能・狂言

2009年12月20日 (日)

ごく私的なイベントメモ&記事リンク(2009年分)

「イベントメモ」についての説明
この記事は、私がこれから出かける、もしくは購入する予定のものなどをまとめたメモです。2009年中は追加・変更があれば随時加筆修正し、だいたいいつでもトップページ(最新の1週間分)に表示されているように、日時を修正していきます。
備忘録的(もしくはまとめ的)な性格の記事であるため、コメントのみを受け付け、トラックバックは受け付けておりません。トラックバックしていただける方は、各記事へお願いいたします。なお頂いたコメントにつきまして、この記事の内容に関連のないもの、管理人である私がふさわしくないと判断したものについては、暫時削除させて頂きます。
なお、このページにある項目については、日時の頭に付いているマークで項目の分類を行っています。
◇チケットが取れていないもの、もしくは購入するかどうか決めていないもの。
◆チケットが取れているもの、もしくは購入することが決まっているもの。
(↑この2つのマークが付いたものは、このページから後日削除されることがあります)
☆すでに出かけたもの、もしくは購入したもの。
★このブログに感想記事が更新されているもの。タイトルから記事へリンクしています。


※更新記録
 2009.4.19 記事作成
 2009.4.21 1件日時追記
 2009.4.22 1件記事更新
  2009.4.25 1件記事更新
  2009.4.29 1件削除、1件追加
  2009.5.3   1件記事更新
                 1件追記、1件削除、2件追加 
 2009.5.13  1件記事更新
 2009.5.18  1件記事更新
 2009.6.18  2件追記、2件追加、1件記事更新
 2009.8.15  4件記事へのリンク追加、5件追加
 2009.11.18 更新記録整理
        3件追加、1件追記、2件削除
        3件記事へのリンク追加
 2009.12.13 記事タイトル変更
         3件追加
         2件記事へのリンク追加
         2010年分を暫定的に追加(2010年分のメモを作成し移動します)
 2009.12.20 3件記事へのリンク追加


★1月17日(土)11:30開演
映画「大坂ハムレット」初日舞台挨拶
inシネスイッチ銀座(東京)

★1月17日(土)18:00開演
冬の絵空
in世田谷パブリックシアター(東京)

★2月4日発売
CHAGE&ASKAベストアルバム「VERY BEST NOTHING BUT C&A」

★2月15日(日)18:30開演
三響会presents珠響(たまゆら)
inサントリーホール大ホール(東京)

★2月25日(水)発売
ASKAシングル「あなたが泣くことはない」

☆2月25日(水)発売
ASKA DVD「ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008“SCENE”」

☆2月25日(水)発売
藤原道山アルバム「故郷 日本の四季」

★3月15日(日)14:00開演
ピランデッロのヘンリー四世
inまつもと市民芸術館実験劇場(松本)

★3月20日(金・祝)14:00開演
邦楽未来図コンサート
in下諏訪文化センター小ホール(下諏訪)

★3月25日(水)発売
CHAGEアルバム「Many Happy Returns」

★3月28日(土)18:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in 千葉県文化会館大ホール
(千葉)※ネタバレ!

★4月10日(金)発売
CHAGE写真集「歌写(かしゃッ)!♪ 写真で綴る幸せな音符」

★4月11日(土)18:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in 名古屋国際会議場センチュリーホール
(名古屋)※ネタバレ!


★4月29日(水・祝)16:00開演
藤原道山ライブ~故郷~ スペシャルゲストSINSKE
inまつもと市民芸術館小ホール(松本)
 ※尺八ワークショップ13:00~

★5月8日(金)19:00開演
野村萬斎「狂言を楽しむ会」
in北野文芸座(長野)

★5月16日(土)18:30開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK
in ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)大ホール
(長野)※ネタバレ!

◆5月20日(水)発売
CHAGE DVD「CHAGE CONCERT TOUR 2008 “アイシテル”」

★6月24日(水)発売
古武道アルバム「時ノ翼」

★6月27日(土)18:20開映
映画「ディア・ドクター」初日舞台挨拶
in池袋HUMAXシネマ(東京)

★6月28日(日)14:00開演※Aプロ
狂言劇場その六
in世田谷パブリックシアター(東京)

☆6月28日(日)17:00開演
ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK SHOOTHING LIVE※ネタバレ
inNHKホール(東京)

★7月3日(金)19:00開演
Chageの細道2009※ネタバレ
in仙台電力ホール(宮城)

★7月17日(金)19:00開演
森山直太朗コンサートツアー2009「どこまで細部になれるだろう」※ネタバレ
in茅野市民館マルチ(大)ホール(茅野)

★7月24日(金)18:30開演
ニュー・アルバム「時ノ翼」発売記念
古武道ミニ・コンサート

in銀座山野楽器本店7階イベントスペースJamSpot(東京)

★7月25日(土)18:00開演
Chageの寄り道高原リゾート編
(Summer Greetinng Live Chage in 安曇野)
in安曇野穂高ビューホテルバンケットホール「アルプス」(穂高)

★8月1日(土)18:00開演
軽井沢夏の宵の狂言
in軽井沢大賀ホール(軽井沢)

★8月21日(金)18:30開演
Chageの細道2009
in山梨県立県民文化ホール小ホール(山梨)

★10月2日(金)18:30開演
中島敦生誕100周年記念特別朗読会
狂言師、敦「わが西遊記-悟浄出世・歎異-」を語り読む。

in横浜能楽堂(横浜)

