能・狂言

2008年7月 4日 (金)

野村萬斎「狂言を楽しむ会」in長野・北野文芸座

Kitanobungeiza午後から有休をもらい、車でひとっ走り長野市まで。
先月の塩尻能に続き、地元での萬斎さんです♪
会場になる北野文芸座には、前回の萬斎さんの狂言会以来、約1年ぶりになります。

野村萬斎「狂言を楽しむ会」
(長野・北野文芸座にて)

解説:野村萬斎

袴姿で登場した萬斎さんの素敵過ぎるお姿に、もうそれだけで…わくわくしてきました。髪は、ちょっと襟足のところが伸びて少し長め、前髪もちょっと長いのを斜めにサッと流していました。細身で色が白くて、もうどこからどう見ても私好みなところばかりで、もう駄目です(爆)。帯のところに差した扇すらカッコよく見えてしまう、相当重症な私です…。
最初に「こんばんは」と挨拶されましたが、客席からの返事が小さく「長野の方は大人しい方が多いようで…」とおっしゃってました。いけないいけない、今度は頑張ってちゃんと大きな声で挨拶をしなくては…。
低く渋いお声で語る演目についての解説は、ユーモアたっぷりでたくさん笑いながらも、思わずなるほど~と頷いてしまうような内容もあり、ほんとに楽しめました。

まず「水掛聟(みずかけむこ)」について。水掛け論の“水掛け”はこの曲のような状況をいうのかも…とおっしゃって「辞書で調べると、なんて書いてあるんでしょうね…えーまぁ特別調べてきてはいないんですけども」と、ちょっと気まぐれな感じでお話されている雰囲気が、なんだか可笑しかったです。
…で。私、図書館で調べてみました(余計なお世話)。
「水掛け論」…(ひでりの時、百姓が互いに自分の田へ水を引き込もうとして争うことから)双方が互いに理屈を言い張ってはてしなく争うこと。水掛け合い。(岩波書店「広辞苑」第6版より抜粋)
また集英社「日本語大辞典」には“水の掛け合いのように、勝敗に決めてのない論争の意からともいう”ともありました。
この曲は農耕をテーマにしたものということで、五穀豊穣を神に感謝して演じられた「三番叟」のことにも触れられて、もともとは田んぼのぬかるみにはまった足を抜く動作から生まれた振りをちょっとやって下さいました。萬斎さんのお家に伝わるものは、だいぶそういった土のにおいのようなものから切り離した舞踊的なものになっているということで「どちらかといったら“シェー”という感じですが」と、客席を沸かせていました。

そして「悪太郎」について。“悪”とは“悪い”という意味合いよりは“強い”というような意味合いだということでした。萬斎さんのイメージではヒーロー的な人物というよりは黒ずくめの猛者とかそんな感じだとか。“黒ずくめ”と聞いて私の中ではことし1月~2月に萬斎さん主演で放送されていた「鞍馬天狗」を思い浮かべてしまいました。大酒呑みで乱暴者の悪太郎に萬斎さんは、若いときのエネルギーをもてあましている様子、それを発散する方向が酒だったのだろうとお話されていました。萬斎さんの若いころはツッパリとかなめ猫とかが流行っていたそうで…そういう単語が萬斎さんの口から飛び出すのはなんだか面白かったです。萬斎さん自身はエレキギターを掻き鳴らしていたことがあったということで、エッセイに載っていたエレキギターを弾いている若いころの写真を思い出して笑ってしまいました…。
…そんなこんなで萬斎さんのお話による楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、いよいよ上演開始です。

水掛聟(みずかけむこ)
 聟:高野和憲 舅:石田幸雄 嫁:竹山悠樹
稲の育ちは順調なものの、日照り続きの夏。聟は田の見回りに行き自分の田に水が無いことに気づき、隣の舅の田との境にある畦を切り水を引き入れます。入れ違いにやってきた舅は、自分の田に水がないことに驚き再び水を引き入れ水の番を始めるのでした。そこへ聟が戻ってきて、ふたりは口論になり…。

入れ違いにやって来る聟と舅が自分の田に水を入れようとし、顔を合わせたところでその水をめぐって争いになります。最初は畦を切ったりそれを埋め戻したりの繰り返しですが、それでは埒があかなくなり、今度はお互いに水や泥を掛け合うようになります。その争いが…ふたりにとっては生活のかかった、もっと言えば命がけのとても真剣なものでしょうが、見ている側にはなんだか子どもじみた喧嘩のようにも見えてきて…その、真剣さゆえの滑稽さが可笑しかったです。


悪太郎(あくたろう)
 悪太郎:野村萬斎 伯父:野村万之介 僧:深田博治
乱暴者の悪太郎。酒を飲むことを非難する伯父を長刀(なぎなた)で脅してやろうと出かけていきますが、そこでもたらふく酒を飲み正体をなくし道で寝込んでしまいます。そんな悪太郎を心配し後をつけてきた伯父は、道端に寝ている悪太郎を僧の姿にし「お前を今後、南無阿弥陀仏と名付ける」と言い渡して去っていきます。…朝になり目を覚ました悪太郎は…。

この曲を観るのは私にとっては2回目。前回は2006年3月、世田谷パブリックシアターでの「狂言劇場その参」(レビューはこちら)。このときは僧が野村万作さんでした。同じ曲でも演じる人が変わることで印象というか、演じられ方も変わってくるというのもあるかもしれません。今回、僧を深田さんが演じるのを観て、息のぴったりなところや、あとは萬斎さんと同年代ということもあって、すごくアクティブに感じられる部分がありました。
そして、本来目上の存在である伯父に対しすごく偉そうに振舞う悪太郎と、とくに何も言わず従う伯父という関係。それがやっぱり可笑しくて仕方ありませんでした。

忙しいなかでお休みを頂くことにためらいもありましたが…おかげで楽しい時間を過ごすことができました。

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2008年6月 5日 (木)

第六回塩尻能inレザンホール

Siojirinoh6th先週末、能と狂言の催しに出かけてきました。
今年、地元では初めて観る萬斎さんです♪

第六回塩尻能
(2008年6月1日 レザンホールにて)

