シマシマ
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久しぶりに、一冊の小説を一気に読みました。
夏川草介・著
『神様のカルテ』
信州のとある街の病院で働く内科医・栗原一止。
常に医師が不足している病院で、休むことはおろか睡眠もままならない日々を送る一止に、母校の大学から医局への誘いの声が。
休みが増えて妻と過ごす時間が持てて最先端の医療を学ぶこともできる日々と、大学病院や大病院でさじを投げられた患者と精一杯向き合う日々。ふたつの選択肢の間で悩む彼の背中を押したのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だったのです…。
とある街というのが自分が住んでいるわけではないものの、よく訪れる土地だったので、なんだか親近感が湧くというか、たまたまモデルになったであろう病院も心当たりがあったりして…一止が奥さんのハルさんと暮らす下宿も、あぁ多分あの辺の小さな通りの辺りだろう、なんて想像しながら読んだら、楽しくて。
一止は夏目漱石を敬愛するあまり、かなり古風な喋り方をするちょっと変わった若者です。そこがなんだかコミカルに感じられる部分もあり、また、周りの人たちに自分のなかだけであだ名をつけているところなんかは『坊ちゃん』を彷彿とさせられました。
そして…受け持ちの患者との温かくも切ない心の通い合いにホロリとさせられて…なんだか清々しい気持ちで読み終わることが出来ました。
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だいぶ前に読んだものですが…。
堂場瞬一・著
『破弾』
警視庁多摩署に配属になった了は、ホームレス傷害事件の捜査を命じられ、刑事部屋で倦厭され孤立する女性刑事とコンビを組むことに。捜査を進めると、被害者の周囲にはなぜか公安の影が。東京郊外の新興住宅地に潜む過去の闇とは…?
ずいぶん前にレビューを書いた、『雪虫』の続編です。
前作では新潟で刑事をしていた了ですが、ある事件をきっかけに新潟県警を辞め、警視庁で再び刑事になった、というのが今回。
今回了がコンビを組むのは、小野寺冴。刑事の仕事に妥協しないところは了とも通じる部分がありながら、最初はお互いの存在になかなか馴染んでいきませんが、それがどんな風に歩み寄っていくのか…というのも見所。
そして事件のほうは、思いがけないところから明らかになっていく過去の事件に繋がっていくというか。でも結構、読んでいる側にはすぐ分かるかなぁ…というのもあったりもしました。
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この間三浦しをんさんの小説を初めて読みましたが、さらにもう一つ、読んでみました。
三浦しをん・著
『仏果を得ず』
直木賞作家が描く、伝統芸能の世界。主人公は太夫を語る大夫・健(たける)。人間国宝の師匠・銀太夫や変わり者の三味線弾き・兎一郎に鍛えられながら芸を磨きます。芸に恋に悩みながら健が成長していき…。
日本の伝統芸能にかなり興味のある私ですが、文楽は未体験です。
三浦しをんさんが、この小説とは別に文楽の本を書かれているのも興味はありながら未読で。あれを読んでいたらもっとこのお話を色々な部分から楽しめたのかも、とも思いました。
この小説を読んだら、やっぱり一度くらいは文楽も観てみたいなぁなんて、うずうずしてしまいました。
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「イベントメモ」についての説明
この記事は、私がこれから出かける、もしくは購入する予定のものなどをまとめたメモです。2009年中は追加・変更があれば随時加筆修正し、だいたいいつでもトップページ(最新の1週間分)に表示されているように、日時を修正していきます。
備忘録的(もしくはまとめ的)な性格の記事であるため、コメントのみを受け付け、トラックバックは受け付けておりません。トラックバックしていただける方は、各記事へお願いいたします。なお頂いたコメントにつきまして、この記事の内容に関連のないもの、管理人である私がふさわしくないと判断したものについては、暫時削除させて頂きます。
なお、このページにある項目については、日時の頭に付いているマークで項目の分類を行っています。
◇チケットが取れていないもの、もしくは購入するかどうか決めていないもの。
◆チケットが取れているもの、もしくは購入することが決まっているもの。
(↑この2つのマークが付いたものは、このページから後日削除されることがあります)
☆すでに出かけたもの、もしくは購入したもの。
★このブログに感想記事が更新されているもの。タイトルから記事へリンクしています。
※更新記録
2009.4.19 記事作成
2009.4.21 狂言劇場その六◇→◆日時追記
2009.4.22 「歌写(略)」☆→★記事更新
2009.4.25 「故郷 日本の四季」☆→★記事更新
2009.4.29 Chageの細道inさくらホール◇→削除
Chageの細道in仙台電力ホール◇→◆チケット購入
2009.5.3 藤原道山ライブ~故郷~◆→★記事更新(2009.4.29)
小山実稚恵ピアノリサイタル◇→◆チケット購入
Bunkamura20周年記念「桜姫」、コクーン歌舞伎「桜姫」◇→削除
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK SHOOTING LIVE ◇追加
Chageの細道in山梨県立県民文化ホール ◇追加
2009.5.13 野村萬斎「狂言を楽しむ会」in北野文芸座☆→★記事更新(2009.5.9)
2009.5.18 ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK in 長野(略)
◆→★記事更新(2009.5.17)
2009.6.18 ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK SHOOTING LIVE ◇→◆
Chageの細道in山梨県立県民文化ホール ◇→◆
Summer Geeting Live Chage in 安曇野 ◆追加
古武道アルバム「時ノ翼」◆追加
CHAGEアルバム「Many Happy Return」☆→★記事更新(2009.5.18)
2009.8.15 記事へのリンク4件追加、8月~11月に5項目追加
★1月17日(土)11:30開演
映画「大坂ハムレット」初日舞台挨拶
inシネスイッチ銀座(東京)
★1月17日(土)18:00開演
冬の絵空
in世田谷パブリックシアター(東京)
★2月4日発売
CHAGE&ASKAベストアルバム「VERY BEST NOTHING BUT C&A」
★2月15日(日)18:30開演
三響会presents珠響(たまゆら)
inサントリーホール大ホール(東京)
★2月25日(水)発売
ASKAシングル「あなたが泣くことはない」
☆2月25日(水)発売
ASKA DVD「ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008“SCENE”」
☆2月25日(水)発売
藤原道山アルバム「故郷 日本の四季」
★3月15日(日)14:00開演
ピランデッロのヘンリー四世
inまつもと市民芸術館実験劇場(松本)
★3月20日(金・祝)14:00開演
邦楽未来図コンサート
in下諏訪文化センター小ホール(下諏訪)
★3月25日(水)発売
CHAGEアルバム「Many Happy Returns」
★3月28日(土)18:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in 千葉県文化会館大ホール(千葉)※ネタバレ!
★4月10日(金)発売
CHAGE写真集「歌写(かしゃッ)!♪ 写真で綴る幸せな音符」
★4月11日(土)18:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in 名古屋国際会議場センチュリーホール(名古屋)※ネタバレ!
★4月29日(水・祝)16:00開演
藤原道山ライブ~故郷~ スペシャルゲストSINSKE
inまつもと市民芸術館小ホール(松本)
※尺八ワークショップ13:00~
★5月8日(金)19:00開演
野村萬斎「狂言を楽しむ会」
in北野文芸座(長野)
★5月16日(土)18:30開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)大ホール(長野)※ネタバレ!
◆5月20日(水)発売
CHAGE DVD「CHAGE CONCERT TOUR 2008 “アイシテル”」
☆6月24日(水)発売
古武道アルバム「時ノ翼」
★6月27日(土)18:20開映
映画「ディア・ドクター」初日舞台挨拶
in池袋HUMAXシネマ
★6月28日(日)14:00開演※Aプロ
狂言劇場その六
in世田谷パブリックシアター(東京)
☆6月28日(日)17:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK SHOOTHING LIVE※ネタバレ
inNHKホール(東京)
★7月3日(金)19:00開演
Chageの細道2009※ネタバレ
in仙台電力ホール(宮城)
★7月17日(金)19:00開演
森山直太朗コンサートツアー2009「どこまで細部になれるだろう」※ネタバレ
in茅野市民館マルチ(大)ホール(茅野)
★7月24日(金)18:30開演
ニュー・アルバム「時ノ翼」発売記念
古武道ミニ・コンサート
in銀座山野楽器本店7階イベントスペースJamSpot(東京)
★7月25日(土)18:00開演
Chageの寄り道高原リゾート編
(Summer Greetinng Live Chage in 安曇野)
in安曇野穂高ビューホテルバンケットホール「アルプス」
★8月1日(土)18:00開演
軽井沢夏の宵の狂言
in軽井沢大賀ホール(軽井沢)
◆8月21日(金)18:30開演
Chageの細道2009
in山梨県立県民文化ホール小ホール(山梨)
◇8月29日(土)
映画『女の子ものがたり』初日舞台挨拶
◆10月2日(金)18:30開演
中島敦生誕100年記念特別朗読会
狂言師、敦「わが西遊記-悟浄出世・歎異-」を語り読む。
in横浜能楽堂(横浜)
◇10月31日(土)・11月1日(日)
のだめ映画公開記念オーケストラコンサート最終楽章
in東京国際フォーラムホールA(東京)
◇11月28日(土)・29日(日)
Chageの細道2009
inゆうぽうと(東京)
前に見て良かった映画の、原作を読んでみました。
群ようこ・著
『かもめ食堂』
フィンランド・ヘルシンキ。
サチエが店主のかもめ食堂は、最初は誰も人が来ない、いつもがらがらのお店でしたが、日本かぶれの青年や、訳ありげなふたりの日本人女性や、さまざまな人が集まってきて…というお話。
映画を見て、そのゆるくて温かい空気の心地よさに癒されました。今回原作を読んでみて、あぁこの感じこの感じ…と、あの時の感覚が蘇ってきて、映画ではこの空気を見事に表現していたんだなぁと思いました。
映画ではサチエがヘルシンキで食堂を開くまでのところだとか、そこへやってくる女性たちのそれまでのエピソードは、それほど多くは語られていませんでしたが、そういう部分を読んでみると、映画とはまた違う楽しみ方もできました。とくに、サチエが食堂で出す“おにぎり”には、彼女の大切な思い出もあり…胸がジーンとなりました。
※お願い※
こちらは小説『かもめ食堂』の感想記事です。映画『かもめ食堂』の感想記事よりTBくださる場合は、下のリンクへお越しくださいますよう、お願いいたします。
映画『かもめ食堂』の感想記事
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怒涛のように、本のレビューが続くかも(笑)。
瀬尾まいこ・著
『戸村飯店青春100連発』
大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店の、性格も見た目もまるで正反対の二人の息子。東京と大阪に離れて暮らす兄弟が、再会をきっかけに見直すことになった、人生の行方とは…。
主人公は、戸村家の長男・ヘイスケと、次男・コウスケ。
それぞれが主人公の章が交互に登場して、ヘイスケが高校を卒業してからの1年、コウスケが高校を卒業するまでの1年が描かれていきます。そのなかで、それぞれが色々な人とであったり、また周囲の人たちに色々な影響を受けながら、自分の進む道を見つけていきます。
冒頭、コウスケの語るヘイスケ像が、こんな人いるか?ってくらいずる賢く描かれていますが、物語が進むうち、その裏側というか…ヘイスケの側から見た部分が語られると、なんだか切なくなります。
私は長女なので、読みながらどこかで、一見飄々としているヘイスケの根っこにある一生懸命さだったり、それが報われない哀しさというか…そういうのにいつの間にか感情移入していました。
また、ふたりの育った町で近所のおじさんやおばさんたちが交わすテンポの良い会話に、思わず笑って、楽しく読めました。
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本のレビューばかりですね、最近(苦笑)。
近藤史恵・著
『シェルター』
東京のあるカフェで出会った恵(めぐむ)といずみ。
いずみに関係するある事件に、恵と彼女の妹・歩(あゆむ)たちが巻き込まれていって…というお話。
物語は、恵が主人公の章と、歩の恋人で週刊誌の編集部で働く小松崎が主人公の章が交互にくり返されながら、何が起こっているのかが少しずつ見えてくるような感じで進んで行きます。
なんというか…なかなか上手く行かないことって多いよなぁ、なんてことを思ってしまうところが結構ありました。恵と歩の姉妹はお互いに、相手に言わなくてもいいようなことを(しかも言ったら大変なことになりそうなことを)、つい言ってしまって、自分が大きなダメージを受けてしまったり、何か行動を起こすときに、相手を傷つけないような方法もあるはずなのに、そうできなかったり。
傍から見たらどうしてそうなっちゃうの、と思うようなことも、自分のことだとそう上手くは立ち回れなかったり。自分自身のことを考えても思い当たるふしが幾つもあって、なんだかとっても考えさせられるお話でした。
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もうお馴染みになってきました(笑)。
石田衣良・著
『電子の星(池袋ウエストゲートパークⅣ)』
池袋で消息を絶った友達を探しに山形から上京した少年とともに、その行方を探すうち、池袋で行われているショーにたどり着いたマコト。そこに挑むマコトとGボーイズの作戦とは…(表題作「電子の星」)。
なんだか…石田衣良さんの文章が自然すぎて、石田さんがマコト自身でも全然驚かないなぁと思ってしまうくらい。さすがに上手いなぁと思わずにいられません。
表題作以外にも、ストリートギャングから足を洗いラーメン屋を始めた双子からの依頼で、店への中傷や嫌がらせをくり返す人物を探す「東口ラーメンライン」や、マコトが店番をする果物屋に痛んだ果物を貰いに来る少年をその境遇から助けようとする「黒いフードの夜」、それから、数年前に亡くなった上野のストリートギャングの父親から、息子の死の真相を知りたいと頼まれ、その隠された真実に迫っていく「ワルツ・フォー・ベビー」など、どのお話も登場する人たちのキャラクターや心の動きなどがしっかり書き込まれていて、ついつい引き込まれてしまいます。
また、池袋の王様・タカシとマコトのやり取りが面白くてついつい笑ってしまったり。
そんなわけで今回も色々と楽しませてもらいました。
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久々に、図書館で伊坂さんの本を借りました!
伊坂幸太郎・著
『チルドレン』
物語は、主人公である陣内その友人の鴨居が銀行強盗に巻き込まれたところから唐突に始まります。銀行強盗に脅されていながらも突飛な行動を取る陣内を、わりと常識人な鴨居の視点から描きつつ、そこで同じ人質として出会った永瀬が、この銀行強盗に隠されている(と思われる)事実を推理して見せる…というエピソードから始まります。
で…一見短編集のような形で、30代になって家庭裁判所の調査官をしている陣内とその後輩の武藤が登場するお話と、まだ20代前半の頃の陣内や永瀬とその恋人の優子が登場するお話で、時間が行ったり来たりします。
どのエピソードも陣内の突飛な言動に驚きながらも、そこに余談のように登場するエピソードに、ちゃんとラストまでに答えが出るあたりはさすが。そしてうっかり泣きそうになっちゃうようなラスト。もう夢中で読みました。
そして…伊坂さんといえば仙台を舞台にした作品が多いですが、この『チルドレン』の「レトリーバー」に登場する仙台駅前を、今月仙台を訪れた際に自分の足で歩いていたこともあり、目の前にその光景が広がるようで、なんだか不思議な感じもしました。
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図書館で借りました。前からちょっと気になっていた作家さんということで読んでみました。
山崎ナオコーラ・著
『長い終わりが始まる』
大学のマンドリンサークルに入っている小笠原は、未来になんて興味がなく、就職活動よりも人間関係よりも趣味のマンドリンに命をかけていて、そのサークルにはとても好きな人がいて…。
山崎ナオコーラさんは、2008年公開の映画『人のセックスを笑うな』を観たときに、その原作者として知った作家さんで。そのときはなんとなく気になりつつも、もしかしたら苦手な系統かもしれないという気がして、今までなかなか手が出ませんでしたが、図書館で借りる本を探していたときに、良い機会だからとチョイス。
で、読んでみたら、案外すんなりと読めて逆にびっくり(苦笑)。
主人公の小笠原(女の子)は、好きな男の子をわざと困らせて彼の視界(と意識)に映りこもうとしたりして、それが和を乱す感じにもなって…私は読みながらちょっと、こういう子は苦手かなーとも思う反面、そんなところがいじらしくも可愛くも感じられたりもしました。
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図書館で借りました…。わりとよく読んでいる作家さんのものです。
桂望実・著
『WE LOVE ジジイ』
コピーライターとして活躍していたものの、後輩の自殺をきっかけに仕事をやめ、縁もゆかりもない川西村でひとり暮らしを始めた岸川。市町村合併により何の取柄もないその村は町のお荷物状態で、地域活性化職員が村おこしのために奔走するもののうまくいきません。そこで前の職業を活かして何か案を出してくれと依頼された岸川がいい加減に答えた「輪投げで村おこし」が実際に通ってしまい…。
最初は…というか、かなり物語が進む辺りまで、主人公である岸川がこう、心を閉ざしているというか色々なことに投げやりな感じが、ほんとにもどかしいというか、途中で「お!これで変わるかな?」という展開になりかけるのにそうならない…みたいなのが続きながら、でも、自分の周りに誰かがいる、ということに次第に違和感を感じなくなっていって、どこかで大切な存在として認め始めるという少しずつの変化が微笑ましく、温かさを感じさせてくれます。
この本の作者、桂望実さんの作品は映画化もされた『県庁の星』から何作か読んでいますが、冒頭から中盤にかけて主人公の気持ちや取り巻く環境がどこか行き詰るようなところから、最後になって目頭が熱くなってしまうような展開はどこか共通しているところもあって、やっぱり良いなぁと思わせてくれて…毎回、あぁこの本も読んで良かったと思ってしまいます。
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最近旅の記録ばかり更新してきましたが…ちょっと小休止で。
大分前から気になっていた本を読みました。
三浦しをん・著
『まほろ駅前多田便利軒』
神奈川にはりだした東京南西部最大の街・まほろ市で便利屋を営む多田のもとに、ある日突然転がり込んできた高校の同級生・行天。ふたりが巻き込まれる数々の事件とは…。
次第にシリアスになっていく物語ですが、そういう方向に向かっていきながらも、ちょっとコミカルなシーンにふと笑ってしまったりして、その緩急のついたあたりが良いバランス感覚だなぁと思い、どんどん先に読み進むことが出来ました。
多田と行天はそれぞれに、おいそれと人に打ち明けられない過去を抱えていますが…それが明らかになって、その後のふたりの様子はどこか吹っ切れたようなところもあり、希望が見えるようでもあり…なんとなく清々しいなぁと思いながら読み終わりました。
三浦しをんさんは、この作品で直木賞を受賞されたあたりから気になっていた作家さんだったものの、ずっと読む機会がありませんでしたが、文章の感じとか好きだなぁと思いました。また何かの機会に他の作品も読むことが出来たらいいなぁと思います。
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ひさしぶりに、このシリーズを読んでみました。
石田衣良・著
『骨音(池袋ウエストゲートパークⅢ)』
世界で一番速い音と、続発するホームレス襲撃事件の関係は?