★10月31日(土)13:00開演
第12回小津安二郎記念蓼科高原映画祭
オープニング&映画『おくりびと』上映&舞台トーク

in茅野市民館マルチホール(茅野)

★11月25日(水)発売
ASKA クリスマスカバーミニアルバム『STANDARD』

★11月25日(水)発売
ASKA DVD「ASKA CONCERT TOUR 2009 WALK」

★11月28日(土)18:30開演
Chageの細道※ネタバレ
inゆうぽうと(東京)

★12月17日(木)18:30開演
ASKA THE MELODY YOU HEARD THAT NIGHT
「昭和が見ていたクリスマス」

in東京国際フォーラムホールA(東京)

★12月18日(金)19:00開演
エドワード・ボンドの「リア」
inまつもと市民芸術館実験劇場(松本)

◆12月26日(土)12:30開演
ANJIN イングリッシュサムライ
in天王洲銀河劇場(東京)

◆12月26日(土)18:00開演
古武道忘年会 師走の協奏曲(コンチェルト)
in世田谷パブリックシアター(東京)

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※2010年分(後日2010年分メモを作成し移動します)

◇2月10日(水)発売
ASKA セルフカヴァーアルバム(タイトル未定)

◆2月13日(土)17:00開演
ASKA 10DAYS SPECIAL
グッバイ&サンキュー 東京厚生年金会館-ここにあなたの足跡を-
in 東京厚生年金会館(東京)

◇2月下旬発売予定
Chage ドキュメントDVD(タイトル未定)

◆3月12日(金)19:00開演
マクベス
in世田谷パブリックシアター(東京)

◆3月13日(土)15:00開演
ムジカ・タテシナ vol.2
村治佳織ギター・リサイタル ゲスト:古川展生(チェロ)
in茅野市民館コンサートホール(茅野)

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2009年8月 2日 (日)

軽井沢夏の宵の狂言in軽井沢大賀ホール

Karuizawakyogenあいにくの雨模様のなか、軽井沢まで萬斎さんの狂言を観に行ってきました。

軽井沢夏の宵の狂言
2009年8月1日(土)18:00開演
軽井沢大賀ホールにて


解説 石田幸雄
演目の前に、演者のひとりである石田さんによる狂言と演目の解説がありました。
能舞台の仕組みや、能や狂言の楽しみ方、それから今回上演される狂言についてのお話を笑いを交えながらお話してくださいました。
とても分かりやすくて観るのが楽しみになりました。


狂言「萩大名」
 大名 野村万之介  太郎冠者 高野和憲   主 深田博治
訴訟のため長く今日に滞在していた大名が、国に帰る前に京の見物に出かけます。太郎冠者の案内で名物の庭を見ることになりますが、この家の主人は、訪れた客に和歌を所望すると聞いて、和歌の心得のない田舎大名は太郎冠者に簡単な和歌を教えてもらってから出かけますが…。

この狂言は、ずいぶん前から観てみたいなぁと思いながら機会がなく、ようやく今回見ることができました。田舎暮らしのせいもあり、庭を愛でたり和歌をたしなむような教養は持たない大名を、万之介さんが茶目っ気たっぷりに演じられていました。庭を観ながら思わず、不用意なことを言ってしまう大名と、高野さん演じる太郎冠者の、そんな大名を諌めたり助け舟を出したりと忙しい様子が面白いです。
そして、大名のあまりのなっていない言動に怒った太郎冠者の取った行動で追い詰められた大名が狼狽する様子がさらに可笑しくてたまりませんでした。
そんななかでも、彼らの眺めている庭の様子を想像するのも楽しく、白い砂や見事な枝振りの梅などが目に浮かぶようでした。


狂言「成上り」
 太郎冠者 野村万作  主 月崎晴夫  すっぱ 竹山悠樹
このあたりの者(主人)が太郎冠者を伴って鞍馬へ参詣に出かけ、一晩泊まることになりました。ふたりがすっかり寝入ったところへ現れたすっぱ(泥棒)は、太郎冠者の持っている太刀を竹の杖にすり替えてしまいます。目の覚めた太郎冠者は太刀が無くなっていることに気づいて驚き、帰る道すがら主人が出世するしるしに太刀が竹の杖に替わってしまったと作り話をしますが…。

前半、太郎冠者が太刀を盗まれ、その言い訳を主人にするあたりまでは普通に面白いなぁと思いながら観ていましたが、後半、その太刀を取り返そうと主人と太郎冠者が奮闘する様子は、可笑しくて仕方がありませんでした。
とくに、すっぱを捕まえるための縄を太郎冠者が綯いはじめるところや、綯っているところをすっぱに蹴り転がされるところ…あのドタバタは面白すぎです。
今回初めてちゃんとお話の内容を知った狂言でしたが、すごく好きだなぁと思いました。


狂言「悪太郎」
 悪太郎 野村萬斎  伯父 石田幸雄  僧 野村万作
酒好きの悪太郎は伯父が自分の悪口を言っていると聞き文句を言いに出かけますが、そこで散々酒を飲んで帰りに道端で寝てしまいます。悪太郎を心配して様子を見に来た伯父は、なんとか酒をやめさせたいと考え、長刀と刀と小袖を取り上げ、さらに髭と髪を剃ってしまい、「名を南無阿弥陀仏と名づける」と言い残し立ち去ります。
目を覚ました悪太郎は自分の姿が変わっていることに驚きます。と、そこへひとりの僧が念仏を唱えながら現れます。「南無阿弥陀仏」と唱えているので、自分の名前を呼ばれたと思った悪太郎は、返事をするのですが…。