おはなし 源氏物語千年紀に寄せて  馬場あき子

能 半蔀(はじとみ)
前シテ 里女、後シテ 夕顔の上 鵜沢久
ワキ 雲林院の僧 宝生欣冶
間(アイ) 所の者 高野和憲  ほか

狂言 梟山伏(ふくろうやまぶし)
シテ 山伏 野村萬斎
兄 深田博治  弟 時田光洋

能 融(とおる)
前シテ 漁翁、後シテ 浅見真州
ワキ 旅僧 殿田謙吉
間(アイ) 所の者 深田博治

開演前に、私の隣に座られてた年配のご夫婦(らしき方たち)の男性の方から「私は途中で寝てしまって迷惑かけるかもしれないけれど」と声を掛けられましたが…私こそ、能の最中に寝てしまって、ご迷惑をお掛けしたかも…(汗)。
能が始まる前の、馬場あき子さんによる解説のときは良かったんですけど…というか、お話はとても興味深くて、見所などもすごく面白く解説してくださって、はやく観てみたいなぁと思えて、塩尻能に出かけるのは今回で4回目になりますが、今回の解説がいちばん面白かったです。

しかし…そんな期待感とは裏腹に、能が始まってからどんどん重くなる私の瞼(爆)。
最初の能「半蔀」は、源氏物語のなかに出てくる「夕顔の巻」をモチーフにした曲。妻である葵上(あおいのうえ)とは別に六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)という恋人がいた光源氏の君。その恋人に逢うために通りがかったのが、五条あたりの質素な家々の立ち並ぶあたり。その家先に咲いていた夕顔の花、そしてそこに住む女性(夕顔の上)との恋。雲林院の僧の前に姿を現した夕顔の上が、その恋を懐かしむように舞を舞う…というお話。
だいぶ気持ちよくなりすぎましたが…舞台装置などはほとんどない状態で演じられることの多い能の舞台に、夕顔の家の半蔀を模した造りものが登場して、後シテである夕顔の上は、そこを通って舞台に登場したり退場したりするのが面白く、また夕顔の上の舞いの、昔の恋を懐かしむような様子を見ていると、その後に訪れる悲劇を思って勝手に切なくなってしまうのでした。

休憩を挟んで、いよいよ萬斎さんが登場。
狂言「梟山伏」は、山から帰った弟に物怪(もののけ)が憑いてしまったことを心配した兄が、山伏に加持祈祷を頼みます。山伏が祈祷を始めると弟は梟の泣き声を出すので、山伏は梟が憑いたと見て益々祈祷に力を入れるものの、弟の様子は変わらず、そればかりか兄にも梟が憑き、果ては自らにも…というお話。
山伏をやっている萬斎さんを見るのは、萬斎さんの狂言を観に行くようになった最初の年に電光掲示板狂言会で観た「茸(くさびら)」以来だと思っていたんですが…さっき過去に書いた自分の記事を読み返していたら、前回の第五回塩尻能では「柿山伏」の山伏を演じている萬斎さんを観ていた私。「柿山伏(かきやまぶし)」をどこか…生かテレビか何かなのかはっきりしないながら観た記憶はあったものの、それがレザンホールだったことは失念していました。自分の記憶力のあやしさにビックリさせられます。…こうしてみると、ブログってほんと、日記代わりでもありますね。自分の記録用というか。
…そんなことはともかく。「茸」も「柿山伏」も山伏はどこか情けない、でも憎めない存在だった利したわけですが。今回観た「梟山伏」もまさに、そんな感じ。祈祷を頼まれるものの、その祈祷でさらに事態が悪化して自分までとり憑かれてしまうという。梟にとり憑かれた人のしぐさっていうのも面白くって…、山伏の祈祷に合わせて体を震わせ、体のあちこちを掻き、最後には「ホーッ!」と奇声を発します。だんだんその様子が梟に見えてくるから、ほんと不思議。

「梟山伏」が賑やかに終わったあとは、すぐに、今回ラストの演目へ。
能「融」は、旅の僧が京の都を訪れたところ、汐汲をする老人が現れて、かつて栄華を極めた源融(みなもとのとおる)の華やかな宴の様子を語り、やがてその老人は姿を消し、代わりに現れたの融大臣(とおるのおとど)が現れて、かつての華やかな日々を懐かしんで舞いを舞う…というお話。
最初の能で眠ってしまったせいか、今回のはしゃきっと目が覚めて、しっかり観ることが出来ました。源融は、「源氏物語」のモデルになったとされている人。たしかに、天皇の子でありながら親王として生きていくことではなく、臣下に下った辺りなどは、やっぱり紫式部はこの人を頭に置いて書いたんだろうなぁ…と思ったり。

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2008年5月29日 (木)

ややこしや(まちがいの狂言)

Thekyogenoferrors「にほんごであそぼ」のDVDを見たら…無性に見たくなってしまいました。というわけで、久々に引っ張り出してきました。

野村萬斎
世田谷パブリックシアター芸術監督就任記念公演
『まちがいの狂言』グローバルバージョン
(英語字幕つき)
幼い頃に生き別れとなった双子の石之介(石田幸雄・一人二役)、そしてこれまた双子の太郎冠者(野村萬斎・一人二役)。白草の国に住む石之介が、太郎冠者とともに生き別れになった兄弟を探す旅に出て、…やがて辿りついた黒草の国で彼らを巻き込んで繰り広げられる騒動。


シェイクスピアの『まちがいの喜劇』をもとに、狂言の手法を用いて演出しています。
舞台は室町時代の瀬戸内海、黒草という小国(もちろん架空の)。
石田幸雄さん演じる石之介と野村萬斎さん演じる太郎冠者は、二人一役。そして、この二組の双子と周りの人々のやりとりを理解しやすくするため、独特のルールが存在します。それは、黒草の民は上手(かみて)側の黒い幕から、白草の民は下手(しもて)側の白い幕からそれぞれ登場します。これを覚えておかないと、見ながら混乱してしまいます。
二組の双子と、その周りの人々がお互いの存在を知らずにあれこれ動き回るので、そのたびに言うことやることが食い違っていく…その様子がたまらなく可笑しくって…かなり笑いました。また、そんなことが続くうち「ほんとに自分は大丈夫か?」と自分にすら自信が持てなくなる様子が描かれるところは、ちょっと怖いような気もしました。
そして今更ながら、萬斎さんは明るくカラっとした、調子のいい太郎冠者が似合うなぁと思います。この作品もそうなんですが、他の作品で見ても、とても…楽しそうに演じているように感じられます。
また、萬斎さんの次に私が好きな高野和憲さんは、黒草の石之介の妻・お熊の妹であるお菊を演じています。このお菊がほんとに可愛らしくて…、高野さんをいいなぁ♪と思い始めたきっかけの作品がこれだったりします。何度見てもいいです。