池袋ゲリラレイヴで大放出された最凶ドラッグ・スネークバイトの謎とマコトの恋のゆくえは…。
このシリーズを読むのも3作目になりましたが…。いやー、やっぱり面白くて夢中で読みました。
石田衣良さんの文章は、なんだか人をひきつける力を持っている気がします。そして、あまり難解な言葉を使わずにそれを出来るのがまた、凄いなぁと。
それにしても…このなかに出てくるマコトたちって、私とほぼ同年代というか、もしかすると同じ年な設定なんですけども…、自分が20歳頃のことを思い出しても、聴いていた音楽だったりなんかは全然違っていて別世界のようなイメージもありますが、それでもどこかで、先行きの見えないなかでもがくようなところが、なんとなく分かるなぁなんてことを思ったりもしました。
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映画を観てずいぶん時間が経ってから、ようやく読みました。
海堂尊・著
『ジェネラル・ルージュの伝説』
その新人外科医は、なぜ将軍(ジェネラル)になったのか…。
東城大付属病院救命救急センター部長・速水晃一の若き日。
映画化された『ジェネラル・ルージュの凱旋』の、速水が“ジェネラル”と呼ばれるようになった出来事が描かれ、新人のくせに自信満々で怖いものなしだった彼に変化が訪れるというお話。
人は、“怖い”ということを知ると、本当の意味で強くなれるというか、強くなるためにどうしたらいいだろうということを真剣に考えるんだろうなということを、考えさせられました。
また速水の初々しいところが見られるシーンもあったりして…楽しめました。
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堂場瞬一・著
『雪虫 刑事・鳴沢了』
舞台は新潟。晩秋の頃、湯沢で老女の刺殺体が発見され、捜査が行き詰る中、刑事の鳴沢了は、その老女が50年前に新興宗教の教祖だったことや、その頃に信者のひとりが起こした殺人事件のことを突き止めます。しかし、当時の資料は一切残っていないうえに、その頃現役の刑事だったはずの祖父はその事件を覚えていないと言い、捜査本部長である父も今回の事件との関連を認めないばかりか、了を事件から遠ざけようとするのでした。
50年という長い歳月に阻まれ、父や祖父との関係に思い悩みながら、了は事件の真相に近づいていき…。
主人公は、戦後に警察官を拝命し定年まで勤め上げた祖父と、その祖父に続いて刑事となり現在は警察署長を務める父をもち、自らも警察官となった鳴沢了。刑事としての職務に対しては忍耐強くて優秀なんだなぁというのは伝わってきますが、その反面、正義感の強いところが裏目に出るというか、後々苦しむ羽目になるというか。
事件の真相に迫っていくまで緊張感と、見えなかったものが少しずつ見えていくときの霧が晴れていくような感覚が、ページをめくるのももどかしく感じるほど、先が気になって仕方ありません。
そしてその中で描かれる、了と、その父とのわだかまりや、祖父に対する尊敬。そして事件の真相にたどり着いたときに、その思いが変化していく様子からも目が離せませんでした。
このシリーズ、すでにかなりの続編があるようなので、この先のものも機会を見つけて読んでいきたいと思います。
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たまに、なんですが。
本棚に仕舞いっぱなしになっていた漫画を、突然引っ張り出して読み耽ってしまうことがあります。
先週末からはまってしまったのが、稚野鳥子さんの『クローバー』。社内恋愛を育むOLさんが主人公のお話。私自身は、同じ会社の人と恋愛したいとか結婚したいという願望は今のところないですが、現実とお話はまた別ってことで、楽しんで読み返しました。
この数日で一気に読んだら、以前読んでから忘れてしまっていたエピソードや登場人物が不思議と心に残ったりして、新しい発見がありました。
…でもですね。最新刊の21巻はかなり、次の展開が待ち遠しいところで終ってまして。早く22巻が読みたいです。
連載している雑誌を読めば続きが分かるんでしょうけど、私、漫画は大好きですが、雑誌を買ってまでは読まなかったりするし立ち読みもあまりしない方(単行本になったときの楽しみが減るから・苦笑)なので、このスタイルでもうしばらく待ちたいと思います。
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旅の本、再び(笑)。「ことりっぷ」の仙台版を買いました。
この夏、CHAGEさんのライブに参加するため、なんと仙台へ行きます。ということで、その準備というか。
この仙台公演の日は私にとっては特別な日ということもあり、ちょっと勢いで申し込んでみたら、当たってしまいまして(苦笑)。
ただ、長野県に住む私にとって仙台は、物理的にも精神的にも経済的にも非常に遠いです。金額的なことを考えると、バスや電車を使うよりは車が良さそうってことで、今回は長距離ドライブで向かうことになりそうです。ちょっと不安ですけど、ね…。
東北方面は初めて訪れます。せっかくなので、できれば仙台らしい場所に行きたいというのはもちろん、それ以外にもどこか行くことが出来ればいいなぁという妄想中(笑)。
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まぁあの…ずっと読んでるシリーズの続編ってことで、今回も読んでみました。
海堂尊・著
『イノセント・ゲリラの祝祭』
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前の巻で明らかになった悲劇…今回はその後。
矢沢あい・著
『NANA-ナナ-』21巻
仕事を詰め込み、誕生日のことを考えないようにしているナナ。
一方、レンと一緒にナナに会いにいけると楽しみにしていた奈々のもとに届いたのは、思いがけない報せで…。
20巻の最後でレンが起こした事故。レンは死に、今回はその報せを受けたナナとそのまわりの人たちの様子が描かれていきます…。
ほぼすべてが…辛いエピソードなのが痛々しくもあり、でも先へ読み進むのを止められませんでした。レンが死んだことをまだ知らないナナの様子を、知ったときのショックを考えながら読むので…とくにそこが辛かったですね…。
そして…レンを失ったナナが、今まで描かれていた“現在”のナナにどう繋がってくるのか…先がまた気になってきてしまいます。
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これは、ダヴィンチの自画像がモチーフになったしおり。3年位前に、ダヴィンチコード展を観に行ったときにミュージアムショップで買ったもの。切込みが入っていて、本のページに固定できるようになっているので便利。
デザインもパッと見にはなんだか判らないそうなところが気に入ってます。でもこの間、お昼休みにテーブルの上に置いてたら、それを見た人に「わっ人の顔!」とかなりびっくりされました(笑)。
そういえば…最近図書館で借りた本をよく読んでますが、本に付いているしおり(ヒモみたいなやつね)が、ほつれたりして異常に短くなっちゃってるのとかあって、そういう本に当たってしまうと、こういう自前のしおりを使ってたりします…。あれ、どうにかならないものですかね。もっと丈夫な素材で作るとかなにか…。
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これはもう…完全に、タイトルに惹かれました(笑)。
近藤史恵・著
『二人道成寺』
探偵のもとにやって来た歌舞伎役者・中村国蔵。彼の依頼はある不審な火事の真相を調べて欲しいというもの。問題の火事は彼のライバルである歌舞伎役者・岩井芙蓉の自宅で起こり、その妻・美咲が意識不明となっていました。次第に明らかになる二人の俳優の確執と秘められた愛憎劇。そして「摂州合邦辻」に託されたある思いとは…?
もちろん当然のことながら、登場する人物は架空のキャラクターです。
しかし…歌舞伎公演の舞台裏ってこんな感じなのかなぁ…と想像しながら読むのは結構楽しかったです。また、実際に観たことのある演目も登場したりすると、そのときのことを思い出したりもしました。
事件の真相は、途中まで思い描いた筋書きをあっさり裏切って、予想外の方向へ向かいます。とはいえ…そういうミスリードがあるというだけで、あとから読み返すと、もちろんちゃんと真実を言い表しているわけですが…。
ドロドロの愛憎劇ではなく、哀し過ぎる愛の果て…という感じでしょうか。
そして…巻末の「もしも歌舞伎が好きでなかったら」という、あとがきに代えた近藤史恵さんの歌舞伎について語っている文章は、ほんとうに歌舞伎が好きというのが伝わってきて、ビギナーな私でも、あぁ分かるなぁと頷いてしまう部分もあったりしました。
読んだことのない作家さんの本だったので、読み始めるまでは、ちょっと不安もありましたが、興味のあるジャンルだけに、なんだか夢中で読み終わりました。
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いつも読んでいるシリーズをもうひとつ。
北森鴻・著
『花の下(もと)にて春死なむ』
孤独死した俳人の部屋で、窓辺に置かれた桜が季節外れにもかかわらず花を咲かせたのはなぜか…。(表題作「花の下にて春死なむ」)
三軒茶屋にある、白い大きな提灯が目印のビアバー“加菜里屋”が舞台…というか、そこに集う人々が持ち込む様々な謎を、店主である工藤が解き明かしていく、というお話。いくつかの短いお話が集まっていますが、この1冊は孤独死した俳人・片岡草魚の人生を追いかけていくというのがベースにあります。
短編を読むようにテンポよく読めるようでもあり、お話の先が早く知りたくてどんどん読めるようでもある、というちょっと不思議な感覚。
タイトルは、西行の「願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」から。簡単に訳すと「春、満開の桜の下で死にたいものだ。それも釈迦入滅の如月望月の頃に」。個
辞世の歌ではなく、西行が自分の最期がこうであったらなぁという願いを詠んだものだそうです。ちなみに、“花”とは桜の花のこと、“如月望月”とは2月15日のことをいいます。
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ちょっと変わったところのある、青春もの…みたいな感じでしょうか…。
桂望実・著
『Run! Run! Run!』
主人公は、長距離ランナーとして最高の資質を持って生まれた岡崎優。
目指すのは、オリンピックの金メダル。そのためには仲間もいらない…という姿勢に、陸上部員たちの反発を食らってしまいます。そんな孤立無援の状態のなかで、ただ1人、同じ1年生の岩本だけは彼を庇います。それでも自分の目指す道を突き進もうとする優が、自らの出生の秘密を疑い始めて…というお話。
走ることにしか興味がないというよりは、自分のことにしか興味のない、走るロボットのように感じられました。しかも、まわりの人たちに対する態度が、ほんと、なってない感じ。それが自分の出生に関する疑問を持つようになった辺りから、少しずつ変わってくる、という。
こう書くと…なんだ、普通の青春ものじゃないかという気もしますが、その出生の秘密というのが、ちょっとびっくりするような話だということですよね…。
体外受精とか、遺伝子操作とか、そういうのがテーマになってますが、実際もこんなに進んでいるものなのかな…というのを疑問に思いつつ、まぁ技術的として可能だとしても、やっていいことと悪いことがある気もしますが。
少しずつ自分のなかに芽生える、今までにない感情。それを持て余しながらも、それを受け入れていくというか…、読み手にはそう見えますが、彼のなかでは、ある時点までは、違うんだ、違うんだ…と否定するように進み、あることをきっかけにそれを爆発させるようにして自覚する流れで描かれています。それが、読み手を気持ちよく振り回します。
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よく読んでる作家さんシリーズ(笑)。
井上尚登・著
『キャピタルダンス』
中国人の父と日本人の母をもつ林青(リン・チン)は、留学先のアメリカでいくつかの事業を起こした後、新たな事業を始めようと生まれ育った日本へ。投資するものとされるものの駆け引き、新技術の生み出す多大な利益…、そこに見え隠れする陰謀の裏には…。
舞台は1999年から2002年頃の日本。
私には、株のことやネットのことは詳しくは分かりませんが…1990年代前半にバブルがはじけて以来、なんとなく景気が浮上しそうな雰囲気が少しはありながら、それが一気に萎んだなーという、そういうのはなんとなく覚えてます。なにせ、その萎んだ辺りで私の働いてる会社も業績が悪くなって、今の不景気ほどではないにしろ、色々と厳しい時期が続きましたから…。
そういうのを思い出しながら読んだので、なんとなくその頃の空気感みたいなものを想像しやすく、読むときの助けになったような気がします。
それにしても…土地にしろ、ネットビジネスにしろ、人はどうしてよく分からないものにほどお金を払いたがるんだろう…なんて思ってしまいました。だからこその“バブル”なんでしょうけど、ね…。
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ずっと気になっていた本を、ようやく、ほんとにようやく読みました。
石田衣良・著
『池袋ウエストゲートパーク』
高校を卒業したばかりのマコトは、家の果物屋を手伝いつつ仲間と公園にたむろする日々を送るうち、仲間のひとりが巻き込まれた事件をきっかけに、彼らは“街のトラブルシューター”になっていく…というお話が、マコトの語りによって展開していきます。
ドラマにもなった有名な小説ですが…今まで読んだことありませんでした。前にも図書館で借りたものの、読む時間がなくそのまま返却する羽目に。そんなこともありながら、今回ようやく読みましたが…かなり、面白かったです。続編も機会を見つけて読み進めたいですね。
また、だいぶ原作とは違う部分もあるようなんですけども、ドラマのほうも今度見てみたいです。同世代くらいの俳優さんが結構出ていたというのは知っていたので、じつは前から気になっていたんですよね…。
個人的な話ですが、じつは数年前に池袋で迷子になったことがありまして(爆)。今から思えば迷うなんてありえない場所に行くだけなのに、歩けど歩けど目的地に着かず、あちこち歩き回りました。そんなわけで…普段東京へ行く用事があっても池袋はそれほど行かない人間なのに、この小説に度々登場する場所をなんとなく知っていたり、街の雰囲気をなんとなくイメージしやすかったです。
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旅の本を買いました。
「ことりっぷ」の名古屋版と、屋久島・鹿児島・霧島版です。
名古屋版は、春に行く予定なのでそのためという感じ。…お隣りの県なのに、ちゃんと行くのは、実は初めてなんですよね…。第一目的はASKAさんのライブなんですが、少しは名古屋らしいところに出かけられたらいいなぁなんて思ったりしています。
屋久島・鹿児島・霧島版は、もうほとんど憧れというか。
去年は大河ドラマ『篤姫』にはまって。ドラマに出てきた縁(ゆかり)の場所を尋ねたい気持ちはありつつ、長野から鹿児島は、あまりに遠すぎます。
遠すぎて行くのに時間がかかりすぎるのと、行くのにかかるお金を工面できないという、そんな理由。そういうわけで…妄想用、みたいな(爆)。
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最近は図書館の本ばかりですが、これも。発売された頃から気になっていたもの。
桂望実・著
『平等ゲーム』
舞台は、「鷹の島」という瀬戸内海に浮かぶ小さな島。そこに暮らす1600人が全員平等で、何かを決めるときには投票で決めるルール。
主人公はその島で生まれ育った耕太郎という30代の男性で、彼が今島で任されているのは、島で亡くなる人や、なにかの都合で島を出る人がいて欠員が出たときに、島外から移民する人を勧誘する仕事。
島から出ることはほとんどなかった彼が、この仕事を通じて島の外(物語では“本土”)の人と接したり、完璧に平等だと思っていた島の本当の姿に気づくことで少ししずつ変わっていく…という感じ。
“平等”っていうと、なんだかとても良さそうな感じがしますが…全編通して感じることは、この島で生まれ育った人はよく言えば争いごとをしない“いい人”という感じですが、きつい言い方をすれば“井の中の蛙”みたいだなと思いました。だから島の生活が嫌になったり、外で自分を試したいと思って島を出て行っても、色々なことに打たれ弱くて、島に帰ってくることを望んだりするんだろうな、と。だって楽ですもんね、誰かと競争しなくても一定の収入も衣食住も保障されているわけですから。
でも…途中、ある出来事から島が完全に平等ではないということが分かってきますが、ショックを受け憤りを感じる耕太郎はともかく、読み手としては、その完璧でない部分に少しホッとさせられます。なんだか…完璧すぎることは、すごく気持ちが悪いというか…。
少しずつ変化していった耕太郎が、最後に新しい一歩を踏み出そうとします。きっとすごく大変な道のりになるだろう…と予想は出来ますが、その大変さへの不安とともに、広い世界への希望も感じられるラストでした。
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就職情報かと思ってアクセスした方がいらっしゃったらすみません。ぜんぜん違いますので、あしからず(苦笑)。
石田衣良・著
『シューカツ!』
物語は、大学3年生の主人公・千晴が、マスコミへの就職をめざす仲間6人と一緒に「シューカツ・プロジェクトチーム」を結成するところから始まります。
就職活動が進むなかで、それぞれの悩みがあったり、仲間に対する気持ちが変化していったり…、就職活動がメインの青春ものですね。
…私の就職活動は10年位前の話で、この本に出てくるような、数千人が受験するような企業の試験とか…そういうのは無縁でしたが、ちょうど就職超氷河期と呼ばれていた時代のど真ん中だったので、まぁそれなりに大変だったのかなぁという気はします。周りでは卒業するまで内定もらえず、という人もいましたしね…。私自身は、アルバイトしていた会社にそのまま正社員で入ってしまったので、就職活動には苦労してないのかも。
このお話、2007年1月から9月にかけて新聞掲載されたものが元だそうです。これって、作中でも触れられていますが、団塊世代が定年退職を迎える時期ということもあり「売り手市場」真っ只中の頃でしたよね…。完全な「買い手市場」のなか職探しをしていた私にとっては、ちょっと考えられない状況でしたけども。
でも、単行本として発行されたのは2008年10月10日。アメリカ発のリーマン・ショックに端を発して、日本でも業績が悪化する企業が出始め、新卒内定取り消しがニュースになり始めた頃だったはず。なんか、微妙なタイミングですね…。まぁ、本のなかに出てくるのは景気が良かろうが悪かろうが狭き門に変わりのないマスコミ向けの就職活動なので、あまりそういうのは関係なく、すごい激戦ぶりが描かれていて、なんだか途中で読み進まずにはいられなくなりました。
新卒のゴールデンチケット、という言葉が何度も登場します。
新卒しか募集していない大手企業がたくさんあるからとか、新卒と中途採用ではそもそも賃金の額が違うとか…そういう条件的な意味合いもあるとは思いますが、日々の仕事がメインの生活を送る身からすると、生活のほぼ全てを就職活動のためにあてることが出来る、それも新卒、というか学生の特権だと思います。それだけでも有利なことなんだと。
100年に1度とも言われる不景気のなか、努力したから必ず報われるとは限らないかもしれない、厳しい世の中ですが…この先、少しでも景気が上向くことを願ってやみません。