今回のなかでは、この狂言だけが2回以上見ているものでした。
ただ今までと違うのは、伯父を萬斎さんの本物の叔父さんである万之介さんではなく、石田さんが演じられているというところ。石田さんが演じられると、にこにこしながらも悪太郎の酒好きなところをかなり苦々しく思っているのでは…という風に感じられます。
僧は今回と同じ万作さんが演じられているものと、あとは萬斎さんよりもお若い深田さんが演じられているものを観たことがありましたが、どちらも違う印象があって面白いです。
今回は万作さんと萬斎さんの、息がぴったりなところを楽しませてもらいました。
ちなみに今回、能舞台を組まずに柱や簡単な橋掛かりを置いた形で上演されましたが、音響の関係なのか、舞台で足を踏み鳴らしたときの音の響き方がとても柔らかく、そこに鉦の音や万作さんや萬斎さんの声が合わさって、とても心地よく聞こえました。音楽を楽しむことを追求されたホールならではなのかもしれません。

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2009年7月11日 (土)

「狂言劇場その六」in世田谷パブリックシアター

Kyogentheater6おぉっと…感想書くの、すっかり忘れてました(爆)。
というわけで。


「狂言劇場その六」
2009年6月28日(日)14:00開演
世田谷パブリックシアターにて
<Aプロ>狂言「二人大名」「縄綯」「雷」、能楽囃子

「二人大名(ふたりだいみょう)」
通りのもの/野村万作 大名/高野和憲・深田博治
(おはなし)二人の大名が通りがかりの男に強引に太刀を持たせ、初めは渋々従っていた男が、からかわれた腹いせに太刀を抜き逆に大名を脅しはじめます。小刀を取り上げられ身包み剥がされた大名は、小刀や服を取り戻したい一心で動物や起き上がり小帽子の真似をさせられるうち、いつの間にか自身の立場を忘れて興に乗ってしまう…というお話。

偉そうにしている大名が自分の太刀で脅され言いなりになる姿は、気の毒でもあり滑稽でもあります。それにしても…高野さんと深田さん演じる大名が太刀を振りかざす男におびえ「あぶない」と言ったり、物真似や小唄をする様子はほんとに息ぴったりで感心しながらもたくさん笑ってしまいました。


「縄綯(なわない)」 
太郎冠者/野村萬斎 主/野村万之介 何某/石田幸雄
(おはなし)博打に大負けした主人の借金の形にされ博打相手に売られてしまった太郎冠者は、へそを曲げて新しい主人(何某)の言うことを全く聞かないので、仕方なく元の主人が連れ戻します。主人に命じられて縄を綯う太郎冠者は、嬉々として何某の家族に対しての徹底的な悪口を並べますが…というお話。

太郎冠者が自分の背後にいる主人に向かい、何某の家族がどんなで、自分がその人たちとどう接したか…というのを身振り手振りを交えて話すところは、それだけでもう可笑しいんですが…背後の人が途中で主人から何某に変わっても気づかず話し続けるのでさらに可笑しくて仕方ありません。
そんななかでも、博打好きなくせにからきし弱い主人のことが気がかりらしい太郎冠者の様子はどこか微笑ましくて良かったです。


さて…前半を観終ったところで私、この後に予定があって残念ながら途中退席させていただきました。舞台にかなり近い良い席だったので名残惜しい気持ちもありましたが…。
というわけで、後半の演目については、入場の際に配られたプログラムを参考に、あらすじのみ載せておきます。


能楽囃子
笛/一噌隆之 小鼓/田邊恭資 大鼓/亀井広忠 

「雷(かみなり)」
雷/野村萬斎 藪医者/石田幸雄
(おはなし)東国へ下る途中の藪医者が武蔵野に差しかかると、突然雷鳴が轟き、雷が落ちてくる。したたかに腰を打って苦しむ雷に、医者が針治療を試みるが、雷は痛みに七転八倒。ようやく治り、藪医者が治療代を請求すると、雷には持ち合わせがなく…。
いかにも強そうな出で立ちをした雷が大げさに痛がる姿が非常に微笑ましい作品。雷が登場する際に発する擬音やデフォルメされた大きな針、針を打つリズムなど、狂言ならではの表現をたっぷりと堪能できます。

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2009年5月 9日 (土)

野村萬斎「狂言を楽しむ会」in北野文芸座

Mansainagano2連休明けにお休み(自宅待機)を利用して、長野市まで萬斎さんの狂言を観に行ってきました。


野村萬斎「狂言を楽しむ会」
北野文芸座にて
2009年5月8日(金)18:00開演※夜の部


解説 野村萬斎

まず萬斎さんが登場して、ご挨拶と、上演される曲についての簡単な解説。
萬斎さんは結構髪が長くなっていて、ウェーブっぽくなっているというか…全体的にフワフワしてました。私としてはもっとこう…サラッとしている髪型のほうが好みですが、それでも萬斎さんが素敵であることには変わりなく、ユーモアたっぷりにお話する姿に夢中で見入っておりました(笑)。
そして後半の曲「千鳥」の中に出てくる一節を萬斎さんが教えてくださるという展開に。萬斎さんに続いて「浜千鳥の友呼ぶ声は」という部分を皆で歌い(?)ました。なかなか出来ない体験で…なんだか楽しかったです。
現在、会場からすぐ近くの善光寺では御開帳が行われているということで…昼の部と夜の部の間に出かけようとされた演者の方もいらっしゃったようですが、とてもたどり着けないだろうということで断念されたとか。…いつもの年だったらともかく、今年ばかりは…(苦笑)。