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2008年5月28日 (水)

萬斎満開

Mansaimankaiこの間、萬斎さんのお芝居を観に行って…その久々の高揚感になぜか気が大きくなって購入し(てしまっ)たDVD。先週末、さっそく見ました。

にほんごであそぼ「萬斎満開」
出演:野村萬斎ほか、うた:おおたか静流

末廣かり/伊呂波/丼礑(どぶかっちり)/茸(くさびら)/鐘の音/二人大名/鶏聟(にわとりむこ)/まちがいの狂言(鏡バージョン)
雀の子そこのけそこのけお馬が通る/おれも眠らう/夏草や兵どもが夢の跡 /閑さや岩にしみ入蝉の声//柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
擬音アニメ「どうんどうん」/「ぼくぼく」/「ぎゃわろっぎゃわろっ」/「きぃらりきぃらり」/「ほろろんほろろん」/「ちろんてんとん」
♪わらべうた「あしたてんきになあれ」/「げろげろがっせん」/「うちのせんだんのき」/「いちにのさんものしいたけ」/「ちょっとぱーさん」
インターミッション「あえるあえない」/「痛いの痛いのとんでゆけ節」

NHK教育テレビで放送中の「にほんごであそぼ」で萬斎さん出演のものが中心に収録されています。萬斎さんが出演しているのは、上のリストでは末廣かり~柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺まで。放送開始当初から話題になった「ややこしや」でおなじみの「まちがいの狂言」は鏡バージョン。「まちがいの狂言」と、いとうせいこうさん作の新作狂言「鏡冠者」がミックスされた感じ。これを見て、無性に「まちがいの狂言」を通しで見たくなって…久々にDVDを引っ張り出してきて鑑賞。その辺の感想はいずれあらためて書こうと思います。
「夏草や…」は能「船弁慶」に出てくる弁慶の舞の部分を萬斎さんが舞っていて…実はこの舞を見るのが好きな私にとっては、これも嬉しかったです。
擬音アニメーションは、日本語って聴いても見ても心地よい、美しい言葉だなぁと思いました。

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2008年5月 9日 (金)

萬斎さんの狂言のチケット(北野文芸座)

Kitanobungeiza尺八奏者・藤原道山さんとマリンビスト・SINSKEさんのライブに行ってから、完全にそっちへ気持ちがいってますが…そもそも道山さんと尺八に興味を持ったのも、萬斎さんの舞台がきっかけなわけで。

…この間テレビで長野市・北野文芸座での萬斎さんの狂言公演のお知らせをやっていたので、おととい申し込みました。
で、ここ数日のアクセス解析を見ていると、この公演についてお知りになりたい方が結構いらっしゃるような感じだったので、ちょっと書いておきます。

野村萬斎 狂言を楽しむ会
2008年7月4日(金)
北野文芸座(長野市)
開演時間 昼の部 14:00、夜の部:18:00
曲:水掛聟、悪太郎
出演:野村万之介・野村萬斎・石田幸雄・深田博治・高野和憲・竹山悠樹
(参考:万作の会HP)
S席:6000円、A席5000円(全席指定)
問い合わせ:北野文芸座(Tel:026-233-3111)

チケットの買い方…
ここでは、北野文芸座に電話して買う方法です。
公演日、公演名を伝え、昼・夜どちらかを選ぶと、どの席が空いているかを教えてくれます。座席表を手元に用意しておけば、座席番号を言ってもらうこともできますね(北野文芸座のHPにも座席表はありますがこちらのHPの方が、座席番号の入ったものがあるので便利)。
チケットの引き取り方法は、直接取りにいく方法と、郵送があります。ここでは、郵送してもらう方法です。この場合現金書留か銀行振込でチケット代+送料を支払うとチケットが送られてくる仕組み。現金書留については私自身、利用した経験がないので不明のため、とりあえず、銀行振込の方法のみ書きます。銀行振込の場合、振込金額と振込先の口座について案内がありますので、それに従うかたちになります(メモの用意をしておきましょう)。

…こんな感じですが、いかがでしょうか。ここの会場、ネットで調べてもチケットの買い方とかいまいちよく分からないので最初は戸惑いますが、慣れちゃうと結構便利。
個人的な話ですが、今回の公演日、私の誕生日と近いので、自分へのプレゼントのつもりで楽しんでこようと思います♪

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2008年3月26日 (水)

「狂言劇場その四」in世田谷パブリックシアター。

Kyogentheater4先週末に観に行ってきました。

「狂言劇場その四」
(Aプロ)子盗人・能楽囃子・唐人相撲
世田谷パブリックシアターにて

子盗人(こぬすびと)
 博奕(ばくち)打:野村万之介 乳母:高野和憲 主人:深田博治
何もかもバクチで失った男が金目のものを盗もうと忍び込んだ屋敷で、小袖の下に寝かされている赤ん坊をみつけ、その可愛らしさに盗みを忘れてあやし出しますが、その姿を乳母に見られ駆けつけた主人が刀を抜く騒ぎになって…。

万之介さん演じる博奕打が赤ちゃんをあやす表情や口調が面白くて笑ってしまいます。そして、屋敷の人々に見つかって大騒ぎになると、刀を抜いて切りかかってこようとする主人に向かってその赤ちゃんを差し出して「一緒に斬れるか」と挑発したりします。さっきまで可愛がっていた赤ちゃんを盾にして自分は逃げようとする、みたいなところを感じさせられました。


能楽囃子
 大鼓:亀井広忠 小鼓:鵜澤洋太郎 太鼓:大川典良 笛:成田寛人

「狂言劇場」で能楽囃子を聴くのは二度目になりますが…曲全体を通して聴いたときの緩急の付けかたや、それぞれ演奏する人たちの気迫のようなものがその音色、掛け声、そして表情などから伝わってきました。
 