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ちょっと、パパッと読めるものをと思って選びました。
加藤実秋・著
『モップガール』
『お部屋磨きで、自分も磨こう!…』そんな広告の誘い文句に乗って、アルバイトの面接を受けた桃子。ところが入ってみるとその会社、社員は変人揃い、扱うのは、殺人・自殺・孤独死のあった現場というワケあり物件ばかり。一度は逃げ出そうとした桃子ですが、ある現場で桃子の体に異変が起きて…、というお話。
主人公の桃子は、訳ありの物件でそこに関係ある人の残したモノを、感じ取ってしまうという変な体質。その原因を究明しようとして、掃除会社の人たちと事件を調べると、色々なことが分かってくる…みたいな。
別々の事件が出てくる4つの章に分かれていますが、進むにつれて桃子の同僚である翔が過去に関わった事件の真相に近づいていく…という感じ。
それはともかく(?)。
桃子が時代劇マニアで携帯の着メロもそれ系だったり、その手の話で異様に盛り上がったりとか、捕物(?)のシーンで時代劇の決め台詞を口走っちゃったりとか…そういうのが可笑しかったです。
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図書館で見つけました。ちょっと興味を惹かれるタイトルでした。
辻仁成・著
『代筆屋』
吉祥寺の井の頭公園近くのカフェ“レオナルド”を舞台に、小説家のはしくれ である“私”が、恋に悩む青年から、88歳の老女まで、老若男女のさまざまな想いの代筆を依頼されるというお話。
章ごとに、主人公である“私”が代筆した手紙が登場します。依頼人と会うところから語られるものもあれば、その手紙だけで構成されているものもあり…、前者であれば「さて、どんな手紙を書くのか…」と想像し、後者であれば「この手紙は、どんな経緯があって書かれたのか…」とまた想像したり。それぞれに違った楽しみ方が出来ました。
メールだとかインターネットだとかが今ほど普及していなかった頃は、私もよく手紙を書いたものでした。卒業をきっかけに離れてしまった友人やら、文通相手やら。今はそれが携帯とか、ネット上のやり取りに切り替わっていって、まぁ便利にはなりましたが、たまには手紙もいいなぁと思います。
でも、やっぱり難しいですよね、自分の思いを文章にするというのは。最近書く手紙といえば、年賀状くらいになってしまいましたが…そこに添える短い文章ですら結構悩むというのに、この本に出てきたような、ちょっと訳ありなものはなおさら大変そうです。
まぁ大変だからこそ“代筆屋”というのが成り立ったのでしょうね…。
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ちょっと長くて…読むのが大変でした。
内田康夫・著
『棄霊島(きれいじま)』(上・下巻)
長崎県・五島列島へ取材に向かった浅見光彦は、途中のフェリーで元警察官の後口と出会います。取材を終え帰京した浅見の元に届いたのは、後口が静岡・御前崎で他殺体となって発見されたという報せ。事件をを調べ始めた浅見は、後口が30年前に長崎・軍艦島で、起こった連続変死事件を追っていたことに注目。そこに隠された哀しき真相とは…。
内田康夫さんの書く浅見光彦シリーズの、これは100作目にあたるそうです。
私はその全てを読んでいるわけではありませんが…母の影響で初めて読んだのは、確か中学生くらいの時だったでしょうか。最近は…ドラマで見るほうが多いかも。
それはおいといて。
今回のお話の舞台は、長崎港から南西に約19kmのところにある端島(はしま)。通称、軍艦島。炭鉱の島で、そこに建てられた集合住宅のシルエットが遠くから見ると軍艦のように見えることからそう呼ばれていて、炭鉱が閉山となってからは無人島になっています。
この島の映像を、少し前に見て…ほんとにチラッと見ただけですが、その変わった風貌がとても印象的で…そんなこともあり、すごく興味深く読みました。
事件のほうは、わりと最初のほうからなんとなく分かりそうな気はしますが…読む側を錯覚させる色々な仕掛けもあったりして、ちょっとずつ、ちょっとずつ真相に近づいていくのは、読みながら、もどかしくもあり楽しくもありました。
(追記)2009.2.20
物語の舞台である端島(通称・軍艦島)の位置について、上記の文章に誤りがありました。「五島列島のひとつ」と表記していましたが、端島は五島列島には属しておりません。位置的にも、五島列島からはだいぶ距離があります。
コメントを下さった方のご指摘で再確認し、「長崎港から南西に約19km」という表現に訂正させていただきました。この追記に関する経緯は、この記事のコメント欄にあります。
コメントを下さったblueswaveさん、ありがとうございました。
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本屋さんには用がなくても出かけてしまうので、そこで目に付いた本をついつい買ってしまって、でもすぐに読む時間はない…みたいな。で、とりあえず“積読(つんどく)”状態に(苦笑)。
写真は私の部屋の、ほんとにささやかな積読の模様。
私が憧れる(?)積読は、本屋さんに行ったときに「面白そう!」と思った本を片っ端から買い込んで、「今は読んでられないからとりあえず置いとこう」という感じで放置して、長いお休みだとか、ちょっと気が向いたときに手を出す…という感じでしょうか。
私は図書館もよく利用しますが、図書館の本だとこうは行きません。返却期限があるので、ある程度早めに読みにかからないといけません。私は読むのが遅いほうなので、とくに。
…まぁ、お金は足りないわ、置いておく場所もないわで、思うままに積読をするのは、夢のまた夢ですが(爆)。
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きのうのと同じく、この連休を利用して読みました。
海堂尊・著
『螺鈿迷宮』
東城大学の医学生・天馬大吉は留年を繰り返し、医学の道をリタイア寸前。そんなある日、幼馴染で新聞記者の葉子から持ちかけられたのは、桜宮市で終末期医療の最先端として注目される“碧翠院桜宮病院”への潜入調査。介護ボランティアとして通い始めた天馬は、院内であまりにも人が死にすぎることに疑念を感じることに…。
海堂尊さんの作品というと、『チーム・バチスタの栄光』からはじまって、“桜宮市”という架空の地方都市を舞台にした作品を書かれていますが…これも、おなじみの田口・白鳥コンビのシリーズとは少し外れますが、まぁ外伝的な感じ。『バチスタ(略)』の1年半後、『ナイチンゲールの沈黙』と『ジェネラル・ルージュの凱旋』からは7ヵ月後。
危険そうな依頼を断ることも出来ず、潜入調査をすることになった天馬。なんだか、どこかの誰かさんを彷彿とさせます(笑)。また、潜入した桜宮病院で姫宮という看護師に関わることで、満身創痍になってしまうあたり、ちょっと気の毒な感じもしたり。それにしても…ここでも活躍(?)する白鳥が、素性を知らない人の目には益々怪しいです。
しかし…一見、無関係なのに面倒なことに巻き込まれてしまった感のある天馬が実は、その桜宮病院の人々と浅からぬ因縁で繋がっていたことが、後々分かってきます。まぁ…そうは言っても、天馬にはどうしようもないことではありましたが…。
また、他の作品に登場するある人と、この物語に登場する人々にも実は繋がりがあったりして…そういうのに気づくとまた、それも面白かったりもします。
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このお正月に読みました。
海堂尊・著
『ジェネラル・ルージュの凱旋』
東城大学医学部付属病院・不定愁訴外来担当の田口のもとに届いた怪文書。それは救命救急センター部長である速水晃一が特定の業者と癒着している、というもの。病院長の高階の依頼を受け、事実の調査に乗り出した田口ですが…。
この本、昨年映画化・ドラマ化された『チーム・バチスタの栄光』の続編(3作目)ということで、ずいぶん前に買うだけ買って置いてあったもの(いわゆる“積ん読”)。ほんとに、ようやく読めました。
いちばん最初の『チーム・バチスタの栄光』に描かれた“バチスタ・スキャンダル”の9ヵ月後。2作目である『ナイチンゲールの沈黙』と同時に起こっている出来事ということで、この2作品は対をなしています。『ナイチンゲール(略)』では小児科病棟がメインですが、今回の『ジェネラル・ルージュ(略)』では救命救急センターがメイン。
ここでは救命救急という緊張感のある現場を仕切っている部長・速水がすごいカリスマ性を持って描かれていて、そこに最初はカッコ良さ気なものを感じて興味を惹かれますが、だんだんとその裏に見え隠れする部分を感じるてくると、ますます心を奪われてしまう、という。そして、そんな速水と、このシリーズの主人公である田口は学生時代からの友人。そんな古くからの友人にかけられた疑惑を調査することになったという苦しさを抱えつつ、組織の中に巣食う古い体質とも戦わないといけなくなった田口は、ちょっと見には頼りなくも見えますが、実はそんなこともなく、こういう人は絶対必要だな、と思わせる何かがあります。
私はこのふたつを1年の間をおいて読むことになりましたが…ほんとうは、いっぺんに読むのがオススメです。片方にはチラッとしか登場しない人がもう片方ではずーっと登場し続けるような感じも楽しめるうえに、この物語の舞台が立体感をもってイメージできるはず。とくに、この田口・白鳥コンビシリーズをはじめとした作品の数々は、登場人物や何かが必ずどこかに繋がっているので、できるだけ間を置かずに読むほうが、取りこぼしがないはず。
さて…この時期にこの作品を読んでしまおう!と思ったのは、お正月でまとまった時間が取れるということのほかに、今年の3月に映画が公開されることを知ったからです。昨年2月公開の『チーム・バチスタの栄光』の続編ということで、竹内結子さんと阿部寛さんが田口・白鳥コンビを演じ、この物語の中心人物である速水晃一を堺雅人さんが演じるのだそう。小説を読んでいるときにイメージしていたのとはちょっと違う気もしますが…でも、堺さんでしか演じられない速水を観られるに違いないというところで、個人的にはかなり楽しみなキャスティングです。
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いま読んでます。
村石利夫・著
『速読三国志』
これまで多くの日本人に親しまれてきた『三国志』のエッセンスのみをまとめ、楽しく一気に読めるようにしたものである。…と、本の最初に書いてあります。
最近、映画『レッドクリフPartⅠ』の影響らしく、本屋さんに行くと三国志コーナーがあったりします。まぁ、映画自体は『三国志』をあまり知らなくても分かりやすくなってましたが…これを機会にどんな話か知ってみたいと思いまして…図書館で見つけたのがこの本。タイトルに“速読”とパパッと読めそうだな、ということで選んでみました。
私のように『三国志』という名前と、本当に有名な人(曹操、劉備、孔明など)をなんとなく知ってるだけ~…くらいの人が、大体どんな話なのか知りたい、というのには便利かも。ほんとにパパッと読めます、速読だけに。
『三国志』がどういう話か分かってくると、映画では、本家本元に出てくるエピソードをあれこれ脚色しているところとか見つかって、なかなか興味深かったです。映画のほうは続編(というか後編?)が来年春公開ですが、そちらを観るときには、また違った楽しみ方が出来そうです。
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久々に手に取りました。
山田詠美・著
『無銭優雅』
慈雨(じう)と栄、40代の男女の恋愛と、家族模様。
↑なんか…簡潔に書きすぎました(笑)。でもこういう感じとしか…いいようがなかったり。
山田詠美さんの小説は、10代の後半から20歳頃にいくつか読んでましたが、その後ちょっと苦手意識みたいなのが出てきて、ほんとにずーっと遠ざかってました。
そんななか、この作品が出たばかりの頃になんだか気になってて…図書館で見つけたのをきっかけに、読んでみたという感じ。
主人公の慈雨は友人と花屋さんを共同経営する40代の女性で、恋人の栄は同い年で予備校の講師をしています。
30代に突入したばかりの私からすると、20代の頃ほどではありませんが、やはり40代くらいの男女が恋愛するといったら、自分よりは大人の人らしい恋愛なのかな、とそうぞうしちゃいますが…なんだか、読んでいる途中でそれを忘れちゃうくらい、イメージが違います。でもそれが、なんだか愉快でした。
でも…後半というか、かなり終盤になって物語が劇的に動いて、私はなんだか泣いてしまっていました。いえ、ほんとに。
どこがどう良かったとか、そういうことは上手く言えないけれど、この物語全体の雰囲気が、あぁ読んでよかったなと言いたくなる空気を持っていて、不思議なくらい心地良かったです。
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な、なんと…。
2006年にドラマ化された『のだめカンタービレ』の映画化が決定したそうです。
アニメではなく、実写。キャストはもちろんドラマと同じく、のだめが上野樹里ちゃんで千秋が玉木宏くん。
公開は2010年正月と春。2本連続だそうですが…気になるのはストーリー。
今年初めに2夜連続で放送された“巴里篇”で、原作に出てくるエピソードをあっちこっちから持ってきて、けっこう上手い具合にまとまったな!と、私は思ってたんですが…これから映画となると、どんなストーリーになるのか…。
たしか…まだマルレ・オケ(千秋が常任指揮者をしているオーケストラ)はちゃんと出てきてなかったですね…。千秋サイドだとその辺りが出てくるかなぁという気がします。
スペシャルドラマで初めて登場した、ウエンツ瑛士くん演じるフランクやベッキーさん演じるターニャもすごく良かったので、また見られるといいなぁと思います。
まだドラマでやってないエピソードを思い浮かべては、あれはどうだろう、これはどうだろう…と想像するのも楽しいものです。が…早く詳細を知りたいです。
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これは、この間泊りがけで出かけたときのお供にしたもの。
高田崇史・著
『QED~ventus 熊野の残照』
人には言えないある理由から、故郷・熊野を捨てた薬剤師・神山禮子が、何かに衝き動かされるように参加した熊野旅行で、彼女は崇や奈々と行動をともにすることに。
…後鳥羽上皇たちはなぜ苦行の熊野詣でを繰り返したのか?牛王宝印にかけられた呪と、八咫烏の正体とは?崇が神話の本質を暴くとき、禮子の過去にまつわる真実も…。
今回は、結構珍しいタイプ。
いつもはたいてい、奈々からの視点で訪れた土地の印象だったり、崇やその他の人物との会話が描かれるわけですが。
今回は奈々・崇とともに熊野で行動をともにする禮子の視点から、奈々や崇を見ながら、かつて捨てた故郷・熊野を見、崇の語る、熊野詣でや八咫烏についての話を聞く…という感じ。
途中に挟まれる“告白”と“独白”。この意味が明らかになるのは、かなり後になってから。でも…注意深く読んでいけば、もっともっと早く気づけていたものを…!とちょっとばかり悔しさを覚えました。その、最後に差し掛かったのは、東京から帰ってくる電車の中ででしたが、「え、え…。あぁ~そういえば…」とかいいながら(もちろん心のなかで)、あちこち読み返しました。それでなんとか理解できたというか。
まぁ禮子の過去にまつわる真実については、崇の話の内容から、もしかしたらこういうこと?みたいなところは結構早くに見えてくるわけですが…親が子を思う心がそこにはありつつ、やっぱりやるせないなぁと思わずにはいられませんでした。
さて…これの次、『QED神器封殺』とこの作品は色々と繋がっているところがあるそうなので、読むのがまたまた楽しみです。
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好きなシリーズってことで…またまた読んでみました。
北森鴻・著
『蛍坂』
三軒茶屋の裏通り、ぽってりとした白い提灯が目印のビアバー“香菜里屋”。この店の裏メニュー、それはお客の持ち込む謎と、その解決。
この前読んだ『香菜里屋を知っていますか』と同じシリーズで、いっこ前の一冊。
なんとなくですが…このシリーズって、お店に集う人たちの会話がほのぼのと楽しい半面で、持ち込まれる謎やその真相が、とても切ないものが多かったりするわけですが。
とくに、昔別れた恋人がすでにこの世を去ったことを知った主人公が、たまたま、彼女がよく訪れていた“香菜里屋”にたどり着いて…という表題作の「蛍坂」とか…主人公の公開や無念の思いが、ほんと切ない。
あとは「雪待人」。これは“誰か”を待つために、古くからある画材店をそのまま残して営んできたらしい女性のことを、彼女を思っていた男性が「何を待っていたんだろう…」と“香菜里屋”で語っていて…。じつはこの話、『香菜里屋を知っていますか』への、ある意味での伏線になっているのですよね…。マスターの工藤が、この話に出てくる女性にオーバーラップします。
さて…このシリーズもあと一作読むと、終わり(順番はかなりおかしくなりましたが)。
好きなだけに、もっと読みたい気持ちもあってちょっと寂しいですね…。
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かわいい表紙だったので、気になってつい。
角田光代・著
『福袋』
恋人との結婚を目前にして姿をくらました兄。音信不通だった兄を、彼の恋人とともに大阪の街で探し歩くことになったかよ子。兄に会えたら、彼のせいで苦労することになった両親と自分の鬱憤をぶちまけたかったかよ子ですが…。(表題作「福袋」)
レビューを書こうと思って調べたら、これって連作短編集なんですね…。私の理解力が足らないのか、ぼんやり読みすぎなのか、短編同士の繋がりが…イマイチ私にはよく分からなくて…。なんとなく、地名だとかに「おや?」と思うところはあったりしたんですが…。
それはそうと。なんだか…始まっていく人たちの物語よりは、ひとつの終わりに向かっていく人たちの物語というのが沢山含まれている短編集だなぁという印象を持ちました。たとえば…一緒に役所へ離婚届を出しに行った元夫婦がでてくる「白っていうより銀」とか、離婚届けを置いて出て行った夫の真の姿を探ろうとする妻が主人公の「カリソメ」とか。あとは同棲を始めたばかりの男女が出てくる「犬」は、一見始まりの物語のように感じられるのに、もう終わりが見えちゃっているようにしか見えないというか。
なんでしょう…人の心の、きれいごとばかりじゃない部分がたくさんさらけ出されるからこそ、あぁそれなら終っちゃっても仕方ないなぁって妙に納得させられる部分があったりもしました。
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映画化もされた『T.R.Y.』を読んでから、度々読んでいる作家さんです。
井上尚登・著
『クロスカウンター』
元大手外資系証券会社アナリストからフリーの金融探偵に転身した七森恵子が、数々の潜入調査のなかで次第にひとりの天才詐欺師の存在に気づき始めます。相棒の如月浩二郎とタッグを組み、次第に暴かれていくその詐欺の全容とは…。
詐欺事件といえば…最初に読んだ井上さんの作品も、超がつくほどの天才詐欺師・伊沢修が登場する作品でした。ですが今回は反対側、詐欺師を迎えうつ側が主人公。最初の方は独立した事件(?)みたいな仕立てになっていて、それがかえって読みやすく、登場人物のキャラクターが掴めてきたところで、大きな流れに突入していくので、物語に入り込みやすかった気がします。
なんか…この手の話を読むと、映画とかドラマにするならどんな女優さんや俳優さんが似合うだろう?とか考えてしまいます。でもまぁ、なかなかハッキリしたイメージにはならないんですけども…。