狂言 文山賊(ふみやまだち)
 山賊 高野和憲
 山賊 深田博治
(おはなし)狙った旅人を取り逃がし仲間割れをしたふたりの山賊が、果し合いで決着をつけようとしますが、ふたりとも臆病でなかなか事が進みません。誰にも知られずこのまま死ぬのも空しいからと、ひとりが書置きを残すことを提案し、早速文を書き始めるふたりですが…。

解説で萬斎さんは「狂言には大盗賊のようなすごい人物は出てこない」とか「狂言で人が死ぬことはありません。死ぬような度胸のある人は出てこない」と言っておられましたが、その、名もない人、生への執着のある人というのがとても身近に感じられて、微笑ましく感じられました。
 

狂言 千鳥(ちどり)
 太郎冠者 野村萬斎
    主  月崎晴夫
   茶屋  石田幸雄
(おはなし)支払いの滞っている酒屋から、明日の神事に必要な酒をどうにかして取って来るよう命じられた太郎冠者。酒屋に出かけ、代金の米はもうすぐ届くからと嘘をつき酒樽に酒を詰めさせることに成功しますが、米が届くまでは持って帰らないようにと酒屋に止められてしまいます。米を待つ間に話をするように言われた太郎冠者は、尾張の津島祭の話をしはじめて…。

主人は「酒を取って来い」と太郎冠者に命じていますが…「前回も盗むようにして取って来た」と言う太郎冠者の言葉を聞いてしまったら、「取って来い」が「盗って来い」に聞こえてしまって…それだけで可笑しくて仕方がなかったです。
萬斎さん演じる太郎冠者と、石田さん演じる酒屋の絶妙なやりとりや、萬斎さんの表情ひとつひとつが面白くて…たくさん笑いました。

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2009年2月16日 (月)

珠響(たまゆら)inサントリーホール

Tamayura_2 週末は、こんなコンサートに行って来ました。1ヶ月ぶりの東京です。
お目当ては…もちろん(?)あの人とあの人…(笑)。


三響會presents珠響(たまゆら)-神々-
サントリーホールにて
2009年2月15日(日)18:30開演

(出演)
稲本響(ピアノ)/藤原道山(尺八)/村治佳織(ギター)
亀井広忠(能楽囃子)/田中傳左衛門(歌舞伎囃子)/田中傳次郎(歌舞伎囃子)
英哲風雲の会(太鼓)はせみきた/上田秀一郎/谷口卓也/田代誠/服部博之
野村萬斎(狂言)/一噌幸弘(能楽笛方)/市川慎(箏)/武田双雲(書家)


(曲目)
オープニング 
 武田双雲/市川慎 沢井比河流「斜彫」
稲本響(※共演:江口心一/MaL)
 稲本響「イキガミの旋律」(映画『イキガミ』より)
      「桜の眠り」
      「虚数・実数・複素数」※
      「Opus 0」※
村治佳織(※共演:ヴォクスマーナ)
 ヴィラ・ロボス「カデンツァ」
         「5つの前奏曲より第4番ホ短調」※
         「ブラジル風バッハ第5番」※
 ボロディン「だったん人の踊り」※
 パッヘルベル「カノン」※
 G・フェルナンデス「ア・ネグリート・デ・ククルンベ」※
英哲風雲の会
 林英哲「七星」
藤原道山(※共演:市川慎)
 藤原道山「光」
 沢井忠夫「上弦の曲」※
三響會(共演:野村萬斎/一噌幸弘)
 「三番叟」
フィナーレ
 藤原道山/英哲風雲の会 スペシャルセッション


私のお目当ては道山さんの尺八と萬斎さんの「三番叟」でしたが、それだけではなく、ステージ全てが興味深いものでいっぱいでした。
萬斎さんの「三番叟」を生で観るのは2年ぶりくらいでしたが、太郎冠者などのコミカルな役を演じている萬斎さんも好きですが、「三番叟」を演じる萬斎さんのピンと張り詰めたような表情や動作はこちらの背筋までピシッとするようで、やっぱりいいなぁと思います。このコンサートのサブタイトルは「神々」。五穀豊穣を祝うこの曲は、このテーマにぴったりですね。
道山さんの尺八の音色は、スーッと透き通るみたいに美しく響いて、すごく気持ちが良かったです。「光」は去年よく聴いていたアルバムに収録されている曲で、生のステージで聴くことができて良かったです。それにしても…あの最後の長く伸ばす高音の伸びること、伸びること。よく息が続くなぁなんて思って…こちらの息が止まりそうでした…(笑)。
それから、印象的だったのは、太鼓。音色というよりは、お腹に響いてくるような衝撃というか振動というか。そして、太鼓を叩く姿を見ていると、思っていたよりも繊細な動きをするものだなぁなんて思ったりしました。
…この世の中には様々な音楽があるんだなぁというのを、強く感じさせられるコンサートでした。