唐人相撲(とうじんずもう)
 相撲取:野村萬斎 皇帝:野村万作 通辞:石田幸雄
 楽人:竹山悠樹・高野和憲 ほか 武官:月崎晴夫・すがぽん ほか
 側近:時田光洋・深田博治 ほか 唐子:野村裕基 ほか
 文官:小美濃利明ほか 髭掻 野村万之介
唐に滞在していた日本の相撲取りが、故郷が懐かしくなり皇帝に帰国を願い出ると、名残にもう一度相撲を見せて欲しいと消耗されます。通辞が行司を務め相撲が始まると、臣下の者たちが次々に挑みますが歯が立ちません。数人がかりでも勝てない自分の臣下を不甲斐なく思った皇帝はついに、自ら相撲取りに試合を挑み…。

狂言を観に行くようになって約5年、色々な曲を見てきましたが、能舞台にこれほど大勢の人がいる光景は初めてで、その人数や声の多さにまず圧倒されました。会場に入ったときにもらったプログラムで数えたら、全部で36人も名前が書いてありました(!)。人数の多さもそうですが…こんなに賑やかな曲は初めて観ました。
萬斎さん演じる相撲取りが、あの手この手で次々と挑んでくる唐の人々を次々とやっつけます。アクロバティックな動きやパントマイムなどを使い、飽きさせないうえに見た目にも派手で楽しめました。演じている最中に拍手や歓声が起こったり、石田さん演じる通辞のリードで手拍子をしたり、今まで観ていた狂言とはかなり違った雰囲気で楽しむことが出来ました。また、能舞台と舞台の奥までの奥行きを利用して、独特の迫力を感じることが出来ました。今回前から3列目の席だったんですけど、この奥まで使ったシーンは、少し後ろのほう、たとえば1階席だったら中程くらいから後ろの席のほうが楽しめたかもしれないなぁと思いました。

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2007年8月 9日 (木)

野村萬斎「狂言を楽しむ会」in長野・北野文芸座

Mansainagano長野の北野文芸座へ、萬斎さんを観に行ってきました。先月東京で「国盗人」を観て以来なので一ヶ月ぶりですね~。
Kitanobungeizaでも、楽しみなのは狂言もですけど、萬斎さんが演目の前に解説をしてくださるっていうのも楽しみで…いそいそと出かけてみました。

野村萬斎「狂言を楽しむ会」
(長野・北野文芸座にて)

解説・野村萬斎
狂言 雷(雷:深田博治、藪医者:石田幸雄)
狂言 貰聟(夫:野村萬斎、舅:野村万之介、妻:高野和憲)

最初に、萬斎さんが登場。
渋~い声で「みなさんこんにちは。暑いですね、東京も暑いですがこっちも暑いですね」とまずご挨拶。
ふたつの演目について、あらすじとか色々と説明しながら、ちょっとしたところで、飄々とした口調の中でも笑いを忘れないという。結構笑わせてもらいました。それに、人間でないもの(雷)が人間らしく、人間(藪医者)が容赦なく鬼のように、つまり立場とかキャラクターを逆転させているところが狂言の面白さだと思います、というお話などはとても興味深かったです。
また、解説の途中、客席で携帯電話が鳴ったんですけど「お、電話」とすぐさま反応して「(酔っ払って家に帰るとき)電話してから帰る、という人もいるでしょうね」と、ちょうど話していた貰聟のお話に結び付けていくところなんかは、さすがだなぁと思ってしまいました。…それにしても、あの電話の持ち主の方、肝を冷やしたでしょうね(苦笑)。自分だったらと思うと冷や汗モノです…。

さて、萬斎さんの解説のあとは、「雷」。
京の都から東の国へ下ってきた藪医者が、夕立に遭い空から落ちてきた雷に治療を命じられて治療をすると、雷に治療代を要求して…というお話。
石田さん演じる藪医者と深田さん演じる雷の追いかけっこや、言葉のやり取りがとっても面白かったです。とくに、雲から落ちた雷が、落ちたときに腰を痛めた、と言って藪医者に治療してもらうときの様子が、ほんと、おかしくて…たくさん笑いました。
「ぴかーり、ガラガラガラ」と、音と光を現して登場し、また去っていく雷がにぎやかで楽しめました。

そして、休憩後は、「貰聟」。
酔っ払って帰ってきた夫が、迎えに出た妻と言い合いになり、勢いで妻を追い出してしまうものの、酔いが醒めて後悔、実家に帰ってしまった妻を迎えに行くのですが…というお話。
まず、橋掛かりを酔っ払って良い気持ちで歌なんか唄いながら登場するのは、萬斎さん演じる夫。それだけでもう、笑ってしまいます。
迎えに出てきた高野さん演じる奥さんの言葉が気に食わず「出て行けー!」となっちゃうんですけど…今時分だと逆に「アンタが出て行けー!」と放り出されそう…なんて思いました。だって奥さん、まだ酒を飲む!と息巻く夫に向かって「いいから中へ入ってお休みなさい」と言うんですよ。優しいじゃないですか。
で…結局、実家に戻ってしまった妻を連れ戻しに行って、舅や妻との押し問答やらバタバタになるんですが、ここでいちばんカワイソウなのは万之介さん演じる舅かも。奥さんの変わり身(?)の早さには笑いつつも唖然とするというか。

そんなわけで、5月に松本で観て以来の狂言でしたが、うだるような外の暑さもしばし忘れる、楽しい時間になりました。

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2007年5月16日 (水)

伝統のいまを観るⅢ『万作の会』狂言公演inまつもと市民芸術館

Mansai_2きょうは松本で萬斎さんの狂言公演を観てきました。…そういえば、今年初めて萬斎さんの舞台を観ました。

伝統のいまを観るⅢ
『万作の会』狂言公演
演目:蚊相撲、千切木

最初に、解説をつとめる石田幸雄さんが登場。狂言を観るのが初めてという人のための説明と、それ以外の人にも楽しめるようなよもやま話などで、楽しく聞くことができました。能・狂言の上演される催しに行くと、大学の先生(能楽などを研究されている方)などが解説されるときがあるんですけども、演者の方のお話のほうが分かりやすい気がして私は好きというか…まぁ、○○さんが説明してくれるのね♪みたいな気分もあるといえばあるんですけども。

蚊相撲
 大名:野村萬斎、太郎冠者:月崎晴夫、蚊の精:深田博治
家来がひとりしかいない大名が新しく人を雇おうとしたらやってきたのは人間の姿になった蚊の精で…、というお話。
私、この曲は2回目なんですが、前観たときは太郎冠者と蚊の精の演者さんが逆だったんですよね。同じ曲も演じる人が違ったりするだけで、雰囲気が変わるので面白いです。萬斎さんが演じる大名は、ちょっと子供っぽいところのある人物で、それがなんともほほえましいというか。月崎さん演じる太郎冠者がそんな大名にあれこれツッコミを入れたりたしなめたりするんですけども、そのコンビネーションが絶妙で、思わず笑ってしまいました。