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今回は珍しく…まだ読みかけの本のレビュー。
池井戸潤・著
『シャイロックの子供たち』
この方の書く小説で図書館に入っているぶんに関しては、ほぼ読んでいるんですが、この間図書館でまだ読んだことないのがあったので借りてきました。
舞台は東京第一銀行長原支店(もちろん架空)。そこに働く人々が登場し、様々な立場から、そこでの出来事が語られていく…という。「第○話」という章立てになっているので、長編小説の体裁なんですが、章ごとに主人公が変わるのでどちらかというと連作短編的な雰囲気かもしれません。
で…第二話までは、時系列で繋がっているだけかな?と思わせておいて、第三話で起こった事件をきっかけに、それ以降はその謎を解こうとする人々の話になったりしていきます。
まだ途中なので、この先がすごく楽しみ。今晩中に読み終われたらいいですね…。明日に持ち越すと、仕事中とかに気になって仕方ないので。
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初めて読む作家さんですが…なんだか面白そうだったので、つい。
今野敏・著
『潜入捜査』
警視庁マル暴担当刑事・佐伯涼。情け容赦ない実力行使によるヤクザ狩りで裏社会の恨みを買っていた彼に、突然の異動辞令。それは警察手帳と拳銃を返上したうえで、環境庁の下部組織“環境犯罪研究所”への出向。飛鳥時代から代々続く暗殺者の末裔である佐伯は、古くから家に伝わる“佐伯流活法”で、暴力団による産業廃棄物不法投棄事件の渦中に単身潜入し、戦いを挑むことに…。
今野敏さんは刑事ものの小説をたくさん書いてらっしゃるようですが、これは15年以上前、まだ今野さんが刑事ものを書き始めた頃の作品だそうです。ご自身があとがきで「拙さが目に付く」と書かれていますが…、拙いと表現していいのか分かりませんが、闘いの場面で出てくる技の名前や、使う武器のことだとか…説明が続くところとかは、なんだか本筋を忘れそうになったりしました…。
ですが、佐伯が出向することになった“環境犯罪研究所”のメンバーも、なんだか一癖も二癖もありそうで、この人たちの登場する話をまた読んでみたい気もしました。
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テレビで放送された映画の小説版を、たまたま本屋さんの文庫コーナーで見つけたので読んでみました。
矢口史靖・著
『スウィングガールズ』
東北のダメな女子高生・友子がひょんなことからビッグバンドを結成。次第にジャズの楽しさに目覚め、仲間たちと目指すのは市内の音楽祭。ところが…。
あぁ。ほんとに満足する面白さでした。
映画のほうは、公開されたときに映画館で観て、それから映画祭でも観る機会があったり、また、DVDを持っているくせにテレビで放送されるときには必ず見ているというくらいに大好きな作品です。
そんなわけで…自分としてはかなり細かいところまでよく覚えている数少ない作品なので、テレビで放送されたのを見たばかりだったのもありますが、映像を鮮やかに蘇らせながら読みました。
この小説版では、映画の中には出てこない場面がチョチョっと出てくるところが面白かったり、また、主人公の友子ばかりでなく、様々な登場人物についてもかなり細かく書き込まれているので、それぞれの人物だったり場面がより立体的に感じられて読み応えもありました。
さて…今週末には矢口監督の最新作『ハッピー・フライト』が公開になります。もちろん、ものすごく期待してます。ドラマとかの影響で飛行機&空港に心ときめくようになった私ですが…矢口監督がどんな風にそれを描いてくれているのか?というのがとても楽しみです。
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週末に、いつもの何倍かの勢いで読みました。
有川浩・著
『図書館危機』
前作『-内乱』(レビューはこちら)の最後、じつは身近に、ずっと憧れていた王子様がいた、ということを知ってしまった郁の動揺する様から始まりました…。そんななかで起こる、小牧の恋人である毬江が巻き込まれた痴漢事件。そして隊長の玄田のところに元恋人である折口から持ち込まれた相談事などなど…今回も様々な事件が起こりますが…この巻最後の大事件は、郁の故郷である茨城で県の美術展をめぐって起こる事件。これが、図書隊に大きな影響を与えていくことになります。
そんななかでですね…なかなか進展(?)しない郁と堂上をさしおき、手塚と柴崎の関係に大きな動きが。びっくりですが、ちょっとドキドキさせられたりしてなかなか読むのが楽しかったです。
また、図書隊のトップである稲嶺指令が退任…ということになり、そのシーンはちょっと…ウルウルしてしまいました。が…まだまだ登場の機会がたくさんあることは、すでに次作である『-革命』を読んでしまっているのでわかってはいますが…。
さて、あとは最終巻のレビューを残すのみです…。
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だいぶ前に読んだ本の続編。久々に図書館に行ったら新しく入ってたので、早速。
有川浩・著
『図書館内乱』
※前作のレビューはこちら。
舞台はだいたい30年後くらい(らしい)日本。前作では結構大きな事件がドドーン!って感じで、そのなかに、主人公の郁(いく)が図書隊員を目指すきっかけとなった憧れの「王子様」のエピソードだの、その正体だの、郁の周りの人が色々登場して云々…って感じでした(かなり適当な説明)。
で…2作目の今回は、郁とその上官である堂上(どうじょう)のもどかしい関係はもちろん、同じ班で堂上と同期の小牧と彼の幼馴染の女の子が絡んだ事件とか、郁の同期である手塚とそのお兄さんの関係から郁がある事件に巻き込まれたり、郁とは寮で同部屋の柴崎の前に現れた気になる存在、とか…。ちょっと一話完結っぽい雰囲気を漂わせつつ、徐々に、郁たちは大きな事件の渦中に巻き込まれていくという感じになって行きます。巻末にはいちおうその事態は収束しますが…郁は、自分を事件に巻き込んだ張本人である手塚の兄・慧(さとし)から、「王子様」の正体を告げられて衝撃を受ける、というオチつき…(笑)。読む側はもちろん分かってますが…分かってない人と、それに触れたくない人の微妙なやり取りが、もう可笑しくてたまりませんでした。
前作で大体のストーリーというか世界観やキャラクターの特徴がつかめていたのと、前作よりも事件の起こる場所があまりあちこちに飛ばないこともあって、イメージしやすく、思っていたよりもサクサク読めました。
全部で4巻になっているこのシリーズ、ほんとに読み進むのが早くて、このレビューを書いている時点では、もう読み終わってます…。読むのがほんとに遅い私にしてはとても珍しいことです。早いうちに次のレビューも書こうと思います。
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この人の本は15年くらいの間、なんだかんだ言いつつずっと読んでいたりします。
吉村達也・著
『ドリーム』
学生のとき、“できちゃった結婚”をした大輔と瑛子は4年後、大輔の浮気問題と瑛子の家出をきっかけに大きな事件に巻き込まれることになり…。
大輔と瑛子の視点から交互に、大輔が巻き込まれた事件と、家出をした瑛子の視点から、瑛子がなぜそんな行動に出たか…というところが明らかになっていく…というような感じでしょうか。
それにしても…大輔も瑛子もかなり自分勝手というか、なんというか…。とくに冒頭、大輔が「これから自分は離婚するぞ」みたいな文章をブログに書いているところがでてきて、これがもうエゴのオンパレードでだいぶムカムカしてくるんですが、色々な出来事が起こるなかで少しずつそれが変化していきます。なんとか…ほんとになんとか、最後にはちょっと救いのある感じで終わって、ほっとするという。
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角田光代・著
『ロック母』
未婚の母となるのを目前にして故郷の島に戻ってきた“私”が目にしたのは、かつて自分が聴いていたロックを大音量で聴きながら人形の服を縫う母の姿で…(表題作『ロック母』)。1992年から2006年までに書かれた7つの短編を収録。
書かれた時期もバラバラで登場する人もみんな違うのに、どこか共通する空気というか、雰囲気が感じられる短編集でした。今まで私が読んだ角田さんの作品は比較的新しいもの(2000年以降くらい)ばかりだったので、昔のはちょっと違った感覚で新鮮だったし、最近のものは読みなれた…というか読み覚えのある感覚でした。
舞台が日本ではない作品もいくつかあって、そのなかでも『緑の鼠の糞』は今年6月に行ったタイが舞台で、普段はあまり縁のない遠い土地なのになぜか身近に感じられました。こういう感覚ってずっと続いているような気がしています。ニュースでタイのことをやっていたり、テレビ番組や映画などでタイが登場すると、ついつい見入ってしまったりしている自分がいます。
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さいきんは図書館の本ばっかり読んでますが…これも。
桂望実・著
『明日この手を放しても』
19歳で目の病気にかかり失明した凛子。家族の中で向日葵のような存在だった母が亡くなったうえ、寡黙ながら優しい漫画家の父までもが突然いなくなってしまい、残ったのは自分のことだけで精一杯な兄・真司。全く気の合わない兄妹ふたりの生活、その未来に待っていたのは…。
今まで普通に見えていたものが、見えなくなってしまうという…“途中失明”。なんとなく想像して、不便なことも多いだろうし…と考えました。そして、そんな彼女が図らずもふたりきりで暮らさなければならなくなったのは、およそ目の不自由な人に対する気配りが出来るとも思えない兄・真司。確かに…最初のほうは、もうちょっと何とかならないのかこの人は…と思うところもいっぱいありましたが、自分の置かれた状況に文句ばっかり言っているところから、10年経つ間に、仕事のことだったり妹のことだったり…一生懸命に考えるようになっていく様子に、だんだん彼のことが好きになって行きました。
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森村誠一・著
『喪失』
様々な“喪失”がテーマの短編集。すべてのお話に登場するのは、森村作品といったらこの人、という棟居刑事。棟居さんが主人公のようなかたちで物語が進むこともあれば、ちょっと良くないことを企んでいる人が主人公で、その人の前にひょいと現れてドキッ、ヒヤリとさせるものもあったりします。
私の個人的な好みとしては「一期のクラス会」という、棟居さんが高校時代の同級会に出るというお話。そこで初恋の相手に会ったり、またその他の人物から語られるその高校時代や現在について…。同じ教室で机を並べていたこともありながら、現在はバラバラな人生を送っている人々。それを同級会への案内状が、その一時だけ結びつけるという、そしてその時間は戻ることも、同じような出会いは二度とないということ…その切なさにドキドキさせられました。
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5月に買ったというのに、今頃読んでみたり(笑)。
野村萬斎・著
『MANSAI◎解体新書』
私はいままで一度も行ったことなかったんですが…「MANSAI◎解体新書」は、萬斎さんが芸術監督をされている世田谷パブリックシアターでの、演劇や表現することについて考えるというシリーズ企画。この本ではそのトークやパフォーマンスの様子を、写真を交えて紹介しています。
私が興味深かったのは、茶道家の千宗屋さんと脳の研究をしている池谷裕二さんが出演の会での、「真上からものを見ることがないのに、それをイメージできる脳の不思議」というところです。茶道の世界では、茶室での足の運びや道具の置き方を示した古い分権なども真上から見た図になっているそうですが、他の分野でも、例えば、ダンスのステップを図解したものなんかも真上から見た形になっていたり、こういうものは沢山あるので、誰か特別な人が持つ能力と言うより、脳がもともと持っている不思議な能力なのかなあ…という気がしました。
専門家の人同士が喋ったりするので、もっと難しい話になったりするのかなぁと思いましたが、まったく理解できないということはなくてですね、身近なことに喩えられたもしていて分かりやすく、なんとか読み終えることができました。
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北森鴻・著
『香菜里屋を知っていますか』
三軒茶屋の裏通り、ぽってりとした白い提灯が目印のビアバー“香菜里屋”。この店の裏メニュー、それはお客の持ち込む謎と、その解決。
あぁしまった…。この本、前に読んだ『桜宵』の続編ではありますが、間に読むべきものを飛ばして、完結編に来てしまいました…。まぁそれはそのうち読むとして。
ビアバー“香菜里屋”のマスターである工藤が、お客の持ち込む謎をさり気なく解き明かしていく…というお話で、美味しそうなお酒に肴を想像するだけでお腹が鳴りそう、なんですが、今回はそれだけではなく。
工藤の過去がかなり明らかになってですね…ずっと続いていくのかと思えた香菜里屋と常連客たちの関係に変化が起こる、という。
最後の方はなんだかちょっと切なかったですが…それだけに、引き込まれるものがありました。
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週末、旅のお供に持っていった本。
三島由紀夫・著
『潮騒』
文明から孤絶した海青い南の小島“歌島”。ここで漁師として働く新治はある日、養女に出された先から戻った島の名士の娘・初江と出会い、お互いに惹かれあっていき…というお話。
ここ数年、三島作品を読むことは私にとってはライフワークのようになっていて、昨年の今頃は絶筆となった『豊饒の海(四)天人五衰』を読んでいました。これは映画『春の雪』(行定勲監督)が公開された2005年に読み始めた『豊饒の海(一)春の雪』から足かけ三年かかりました。始終読んでいるわけではありませんでしたが、つねに心のどこかにある存在、それが三島作品です。
今まで『豊饒の海』四部作やその他の作品を読んできた身からすれば、今回読んだこの『潮騒』は、なにこれ全然違う…!という思いがすごく強かったです。いえ…悪いと言うわけでもなく、また逆に今まで読んできたものを否定するわけでもなく…ただただ驚きというか。
中学を出てから毎日海に出て働く日々を送る新治のささやかで変わることのない毎日と、そのなかで思い描く素朴な将来への夢。そんな彼に訪れた恋によって変化していく心の動きを様子が丁寧に描かれ、また島での彼や彼の想い人である初江やその周囲の人々の日々の暮らし、素朴な島の美しい風景などが描かれる様子は、温かく清々しく感じられました。
新治と初江が互いに想いを寄せていく間に、ふたりの間に現れる障害は、初江の入り婿になるという噂が出た島の名門の出である安夫と、新治が世話になっている燈台長の娘で彼に想いを寄せる千代子。彼らの持つ自尊心や劣等感などが、少しずつ想いを育てていこうとする新治たちの関係に大きな影響を及ぼしますが、今まで読んできたものが読んできたものだけに…良い方向に進みつつあるときでもなんだか、何か起こるんじゃないだろうか…と穿った見かたをしてしまいがちですが、そんな思いをあっさりと裏切った形で終わっていく物語。
悲劇的なものを読むのは、すごく心を惹かれる反面辛い部分もあります。そんな意味からすると、今回はほんとうに楽しんで読みました。
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結構前に、読み始めたものの途中で止まったままずーっと放置されてたもの。最近ようやっと読み終わりました。
茂木大輔・著
『こうしろ!未来のクラシック~茂木大輔の予言・提言・夢と現実』
21世紀のクラシック界の、大胆かつ独創的予想。
N響オーボエ奏者のほか、指揮活動などでも活躍中の茂木大輔さんの著書。
クラシックコンサートだったり、レコーディングや作曲などが、この先こうなるかも…とか、こうなったら面白いかも…というような予想や希望などが色々紹介されています。
また、作曲家の服部隆之さん、指揮者の飯森範親さん、声楽家の森麻季さんとの対談ではもっとリアルに、これからのクラシック界のことを語っています。
それから…「二十一世紀・音楽の終末と復活」という空想小説。天変地異か何かによって地上のすべてのものが消滅した…というなかから、わずかに生き残った人々が少しずつ音楽を復興させようとしていく…というお話。荒唐無稽な設定と分かっていながら…どんどん引き込まれました。終盤、あちこちから集まってきた人々が苦労しながらベートーヴェンの「第九」を演奏し、それを聴くための人もまたはるばる集まってくる…というのが…なんだか感動的で胸が熱くなりました。
そして、N響の海外演奏旅行のレポも面白かったです。移動時間が長く、自由になる時間が沢山あるわけでもないなか、その土地でしか触れることのできないものを求めるその貪欲さには頭が下がる思いでした。
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奥田英朗・著
『ララピポ』
対人恐怖症のフリーライター、ノーと言えないカラオケボックスの店員、風俗専門のスカウトマン…どうにもならない日常を送る人々による群像劇。
面白いんですけど…とりあえず、ご飯を食べながらという、お行儀の悪い読み方はやめましょう(私のことですがね)。とてもじゃありませんが、ご飯を美味しく頂こうという気分にはなれません。という種類の気持ち悪さを感じます。
ここに登場する人たちには、もう人生やめたいなぁというか、頼むから誰か別の人生用意してくれないかなぁというか、そんなどん詰まりを感じさせられますが、なかには案外楽しんじゃってるというか、結局上手く行っちゃってるみたいな感じ。
物語は、対人恐怖症のフリーライターから始まって、短編連作的風に、そこに関わる人にリレーしていくような形で進んでいって、最後の章に、そこまで登場した人のその後がちょっとずつ出てきて、人生って…みたいな感じで、まぁまとまっていくというか…。
こういう、あっちとこっちがこういうところで繋がってて…みたいなの、読むの結構好きなので楽しめました。
この本を買ったとき、「映画化」というオビがついてました。
監督は、いま『パコと魔法の絵本』が公開中の中島哲也監督。出演は成宮寛貴くんや森三中の村上さんなど。公開は2009年正月の予定だそうです。
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昔話や童話と精神科、どんな繋がりがあるのか…興味をひかれました。
大平健・著
『診療室にきた赤ずきん』
精神科を受診した患者たちが聞かされる、昔話や童話の数々。それが自分の物語だと気づくと、その当惑は驚きに変わり…。
著者の大平健さんは、精神科のお医者さんです。そんなわけで、実際に病院を訪ねてこられた患者さんのケースがいくつか紹介されています。
「ねむりひめ」や「赤ずきん」、「三年寝太郎」などなど…。物語は物語として、ただただ読んでいたのに、そこには私たちが暮らす現実の世界に通じる様々な事柄が含まれているんだなぁと、そう考えると、作者も私たちと同じ生身の人間なんだなぁと…なんだか、そんなことまで考えてしまいました。
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矢沢あい・著
『NANA-ナナ-』20巻
えーと…最初“現在”と思いながら読んできた“過去”の物語が、“未来”のように感じられていた“現在”に、だいぶ近づいてきました。それはもちろん、もやもやとしか見えていなかった悲劇の形も、次第にはっきりしてきて、知りたい気持ちと辛いなぁという気持ちの半々で、ドキドキしながら今回も読みました。