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2008年11月29日 (土)

「狂言劇場その伍」in世田谷パブリックシアター

Kyogengekijo5きょう観てきました。


「狂言劇場その伍」
(Bプロ)「苞山伏」・能楽囃子・狂言による「彦市ばなし」
世田谷パブリックシアターにて


「苞(つと)山伏」
使いの者:野村万之介 山人:高野和憲 山伏:深田博治
山へ薪取りに来た山人が眠くなって休んでいると、そこへ後からやって来た山伏も近くで昼寝を始めます。さらに通りかかった男は山人の枕元に置かれていた昼食の藁苞を見つけ、食べてしまいます。そして山人が目を覚ます気配に慌てて寝たふりをすることに。
目が覚めた山人は昼食がなくなっていることに気づき男を疑いますが、男はそしらぬ顔で山伏に罪をなすりつけます。
疑いをかけられた山伏が、真犯人を明らかにしようと祈祷を始めると…。

人のお弁当を食べちゃって、それをごまかそうとするのは万之介さん演じる使いの男。その表情だったり、または山伏の祈祷で体が動かなくなっちゃう様子が、なんとも言えない可愛らしさ。
そして…たかが盗み食い、されど盗み食い。食べ物の恨みは恐ろしいものです(笑)。


能楽囃子
笛:松田弘之 太鼓:観世元伯
邦楽での合奏って、ハーモニーを奏でる洋楽とはちょっと違っていて、それぞれに違うことをやっているいくつかの楽器の音色が、じつはピタっと合っているという、ちょっと不思議な感覚(半分以上が、いま習っている尺八の先生からの受け売りですがね…)。
でもなんとなく、笛の音色が太鼓のリズムに乗っているな、と感じられる部分が結構あって、想像していたよりはというか今まで聴いたものと比べると、洋楽に慣れた耳でも聴きやすかったような印象でした。


狂言による「彦市ばなし」
彦市:野村萬斎 天狗の子:月崎晴夫 殿様:石田幸雄
自称“うそつきの名人”彦市は、ただの釣竿を遠眼鏡と偽って、天狗の子から隠れ蓑を騙し取ります。さらに河童を釣って見せると口からでまかせを言い、お城のお殿様からは鯨の肉と天狗の面をせしめます。
隠れ蓑を取り返そうとする天狗の子と仕返しに来るかもしれない天狗、そしてお殿様。全てを騙し通すことが出来るかと思いきや、騙されたと気づいた天狗の子に鯨の肉と天狗の面を奪われてしまい…。

いやーもう。萬斎さんのサービス精神旺盛なところとか、やれるものはとことんやっちゃおう的な部分を存分に感じて、すごく楽しめました。
スクリーンと、そこに映し出される文字を使った演出。これは萬斎さん演出の舞台では「狂言劇場」に限らず、あちこちで目にしてますが、毎回、今度はどんな仕掛けが?とわくわくさせてくれます。今回は石田さん演じるお殿様が登場するシーンでの演出が面白かったです。そのお殿様ですが…萬斎さん演じる彦市の嘘にいちいち騙されたり、彦市の苦し紛れの言い訳にも気持ちよーく騙されちゃう人のよさ。きっと平和なんだなぁと、ほのぼのさせられました。
自分の嘘に絶対の自信を持っている彦市が、どんどん不利な状況に追い込まれていく様子は、ちょっと滑稽にも感じられました。

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2008年10月 2日 (木)

第四回駒ヶ根能in駒ヶ根市文化会館

Komagane4th2ヶ月ぶりに萬斎さんを観て来ました。特別なことがない限り…おそらく今年、私にとっては萬斎さんを観られる最後の機会になるかと。


第四回駒ヶ根能
駒ヶ根市文化会館にて、2008年10月1日18:00開演


狂言「棒縛(ぼうしばり)」
 太郎冠者 野村萬斎  次郎冠者 高野和憲  主人 竹山悠樹
召使の太郎冠者と次郎冠者が、自分の留守に蔵の酒を盗んで飲んでいると聞いた主人は、一計を案じることに。呼び出した二人を騙し、太郎冠者を案山子のような格好に、次郎冠者を後ろ手に縛り出かけていきます。
後に残された太郎冠者と次郎冠者はどうしても酒が飲みたくて、攻めて匂いだけでもと蔵へ向かいますが、匂いを嗅いでますます酒飲みたさが募る二人は、不自由な体を巧みに使い力を合わせて酒を飲みはじめ、やがて宴会となります。
興に乗った二人が謡い舞ううちに、ふと盃のなかを見るとそこには主人の姿が映っていて…。

そこまでして酒が飲みたいかねぇ…と苦笑いしたくなるような、太郎冠者・次郎冠者の奮闘振りが可笑しくてなりません。念願叶って酒を飲み、ご機嫌で歌を唄ってご機嫌で笑う二人に、こちらも思わず笑顔になります。まぁ…自分の知らないうちに酒を飲まれてしまう主人からしたら笑うどころじゃないでしょうがね(笑)。盃に主人の姿が映っても、その人がそこにいるとは思い至らず、ついにはその主人をネタに歌を唄いだす始末。面白すぎです。
それにしても…やっぱり萬斎さんは太郎冠者が似合いますねー。からりと明るいひょうきんなところがとても魅力的です。今回の「棒縛」は、その太郎冠者ものの狂言では代表的な曲です。このレビューを書くために、家にある本で色々調べたら、萬斎さんが主人や次郎冠者をやっている写真が載ったものがありました。演じる人によって、またその組み合わせによって全然違う印象になるのも興味深いです。
そうそう。今回次郎冠者を演じていた高野和憲さんは、私が萬斎さんの次に好きな演者さんです。駒ヶ根能で高野さんを観るのは、確か初めてだったんじゃないかと…。これからも来て下さるようだったら、今度は高野さんが聟(むこ)か、妻などの女性を演じるような曲が見たいですね。