千切木
 太郎:野村万作、当屋:野村万之介、太郎冠者:竹山悠樹
 立衆:月崎晴夫、深田博治、時田光洋、岡聡史
 妻:石田幸雄
連歌の集まりから仲間はずれにされ怒ってやってきた太郎が仲間たちに打ちのめされ、その話を聞いた妻が仕返しに行くように言うけれど…、というお話。
万作さん演じる太郎と、石田さん演じる情けない夫を叱咤激励する妻…というこのふたり。観ているだけで楽しくて。揃って太郎を仲間はずれにしようと示し合わせる、万之介さんたち連歌の会の仲間たち。太郎の立場になったら、そりゃ怒るだろう…みたいなのはあるんですけども、そういう悪意もコミカルになってしまって、なぜか憎めないのが狂言らしいといえば狂言らしくて。 

今回、最前列のしかも舞台の真ん前に座ってたので、萬斎さんはじめ演じる人たちの表情などがしっかり見られたのがすごくよかったです。目が合うんじゃないか…とか思っちゃって(←自意識過剰)、ちょっと恥ずかしかったりもしましたが、またあの辺で観られたらいいなぁと思います。

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2007年5月13日 (日)

もうすぐ

Mansai_1きのう映画の時間まで少し余裕があったので、まつもと市民芸術館へちょっと寄り道しました。そしたら、もうすぐ本番を迎える萬斎さんの狂言公演を紹介するパネルがありました。

伝統のいまを観るⅢ
『万作の会』狂言公演
5月16日(水)19:00開演

そして、カウンターの前にあったテレビで、萬斎さんが今回の公演で上演される「蚊相撲」と「千切木」について、そして狂言というものについてお話しているVTRを流していました。「大掛かりなセットも照明なども使いませんし、ま、いわば素手の芸と申しますか…」などと語る、あの独特の語り口と渋い声が心地よく、また透き通るように白い肌に見惚れてしまいました(どこ見てるんだって話ですよ)。
最近テレビで流れている「SBCをご覧の皆さん…」で始まる、萬斎さんがこの公演を紹介するCMも、じっくり見られました。
当日まで残すところ3日となりました。今回、チケット発売日に劇場に並んだおかげで、なかなか良い席をゲットすることができました。とても楽しみです。

Bloodwedding2そして、もうすぐ上演といえばこちらも。
スペイン戯曲を白井晃さんが演出しています。

『血の婚礼-blood wedding』

5月23日(水)・24日(木) ともに19:00開演
まつもと市民芸術館

現在は東京のグローブ座で上演中ですが、このまつもと市民芸術館をかわきりに全国公演が予定されています(詳しくは『血の婚礼-blood wedding』公式HP)。舞台稽古風景の写真などがパネル展示されていました。それから、森山未来くんやソニンさんなどによる製作発表会見のもようや、白井晃さんがこの作品について語っているのをVTRで見ることが出来ます。
森山未来くんは去年の新感線の『メタルマクベス』で観ました。そのときは素晴らしいタップを見せてもらいましたが、今回はフラメンコを見られるのだそうで。とても楽しみです。
このチケット、2月に先行予約で買ったので「ずいぶんと先の話だなぁ」なんて思ってたんですが、あと10日ほどで当日を迎えます。ドキドキしてきました。

どちらの公演も、詳しくはこちら↓
まつもと市民芸術館

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2007年5月 4日 (金)

きのうの新聞記事に

Mansaisinmaiきのうの地元紙(信濃毎日新聞)芸能面に、萬斎さんの記事が載っていました。今月16日に松本市のまつもと市民芸術館で行われる狂言公演の紹介、演目とその見どころ、また狂言の面白さについて萬斎さんが語っています。



5月16日(水)午後7時開演
伝統のいまを観るⅢ
『万作の会』狂言公演
「蚊相撲」 野村萬斎 ほか
「千切木」 野村万作、野村万之介 ほか
解説:石田幸雄

記事を見つけたときに、笑顔の萬斎さんの写真に「きゃー♪」と心の中で歓声を上げてしまいました(苦笑)。私的には、チケットはすでに手に入れているので…あとは16日に萬斎さんが松本へ来るのを待つばかりなんですけども。まだ、ずいぶん先のような気がしていたのに、もう2週間後なんですね!楽しみ♪♪
「蚊相撲」は、去年の春、長野市の北野文芸座での公演でいちど観ているので2度目になりますが…大名を演じる萬斎さんは一緒ですが、他が違う配役になっていて、その辺も違った印象になるだろう、というのも気になるところです。
「千切木」は、初めて観るんですが…万作さんがダメ夫、しっかり者の妻を解説もつとめる石田幸雄さんが演じるようです。狂言に出てくる女性ってだいたい、しっかり者だったり気が強かったりします。狂言で女性を演じるときは、歌舞伎のような化粧などはしないので、見た目的にすごく美しいというのでもないですが、石田さんの演じる女性は、ついつい笑ってしまうコミカルなところなんかが好きなので、とても楽しみです。
…ひとつ個人的には。私が萬斎さんの次に好きな演者さんである高野和憲さんが今回いらっしゃらないという、それだけが残念ではありますが、地元ホールで観る萬斎さんを楽しんで来たいなぁと思います。
まだチケット発売中のようなので、興味のある方はぜひ。

詳しくはこちら
まつもと市民芸術館

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2007年4月 5日 (木)

花の季節におめでとう♪

Umeきょう4月5日は、野村萬斎さん41回目のお誕生日です。…ってことで、おめでとうございます♪
午前中くらいに、仕事してて唐突に「あっそういえば!」と思い出しました。
今年はぴあのスケジュール帳を使ってるんですが、そこに載っている4月5日生まれの有名人の方は、萬斎さんのほかに、川原亜矢子さん、西川史子さん、鳥山明さん、吉田拓郎さんなどがいらっしゃるそうです。皆さんおめでとうございます。