もうずっと、ナナとその周囲の“現在”と“過去”を薄氷の上を進むような気持ちで読んできましたが、それにしてもこの巻のラストは、ほんとに衝撃的でした…。とうとうここまで来たか、というか、あぁそういうことか…と納得する部分も結構ありました。この先が楽しみ、という言い方もなんだか不謹慎な気もしますが…、今回読んで自分なりに見えてきた話の筋道が合っているのかどうか…早く確かめたいです。
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ずいぶん前に買って、置きっぱなしになったいた本です。サイトウ・キネンのスクリーンコンサートに行ってから、ふと思いついて読んでみた、というような…。
茂木大輔・著
『拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術』
クラシックは敷居が高い?正しい拍手のしかたとは。
N響首席オーボエ奏者で、指揮者としても活動している著者・茂木大輔さんが、クラシック音楽に関する疑問に答えています。
クラシック音楽(や、その演奏会など)を、敷居は高くないですよっていう感じで紹介しているのかな?というイメージがありましたが、必ずしもそうではない部分が、私の印象としては意外でもあり、また、わかるなぁと思わされる部分でもありました。
私自身は、クラシックに興味を持ってから初めてコンサートへ行ったときも、それほど不安に感じたりすることもなく…普段お芝居とかを観に行くのと同じ感覚で出かけたんですが…、多くの人は大抵、特別なマナーなどがあるのでは…とか心配になるものらしいですね。そういう不安を抱える人にとってかゆいところに手が届くというか、コンサートに行く前には演奏曲の予習をしましょう、から始まり、会場でのことなど詳しく書かれているので、ためになるんじゃないかなぁと。
私もまだまだ初心者で、音楽のことには詳しくないので…この本はこれからもクラシックを聞くにあたって、参考になりそうなことが多かったです。
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さいきん、オリンピックのことばっかり書いてますが…いちおう、本も読んでますよってことで…。
高田崇史・著
『QED鬼の城伝説』
夏休みを利用して出かけた岡山県で、またまた事件に遭遇する崇たち。今回は桃太郎と、桃太郎に退治された鬼に関する伝説が登場。このシリーズらしく今回も、事件の謎に迫りつつ、一般的に知られる桃太郎や鬼についての話の裏に隠されている(と思われる)真実に迫ります。
いつものことながら、そんな解釈もあるんだなぁと興味深く読みました。
また、奈々の妹・沙織が前々作『龍馬暗殺』くらいから出てきましたが、今回もなかなか面白いキャラクターで、楽しませてもらいました。
前半…というか後半に入る辺りまで、奈々と沙織、それから小松崎の3人と…一方で起こっている事件の関係者、という展開が続いて、崇はなかなか登場しない今作。崇が登場するとなんだか、急にストーリーが転がりだしたような印象がありました。きっと…あの独特な薀蓄による効果でしょう…(笑)。
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江上剛・著
『失格社員』
嘘、セクハラ、ごますりなど…オフィスにあふれる、不祥事の元凶を描く短編10作。上司や部下、そして会社と自分との関係のなかで悩んだり怒ったりする主人公たちの様子が描かれています。
悪いほうの意味で、こういう人が上司だったりしたらたまらないなぁと思ったのは「汝、殺すなかれ」。銀行の支店長が自らの出世のために考え出した部下の管理方法によって、部下たちの精神状態や彼ら同士の関係がどんどん悪化していくという…。こういう上司の下で、というかこういう職場環境で働くのは御免だなぁという気がしました。でも成果主義が取り入れられるようになってから、こういう会社って増えてるんでしょうね…。
また、部下の仕事を自分のものにしてしまう上司との関係に悩む「汝、盗むなかれ」。この上司は…上司としてというより、そもそも人として尊敬できないです。早いとこ痛い目に遭ってしまえ!と毒づいてしまいたくなりますが…こういう人ほどしたたかに世の中を渡っていくものなんですよね、不公平だなぁと思ってしまいますが…。
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ふと思いついて読み始めましたが…ラストまでだいぶ時間がかかりました…。
箒木蓬生・著
『閉鎖病棟』
とある精神病院で、様々な過去を抱える患者たちが送る日々のなか、殺人事件が起こって…というお話。
そこで暮らす人々の、表向きは平穏ながらその過去や、漠然とした不安のようなものを感じさせられました。
物語は主に、患者のひとりであるチュウさんの目線から語られます。もう30年も精神病院に入院している彼は、その生活や周りの人たちとのふれあいに満足しながらも、次第に変化する環境に、次第に自らの心境も変化していきます。
そんななかで感じる人と人との繋がりや、この人はこんな風に自分のことを見て、思ってくれているんだなぁという、チュウさんの驚きや感動が伝わってきて…終盤は何度も涙ぐんでしまいました。
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本のレビューは久々です。
全く別の本を探していたときに偶然見つけ、面白そうなのでついつい買ってしまいました(笑)。
篠田達明・著
『徳川将軍家十五代のカルテ』
医者で作家の著者が、徳川将軍15人や“水戸黄門”こと水戸光圀などについて、発掘された遺体や当時の記録、肖像画など様々な資料をもとに、彼らがどんな生活をしていたのかとか、どんな病気を患ったのかとか、さらには亡くなった原因などに迫っています。
それぞれの人物について、生まれてから亡くなるまでを医学的な立場から追いかけていて、なかなか面白いです。
ここ2~3年、ドラマの『大奥』を見たあたりから江戸時代、それも将軍を中心にして興味を持つようになっていて。それに加えて今は大河ドラマ『篤姫』をずっと見ていることもあって、興味津々で読みました。『篤姫』関連だと、十二代家慶の記述からはドラマを見ている者からすれば島津斉彬やら阿部正弘やら…お馴染みの名前が登場したりして、おっ出てきた!という感じ。
徳川将軍家って、御三家や御三卿などから選ばれることもあったりして複雑だなぁという印象があって、今までは名前や順番のはっきりしないところもあったりしたんですが、そうでもなかったなぁと。読み終わってからは、初代から十五代までスラスラと名前が出て来るようになりました。さらにそのときに、「家斉…子だくさんだった人」みたいな感じでひと言コメントが頭にポンと浮かぶくらいです。
また、私の住む信州に縁のある人物も取り上げられていました。家康の六男・松平忠輝です。この人、幕府に反抗するような振る舞いや不始末などを理由に、家康の死後、二代将軍秀忠によって処罰され配流となり、伊勢朝熊、飛騨高山と身柄を移された末に信州高島藩にお預けとなりました。高島城で亡くなったとき、92歳だったといいますから、その時代としてはかなりの長生きですよね…。亡くなった1683年といえば五代将軍綱吉の頃です。家康のひ孫の代まで生きていたなんて、すごいですね。忠輝のお墓は諏訪の貞松院にあるそうです。
現在放送中の大河ドラマ『篤姫』に登場する将軍としては家慶・家定・家茂・慶喜の4人ですが、篤姫が将軍家に嫁いだ頃の家定は、すでに持っていた脳性麻痺らしき障害に加え、脚気(かっけ)の症状などが重くなっていたそうで、ドラマのなかでの様子とは、またずいぶん違っていたんだなぁなんてことを思いました。また、この後登場する家茂は、肖像画を見るとずいぶんキリッとした顔立ちの人だったようで…そしてなんとなく、家茂を演じる松田翔太さんと似ている気もしました。
何はともあれ、ますます江戸の歴史に興味が湧いてきました。
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最近…和楽器のことについて興味があって。
この間、東京の楽器店で見つけた本です。
西川浩平・著
『邦楽おもしろ雑学事典』
邦楽器のあれこれや、そんな邦楽器の関わる日本の伝統芸能などについて書かれています。
私は野村萬斎さんに興味を持ったことで、能・狂言を観に行く機会も多いんですが。そこで使われる笛…いわゆる“能管”が、とっても複雑な構造、そして謎の多い部分を持っていることを初めて知りました。つまり、歌口(唇をあてるところ)と、それにいちばん近い指孔の間に細い竹の管を差し込んで律を狂わせているのですが…どうしてそういう構造が生まれたのか…というのは、推測できる理由は色々ありながら、未だに分かってはいないのだとか。
つい先日、地元で行われた能と狂言の催しに足を運んだときには、この本を読んでいたこともあって、演じる人とは別に、舞台上で演奏される笛・太鼓・小鼓・大鼓といった楽器もとても気になって観ました。
また、最近ライブを聴きにいったことを機に、尺八に興味を持っている私ですが、その前進とも言われる「一節切(ひとよぎり)」という楽器の、遡れば織田信長が愛用していたという品が地元のお寺で所蔵されており、それについても触れられていました。実は…今年の秋、その笛の音を聴く機会がありそうで、とても楽しみにしています。楽器ひとつでも、限りない興味が広がっていくものだなぁと思います。
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だいぶ前に母から借りて…ほかのものを読んでいたりしたせいもあって、ようやっと手をつけました。タイトルからして…警察小説好きにはたまらなく胸をときめかされます。
横山秀夫・著
『臨場』
人呼んで“終身検視官”こと捜査一課調査官・倉石義男。死者からのメッセージを的確に読み取るその観察眼と推理。組織におもねることなく我が道をゆく倉石の生き様を描いた、全8編からなる短編小説集。
タイトルの“臨場”とは、警察組織で、事件の現場に臨み初動捜査にあたることをいいます。そんなわけで…今更ですが、この作品は警察小説です。
私はこの言葉を目にすると、黒いロングコートまたはトレンチコート(古…っ)またはダークスーツの裾をサッとなびかせて現場に到着する刑事さんの姿を思い描きます。
しかしこの作品の主人公としては、切れ者の検視官・倉石。ですが、彼の視点で語られるエピソードはなく、彼の関わるそれぞれの事件に捜査する側として関わる警察関係者や、その周辺にいる人たちから見た倉石の、とってもキレるところや、それ以外のちょっと変な(?)面が垣間見られ…、またその人並外れた事件の真相を見抜く“目”と、事件に臨む執念に驚かされます。
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爆笑問題・著
『爆笑問題の「文学のススメ」』
日本テレビ系で深夜に放送されていた「爆笑問題のススメ」から、花村萬月さんや中村うさぎさん、倉田真由美さん、平野啓一郎さんに団鬼六さんなど…幅広い作家が登場して、爆笑問題と繰り広げるトーク集。
この番組は当時好きでよく見ていたので、あぁこれ見たなぁっていうトークもありましたが、夜遅いということもあって見逃していた回も多かったです。たいてい、作家の方のお話を聞きながら太田さんが程よく(ときには過剰に…)ボケて、田中さんがツッコミを入れる…というパターンですが、たまーに、松尾スズキさんだとか江川達也さんだとか…テレビによく出られている作家の方は、自らボケたりするという、そこもなかなか面白かったです。
コラムでは児玉清さんと爆笑問題のふたりが読書についての対談をしています。児玉さんといえばNHKで放送されている「週刊ブックレビュー」の司会でもおなじみ。なんだか…文章を読んでいるだけで、あの穏やかな口調が聞こえてくるようです。
児玉さんのご自宅の本棚には結構な数の本があるそうなんですが、お子さんたちはその本には触らないのだそうです。それは父親とは関係ないところで本を読みたいようだ…と児玉さんはおっしゃっています。
確かに…本を読む人にとって「どんな本を読むのか」という選択からして自分の興味や嗜好といった“自分そのもの”なので、本を選ぶところからして自分なりの思い入れがあるんですよね…。私自身も昔は、母親が読んでいる本のなかから面白そうな本を探して読んでましたが、ある時点で「こういうものを読みたい」というのが定まってきたころから、母親が読んでいるタイプとはまた違う道に入り込んだというか…。そう考えると読書は、自分自身をつくること、自分自身を知ることでもあるんだなと、あらためて思いました。
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今年1月から放送されていた、玉木宏くんのドラマ。その原作小説をようやく読み終わりました…。
万城目学・著
『鹿男あをによし』
二学期限定で奈良の女子高に赴任した“おれ”に話しかけてきたのは、なんと、奈良公園の鹿。鹿は彼に、「この国を救うため」のとんでもない命令をしてきて…?
ドラマのシーンを思い浮かべながら読んだので、結構、頭の中で想像するのが楽しかったです。
小説とドラマでいちばん違うところは、藤原先生がドラマでは女性になっていたけれど小説では男性で奥さんも子供もいるっていうところ(なのでもちろん、重さんの家に下宿したりもしていません)。だから主人公の“おれ”に恋心を抱いたりもしないし、一緒に“目”を探したりもしないです。…その辺りは、結構シンプルなお話になっている気がしました。
で…ドラマでは鼠の運び番を見つけ出すまでの紆余曲折に、かなり時間を割いて、なんというかサスペンスドラマ風でしたが、小説ではかなりあっさりと、そんな展開?っていうようなところから真実が姿をあらわしたりして…ちょっと驚きました。
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楽しみにしていた下巻が出たので早速読みました。
山田真哉・著
「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い
禁じられた数字<下>
数字は人を騙す武器です。
数字に騙されず、常識に惑わされないために、数字が苦手な人でも「数字の裏側」を読めるようになること、「会計がわかればビジネスもわかる」といった会計に関する誤解をとくこと。この二つを目的として、普段語られない“会計の本質”に迫り、数字のウソを学ぶことで数字に騙されない“考える力”を鍛えます。
<上>の「食い逃げされてもバイトは雇うな」をいい意味で否定する内容になっていて、なるほどなぁと感心させられました。要するに、食い逃げを防止するためにバイトを雇うと、その人件費のほうがかかってしまい無駄であるという内容が<上>の「食い逃げされてもバイトは雇うな」。で…バイトを雇わず食い逃げを黙認しているうちに店の信用がなくなり、さらに食い逃げにとどまらずレジごと盗まれるというような被害に発展しかねないのでバイトは雇ったほうが良い、というのが今回。会計的な見方をすれば<上>のようにするのが正しいと考えられるものの、ビジネス…つまり企業を経営するという視点からすると<下>のような方法を取るほうが結果的には正しいという。
たしかに…こう読んでくると、「会計がわかればビジネスもわかる」というのは、ちょっと違うかなぁという気がしてきますね。というかつまり、会計を理解したとしても、それをそのままビジネスに当てはめるのは間違い、ということでしょう。会計とビジネスは別物、というか考え方は正反対だということを知ったうえで応用することは、まぁ良さそうですけどね…。
…会社を経営するとかそういうのとは無縁な私ですが、数字が人に与える影響など、なかなか興味深く考えさせられる内容でした。
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ちょっと前に、角田光代さんの短編集を読む機会があって…今回はその角田さんの、直木賞受賞作を読んでみました。
角田光代・著
『対岸の彼女』
専業主婦から仕事に復帰しようとする小夜子と、独身で女社長の葵。ともに三十四歳、しかし性格も育った環境も異なるふたりに、はたして友情は成立するのか…?
物語は、小夜子の視点(現在)と葵の視点(過去)とで交互に語られていきます。小夜子から見た現在の葵と、過去の葵が別人のようで、最初は戸惑いました。で…あるときから葵の現在のキャラクターが、葵の高校時代の親友、魚子(ナナコ)っぽいなぁと思いました。そのナナコとの友情や心の繋がりなどを知るにつれ、葵は、もうこの先たぶん会うことはないであろうナナコのような存在を求め、そしてついに自らがナナコのように振舞うようになったのだな…と感じました。
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他の作品を読んだことがある作家さんだというのと、あとは、タイトルに惹かれて読んでみました。
北森鴻・著
『桜宵』
旨いビールに洒落た酒肴。そして事件を読み解く心。今夜も《香菜里屋》で、ひとつ謎が明かされた。病気で先立った妻からの、最後のプレゼントとは…(表題作「桜宵」)。
舞台となるのは三軒茶屋にあるビアバー“香菜里屋”。ここに集うお客さんに関係のある様々な事件を、常連客たちがああでもないこうでもない…と推理しあいつつ、最後には店主の工藤さんがその謎をパパッと解き明かす、そんな感じのお話です。事件は恋愛がらみだったり、リストラがらみだったり、色々ですが、どのお話もワクワク…というと語弊がありますが、すごく興味をひかれるものばかりです。
その、店主の工藤さんが毎回お客さんに出すお料理が、また美味しそうで。とくに揚げ出し豆腐がかなり美味しそう!普通の揚げ出し豆腐ではなくて、なかに明太子とかウニが入っているもので、つゆはコンソメスープを使った洋風なもの。
事件の結末も気になりますが、登場するお料理にも興味津々でした。
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映画にもなった『T.R.Y.』のシリーズは読んだことあったんですが…これも読んでみました。
井上尚登・著
『厨房ガール!』
高名なフレンチの料理学校SWAT。伝説のスパルタ校に入学、ドジばかりしでかす理恵の誰にも言えない秘密、それは元警官であること、そして…。
料理より推理のシェフ見習いが次々事件に巻き込まれ…?
濁ってしまうコンソメスープの謎、ヘビーな味のパスタの真実、何もかも間違ってるレストランの不思議、料理学校に出るという幽霊の正体…。料理とかレストランに関係のある色々な事件が起こって、料理学校SWATに通う元警察官の理恵とその仲間たちが、ドタバタしながらその事件を解決していく…そんな感じ。
井上尚登さんの作品は、織田裕二さん主演で映画化もされた『T.R.Y.』や、その続編である『北京詐劇』は読んだことあったんですが、今回読んだ『厨房ガール!』は、コメディタッチで、かなりタイプが違うなぁと思いながら手にとってみましたが、これはこれで、なかなか新鮮で楽しめました。あとがきに書かれていましたが、井上さんは食べることが大好きなのだそうで、なるほどそうだろうなぁとうなずいてしまうというか、それくらい作中に登場する料理の描写が食欲をそそられる感じで、空腹だとつらいかも…(笑)。
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図書館で見つけたんですけど…なんか、背表紙がきになって手に取りました。…いえ、べつに普通のデザインなんですけど…。
垣根涼介・著
『君たちに明日はない』
リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られ、はっきり言ってエグイ仕事。それでもやりがいはあるし、相性バッチリの恋人もいる。そして明日は…?