能「砧(きぬた)」
 シテ(芦屋の某の妻とその霊) 浅見真州  ツレ(侍女・夕霧) 鵜沢久 
 ワキ(芦屋の某) 宝生欣哉  ワキツレ(芦屋の某の従者) 大日方寛
 アイ(下人) 野村万之介
 大鼓 亀井広忠  小鼓 古賀裕己  太鼓 助川治  笛 一噌庸ニ
訴訟のために上京した芦屋の某は、もう三年も故郷に帰っていません。故郷に残した妻を気にかけ、侍女の夕霧に「今年の暮れには帰る」という言伝を託します。
一方、夫の帰りを待ちわびて泣き暮らす妻は、夕霧の姿を見た途端、夫に会えない辛さと夫を恨む気持ちがあふれ出します。そんな妻の耳に入ってきたのは砧を打つ音。夫を思いながら砧を打ったら夫はその音を夢に聞いた…という異国の故事を思い出し、せめてもの慰めにと、自分も砧を打ちます。
しかしそこへ、今年も帰れないという夫からの便りが届き、夫は心変わりしてしまったのだと思い込んだ妻は病の床に臥し、そのまま亡くなってしまうのでした。その知らせに急ぎ帰京した夫が妻を弔っていると、妻の霊が現れ…。

砧とは、生地(布)に艶や柔らかさを出すために槌(つち)で打つときに、その生地を置く台のことです。砧を打つ音とは、布を槌で打っているときの音、ということになるんですね。
今だったら、会いたいと言ったら飛行機とか…新幹線とか…車とか…チョチョッと会いに帰って来るということも出来る気もするので、そういう時代ならではの、待つ身であるいじらしさなのかなぁという気がしました。
後半は、妻の死を知り帰郷した夫の前に現れた妻の霊が、夫にその苦しみを訴えながら舞う場面が印象的でした。お囃子と地謡がその激情を表しているかのようでした。大鼓・小鼓を打ちながらの掛け声も演奏の一部というか…楽器のように操っているように感じられました。
私が気になる人は、大鼓の亀井広忠さん。半年くらい前、萬斎さんの舞台で演奏されているのを観て以来です。前回の駒ヶ根能でも演奏されてました。そのときは、もしかして萬斎さんが「三番叟」をされるので、そのために特別にいらっしゃったのかなぁと思いましたが、今回もいらっしゃったので嬉しかったです。
でも…どうしても能を観ると、途中で意識が飛ぶんですよね…。今回も真ん中辺でちょっと…いやかなり。まぁ、気持ちよくなりすぎた結果だ…ということにしておこうと思います(爆)。

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2008年7月 4日 (金)

野村萬斎「狂言を楽しむ会」in長野・北野文芸座

Kitanobungeiza午後から有休をもらい、車でひとっ走り長野市まで。
先月の塩尻能に続き、地元での萬斎さんです♪
会場になる北野文芸座には、前回の萬斎さんの狂言会以来、約1年ぶりになります。

野村萬斎「狂言を楽しむ会」
(長野・北野文芸座にて)

解説:野村萬斎

袴姿で登場した萬斎さんの素敵過ぎるお姿に、もうそれだけで…わくわくしてきました。髪は、ちょっと襟足のところが伸びて少し長め、前髪もちょっと長いのを斜めにサッと流していました。細身で色が白くて、もうどこからどう見ても私好みなところばかりで、もう駄目です(爆)。帯のところに差した扇すらカッコよく見えてしまう、相当重症な私です…。
最初に「こんばんは」と挨拶されましたが、客席からの返事が小さく「長野の方は大人しい方が多いようで…」とおっしゃってました。いけないいけない、今度は頑張ってちゃんと大きな声で挨拶をしなくては…。
低く渋いお声で語る演目についての解説は、ユーモアたっぷりでたくさん笑いながらも、思わずなるほど~と頷いてしまうような内容もあり、ほんとに楽しめました。

まず「水掛聟(みずかけむこ)」について。水掛け論の“水掛け”はこの曲のような状況をいうのかも…とおっしゃって「辞書で調べると、なんて書いてあるんでしょうね…えーまぁ特別調べてきてはいないんですけども」と、ちょっと気まぐれな感じでお話されている雰囲気が、なんだか可笑しかったです。
…で。私、図書館で調べてみました(余計なお世話)。
「水掛け論」…(ひでりの時、百姓が互いに自分の田へ水を引き込もうとして争うことから)双方が互いに理屈を言い張ってはてしなく争うこと。水掛け合い。(岩波書店「広辞苑」第6版より抜粋)
また集英社「日本語大辞典」には“水の掛け合いのように、勝敗に決めてのない論争の意からともいう”ともありました。
この曲は農耕をテーマにしたものということで、五穀豊穣を神に感謝して演じられた「三番叟」のことにも触れられて、もともとは田んぼのぬかるみにはまった足を抜く動作から生まれた振りをちょっとやって下さいました。萬斎さんのお家に伝わるものは、だいぶそういった土のにおいのようなものから切り離した舞踊的なものになっているということで「どちらかといったら“シェー”という感じですが」と、客席を沸かせていました。