さて、この時期といえば、桜。私の住む地域ではまだまだですが、萬斎さんの生まれ育った東京ではちょうど桜のつぼみがほころぶ頃。
写真は、今日うちの庭に咲いていた花。桜?と思いましたが、母に確かめたところ“なんとか梅”とかいうのだそうで、つまり梅の木の一種だそうです。まぁ綺麗なので桜でも梅でもいいんですけどね~。
種類によってはもうすでに咲いているものもありますが、長野県内の桜の開花は今週末以降になるとか。咲いている姿もいいですが、花開く前つぼみが色づいて枝全体が赤くなるような、そんな様子も「あぁ春がそこまで来ている」っていうのが感じられて、いいなぁと思います。

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2006年12月29日 (金)

「至高の華」in宝生能楽堂。

Shikonohana先週末に、東京で萬斎さんを見てきました。
能楽堂で能・狂言を観るのはとても久しぶりのことでした。
…初めての場所だったのにちゃんと調べていかなかったので、駅から迷子になってしまい、会場に到着したのが開演5分前でした…。あ、危なかったです…。

「至高の華」in宝生能楽堂

一調 「野守」 
山崎正道 太鼓・助川治
春日野に住む鬼神が宝の鏡で天上界から時刻の底までを映し出す…というお話。
一調というのは、能の面白い部分を謡い手と太鼓のみで演奏するものです。

狂言「八句連歌」
野村万作・石田幸雄
借金の催促と言い訳を連歌に詠みあって、とうとう借金を棒引きにしてもらう、というお話。
今回は、万作さんが借金をしている方、石田さんがお金を貸している方を演じていました。プログラムによると、万之介さんが万作さんと演じることになっていましたが、急に出られなくなったとか。この前の週に行われた新宿での狂言会も体調不良でお休みされたとか。
早く元気になっていただきたいなぁと思います。
さて、この曲のなかでは“万作どの”“幸雄どの”と呼び合うのが楽しかったです。また、お互いの句を褒めながらも“こうしたらどうですか”と言い合うところでは、言われた方は渋りながらも受け入れて…の繰り返しですが、そのやりとりが一生懸命で楽しそうで面白かったです。

「松風」
梅若六郎・梅若晋矢・工藤和哉・野村萬斎(間狂言)
西国行脚で須磨を訪れた僧は、塩焼き小屋に宿を求めます。そこに帰ってきた二人の汐汲み女。僧は道すがら須磨の浦に住むものから聞いた、浦にある松の木に伝わる。この地に配流された在原行平と、そこでお手つきとなった姉妹の話をすると、女たちは泣き出し、自分たちはその姉妹、松風と村雨の霊だと名乗ります。やがて行平の忘れ形見の烏帽子と狩衣を身につけた村雨は、松の木を行平であるかのように舞い始める…というお話。
…すみません、私途中でちょっと(?)寝てしまいまして……。萬斎さんが登場する最初の辺りは大丈夫だったんですけども、そのあと気がついたら夢の中でした。でもなんか、今までは能の最中に寝ちゃうときって苦しいときがあるんですが、今回はすっごく気持ちが良くて…目が覚めたら頭がとてもスッキリしてて、このあとは集中してみることが出来ました。後半の、松風が行平の衣を纏って舞う姿はとても切なかったです。…さて今回、初めて“謡本”というものを購入してみました。これは、曲の解説や台詞が書かれているものです。通常のものは2100円で結構いい値段ですが、文庫本くらいのミニサイズは840円でお手軽かもしれません。これがあると、耳で聞いただけでは分からない言葉も確認できるので、内容を理解する助けになりますね。そして、日本語って美しいなぁというのを、耳から聞いて、そして目で追う文字からも感じることができて、とても良かったです。…地元でたまに行われる能と狂言の催しでは、プログラムに台詞が載っていることが多いんですが、そこにある活字のものと、謡本の筆文字ではだいぶ印象がちがうなぁと思いました。

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2006年10月28日 (土)

第4回駒ヶ根能in駒ヶ根文化会館

Komaganenou能と狂言を観に出かけてきました~。

第4回駒ヶ根能
駒ヶ根市民会館

なんていうか・・・車で出かけるときってどうしても家でダラダラしちゃってつい遅くなります・・・。思ったよりも道が空いていたのでなんとか間に合いましたが。今回は駒ヶ根総合文化センター開館20周年記念公演ということだからなのかおめでたい感じの曲が並んだような気がします。

素謡  神歌 観世銕之丞 
狂言  三番叟 野村萬斎
一調  山姥 浅井文義
仕舞  源氏供養 鵜沢久
仕舞  菊慈童 坂井音晴
能    三輪白式神神楽 浅見真州

最初に、今回の駒ヶ根能で萬斎さんの「三番叟」が観られると分かったときの興奮といったらなかったです。生で観るのは今回が3回目ですが、今まででいちばん舞台に近いところで観ることができました。・・・だからというわけでもないのですが、張り詰めた空気や気迫みたいなものが萬斎さんからというか舞台全体からというか・・・伝わってきて危うく涙が出そうなくらいでした。この曲のときの萬斎さんは、他の曲で、たとえば太郎冠者などを演じているときとは表情も全然違うんですよね・・・鋭いというか。しかし・・・前日の寝不足がたたり、三番叟の後は何度も意識が飛んでしまいあまり良く覚えていないというか。「三輪」は後半に神楽があることもあって舞いや囃子を楽しみにしてたのに・・・。まぁちょっと私が楽しむには難しかったのかな?という感じで。それがわかるようになったというだけでも、能・狂言を観始めた頃に比べれば進歩したのかなぁと思いました。

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2006年8月28日 (月)

チケット、ゲット♪

Komagane地元で行われる「駒ヶ根能」という、能と狂言の催しのチケットを会場の駒ヶ根市文化センターまで引き取りに行ってきましたー。電話で予約しておいたんですが、予約した席よりももっと真ん中の席が空いてるからこっちにしたら・・・と受付の方に言われて・・・結局交換してもらっちゃいました^^;今回は萬斎さんの「三番叟」が観られるということを新聞に載っていたイベントの告知記事で知って、思わず「おー!」と声をあげてしまいました~。今までにも生でこの「三番叟」を観たことはありましたが、今回ほど近くで観るのは初めてなので・・・2か月ほど先になりますが、今からすごくすごく楽しみ♪♪

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2006年6月11日 (日)

