精密の町・諏訪らしい、諏訪湖オルゴール博物館 奏鳴館(HP)です。ここへは5年位前、諏訪に遊びに来た友人を連れて行ったことがあって、それから行ってなかったので久しぶりでした。オルゴールの生演奏もあったりするんですが…私が行った時間にはやっていなくて…、オルゴールと同じ音色の聴けるという機械でジョン・レノンの「イマジン」を聴いてきました。アンティークの古い木の感じとか、ディスクオルゴール(オルゴール1曲分がレコードのような形になっているもの)など、珍しいものが色々と見られます。
Suwalongnight2fさて、ぐるっと廻って上諏訪温泉まで戻ってきました。いちばん最初に見た北澤美術館の、こちらが本館(HP)。
展示室の入り口には、まず有名な“ひとよ茸ランプ”。ガレ、ドーム兄弟のガラス工房の作品が展示されています。
展示を見ているとき、ガイドの方に声をかけていただき、作品について色々お聞きすることができました。「被せガラス」といって、色々な色(主に鉱物を用いて色をつける)のガラスを何層にも重ねてつくる方法や、この方法で透明なガラスの上に重ねたガラスを後から削り、模様を立体的につくる方法などを説明していただきました。また、雪笹と雀の文様の花瓶はキリストを現すマークを入れ、クリスマス用に作られたものだそうで、あのいかにも“和風”(と、日本人から見るとそんな感じ)な絵柄がクリスマス用って、すごく不思議。
そういえば、この間東京で「モネ展」を観てきましたが、モネとガレってほぼ同時代の、しかも同じフランスの人なんですよね。水墨画や浮世絵などのアジアのものに影響を受けた作品を作っている辺りも共通点がありそう。
Suwalongnight2dさて、上諏訪温泉界隈で2箇所目は、“千人風呂”で有名な片倉館となりの諏訪市美術館(HP)です。諏訪湖畔の美術館・博物館ってわりと近代的な建物が多いなかで、ここはとってもレトロ。
帝冠様式という、主に1930年~40年という短い期間に作られた、建物本体はコンクリート製(洋風)、屋根は瓦(和風)という折衷様式。東京・上野の東京国立博物館(本館)や、銀座の歌舞伎座などと同じ様式ということです。中も、白い壁や天井、階段や窓枠の手すりの木の感じがまた、ちょっとホッとする独特の雰囲気です。
Suwalongnight2e1日目、最後に訪れたのは映画『いま、会いにゆきます』の舞台にもなったサンタ・モリーナ教会の近くにある諏訪市原田泰治美術館(HP)です。
常設展示では原田泰治さんが朝日新聞日曜版で連載していた「原田泰治の世界」の絵がずらっと展示されていました。連載に使用された127点全てがこの美術館に寄贈されているそうです。建物とかの輪郭が真っ直ぐじゃなく、ちょっといびつというか、ボコボコした感じがあって、それが温かさというか、ほのぼのした感じになっているのが面白かったです。
パンフレットに載っていた原田さんのプロフィールを見ていて、実は私、高校の後輩だったということを知りました。びっくり。
また特別展示として現在、「星野冨弘詩画展」が行われていて、こちらも観ることができます。詩も絵も素晴らしくて…とくに詩がちょっと泣けてくるくらいに良いですね。
この展示、原田泰治美術館と、群馬県にある冨弘美術館(HP)との交流展で、同じ会期(7月11日~9月9日)、冨弘美術館のほうでは「原田泰治の世界展」が行われているそうです。こちらも、お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

…夜12時ぎりぎりまであちこち廻って、イベントに参加している12施設のうち半分を訪ねました。2日目は残りの半分をできるだけ廻ろうと思います。

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2007年7月26日 (木)

アートが眠らない夜

Suwalongnightこの週末は、これを観に行ってこようと思ってます。

諏訪の長い夜(HP)
7月27日(金)12:00~24:00
7月28日(土) 9:00~22:00

「アートとか興味あるんだったら」と、知り合いに教えてもらいました。
今年は3回目になるこのイベント、諏訪湖畔にある12の美術館・博物館を共通パスポート(前売2000円、当日2500円※シャトルバス利用料込)で好きなだけ観られるのです。また、この他にコンサートなどのイベントも色々あるようです。
美術館や博物館って普段は夕方くらいまでしか観られないけれど、夜も観られるっていうのがなんだか特別な感じです。
せっかくなので、今まで気になりつつも行ったことのなかったところなども観てみたい!と思ってます。
明日の仕事帰りにでも早速、出かけてこようかなぁ…。

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2007年7月22日 (日)

「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」in東京都現代美術館

Ghibliigakazuoten初日だからと張り切って出かけたわけではなくて…たまたま他に目的があって東京へ行ったので、じゃあ早速観ちゃおうか!って感じで行ってきました。なかなかすごい人出でした。

ジブリの絵職人 男鹿和雄展」
東京都現代美術館にて・9月30日(日)まで開催

「となりのトトロ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「おもひでぽろぽろ」などで美術を手掛けた男鹿和雄さんの、ジブリ作品を中心に、それ以前、それ以降の作品にも触れることができる展覧会。