そして「悪太郎」について。“悪”とは“悪い”という意味合いよりは“強い”というような意味合いだということでした。萬斎さんのイメージではヒーロー的な人物というよりは黒ずくめの猛者とかそんな感じだとか。“黒ずくめ”と聞いて私の中ではことし1月~2月に萬斎さん主演で放送されていた「鞍馬天狗」を思い浮かべてしまいました。大酒呑みで乱暴者の悪太郎に萬斎さんは、若いときのエネルギーをもてあましている様子、それを発散する方向が酒だったのだろうとお話されていました。萬斎さんの若いころはツッパリとかなめ猫とかが流行っていたそうで…そういう単語が萬斎さんの口から飛び出すのはなんだか面白かったです。萬斎さん自身はエレキギターを掻き鳴らしていたことがあったということで、エッセイに載っていたエレキギターを弾いている若いころの写真を思い出して笑ってしまいました…。
…そんなこんなで萬斎さんのお話による楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、いよいよ上演開始です。

水掛聟(みずかけむこ)
 聟:高野和憲 舅:石田幸雄 嫁:竹山悠樹
稲の育ちは順調なものの、日照り続きの夏。聟は田の見回りに行き自分の田に水が無いことに気づき、隣の舅の田との境にある畦を切り水を引き入れます。入れ違いにやってきた舅は、自分の田に水がないことに驚き再び水を引き入れ水の番を始めるのでした。そこへ聟が戻ってきて、ふたりは口論になり…。

入れ違いにやって来る聟と舅が自分の田に水を入れようとし、顔を合わせたところでその水をめぐって争いになります。最初は畦を切ったりそれを埋め戻したりの繰り返しですが、それでは埒があかなくなり、今度はお互いに水や泥を掛け合うようになります。その争いが…ふたりにとっては生活のかかった、もっと言えば命がけのとても真剣なものでしょうが、見ている側にはなんだか子どもじみた喧嘩のようにも見えてきて…その、真剣さゆえの滑稽さが可笑しかったです。


悪太郎(あくたろう)
 悪太郎:野村萬斎 伯父:野村万之介 僧:深田博治
乱暴者の悪太郎。酒を飲むことを非難する伯父を長刀(なぎなた)で脅してやろうと出かけていきますが、そこでもたらふく酒を飲み正体をなくし道で寝込んでしまいます。そんな悪太郎を心配し後をつけてきた伯父は、道端に寝ている悪太郎を僧の姿にし「お前を今後、南無阿弥陀仏と名付ける」と言い渡して去っていきます。…朝になり目を覚ました悪太郎は…。

この曲を観るのは私にとっては2回目。前回は2006年3月、世田谷パブリックシアターでの「狂言劇場その参」(レビューはこちら)。このときは僧が野村万作さんでした。同じ曲でも演じる人が変わることで印象というか、演じられ方も変わってくるというのもあるかもしれません。今回、僧を深田さんが演じるのを観て、息のぴったりなところや、あとは萬斎さんと同年代ということもあって、すごくアクティブに感じられる部分がありました。
そして、本来目上の存在である伯父に対しすごく偉そうに振舞う悪太郎と、とくに何も言わず従う伯父という関係。それがやっぱり可笑しくて仕方ありませんでした。

忙しいなかでお休みを頂くことにためらいもありましたが…おかげで楽しい時間を過ごすことができました。

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2008年6月 5日 (木)

第六回塩尻能inレザンホール

Siojirinoh6th先週末、能と狂言の催しに出かけてきました。
今年、地元では初めて観る萬斎さんです♪

第六回塩尻能
(2008年6月1日 レザンホールにて)

おはなし 源氏物語千年紀に寄せて  馬場あき子

能 半蔀(はじとみ)
前シテ 里女、後シテ 夕顔の上 鵜沢久
ワキ 雲林院の僧 宝生欣冶
間(アイ) 所の者 高野和憲  ほか

狂言 梟山伏(ふくろうやまぶし)
シテ 山伏 野村萬斎
兄 深田博治  弟 時田光洋

能 融(とおる)
前シテ 漁翁、後シテ 浅見真州
ワキ 旅僧 殿田謙吉
間(アイ) 所の者 深田博治

開演前に、私の隣に座られてた年配のご夫婦(らしき方たち)の男性の方から「私は途中で寝てしまって迷惑かけるかもしれないけれど」と声を掛けられましたが…私こそ、能の最中に寝てしまって、ご迷惑をお掛けしたかも…(汗)。
能が始まる前の、馬場あき子さんによる解説のときは良かったんですけど…というか、お話はとても興味深くて、見所などもすごく面白く解説してくださって、はやく観てみたいなぁと思えて、塩尻能に出かけるのは今回で4回目になりますが、今回の解説がいちばん面白かったです。