主人公の真介は、リストラのための面接を仕事にしています。そこで出会った女性・陽子とプライベートで付き合うようになります。というわけで、真介が面接官をする様々な企業での出来事だったり、その面接を受ける人の視点からのお話になったりもしつつ、真介と陽子の視点からの仕事や恋愛の話が進んでいきます。
真介が33歳で陽子41歳というふたりの、仕事で見せる顔と恋人と過ごすときの顔。なかなか興味深いというか、大人な恋愛をしているかと思うと、ちょっと大人気ないところもあったりして、そこがなんだかカワイイなぁなんて思ったりしました。
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伊坂幸太郎・著
『死神の精度』
あるときは恋愛小説風、あるときはロード・ノベル風、そしてまたあるときは本格推理小説風…。さまざまなスタイルで語られる、6つの人間模様。
6つの物語は、それぞれが独立した物語になっているんですが、ふとしたところで違う物語同士が繋がっていたりする、それがまた楽しいです。
続けて読んでいくと、時間の経過というのが分かりにくく、すべてが同じころの出来事のような錯覚を起こしますが、じつはそうではないというので、物語同士の繋がりを発見したときの「お!これは…」という喜びがあります。
その伏線の張り方とかが、さすがだなぁ…と感心させられます。
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図書館で見つけました。タイトルが、なんかあぶなそうで…気になって読んでみました。
田中宏昌・著
『明日もし彼と彼女がストーカーになったら』
どこにでもいる内気で真面目な女子高生、真子。彼女はバイト先のファミリーレストランのマネージャーに遊ばれ、先輩百恵の薦めで店長の片桐に相談を持ちかけることに。片桐の優しい慰めの言葉に胸を打たれる真子でしたが、それは悪夢への始まりにすぎず…。
うん…なんか、心理描写って言うのかなぁ…“彼”=片桐と“彼女”=真子のストーカーになっていく過程と、また逆に、ストーカーされて追い詰められていく感じがすごく、行き詰る感覚がよく描かれているなぁと思いました。
真子は片桐の行為に追い詰められて、同じことを彼にし返すことになるんですけど…その途中、大人しい感じの真子が思い切った行動に出たりするところでは、ちょっと笑っちゃったり、気持ちがよかったりするんですけど、真子がその行為から抜け出せなくなっていくところは、かなり背筋が寒くなりました。
私が、ちょっとなぁ…と思ったのが、真子の相談相手である百恵。ファミレスでアルバイトをしながら大学で心理学を学んでいる人ですが、困っている人を助けたいという、その正義感ゆえかもしれませんが、なんかあまり人の心が分かってない人では…という印象が。それにまだ勉強中の身なのに、安易にストーカーに対抗する方法をアドバイスしたりしているのが、心配になってしまいました。案の定、彼女の行動、そして言葉によって片桐と真子は大変なことになってしまうわけですけど…。人の心の未知数な部分、そしてそれを安易に決め付けることは危険なんだなと考えさせられました。
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昨年夏、諏訪で行われた「諏訪の長い夜」というアートイベントに参加しました(そのときのレビューはこちら)。そのとき行ったイルフ童画館で、武井武雄さんに興味を持ちました。で…図書館で見つけて読みました。
武井武雄・著
『ラムラム王』
不思議な少年ラムラム王が“ほんとうの生まれがい”を求めて奇想天外な旅を続けます。そして、最後にラムラム王が見つけたものとは…。
児童向け文学なんですけど…非常に興味深く、面白かったです。
主人公であるラムラム王がさまざまな国を渡り歩くさま、そして次々登場する魅力的な人々に、ワクワクさせられました。色々な人に出会い、その中で“ほんとうの生まれがい”を見つけようとする姿に、読んでいるこちらも、何かを見つけられたような気がします。
先に挙げたイルフ童画館。※イルフ童画館HPは、武井武雄さんの出身地である長野県岡谷市に、今から10年前にオープンした、武井さんの作品を中心に展示されている美術館です。
地元の文学者だというのに、児童文学というだけでなんだかあまり今まで目にしてこなかったのがもったいなかったなぁと思いはじめたのが昨年夏。で、今回作品を読んで、その思いはますます強くなりました。
今年、2008年は偶然にも武井武雄さんが亡くなってから25年になります。今年は機会を見つけて再びイルフ童画館に足を運びたいと思います。
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図書館で、面白そうな本ないかな…と物色中にみつけました。
品川ヒロシ・著
『ドロップ』
漫画「湘南爆走族」と「ビーバップハイスクール」にあこがれて「不良」になることを決め、狛江北中へと転校してきた信濃川ヒロシ。そこで待ち受けていたのは、ヒロシがまさに漫画で読んでいた不良生活で…。
お笑いコンビ・品川庄司の品川さんの本です。
不良って、なろうと決めてなるものなのか…私にはよく分かりませんが(笑)。
「湘南爆走族」も「ビーバップハイスクール」も名前でしか知らない漫画ですが、雰囲気的には、あぁこういう感じかぁというか。でもまぁ、たとえフィクションでも未成年の飲酒・喫煙とか喧嘩とか、そういうのを許せない人にとっては、我慢のならない作品かもしれませんねぇ。私自身は、中学生が普通にタバコとかお酒とかって、おいおい…みたいな呆れるところはありつつも、我慢できないほどではなかったかなぁと。
喧嘩していた相手と途中から仲良くなったりとか、けっこう面白いところもあったりして、文章にも勢いがあって、その辺はけっこう楽しんで読めました。
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横山秀夫・著
『看守眼』
R県警で機関紙制作を担当する事務職員・山名悦子は、定年退職者全員分あるはずの手記が、ひとり分足りないことに気づきます。それは、29年間、留置場の看守ひと筋の警察人生を送ったF署の近藤宮雄のものでした。原稿の催促のため彼を訪ねた悦子はそこで、未解決事件の真相に出会うことになり…(表題作『看守眼』)。ほか、「人生の瞬間」を描く6編の人間ドラマ。
自分の仕事とか人生の意味って何だろう…?みたいな疑問や不安を抱えた人が主人公の話ばかりなので、親しみやすいというか…、その漠然と抱える不安とか影の部分が身近に感じられて、どの話も読み進むごとに引き込まれていきました。
ただちょっと、後半の“真相”が明らかになるところが駆け足な印象がありましたかねぇ…。長編小説だと、駆け足になってもそこそこのページ数になるのであまり気になりませんが、短編小説だと、これが呆気なく終わるような感じになりますよね。まぁそれもパパパッと読めていいのかもしれません。
私が気になった作品は『静かな家』。新聞社で紙面を組む“整理記者”が主人公で、彼があるミスをしたことで、思いもよらない事件に巻き込まれていく…というもの。時間に追われながら紙面を作る場面には緊張感があって、その後の「ミスった!」となってサーッと青くなるところなんかはかなり臨場感があって、ドキドキさせられました。そんな感じであたふたしている主人公が描かれる一方で、事件が起こるわけですが…これが彼のミスゆえに起こるというか、まぁミスしなくても起こった事件かもしれないというか…。事件に巻き込まれて困惑する主人公に思わず感情移入してしまいました。
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樋口裕一・著
『頭がよくなるクラシック』
クラシック音楽は論理的だ。全体の構造や作曲家の意図を分析する聴き方で自然と思考力が鍛えられる。初心者が無理なくクラシックの世界に入り込み、楽しみながら知性も磨ける画期的入門書。
あぁ…ほんとに頭がよくなる(?)んだったら、もっと昔から聴いておくんだったなぁクラシック音楽。…というのがほんとかどうかは、まぁひとまず置いといて(笑)。
でも、クラシックに限らず、何かにのめり込んだときに、そのことを突き詰めて考えることによって、物事を考える力とかその考えをまとめる力とか…そういうものが自然と備わっていくものなのかもしれないですね。
私の場合は…クラシック音楽を聴くとき、それほど深く色々考えているわけではないですが、その曲の書かれたころの作曲家の状況だったり、世相だったり…そういうものを知ったうえで聴くと、何も知らずに聴いたときよりはたくさんのイメージとか感想を持ったりするような気がします。そういった意味では、クラシック音楽についてだけでなく、“考える”ということは脳の働きを活発にさせてくれるものだと思います。
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ずーっと気になりながら、ようやく図書館で借りて読みました。本好きとしてはどうしても気になってしまうタイトルですね(笑)。
有川浩・著
『図書館戦争』
――公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる 「メディア良化法」 が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立ち上がる図書館。
敵は合法国家機関。 狩られる本を、明日を守るために、正義の味方、図書館を駆ける…!
ここ2~3年、いやもう少し前からでしょうか…いわゆる“ライトノベル”と呼ばれるジャンルの小説であったり、またはそれを書かれている作家の方が、だんだんとその垣根がなくなってきているという感じで、より多くの人に読まれるようになってきましたね。
前は「ライトノベルは子供の読むもの」みたいな風潮(?)があったらしいですけど…あ、らしいっていうのは、私はあまりそういうの気にしないというか、本屋さんとか図書館で見つけて「あ、面白そう!」と思ったら何でも読むので、じつはそういうジャンル分けがあることもよく知らなかったほどです。
なんか…「図書館」と「戦争」って、最も遠いイメージの単語ですけど、この本を読んでいるとそれが普通に感じてくるから不思議です。ほんとに戦争するというよりは…自分が表現したいことを自由に表現すること、または、自分が読みたいと思うものを自由に読むということが、じつはすごく難しいことだったりする…ということを表しているのかなぁ…なんて思ったりしました。…それはそれとして、すごくテンポが良くて、登場人物も親しみやすいというか、ユーモラスで身近に感じられたりするので、普段は読むのが遅くて、この本くらいの分量だと早くても1週間くらいはかかって読む私が、1日半くらいで読み終わりました。読後感もなかなか良く、本を読む楽しさを味わえました。
主人公は、良化法から図書館を守る女性防衛員の笠原郁。トラブルメーカー的な存在だったりするんですが、それだけにワクワクさせられるというか、ハラハラさせられるというか。
で…彼女が憧れるあの人は実はあの人で…っていうのは、読んでるほうにはかなり最初に分かっちゃうというか、予測できるんですけど、それがまた楽しいというか、思わず笑ってしまうというか…。
この話、続編があって4作目まで発売されているんですよね…。まだまだ先が気になるというか、早く読みたいです。図書館に、2作目以降も入っているのかなぁ…。
で、このレビューを書こうと思って色々調べてたら、漫画にもなっているということと、4月からはテレビでアニメの放送も始まるというのが分かって、ちょっとそっちも気になってしまいます…。
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『オトナの片思い』
(石田衣良、栗田有起、伊藤たかみ、山田あかね、三崎亜記、大島真寿美、大崎知仁、橋本紡、井上荒野、佐藤正午、角田光代)
10代の頃の甘く切ない片思いとは違う、十人十色な恋模様を男女11人の作家が描く恋愛アンソロジー。(石田衣良『フィンガーボウル』、角田光代『わか葉の恋』ほか)
あぁそうか…こういうタイプの本は、“アンソロジー”って言うんだったな…と今更ながら思ったりして。恋愛ものに限らず、この手の本をあまり読まないほうなのですっかり忘れてました。
今回、とくに「この人の作品が載っているから」みたいな動機は特になく手に取ったんですが、お目当ての作家の人が居ないほうがもしかしたら飽きずに読むことが出来るのかも、というのが新しい発見でした。…お目当ての人が居ると、それ以外の人の文章が肌に合わなかったりして、結局読みきれずに終わる、というパターンが多いというか…。
で…今回は石田衣良さんのエッセイを読んだことがあるくらいで、他は初めて読む作家さんばかりだったので不安もあったんですが、わりと、どうしても肌に合わない!とか読み続けられない!と感じるものがなく読めました。ひとつひとつがすごく短いこともあって、丁度いい緊張感がキープできた感じでした。
内容は、テーマが「片思い」なので…主人公が片思いをしているものが主ですが、なかには、片思いされている人が主人公だったり、または片思いを第三者として外から傍観している人が主人公だったり、さまざまです。
片思いの捉え方もさまざまで、恋人同士や夫婦になかにも「片思い」があったりして、確かに、10代とか若い世代の片思いとは違う、ストーリーの広げかたがあるんだなぁと感心したりしました。
私が個人的に印象に残ったものをあげてみたいと思います。
『からし』(伊藤たかみ)
…主人公は、同棲している恋人同士の女性のほう。タイトルの“からし”は、ふたりの部屋で飼っている猫の名前であり、名前の由来になった、部屋においてあるソファの色。恋人同士でも相手の気持ちが分からなかったりする不安な気持ち、すれ違っていく部分を片思いとして捉えています。
『Enak!』(三崎亜紀)
…主人公は駆け出しのイラストレーターの女性で、彼女が出会う風変わりなエナという男性との物語。面白かったんですが、あらためてどういう片思いなのかな…と考えるとちょっと自分のなかでは曖昧で、主人公がエナに淡い想いを抱いているようにも取れるし、ラストを読むとエナが主人公を想っているようにも感じられるような気がしました。
『真心』(佐藤正午)
これは珍しく、恋愛の当事者が主人公ではないパターン。昔からの知り合いに片思いされていることが最近分かった、という話を偶然聞かされることになった主人公が、そのふたりの顛末を淡々と見つめている…みたいな感じの物語。主人公と一緒に、そのふたりに起こったことを想像するのが楽しいような切ないような、苦しいような…。
『わか葉の恋』(角田光代)
…主人公は、バツイチの女性。仕事帰りに立ち寄る定食屋で度々顔を合わせる、おそらく20歳くらい年下の青年にほのかな思いを抱くというお話。その気持ちに気付き、ふわふわした色の服ばかり買ってしまうエピソードはなんだか微笑ましかったです。
それで…角田光代さんの文章を読むのがじつは初めてだったんですが、その文章の、浮ついたところのない、かっちりと書き込まれた揺るぎのなさが感じられて、さすがだなぁと、それだけでもなんだかドキドキしてしまいました。
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普段あまりエッセイは読まないんですが…図書館で見つけて、手に取ってみました。
村上龍・著
『案外、買い物好き』
ミラノのシャツ屋やマウイのモールからソウルのデパ地下にハバナのお土産屋まで。買い物はいつも、興奮と高揚感と幸福を与えてくれる――。世界の都市と旅と買い物をめぐるエッセイ。
案外どころか…かなりの買い物好きですね、村上龍さん…(笑)。だって、普段スーツを着る生活をしていないのに、シャツやネクタイを一度に何枚も買ったりするのって、なかなかない感覚ではないかと。まぁたくさんの商品を見ていて、あれももこれもと思ってしまう気持ちは、分からなくもないですが…。
しかも、日本ではあまり服とか靴とか買わないんだそうで、なんかご本人としてはそれが普通みたいなんですけど、一般人の感覚からしたら、かなり不思議でした。
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岡田斗司夫・著
『いつまでもデブと思うなよ』
1年間で50キロの減量に成功した著者が到達した結論。それは、ダイエットは楽しく知的な行為であり、ロー・リスク、ハイ・リターンの最高の投資であるということだった。必要なのはメモ帳一冊。それだけで運動不要、持続可能なダイエットは始められる。そして重力から解放された後は経済的、社会的成功が待っているのだ。過去のすべてのダイエット本を無力化する、究極の技術と思想が詰まった驚異の一冊!
ダイエットしようと思う人が、その準備段階から進み具合に応じて読むのが正しい(?)読み方のようですが、私はダイエットを実行しようとしているわけではないので、ダダーッと一気に読みました。
著者の岡田さんは、以前からテレビなどで目にする機会があったわけですが、ダイエット後の姿を見て、ほんと別人のようになったなぁとビックリしてました。
準備段階では、自分が食べたものを事細かにメモしていく作業を行うそうですが、この次点で、ダイエットしてないのに体重が減り始めるんだそうです。「こんなに食べてるんだ!」と恐ろしく思うこともありながら、それを見つめなおすことが大事なんだなぁと思いました。
そして、ダイエット中に起こる様々な体調などの変化が事細かに述べられていて、どうしてダイエットが失敗するのか、リバウンドするのか…なども分かりやすく解説されていて、なるほどなぁと思ったりしました。
また、ダイエットに成功して、その体重を維持できるようになった頃には食べ物の好みとかも変わってきたとかで、そこまで変わるもんなんだなぁ…と感心させられました。
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ずーっと前から気になっていながら、読む機会を逃してしまっていましたが…ようやく読むことが出来ました。
劇団ひとり・著
『陰日向に咲く』
ホームレスを切望するサラリーマン、老婆を騙そうとする小心ギャンブラー、売れない芸人、アイドルの追っかけ、…落ちこぼれたちが登場する連続小説。
映画の公開がもうすぐということで、登場人物に映画のキャストを重ね合わせながら読んだ部分が結構ありました。…とは言っても、映画の内容とかまだよく把握してないので、あぁこういう話なのか~という程度ですが…。
5つのストーリーに登場する人物が、それぞれに少しずつ関わりあっていて、そういう人物の登場する部分は「ん?このあとどうなるのかな?」と思うんですけど、そこですぐ先の展開に繋がっていくわけじゃなくて…でもその放っておく感じがいいというか。普段そういう繋がりがあったとしても劇的に自分の人生が変化するかというと、そうとは限らなくて、そういう部分がリアルだなと勝手に思ったりしました。
すごく明るいところを歩いている人生ではないかもしれないけれど、だからこそちょっとした人との繋がりとかに日々を生きる糧を見出していかれるというか、そんな雰囲気を感じながら読むことが出来ました。映画の公開も楽しみです。
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爆笑問題・著
『ニッポンの犯罪12選 日本史原論犯罪史論』
石川五右衛門から三億円事件など、日本史上の重要な犯罪を爆笑問題が解説し笑い飛ばしつつ、事件の本質に迫る。
三億円事件とか帝銀事件などは、まだ自分が生まれていなかった頃の話ではありますが、テレビなどで見て知っている、ほんとに有名な事件ですが、解説の中には今まで知らなかったこともあったりしました。たとえば、この本の表紙は三億円事件の容疑者のモンタージュ写真に爆笑問題のふたりの顔を合成したものですが、三億円事件と言って思い起こすあのモンタージュ写真が実は、事件後警察にマークされた少年の顔を加工して作ったものだった、ということだとか。この少年、事件発生から5日後に亡くなっているんですよね。つまり、もうこの世にいない人の顔なんで、それで犯人が捕まるわけがないという。あまりにもいい加減な話だなぁと思いました。
日本で起こった犯罪について田中さんが解説し、太田さんがボケて、田中さんが突っこむというのが主な流れですが、太田さんが、途中まではもっともらしいコメントをしてるのに、次の瞬間とんでもないところへ話を持っていく、みたいなところが面白いというかビックリさせられるというか、あぁいつもの爆笑問題だな、とホッと(?)させられるというか。
久々に爆笑問題の本を読んだんですけども、なかなか興味深く読むことが出来ました。
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よしながふみ・著
『きのう何食べた?』①巻
えーと…簡単に言うと、弁護士と美容師さんのカップルが同居してて、そのふたりが普段家で食べてるご飯とか色々がたくさん出てくる漫画です。
もちろん(?)よしながふみさんなので、主人公はゲイだったりするわけですが…そういう描写とか無いので、その手が苦手な方でも楽しく読めるかな?と思います(たぶん、ですけど…)。
それにしても、よしながふみさんといえば、今までもたくさん美味しいものの登場する作品を描いてらっしゃいますが、今回は「家ご飯」がメイン。なんか、家で作れそうな感じというのが、すごくいいなぁと。
それにしても、いちごジャムまで手作りしちゃうなんて、すごい。でもすごく分かりやすく説明されてて、これだったら私にもできそう!と思いました。春になったら作ってみようかなぁ、なんて(まぁいちごはいつでも売ってますが…)。
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男女が逆転している、という驚きのストーリーが繰り広げられる、“よしながふみ版”大奥。
よしながふみ・著
『大奥』第三巻
三代将軍・家光と愛し合うようになった有功(ありこと)。やっと、かけがえのない想い人と居場所を手に入れた二人ですが、歴史の流れはそれを許してくれず…。
家光が世間で流行っている赤面疱瘡で亡くなって、その娘である姫が新しく家光となったことは、途中までは伏せられているわけですが、大名家などでも同じ状況が生まれつつあることが描かれ、ついに“将軍が女性”ということを明らかにする…というところまでが描かれます。
それにしても…鎖国までもがその“将軍が女性”であるという事実や、男性が極端に少ないという国の状況を隠すための政策だった、という展開には驚き、フィクションと分かっていても、そうきたか!と思わず唸らされます。
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きのうに続き、新春スペシャルドラマ『のだめカンタービレinヨーロッパ』を見ました。きょうは後半、第2夜です。
エリーゼの企み(砂漠のプロメテウス作戦?)によってボロボロになった千秋は、ミルヒーことシュトレーゼマンとの演奏旅行に出かけることに。
一方、コンセルヴァトワールでの授業が始まったのだめは、授業についていかれず落ち込み、日本でミルヒーの代役としてデビューした千秋と競演した中国人ピアニスト・孫Ruiに影響されて、自分を見失ってしまいます。
…と、そこからなんとか立ち上がり、オクレール先生の紹介で、リサイタルに出演することになります。
そしてラストは千秋のヨーロッパデビュー(最後のほう、かなり大雑把な説明になりました)。
かなりドタバタしつつ…しんみりしたり、感動したりと、なかなか楽しめました。
千秋はエリーゼの企みによって、ミルヒーの演奏旅行に同行することになります。なんか…マネージャーというよりは、お母さんみたいでしたけどね…(笑)。のだめ相手に発揮された世話好きが、ミルヒーに対しても同じような感じでした。
演奏旅行で日本に立ち寄った千秋はR☆Sオケのメンバーと再会。とくに真澄ちゃんと高橋くんの熱烈ぶりには笑いました…面白かったです。
千秋が山田優さん演じる孫Ruiと競演したのは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。…いえ、それはともかく、Ruiママが片桐はいりさんで、その濃いぃキャラクターに圧倒されました。
パリに残ったのだめは、授業についていかれないばかりか、千秋と孫Ruiの競演を知って、Ruiの演奏に影響され自分を見失ってしまいます。…やっぱり、焦りとか嫉妬とか、そんな感じですよね…。
それで実技レッスンも散々で蛍(アレ)になったのだめは、一時パリに戻った千秋ともギクシャクしてしまって…この辺はかなり、見るの辛かったですが、同じくパリに留学してきた黒木くんや、同級生のリュカ、オクレール先生とのレッスンによって前向きになっていくところは、のだめが前に進み始めたのが分かってきて…清々しい気持ちになりました。
黒木くんといえば、ついにのだめの本性を知ってしまうんですが…その辺は結構アッサリ描かれてた感じもしました。でもなんか…このふたり、日本のときより打ち解けた感じになって、帰ってきた千秋が誤解しちゃうのも分かるかも、と思ったりしました。
誤解した千秋と、それを追いかけたのだめが派手なけんかを繰り広げるところも見ものでした。アクション(?)の激しい「のだめ」らしさがあって楽しくもあり、ふたりの気持ちのすれ違いを表していて、それがもどかしくもあり…。
黒木くんで、もうひとつ。ターニャとは出会いからお互い印象が悪かったですが、リサイタル後あたりから、ちょっとずつターニャの様子に変化が。このあと続編とかあってもいいかも!とちょっと思ってしまいました。
原作のほう、とうぶん日本には帰って来そうにないので、続編あっても辛いかな…と思いましたが、フランクとターニャがかなりいい感じで馴染んできたので、もっと見たいような気もしてきました。
…なんだかんだありつつ、のだめは初リサイタル。
ヨーコお手製のドレスが着られず、モーツァルトの扮装で登場。やっぱり可愛いですね。
そして「きらきら星変奏曲」。よく知られたメロディだけに、それが色々な形で出てくるのは楽しくて、ほんとにキラキラした音で…わくわくしました。
最後には千秋のヨーロッパデビュー。曲はブラームスの交響曲第1番。たしか原作ではシベリウスの交響曲第2番でしたけど…ここで初めての曲を出してくるよりは、連続ドラマのときにもやっているこの曲のほうが、ドラマだけ見てる人にも分かりやすくて良かったのかもしれないなぁと思いました。
のだめ&千秋にも感動させられましたが、私的には、峰と清良にも感動しました。峰の一生懸命さと、それを「もう…」と言いながら嬉しく思っている清良。なんか…今回いちばん感動したかもしれません。
さて…ヨーロッパデビューだけでなく、めでたく(?)“変態の森”デビューも果たした千秋(…いえ、見てるこっちからしたら「今更?」って感じでもありますが)。
…いえ、それはともかく。
原作を読んでて、パリが舞台なのにあまり「異国」って感じがしなくて親しみやすくて、それでいてヨーロッパに対する憧れ、みたいなものもかき立てられるようで、そこがすごく好きなんですけど、そういった雰囲気がドラマにもすごくあって、すごく楽しめました。
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大人気だった連続ドラマから約1年。ついに「のだめ」ドラマが帰ってきましたー♪今日はその『のだめカンタービレinヨーロッパ』第1夜の放送を見ました!