「夏の軽井沢能」in軽井沢大賀ホール。

Karuizawanoh梅雨入りしたんだなぁ・・・ということを実感させるような
空模様の中、出かけてきました~。

夏の軽井沢能
軽井沢大賀ホール

2005年にオープンしたこのホールで能・狂言の会が行われるのは初めて
なのだそうです。
初めて行きましたが、小ぢんまりとして、木のぬくもりが感じられるような
贅沢なホールだなぁという印象。
まずびっくりしたのが、ステージ上に仮設の能舞台が組まれていなかったこと。
あぁこのままやるんだ・・・と。
席は、最前列の中央からひとつ上手寄り。ほぼ真正面というのと、演者の出入りする
「揚げ幕」も真正面に見える位置。こんな経験なかなか出来ないぞってことで、今まで
にないワクワク感が。

まず能楽についてと演目についての簡単な解説があって、上演開始となりました。

舞囃子 
安宅 
 
弁慶
井上燎治


歌舞伎の「勧進帳」の基になった作品。
奥州に落ちのびる義経一行が安宅の関を通過するための勧進帳を即興で読み
あげ、なお怪しむ関守の前で義経を打ち据える弁慶。
義経に詫びる弁慶と、境遇を嘆く義経。そこへ関守が酒を持って迫ってきたので
盃を受けた弁慶は、延年の舞を舞うと一同を急ぎたてて出発する、という物語。

舞囃子では終盤の部分を地謡と囃子をバックに演じるのですが、囃子のリズムと
地謡のリズム、そして舞がひとつになって心地よく感じられます。
歌舞伎の演目には能の曲を基に作られたものが色々ありますが、そういうのも
知ると、また違った興味が湧いてきますね。

狂言 
仏師

(シテ)すっぱ 野村万作  (アド)田舎者 深田博治

仏像を買いに来た田舎者は、仏師(仏像を作る職人)だと名乗るすっぱ(詐欺師)に
騙され、指定された場所で仏像を受け取ろうとしますが形が気に食わず、仏師に
頼んで直してもらうのですが、実はこの仏像、仏師が化けているもので・・・。

口が上手くそれとなく自分の都合のいい方へと話を持っていくすっぱが、だんだん
追い詰められていくところが面白いです。
私的には、能・狂言を観始めたころに一度観たことがあって久しぶりという感じで
した。今回は舞台に近いこともあって細かい・・・たとえば表情だったり手の仕草
だったりというところまで楽しめて良かったです。
この「仏師」に似たもので「六地蔵」という曲は、化ける人間が3人もいて賑やかで
楽しいのでそれもそのうち、もう一度観てみたいなぁという感じ。

能 
船弁慶

(前シテ)・(後シテ)友盛之怨霊 梅若六郎  (子方)義経 小田切亮磨
(ワキ)弁慶 宝生閑  (ワキツレ)従士 則久英志 大日方寛
(間狂言)船頭 野村萬斎

平家を倒し功績を立てた義経ですが、兄の頼朝と不仲になり船で西国へ落ちのび
ようと弁慶らを引き連れて、大物浦までやってきました。そこへ、義経を慕って後を
追ってきた静御前。弁慶の進言もあり義経から帰京を言い渡され、名残の酒宴が
ひらかれるなか、静御前は舞を舞い、義経たち一行を見送ります。
出発をためらう義経を励まし弁慶は出航を命じますが、にわかに風が変わり、海上
には平知盛の怨霊があらわれ、義経を海に沈めようと襲いかかり・・・。

去年の大河ドラマがきっかけで「義経」ブームが起こったからというわけではない
らしいですが、春に観た「塩尻能」でも「二人静」という静御前の亡霊が登場する
曲が上演されました。
・・・そういえば、今年に限らず「八島」とか「船弁慶」の舞囃子とか・・・義経に関係
するものには、能はそれほど観ていないのになぜか縁があるなぁという感じ。
それだけ「義経」というのが一般に親しみやすいテーマだということでしょうか?
・・・それはともかくとして、静御前が登場すると衣装が明るく鮮やかで、舞もあって
舞台が華やぐ感じで楽しく観られます。
今回は前半が義経を慕いいつかまた会うことを願う静御前と、義経に恨みを持ち
命を奪おうとする知盛の怨霊・・・という正反対ともいうべき人格を一人が演じると
いうのが興味深かったのと、舞の素晴らしさに圧倒されました。
静御前の舞は、能を観てこんなにも切ないというか・・・胸に迫るものを感じたのは
初めてでした。また、知盛の怨霊が長刀で襲い掛かるさまは迫力満点で、こちらも
目が離せなくて・・・それだけでも観た甲斐があったと言っていいんじゃないかなぁ
という感じ。
また、海が荒れるさまを船頭の動作と掛け声、そして小鼓と大鼓のリズムで表現
しているのとか・・・弁慶が数珠をこすり合わせる音が背景に流れる音のひとつに
なっていたりして、そういうのも面白いなぁと思いました。

また、舞の時の足踏みの音が非常に丸くて柔らかい音で響いたのが、驚きで。
これはステージに使われている木の質とか、会場全体の音響のこととか、色々と
要素はあると思うんですが、すごく心地いい響きで、私はそれがすごくいいなぁと
気に入ってしまいました~。
クラシックのコンサートが色々と行われているホール(テレビ朝日の『題名のない
音楽会』の公開録画も行われたことがあるようですね~)ということで、いずれは
そちらの方でも聴きに行ってみたいなぁ、なんて思いました。

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2006年4月28日 (金)

野村萬斎「狂言を楽しむ会」in長野・北野文芸座。

KitanoKitano2_1長野市の北野文芸座まで、萬斎さんの狂言会を観に出かけて来ました~。この会場での狂言会は、今回でもう5回目になるのだそうですね。私にとっては、昨年に引き続き2回目の参加ということになりました~。席は後ろから4列目ということで、よく見えないかも~・・・?と不安だったんですが会場自体がそれほど大きくなく、舞台もわりと近かったのでほっとしました。
さて、まずは「ごあいさつ」として、黒の紋付と袴という格好の萬斎さんが舞台に登場。結構、萬斎さんの出演する狂言や他の舞台を観に行っているのですが、こうして萬斎さんが普通に喋っているのを生で見るのは、3年半ぶりくらいで、ちょっと感動♪(↑前回見たのは確か、電光掲示板狂言会のときだったかなぁ。あれはあれでものすごく新鮮というか面白かったなぁ。)狂言の時は、わりと高い声で演じていることが多いんですが、普通に話す時の声は低くて、渋くていい声で、こちらもなかなか素敵です。「ここの会場は非常に小ぢんまりとしていて、生のパフォーマンスを肌で感じるにはいいですね」というようなお話から、「とても近いので前のほうのお客さんには汗が飛んだりして失礼するかも」なんてユーモアを交えながら、ほんの少しの時間ではありましたが楽しませてくれました。
そして萬斎さんに続いて、解説をつとめる高野和憲さんが舞台に登場。萬斎さんのお話が短いのはちょっと残念!とは思いましたが、私的には高野さんも好きな演者さんなので、実は結構嬉しかったりして*^^*昨年も解説をされていて、その時に「解説が初めてなので・・・」と話されていたのを思い出しました。今回演じられる「蚊相撲」と「鈍太郎」の説明と、関連して狂言での約束ごとなどを解りやすく、そして面白く聞くことが出来ました。