しかし…そんな期待感とは裏腹に、能が始まってからどんどん重くなる私の瞼(爆)。
最初の能「半蔀」は、源氏物語のなかに出てくる「夕顔の巻」をモチーフにした曲。妻である葵上(あおいのうえ)とは別に六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)という恋人がいた光源氏の君。その恋人に逢うために通りがかったのが、五条あたりの質素な家々の立ち並ぶあたり。その家先に咲いていた夕顔の花、そしてそこに住む女性(夕顔の上)との恋。雲林院の僧の前に姿を現した夕顔の上が、その恋を懐かしむように舞を舞う…というお話。
だいぶ気持ちよくなりすぎましたが…舞台装置などはほとんどない状態で演じられることの多い能の舞台に、夕顔の家の半蔀を模した造りものが登場して、後シテである夕顔の上は、そこを通って舞台に登場したり退場したりするのが面白く、また夕顔の上の舞いの、昔の恋を懐かしむような様子を見ていると、その後に訪れる悲劇を思って勝手に切なくなってしまうのでした。

休憩を挟んで、いよいよ萬斎さんが登場。
狂言「梟山伏」は、山から帰った弟に物怪(もののけ)が憑いてしまったことを心配した兄が、山伏に加持祈祷を頼みます。山伏が祈祷を始めると弟は梟の泣き声を出すので、山伏は梟が憑いたと見て益々祈祷に力を入れるものの、弟の様子は変わらず、そればかりか兄にも梟が憑き、果ては自らにも…というお話。
山伏をやっている萬斎さんを見るのは、萬斎さんの狂言を観に行くようになった最初の年に電光掲示板狂言会で観た「茸(くさびら)」以来だと思っていたんですが…さっき過去に書いた自分の記事を読み返していたら、前回の第五回塩尻能では「柿山伏」の山伏を演じている萬斎さんを観ていた私。「柿山伏(かきやまぶし)」をどこか…生かテレビか何かなのかはっきりしないながら観た記憶はあったものの、それがレザンホールだったことは失念していました。自分の記憶力のあやしさにビックリさせられます。…こうしてみると、ブログってほんと、日記代わりでもありますね。自分の記録用というか。
…そんなことはともかく。「茸」も「柿山伏」も山伏はどこか情けない、でも憎めない存在だった利したわけですが。今回観た「梟山伏」もまさに、そんな感じ。祈祷を頼まれるものの、その祈祷でさらに事態が悪化して自分までとり憑かれてしまうという。梟にとり憑かれた人のしぐさっていうのも面白くって…、山伏の祈祷に合わせて体を震わせ、体のあちこちを掻き、最後には「ホーッ!」と奇声を発します。だんだんその様子が梟に見えてくるから、ほんと不思議。

「梟山伏」が賑やかに終わったあとは、すぐに、今回ラストの演目へ。
能「融」は、旅の僧が京の都を訪れたところ、汐汲をする老人が現れて、かつて栄華を極めた源融(みなもとのとおる)の華やかな宴の様子を語り、やがてその老人は姿を消し、代わりに現れたの融大臣(とおるのおとど)が現れて、かつての華やかな日々を懐かしんで舞いを舞う…というお話。
最初の能で眠ってしまったせいか、今回のはしゃきっと目が覚めて、しっかり観ることが出来ました。源融は、「源氏物語」のモデルになったとされている人。たしかに、天皇の子でありながら親王として生きていくことではなく、臣下に下った辺りなどは、やっぱり紫式部はこの人を頭に置いて書いたんだろうなぁ…と思ったり。

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2008年5月29日 (木)

ややこしや(まちがいの狂言)

Thekyogenoferrors「にほんごであそぼ」のDVDを見たら…無性に見たくなってしまいました。というわけで、久々に引っ張り出してきました。

野村萬斎
世田谷パブリックシアター芸術監督就任記念公演
『まちがいの狂言』グローバルバージョン
(英語字幕つき)
幼い頃に生き別れとなった双子の石之介(石田幸雄・一人二役)、そしてこれまた双子の太郎冠者(野村萬斎・一人二役)。白草の国に住む石之介が、太郎冠者とともに生き別れになった兄弟を探す旅に出て、…やがて辿りついた黒草の国で彼らを巻き込んで繰り広げられる騒動。


シェイクスピアの『まちがいの喜劇』をもとに、狂言の手法を用いて演出しています。
舞台は室町時代の瀬戸内海、黒草という小国(もちろん架空の)。
石田幸雄さん演じる石之介と野村萬斎さん演じる太郎冠者は、二人一役。そして、この二組の双子と周りの人々のやりとりを理解しやすくするため、独特のルールが存在します。それは、黒草の民は上手(かみて)側の黒い幕から、白草の民は下手(しもて)側の白い幕からそれぞれ登場します。これを覚えておかないと、見ながら混乱してしまいます。
二組の双子と、その周りの人々がお互いの存在を知らずにあれこれ動き回るので、そのたびに言うことやることが食い違っていく…その様子がたまらなく可笑しくって…かなり笑いました。また、そんなことが続くうち「ほんとに自分は大丈夫か?」と自分にすら自信が持てなくなる様子が描かれるところは、ちょっと怖いような気もしました。
そして今更ながら、萬斎さんは明るくカラっとした、調子のいい太郎冠者が似合うなぁと思います。この作品もそうなんですが、他の作品で見ても、とても…楽しそうに演じているように感じられます。
また、萬斎さんの次に私が好きな高野和憲さんは、黒草の石之介の妻・お熊の妹であるお菊を演じています。このお菊がほんとに可愛らしくて…、高野さんをいいなぁ♪と思い始めたきっかけの作品がこれだったりします。何度見てもいいです。

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