今回は、のだめと千秋がヨーロッパへ旅立つ直前から千秋が指揮者コンクールで1位になるところまで。原作でいうと、10巻の始めのほうから11巻の最初の辺りまで。
飛行機に乗れないための海外へ出られなかった千秋ですが…パリに着いたら水を得た魚のようになり、酔っ払って、のだめに「気持ち悪い」と言われてしまいます…(笑)。だんだんとテンションの上がる千秋、面白かったです。
新春スペシャル1回目では、アパルトマンに着いてから千秋の部屋でのだめがラヴェルの『鍵』を弾くところが唯一、のだめのピアノを弾くシーンでした。ラヴェルの前に「おなら体操」を弾こうとしたのだめに千秋が「殺すぞ」って言うときの引きつった顔が面白かったです。
このスペシャルで新しく登場したのが、ウエンツ瑛士くん演じるフランクと、ベッキーさん演じるターニャ。どっちもなかなか役に合っていて、見ていて楽しかったです。このふたりとのだめのシーンはなんか賑やかで可愛らしくてすごく好きでした。
のだめがフランス語を覚えている途中のところで、カフェで「助けて」とか「警察を呼んで」とか言い出すところは、原作で読んだときもかなり笑いましたが、映像で見たらカフェの店員さんの顔も面白くて、それがまた可笑しくて笑ってしまいました。
「プリごろ太」でフランス語を覚えているところで、のだめが「通電」してたんですけど…アレは原作にはなかったですよね…。でものだめがどんな状態か、分かりやすい表現でよかったと思います。あそこで巻き戻しの“ピッ”っていう音に「ひいいぃ」となって布団を被るウエンツくんの顔も面白かったです。
で…一方、ひょんなことから千秋に猛特訓をされることになったターニャ。楽譜で殴られて飛んでるところとか…派手になってて盛り上がりましたね(?)。
コンクールのシーンでは、石井正則さん演じる片平、ジャンプする指揮法が見られて良かったです。そして登場シーンで背の高い千秋の周りをクルクル歩き回りながら喋るところが、なんか可愛いというか可笑しいというか…。
千秋のもうひとりのライバル、ジャンの恋人・ゆうこは山口紗弥加さん。千秋やのだめに挑戦的な態度を取るところとか…かなり面白くて、そしてハマってました。
また…千秋を応援する仲間が東京(R☆Sオケメンバー)、ボストン(菊地)、ウィーン(清良)から登場するのは、原作にはないですが「音楽を楽しもう」っていう気持ちを呼びおこさせてくれて、それが千秋だけじゃなくて見ているこちらにも伝わってきてあったかい気持ちになりました。
日本語とフランス語の切り替えをどうするのかな…と気になってましたが、日本人が演じるキャラクターは、どっちの言葉を喋っているのか、ちょっと分かりづらいかなと思いましたが、色々考えないほうが楽しめるかもしれませんね…。
さて…今回の最後は、いよいよのだめがコンセルヴァトワールに通い始めるところでした。巴里篇で唯一登場するR☆Sオケメンバー、黒木くんもチラッと登場しましたね!思わず「キャー出た♪」とか言ってしまいましたよ…(笑)。
明日が楽しみです。…というか、この辺から結構、千秋とのだめがすれ違い始めるんですよね…だんだん切ない展開になっていくかも…。
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のだめファンの私にとっては、このお正月でいちばんのイベントといえば今夜から2夜連続で放送されるドラマ『のだめカンタービレ in ヨーロッパ』です♪
…というわけで、そんな気持ちをさらに盛り上げるべく、こんな本を読んでみました!
月刊ピアノ 1月号増刊
「のだめカンタービレinヨーロッパ ミュージックガイド」
新春スペシャルドラマのストーリー紹介、インタビュー、2006年放送の連続ドラマのストーリー紹介、もっと知りたいクラシック雑学、あたらしい『のだめ』を奏でる5大スコア ほか
インタビューでは興味深い部分もありながら、所々笑ってしまったりしましたが…ほんとにドラマの放送が楽しみになりました。とくに、のだめとフランク、そしてターニャの写っている写真を見たら「あぁ“のだめ”だ!」って素直に思えて、すごくワクワクして…テンションあがりました♪
ヨーロッパ編(原作では“巴里篇”)ならではの登場人物がどんな風に描かれているのか…そして原作ではなかなか登場しないSオケメンバーたちがどんな風に登場するのか…といった点も気になるところです。
そして…カッコいい“千秋さま”にまた会えると思うと…ドキドキします♪♪
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きたみりゅうじ・著
『フリーランスの舞台裏』
サラリーマン生活から抜け出して始まった、お金も信用もない、未来の見えない生活。“フリーランス”のリアルな舞台裏。
帯に「それでもあなたは会社を辞めますか?」というコピーが付いてますが…ハナから今の生活(会社勤め)をやめようという発想のない私にとっては、あまり関係のない話のような気もしますが、それでも時間とか何とかに縛られない生活っていうのは、ちょっと憧れる部分もあるし、そういう才能や思い切りの良さを持った人のことを、凄いなぁと思う気持ちもあったりして。
ただやっぱり、仕事がもらえるかどうか分からなくて過ごす日々というのは、辛いし不安も大きいだろうと思うので、なかなか踏み出すにも勇気が要りそうです。
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インパクトのあるタイトルに、ずいぶん前から気になっていた本ですが…ようやく読むことができました。
吉田修一・著
『悪人』
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう…。
携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男は、再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶのでした。残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。
物語の部分と、事件について語る部分とで構成されていて、それが、小説なんだけどどこかドキュメンタリーを読んでいるような、そんな感覚があって、変わってるなぁと思いました。
冒頭のところで被害者と犯人はわかってしまうんですけど、途中で「え、もしかしたら…?」という展開になったりして、ドキドキさせられます。で…登場する犯人が犯人らしくないっていうか、そんな感じの人っていうのもあって、そのときなんだか、「この人が犯人じゃなかったらいいのに…」とふと思ってしまいました。
そして、罪を犯して裁かれるべき人物が、必ずしも“悪人”というのではなくて、誰もが悪人であり善人でもあるという、そんな人間らしさを様々な登場人物から感じることができました。
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内田康夫・著
『幻香』
浅見光彦のもとへ届いた香りつきの一通の手紙。「4月10日9時、栃木市の幸来橋に来てください。でないと、私は死ぬことになります」。10年前に起きた調香師殺人事件と複雑に絡み合う、その事件とは。
光彦ではありませんが、ほとんど香水というものに興味のない私には未知の世界ではあるものの、ドキドキ感がありました。物語の中に出てくる香りを、どんなだろうな…と想像しながら読むのも、それに絡んで起こる事件にあれこれ考えをめぐらせるのも楽しかったです。
読みながら、今年の3月に観た『パフューム ある人殺しの物語』という映画のことを思い出していました。映画に出てくるグラースという香水の町もちょっとだけですが登場するし、なんと言っても“究極の香水”ってところが共通していたので、なんだか心惹かれるものがありました。
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今年…だいたい夏ごろでしょうか、だいぶ話題になった本ですが、母から回ってきたのでようやく読みました。
内田康夫・著
『長野殺人事件』
品川区役所に勤める宇都宮直子は、税金の督促に訪れた先で預かったある書類。しかしその書類を預けた男性・岡根寛憲が長野県内で死体となって発見されます。そして、直子の前には怪しい男が現れるようになり、身の危険を感じた彼女は夫の友人である浅見光彦に相談することに。
一方、岡根殺人事件を担当することになった“信濃のコロンボ”こと長野県警の竹村岩男警部は、岡根が現長野県知事・秋吉泉の元ブレーンだったことを知り、事件に長野県の抱える深い闇があることに気付くのですが…。
なんか…ここ数年の、田中康夫さんが長野県知事に立候補したくらいから去年ぐらいまでに起こった様々な出来事がたくさん出てきて(もちろんフィクションですという断りはありますが…)、懐かしいような、ここまで書いちゃってもいいんだろうかと心配してしまうような、長野県民としてはちょっと複雑な部分が多々ありました。
田中康夫さんが長野県知事に就任してから、彼を中心として、長野県の議会やら県庁やらのゴタゴタが全国ニュースでも色々と報じられていましたが、全国ニュースではそれほど取り上げられていなかったような、でも長野県民だったらどこかで耳にし目にしてきたであろう事柄が満載でした。
この物語は、去年の県知事選挙の辺りを描いているなぁというところでしょうか。選挙戦の頃に起こった7月豪雨のことも出てきて、“脱ダム”を政策に掲げてきた現知事(作中では秋吉泉)の選挙戦に少なからず影響があったということになっていますが、実は私もその辺に興味があったので、知事選挙のあと、新聞に掲載されていた市町村別の得票数というのを調べてみたんですが、この豪雨で大きな被害を受けた諏訪地域は、僅差ではありましたが、当選した村井仁さんよりも田中康夫さんのほうが票を獲得していたので、“脱ダム”という考え方自体が県民から拒否されたということではなく、就任当時にあった、なにか新しいことをしてくれるんじゃないか、長野県を変えてくれるんじゃないか…という期待が薄れたり、ゴタゴタ続きにうんざりした…というような部分のほうが大きかったような気がします。
物語の中に出てくる“書類”に関係するような問題も、実際に持ち上がった問題でもあるので、表には出てこないところでこんなことがあったとしたら…と想像するのもなかなか面白い(って人が死ぬので不謹慎ですが)ような気がしました。
事件の核心に迫っていく役回りとしては、どちらも内田康夫さんの作品には欠かせない浅見光彦と信濃のコロンボ。信濃のコロンボはドラマでこのキャラクターを演じている中村梅雀さんがパッと思い浮かびますが、浅見さんは、水谷豊さんや辰巳琢郎さん、榎木孝明さん、そして現在だと沢村一樹さんや中村俊介さんなど、とにかく演じている人が多くて、どの人で想像したらいいんだろう…と迷ってしまいます。
内田康夫さんのお気に入りは榎木さんだそうですが、私の中では榎木さんはちょっとシャープすぎるような気がしていて、雰囲気だと辰巳琢郎さんのような感じが好きかなぁという気がしています。
同じ長野県内なのに、そして軽井沢にも行ったことがあるのに、浅見光彦倶楽部クラブハウスにはまだ行ったことがありません。もったいないなぁと思います。いつか行きたいなぁ…。
詳しくは…
浅見光彦の家(浅見光彦倶楽部公式HP)
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かなり昔から読んでいるシリーズの最新作ということで、最近読みました。
吉村達也・著
『伊香保温泉殺人事件』
“オリジナル全国湯けむりかるた”創作コンテストに応募した志垣警部と和久井刑事。なんと結果は見事優勝。その記念に招待されたのは群馬の名湯、伊香保温泉。そこでふたりが遭遇したのは石段街で起こった観光客の転落死。単純な事故と思われたものの、同行の男性が失踪、現場に残されたかるたの「い」の札と「殺人は、これで終わりではない」というメッセージで…。
温泉大好きな警視庁の志垣警部と和久井刑事のコンビが温泉地で謎の事件に遭遇する、温泉殺人事件シリーズ。
私が初めて読んだ吉村達也さんの本にも、このふたりは登場しているので、もうほんとにおなじみの人たちというか。強面ながら気のいいオジサンといった感じの志垣警部と、ちょっと軟弱ながら癒し系(?)な青年である和久井刑事のふたりっていうのが温泉大好きで非番でも一緒にあちこちの温泉に出かけるという仲良しコンビなんですが、出かけた先で必ず不可解な事件に遭遇するというお話。
で、今回は群馬の伊香保温泉が舞台ですが、群馬といえばもうひとつ忘れてはいけない名湯中の名湯、草津温泉も登場します。群馬と長野はお隣の県なんですが、そういえば一度も行ったことないなぁと思い、この小説を読んでいたら群馬の温泉に行ってみたくなりました。…まぁ、殺人事件は御免ですけど…。
ふたりが遭遇する事件の関係者、船村通運の会長・船村甲午郎とその家族やその周囲の人々のなかにある複雑な事情もだんだんと明らかになっていくので、そこからも目が離せません。
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やっと…ここまでたどり着きました。第一作を読んでから早二年です。
三島由紀夫・著
『天人五衰』豊饒の海(四)
老残の本多繁邦が旅先で出会った少年、安永透。彼のわき腹には三つ並んだ黒子(ほくろ)があり…。
第一作である『春の雪』から約50年後、松枝清顕の友人だった本多が76歳からの数年間の物語です。前作『暁の寺』に出てきたジン・ジャン(月光姫)の生まれ変わりらしい、透という少年に出会った本多は、彼を養子に迎え入れることになります。
物語は、本多と透のふたりの内面(透については、彼自身の手記を交えて)を述べる形で紡がれていきますが…なんというか、人間の醜い部分、悪い部分を抉って目の前に突き付けられたみたいな感じ。でもその醜い部分から決して目を逸らすことが出来なくて、返ってそこに惹かれていくような…不思議でした。
本多の老いていく様とそれに対する透の感情から、「老い」というもの、「死」というものへの三島さんの考え方が分かるかな…と思い、考えながら読みましたが、45歳という若さで、しかもかなり衝撃的な最期を迎えた彼とはあまり結びつかない部分もあったというか…けれど逆に、ただただ生きながらえようとすることを良しとしなかったからこそ、ここまで徹底的に本多や透の醜い部分を引きずり出せたのかな…という気がしています。
さて、きょう11月25日は著者である三島由紀夫さんの37回目の命日に当たります。この『天人五衰』を書き上げたあと、市ヶ谷の自衛隊駐屯地にて自決し、45歳というあまりにも早い最期を迎えることになったのです。それを意識して、この本は読みました。いま生きていれば82歳。もっともっとたくさん長生きしてたくさんの作品を書いて欲しかった反面、そうではない、全速力で駆け抜けるような人生だったからこその、美しさ、儚さ、そして激しさが人を惹きつけてやまない作品の魅力だったのかな…と思うと、ちょっと複雑な気持ちもありますが…。
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この間、前作を読んだばかりですが文庫としてはこちらが最新刊。私にしては珍しく、続けて読んでみました。
高田崇史・著
『QED 鎌倉の闇』
銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社…。鎌倉をそぞろ歩く棚旗奈々・沙織姉妹に、奈々の先輩である桑原崇が語る、源三代にまつわる謎の答えが、稲村ケ崎で起こった失踪事件の謎をも解き明かすことに…。
歴史の闇の部分を解き明かしていくこのシリーズ、前回の幕末からだいぶ時代が遡って
今回は鎌倉時代。教科書などで表面的に触れられている部分からぐっと踏み込んで、その言葉の裏側まで触れていて、なかなか興味深かったです。
鎌倉という歴史情緒あふれる土地にまつわる、闇の…というか、ドロドロした部分がたくさん語られるのに、というかだからこそ余計になのか、鎌倉に行ってみたくなりました。小学校のときの修学旅行で鎌倉の大仏を見たくらいなので、大人になってから行く鎌倉が、自分の目にはどう映るんだろう…というのに、非常に興味があります。とはいえ、なかなか訪れるような機会に恵まれそうにないのが、ちょっと残念なんですけどね…。
前回の“龍馬暗殺”から引き続いて奈々の妹・沙織がかなり活躍しています。ちょっと変わったところのある人物ながら、なかなか魅力的で、ストーリーにテンポのよさも与えてくれています。…というか笑わせてくれます(笑)。
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映画のほうが今月公開ってことで…半ば突貫工事的に読みました。間に合ってよかった…(最近の読書ってこんなのばっかですが)。
高嶋哲夫・著
『ミッドナイトイーグル』
報道カメラマン西崎勇次は、北アルプスで米空軍のステルス戦闘機の墜落を目撃、その搭載物をめぐる戦いの渦中に巻き込まれていくことに。…一方週刊誌記者の松永慶子は、横田基地に侵入・逃走した北朝鮮の工作員と接触。
吹雪の北アルプスと東京を舞台に繰り広げられる、国際謀略サスペンス。
西崎勇次と松永慶子、ふたりの主人公がいる感じで物語は進みます。
北アルプスで西崎はそうとは知らず、戦闘機の墜落を目撃するわけですが、その出来事と、慶子が取材を命じられた横田基地の事件が段々と結びついていって、形が見えてきます。形が見えてくるまでは、それぞれのエピソードが細切れになっているので話が見えにくいような気がしましたが、色々分かってくるにしたがって細切れ感がなくなってくるのもあって、テンポよく読めた気がしました。
でもやっぱりアレですね…日本が舞台のこういう作品っていうと北朝鮮とかアメリカとが絶対出てくるんですよね。私が好きな作家さんだと髙村薫さんとか福井晴敏さんなんかがそんな感じなので、この手は結構好きというか…だいぶ読んでいるので肌になじんでいる感じもあります。
それと…この作品では北アルプスが舞台のひとつになっています。同じ長野県内でも、私の住んでいる地域は八ヶ岳が近いんですが…どっちにしても中学のときの八ヶ岳登山で硫黄岳に登って以来「もう二度と行かない」と思ったくらい山登りは苦手で、しかもそれが雪山となったら、そんなところにわざわざ行く人の気が知れないとか思うくらいですが、寒さとか死んでしまうかもしれない恐怖とか…どこまで行っても白い世界は充分伝わってきました。
さて…映画は今月23日から公開になります。読みながら、コレを完全に映画化するのは無理だろうなぁと感じたりしましたが、すこしでも原作の雰囲気が生かされた作品になっていればいいなぁと、そして映画だからこその迫力などがあるといいなぁと思いつつ…映画館で観るのを楽しみにしたいなぁというところです。
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これ、本来はノベルスの作品なんですが…私は毎回、文庫で読んでます。最初に読んだのが文庫だったもので…。
高田崇史・著
『QED 龍馬暗殺』
高知の山深く、平家の落人伝説が残る蝶ヶ谷村。土砂崩れで密室と化した村の一夜に起こる殺人と自殺。大学の後輩全家美鳥(ぜんけみどり)を訪ねてきた桑原崇と奈々たちも事件に巻き込まれますが、その最中、維新の英雄・坂本龍馬暗殺の黒幕を明かす手紙の存在を知るのでした。因習に満ちた山村と幕末の京都を結ぶ謎に挑む崇の推理は…。
山奥の小さな村で起こる事件の真相と、龍馬暗殺の謎。この二つの要素が絡み合って、どちらも先が知りたくて堪らなくなります。