映画観てるときって、やっぱり人物とか、ストーリーを中心に見てることが多いですが、それでも、ジブリ映画の背景って印象的で、背景画だけ見ても「あぁコレってあのシーンの…」とか、映画のワンシーンが浮かんできます。
豊かな緑とか、空の青とか、小さな植物まできっちり描かれた繊細さとか…近くで見ても、ちょっと遠くから見ても、それぞれに素晴らしさや新しい発見があって楽しかったです。
紙に水彩で描かれた上にセル画を重ねたものなどは、例えば森の緑でも、一部分にセル絵の具で緑を足してたりして、あぁこうやって色彩とか立体感を出すんだなぁというのが分かって面白いなぁと思いました。
「となりのトトロ」でさつきとメイたちが住む家を色々な角度から見た絵が何枚もあったんですが、ちゃんと間取り図があって、それをもとに描かれているんだなぁというのも分かって興味深かったです(展覧会のグッズで、この絵と間取り図入ったうちわがあります)。

ほかにも、ひとつの作品に対して美術を担当する場合に、時代考証だったり、建物について沢山調べることがあったり…作品の世界に深く関わっている仕事なんだなぁということをあらためて知ることができました。
また、絵を描くときの様子をパネルや映像で見ることができたり、アニメーション作品の撮影方法を色々と紹介しているコーナーとか、背景画の前で写真を取れるコーナー、折り紙でトトロを作るコーナーなど、楽しい企画がいっぱいでした。
また、ジブリグッズがたくさん販売されていて…ここでもついつい長居してしまいます(笑)。
機会があれば、もう一度くらい行ってみたいなぁという感じです。

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2007年6月17日 (日)

大回顧展「モネ」in国立新美術館

Monet先々週だったか…NHK BS-2で放送している「迷宮美術館」でモネの特集をしていて、すっごく興味が湧いてしまって。映画の舞台挨拶を観るために東京へ行ったついでに、観てきました。始発で上京して、その足で乃木坂駅近くの国立新美術館へ。すでにたくさんの人が並んでいてびっくり。10時開館の予定を早めて9時30分から開館になりました。早めに行っておいて良かったです。


大回顧展「モネ」
(国立新美術館にて・7月2日(月)まで開催中)

印象派の巨匠クロード・モネ(1840-1926)は、「眼」の画家として、自然の光と色彩に対する並外れた感覚と、それを画面に現す類いない技量をあわせ持っていました。
その魅力を、フランスのオルセー美術館、アメリカのボストン美術館やメトロポリタン美術館をはじめ、国内外から集めた約100点の名作を通して紹介。

なんか…すごすぎるなぁ、モネ。
輪郭をくっきりはっきりっていうんじゃなくて、点描とか、ささって感じの筆遣いで人物とか建物も描かれているのに、そこに人がいるような、その風景が目の前に広がっているように感じられます。
点描が多用されているので全体にホワホワした印象なのに、朝の、背筋をピンと伸ばしたくなるような澄み切った空気が感じられるような気がしました。また「モントルグイユ街、1878年 パリ万博の祝祭」という作品では、たくさんの旗がパリの街にはためく様子が描かれていて、人々のざわめきや歓声などが聞こえてくるような感じ。
遠くから見ても、近くから見ても、すごいなぁ…とただただ感動してしまいます。モネは、光を描くために池だったり、川だったりをたくさん描いてますが、その水面に映っている景色っていうのが、近くで眼を凝らして見たときより、遠くからとか、またはちょっと目を細めて見たときのほうが、より鮮明に見えてくるのがすごいです。

そして、ヨーロッパの絵画で人物を描くときってこう…いかにも「肖像画ですよ!」って感じのものが多いのに、今回の展示にあったのは、日々の何気ない部分を描いているなぁというのが印象に残りました。奥さんのカミーユや息子さんのジャンなどを描いた作品がほんとに優しい雰囲気だなぁと思いました。

晩年、白内障によって視力が落ちたモネは、周囲から手術をすすめられながらも、手術によって見え方が変わってしまうのではないか…と危惧してそれを拒んだのだそうです。そのころに描かれた「モネの家」という作品を観ていたら、近くにいた年配の男性が「家が燃えてるなぁ」と呟いていました。土とか、赤い花の咲いているところがモネの目には燃えるような赤に感じられたのかなぁという気がしましたが…見る人によって、火が燃えるように感じられるというのも面白いなぁと思ったりしました。

Monetgoods…最後に、色々とグッズを買ってみました。
まずはポストカード。「モントルグイユ街、1878 パリ万博の祝祭」、「ジヴェルニーのモネの庭、アイリス」、「アルジャントゥイユのセーヌ川」、それから、ポスターにも使われている「日傘の女性」の4点。「日傘の女性」は入ってすぐのところにあったんですが、横に鉛筆でのスケッチ画がありました。それを見ると、風の吹いている方向は一緒みたいですが(スカーフの流れる向きから)、女性の向いている方向が逆になってました。どうして変わったのかなぁ…と不思議に思いました。
それから、ジグソーパズル。ポストカードくらいの大きさなのに204ピースもあるそうです。「睡蓮」(「日本風太鼓橋」と同じ構図で描かれたもの)と「ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔」の2個。「ルーアン大聖堂」のほうは今回のモネ展のオフィシャルグッズ(専用ピンセットつき)。
最後に、面白そうなものを発見。一本で、モネの絵のような色が出る「モネマーカー」。たくさんの色のクレヨンが混ざったような色で、きらきらのラメが入ってました。これで塗り絵なんかしたら、ちょっとだけモネ気分になれるかも?(苦笑)

Tofuburgar(おまけ)
美術館を出てそのまま映画館へ行くのはちょっと早い時間だったので、六本木でお昼食べました。前から気になっていた「トーフカフェ」にいってきました。厚揚げの入ったバーガー、びっくり。バーガーにそれを挟もうっていう発想が面白いですね。
でもちょっと、ゆっくりしすぎて…映画館まで、駅で走り、渋谷で走り…汗だくでたどり着いたら、前の回が遅れていて20分待ちました。良かったような、良くなかったような…。

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