とくに、龍馬の暗殺に関わった者は誰なのか…?という謎。これはなかなか面白いです。こういう、歴史探求モノみたいなのは、読むのがすごく楽しいです。
この中ではたくさんの幕末に活躍した人物の名前が出てくるわけですが、私の中では、2004年放送のNHK大河ドラマ『新撰組!』の俳優さんたちが頭に浮かんでいました。すごく注目していたわりに、夏ぐらいから段々見なくなっていたので、こんどぜひDVDででも見てみたいですね。
このシリーズ、すでにこの次の作品である“鎌倉の闇”も文庫化されているので、そちらも読むのが楽しみです。
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映画観に行くまでに読んじゃおうってことで…結構必死だったんですけど…なんとか間に合いました。
雫井修介・著
『犯人に告ぐ』
闇に身を潜める犯人。捜査が行き詰まった連続誘拐事件。ついに県警は現役捜査官をテレビニュースに登場させ、視聴者に情報提供を呼びかけるという荒業にでることに。
白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗した挙句記者会見でも失態を演じた巻島史彦。史上初の劇場型捜査の幕開け。
私、結構本を読むのに時間がかかるほうで、文庫だと上下巻合わせて650ページを超える長編なので、正直映画を観に行くまでに間に合わないかもしれない…と思ったんですけど、読み始めたらテンポが良かったのか、3日ちょっとで読み終わることが出来ました。こんなに先が気になって、睡眠時間を削ってまで読み耽ったのは久々だなぁと思います。
主人公の巻島は、テレビを通じて誘拐犯と戦い、また捜査をかく乱し妨害するような行動を取る警察内部の人間とも戦うことになります。その辺の、誘拐犯にしろ内部のにんげんにしろ、“犯人”をあぶり出し追い詰めていく辺りはかなりドキドキして、わくわくして…読み応えがありました。
もともと髙村薫さんとか…警察モノの小説を読むのが好きで、テレビドラマの刑事モノもかなり好きなので、そういう面からもかなり好みな作品でした。
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今週末公開になる映画『自虐の詩』(堤幸彦監督、出演:中谷美紀・阿部寛ほか)。初日舞台挨拶に出かける予定なので、それまでにってことで頑張って原作読みました。
業田良家・著
『自虐の詩』上下巻
母親の顔を知らず、父親は銀行強盗。小さな頃から苦労を重ねた幸江の生い立ちと、そんな彼女と内縁の夫イサオの日々。
主人公・幸江の内縁の夫イサオは無職でパチンコや競馬ばかりしていて、そのうえ、何かといえばちゃぶ台をひっくり返す…といういわゆる“ダメ夫”。なんか、こんなひどい相手にどうしてそこまで愛情を持ち続けられるのかな…と思いながら読んでいましたが、後半にふたりの出会った頃の話などが出てきて、なんとなく分かるような気がしました。
そして、いっぱい辛いことがありながら生きてきて、その意味とか価値はどこかにきっとあるんだという、ラスト数ページのところで、なんだか結構ジーンと感動してしまいました。
予告で見た感じだと、この原作をすごくドラマティックにデフォルメしたような感じかなぁという気がしているんですが…公開初日まで、あと2日。楽しみです。
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数ヶ月前までは思いもよらなかったですが…「干物女(ひものおんな)」という言葉が、すっかり一般的になりましたね…。
ひうらさとる・著
『ホタルノヒカリ』第10巻
えーと…この間まで放送していたドラマでは蛍とマコトが別れて、それから色々あって蛍と高野部長の関係が同居人から一歩進んだところまでだったんですけど。今月発売の10巻以前で、マコトと別れてしまうところまでは行ってましたが、原作のほうは、ドラマほど早い展開にならないようで。
10巻では、殿(神宮寺)と優華の話が結構多かった気がします。この二人を上手く行かせようと蛍が色々と頑張るんですけど、それが思わぬ展開になっていく、というところで終わってて…ほんとにこの先が気になるところです。ただこの展開って、ドラマでの設定だとありえなさそうな感じというか…。漫画だと、蛍と殿は同い年で気心が知れた仲(恋愛感情とかはないけど)という感じですが、ドラマではそういうところはあまりなくて、蛍と高野部長は別として、ほかの部分では女性は女性同士、男性は男性同士で相談しあったりしてることが多かった気が。
また、ちょっと過去に戻って入社試験のときの蛍と、面接官だった高野部長(当時は課長)が出てくるお話もかなり面白かったです。入社試験であった部長の印象を語る蛍の言葉、数年後を知っているこちらからすると“ニヤリ”としてしまうのです…。
漫画を読むときはコミック派の私、続きを知りたくてついつい雑誌を立ち読みしちゃうことがあるんですけど…ガマンして次の巻を待ちたいと思います。
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今週末に観に行く予定の映画の原作を読んでみました。
松尾スズキ・著
『クワイエットルームにようこそ』
恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで様々な事情を抱えた患者やナースと出会い、普通と特別、正常と異常…境界線をさまよう明日香がたどり着いた場所とは…?
内田有紀さん主演、そして原作者でもある松尾スズキさん監督による同タイトルの映画が、今週末公開になります。チラシだけはよく行く映画館でもらってきてあったんですが、内容とかあまり頭に入ってないまま読みました。
最初が、主人公である明日香が精神病院のベッドで目が覚める辺りからなんですが…ちょっととらえどころのない感じで始まるので、実はちょっと「大丈夫か、これ…」と思ってしまいましたが、そこを乗り越え、なんとかストーリーが掴めるところまで行きました。
明日香は「私はここにいる人間じゃない」って感じで、早く病院から出して欲しいと思ってる部分が結構あるんですけど、客観的に見ると、そうでもないというか…なんかやっぱり危ういところとかあって。そういうのって誰にでも起こりえる出来事のような気がして、全くの別世界の話とは思えませんでした。
さてそして。
小説を読み終わって、あらためて映画のチラシを見ると、原作にかなり忠実な(ってまぁ、原作者と監督が同じ人ですから…)感じが伝わってきました。もう読んでるときから、明日香の同棲相手の鉄ちゃんなんて宮籐官九郎さんにしか思えなくなってきて…映画、早く観たくなりました。
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新書のコーナーでたまたま見つけました。で、かなり好きな作家さんのものだったので、即購入。
福井晴敏・著
『平成関東大震災
いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった』
ある日の営業を終えたサラリーマン西谷久太郎を突如襲った大地震。震源は東京湾北部、マグニチュード七・三。高層ビルのエレベーターに閉じこめられ、ようやく脱出した西谷が目にしたものは…。リアルなデータと情報を満載した実用的シミュレーション小説。
地震は突然来るものだから、普段から色々と心がけておかないと。とは思いつつも、まぁそうは言っても、今日明日に来るわけでもなし…と、のんきに構えてしまうのが人というもの。
しかしこれを読むと、やっぱり防災グッズの準備ぐらいはしておくべきかなぁと思いますね。そして、家にそういうものを用意するのはもちろんなんですけど、どこで被害に遭うか分からないということを考えると、勤め先とか、車を運転する人だったら車の中とか…そういう場所にも用意が必要なのかな…と考えさせられました。
この物語では関東一円が震災に遭う設定で、東京に遊びに行ったときに歩いたことのある場所などもたくさん出てきたので、やっぱりその状況っていうのを想像すると、ショッキングなものがありました。
もしも東京にいてこういう被害に遭ったら…と思うと、かなり厳しいなぁと思いますね。まぁ生きているのかどうかも怪しいですし、また助かったとしてもしばらくは東京を離れられないだろうし…とか考えると…。
また、地震に遭った場所が東京ほど離れた場所じゃなくても、家にたどり着くのは相当大変だろうなぁと思うわけです。道路なんかも車が通れるような状態でなくなる場合もあるでしょうし、かと言って車を置いて歩くとしても、峠や川を越えたりするのはきっと危険。
東京での震災についての取り組みとかは、本の中で詳しく触れられていてよく分かったんですけど、では私の住む長野県はどうなのかなぁと長野県のHPを調べてみたところ、「長野県防災ハンドブック」というものがあり、県庁や合同庁舎など長野県の施設で閲覧したり、個人に分けてもらうこともできるそうです。またネット上でも災害に対する備え方や取り組み、また被害想定のシミュレーション結果などを見ることが出来ます。まぁシミュレーションなんかは、見ると不安になってしまうので、あんまり見るのもどうかなぁ…と思わなくもないですが、もしかしたらこういう被害を受けるかもしれない、という心構えはやはり必要なのかなぁという気がします。
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この前読んだ日本人のしきたりに続いて、こちらも読んでみました。
飯倉晴武・編著
『日本人 数のしきたり』
寿司を“一貫、二貫”と数えるわけ、なぜ神社では“二礼二拍手一礼”なのか、などなど…。その数字に託された、日本人の知恵と伝統。
“一”から順番に、その数字に関する様々な“しきたり”が紹介されています。武士や貴族などの支配階級から徐々に庶民の暮らしへと広まっていったものだったり、または農耕民族らしく農作業と季節の変わり目などの関係から始まったものだったり…興味深く読むことが出来ました。「日本人のしきたり」とカブる部分がかなりの割合であるんですけど…まぁそれもちょうど復習になってよかったかなぁ…と思ったりして。
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新書って…タイトルとか色々で、ついつい興味をひかれて手に取ってしまいます。これもそのひとつ。
冨田幹太・著
『管理職になりたくない
スーパー平社員 僕の充実仕事術』
“スーパー平社員”を自認する著者の立場から、サラリーマンはネジれているほうが会社生活を楽しめる、と説く。
仕事とか会社に対する考え方って、人それぞれだと思うんですよね…。
この本の著者である冨田さんのような考え方の人もいれば、もっと仕事仕事で、出世欲の旺盛な人もいるでしょうし…。
ただ…「好きなこと=仕事」になった幸運な人はともかくとして、殆どの人は生活していくために働いているわけで。そんななかで、どうやって自分なりの、仕事との付き合いかたや距離の取りかたを見つけていくか、というところなんでしょうけど…。
この本を読んでいて、たんなる平社員でいるのではなく、ちゃんと仕事が出来る、つまり会社(というか上司?)から見て必要な存在で居ることが大事なんだなぁと、改めて思いました。そうでないと、いつか会社に居られなくなって、そうなったら会社で仕事してお給料もらって、そのほかの時間を好きに過ごして、という生活もできなくなるわけですもんね…。
会社員って、誰にでもできる仕事のようでいて実はそうじゃないんですよね。
どんな仕事にも向き不向きがあるってことですね。
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高野和明・著
『幽霊人命救助隊』
浪人生の裕一は断崖絶壁の上で、3人の男女に出会いました。そこへ神が現れて天国行きの条件として、自殺志願者100人の命を救うよう命じるのでした。裕一たち4人は、自殺した幽霊だったのです。地上に戻った彼らは、自殺しようとする人々の救助に乗り出します…。
面白くてどんどん読めるんだけれど、かなり長くて…読み終わるまでに、思った以上に日数がかかってしまいました。
それにしても…この世の中にはなんとまぁ、悩みの多いことでしょうか…。
ひとつひとつを客観的に見れば確かに「そんなことで死ななくてもいいだろうに」と思うようなことばかりでしょうが…その人、ひとりひとりにとってみればそれが全てというか…悩みとか辛さとかで、いっぱいいっぱいなんですよね…。
悩みの全くない人なんていないでしょう、それを思えば「死のう…」と考えたことがあるかどうかはともかくとして、誰しも「あ、自分と同じだ」と思うようなことが、この話の中にはたくさん出てくるはずで、共感できる部分を見つけるのは、内容が内容だけに楽しいとはいえませんが…裕一たち幽霊が、自殺志願者たちに投げかける言葉、行動にどこか励まされたり、安堵させられる部分があると思います。
また…著者の高野和明さんの本は、何年か前に『13階段』(江戸川乱歩賞受賞作)を読んでたんですが…映画やテレビの脚本家をされていた方というのは、今回始めて知りました。どうりで、というのもなんですが非常にテンポよく進むというか、会話のキャッチボールがスムーズなところが、そういった部分を感じさせられました。
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図書館で見つけた本。なんだかんだ言って…この人の本はかなりの数を読んでいるような…。
森村誠一 著
『夜行列車』
新宿発の夜行列車で信州へ一人旅に出たOLの中瀬恵子は「樹齢八百年の金木犀を見に行く」という絵ハガキを最後に消息を絶ち、恵子の行方を追う父・正治も金木犀の大樹の近くでひき逃げに遭い死亡。正治と夜行列車で出会った医師・北里は、二つの事件の背後に見え隠れする男女の存在を突き止めるものの、今度はその女性の死体が発見され…。
“夜行列車”というタイトルですが…時刻表を駆使したりする、西村京太郎さんが書くみたいな、そういうミステリーものというわけではなく、結婚に失敗したふたりの男性が、ひょんなことから関わることになった事件を追うお話です。特に内容とか知らずに借りてきたんですが…、蓼科、豊科など身近な地名がたくさん登場するのでびっくり。
結婚生活に見切りをつけて旅に出ようと思い立った北里が、「自然と人間が上手く溶け合った場所」と選んだのが信州。褒められて悪い気はしませんが、住んでいる者からすると、なんだか複雑な気持ちだったり…。
このお話のなかでは、北里と、このほかに行方不明になった妻を探して信州へやってきた男性が出会って、事件へと迫る様子が双方から描かれていきます。私の個人的な感想とすれば、このふたりが出会うのはもう少し後というか…お互いにもっと悩んでからでも良いような気がしました。読む側ではどちらの様子も分かるので、その優越感をもう少し味わうというのも良いんじゃないかと。
前半は複数の立場からのストーリーが少しずつ展開されて、後半にひとつのストーリーとして纏まっていく…という、こういうタイプのものって、クロスワードパズルを解いているときのような気分で…読み終わると達成感というか、爽快感があって好きです。
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玉木正之+平林直哉 著
『図説 指揮者列伝 世界の指揮者100人』
カラヤン、バーンスタイン、フルトヴェングラーから小澤征爾、佐渡裕まで、クラシックの名指揮者100人まとめて紹介。
えっと…面白いし非常に興味深い内容ではあるんですが、なにせ辛口なので、読んで腹を立てないように(苦笑)。いえ、ちゃんと褒めている部分もたくさんありますけどね…。
私が普段見ている「N響アワー」で見たことのある指揮者の人とか、買ったCDに名前のあった人とか、あるいは、数は凄く少ないですが生で見たことのある人とか…色々と興味深かったです。
まぁ色々厳しいことが書いてありますが…人の意見に惑わされず、自分が良いと思ったものは良い!というスタンスは守って、これからも音楽に親しんでいこうかな、と…。
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外国の小説ってあまり読まないんですが…前からちょっと気になっていたたこともあり、夏のフェアで購入。
フランツ・カフカ 著(中井正文・訳)
『変身』
平凡なサラリーマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢から覚めると一匹の大きな褐色の毒虫に変わった自分の姿を発見します。
原因も何も分からないまま、その日から家族との奇妙な生活が始まって…。
うーん…なんというか非常に、気持ちの悪いというか、ムズムズするというか…そんな感じ。いえ、虫全般苦手な私ではありますが、グレゴールが虫になっちゃうからとか、そういう理由では決してなく。
虫になってしまったというとなにか、ただただ荒唐無稽な印象すらあるんですが、きっとそれは比喩というか…そんなものなんだろうな、と思いました。
このグレゴールという青年、父親の会社が破産してから数年、父親の代わりに両親と妹を養う役割を果たしてきた人で、そのことには自負とか…あるいはプライドとか…そういうものを持っていたんだろうなぁということが窺えるんですが、もしかしたら彼のなかでどこがが限界を迎えていて、要するにプツっとどこかが切れちゃったみたいな、そんなことなんじゃないかと。
たとえばですけど、優等生と言われていたような人が何かをきっかけに不登校になったりするとか…、バリバリ働いていたサラリーマンの人が病気に倒れて突然体の自由が利かなくなるとか…を、この話を読んでいるうちに想像してしまいました。
…まぁ、あくまでも私の想像というか…そんな感じではあるんですけども。
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映画からはまった漫画ですが…、すっかり映画よりもこっちの方が気になる存在になってます。
というわけで、妹から最新刊が回ってきました。
矢沢あい・著
『NANA-ナナ-』18巻
生き別れになっていた母をスクープされたものの、心配するハチをよそに、全国ツアーに意欲を燃やすナナ。しかしその直前、衝撃的な出来事が起こり…。
うん…17巻よりも、だいぶ“未来”の部分に近づいてきたというか、もやもやと語られる部分で感じていた「え?どういうこと?」と思っていた部分が、どういう意味を持っていたのか…みたいなところが、だんだん分かるところも出てきて、この先に待つものは、決して楽しいことばかりではない、と分かっていながらも、だからこそというべきか…早く先が知りたくて仕方がありません。
16巻を読んだときのレビューって、どんなことを書いたんだっけ…とさっき読み返したら、「Cookie増刊号に載っているというタクミの番外編を読むのが楽しみ」なんてことを書いてて…その番外編が、この17巻に収録されています。内容的には、タクミがレイラと出会ってからの色々…という感じでしょうか。なんだろうなぁ…男の人って、母親とか姉妹とか身近な女性を神聖な…というか、なにものにも侵されない特別なものとして意識する部分があると聞いたことがありますが、タクミのレイラに対する気持ちってそれに近いのかなぁというのを、ちょっと思ったりしました。
悲劇、そして波乱に満ちた未来が待っていると分かって
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