いよいよ、演目が始まります。

狂言 蚊相撲 
大名 野村萬斎 太郎冠者 石田幸雄  蚊の精 月崎晴夫

あらすじ・・・
新しい召使を抱えようと大名は、太郎冠者にふさわしい者を探しに行かせます。そこへ通りかかったのは、人間の姿になって都に上り、人間の血を吸おうとしていた江州守山の蚊の精でした。正体に気付かない太郎冠者が大名の屋敷に蚊の精を連れ帰ると、新しい召使は相撲が得意と聞き喜んだ大名は、相撲を取らせてみたいと思いますが、相手がいないので、やむなく自ら相手をすると蚊に刺されて目を回してしまいました。蚊の精の正体に気付いた大名は、勝つためにある道具を用意するのですが・・・。

萬斎さん演じる大名の、本当は召使は太郎冠者ひとりなのに大勢居るように見せかけて見栄を張ろうとするところが滑稽で楽しいです。その大名と、石田さん演じる太郎冠者の掛け合いも大名を軽く諌めたりする場面などが面白かったです。そして蚊の精の正体に気付いた大名が、勝つために用意した道具を相手に気付かれぬよう隠しながら「いよぉ~」(←今の相撲だと「はっけよい」みたいな感じ)と掛け声を上げる場面も、見事だなぁと思いました。大名が道具を使う場面では月崎さん演じる蚊の精がそれに翻弄される様子と立ち直り大名に向かっていく様子に静と動が感じられて面白かったです。

・・・休憩をはさんで、もう一曲。

狂言 鈍太郎  
鈍太郎 野村万之介 下京の妻 深田博治 上京の女 高野和憲

あらすじ・・・
三年ぶりに西国から都へ戻った鈍太郎は、下京に住む妻と上京に住む妾の許を訪ねますが、久しく音信が途絶えたままだったので、ふたりとも本物の鈍太郎とは思わずに追い返してしまいます。落胆した鈍太郎は、出家して修行の旅に出ようとします。しかし、訪ねてきたのが本物の鈍太郎だと気付いた妻と妾が、出家を思いとどまらせようとして頼むと、鈍太郎は都合のいい提案をし始めて・・・。

この演目は昨年の今ごろ、新宿での狂言会で観たことがあり2回目の鑑賞ということになりました。演者は今回と同じでしたが、最後の場面が、新宿では客席の間に伸びる花道を使ったもの、そして今回は橋掛リ(能楽堂のものよりかなり短めですが)を使ったもの・・・ということで、それだけでもかなり印象が違ってくるんだなぁという感じ。・・・それにしても万之介さん演じる鈍太郎のちゃっかりしたところには、笑わずにはいられないというか・・・「男ってヤツは・・・」とちょっとあきれてしまいます。深田さん演じる妻に対する「このッこのッ!」といたぶるような感じと、高野さん演じる妾に対するフニャ~とした感じ・・・この違いを見るだけでもかなり面白いです。(訪ねて行き「戸を開けてくれ」と声を掛けるところからして違います^^;)ふたりの女性につくらせた手車(ふたりが向かい合わせになって、手を組み合わせてその上に人間が乗る)に得意げに乗る鈍太郎・・・調子に乗りすぎ・・・と思わないでもありませんが、楽しく観られる演目でした~。


・・・私の中で、2回以上観たことのある演目というのは今回の「鈍太郎」以では「三番叟」くらいしかなかったので、2回目ってどんな感じかなぁ、初めて観たときとどんな風に観方が変わるのかなぁ・・・と思っていたのですが解説の中で高野さんが「前に観たことのある演目でも、演者が変わるだけでも印象が変わってきますよ」ということを話されていて、今回は演者は同じでしたが舞台の仕組みが違うだけでも印象が変わってくるし、内容が解っているからこそ2回目以降は、色々なところに目が行って、新しい発見もあるものなんだなぁと思いました。
Kitano3←見にくいですが・・・。会場入り口で配られたプログラムに、解説の高野さんのお話を聞きながらとか、あとは演目を観ながらメモしたもの。・・・それがこの記事にどれだけ活かされているのか・・・というのはナゾですが・・・。説明の中に、狂言に関するちょっとした豆知識みたいなものも
あったりするので、チョコチョコっと書いておきたいなぁと思ってしまうのです。

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2006年4月16日 (日)

第五回塩尻能inレザンホール

Siojiri5_1第五回 塩尻能 に出かけてきました~。

今年、地元で観る萬斎さん2回目です。

家から会場であるレザンホールまで、車でだいたい

1時間弱ってところなんですが、けっこうギリギリまで

家でウダウダしていて、間に合わないかも!とちょっと

焦りましたが、わりと余裕を持って到着できたので、まぁ良かったかなぁと・・・。

上演された演目について少し・・・

仕舞 老松   山本順之
       女郎花  観世銕之丞
 

能 二人静
  
  
ツレ  菜摘女  鵜沢光  
  前シテ  里女、後シテ 静御前の霊  鵜沢久
  ワキ 勝手宮神主  殿田謙吉

あらすじ・・・
 早春の吉野。勝手明神に使える菜摘女の前に現れた里女(実は静御前の霊)が
 弔ってほしいと言って消えます。この出来事を神主に報告するとたちまち静御前の
 霊にとり憑かれ、宝蔵にある舞の衣装を出せと言いだし、それを身に付けて舞い
 始めると、それにひかれる様にして静御前の霊が生前の白拍子の舞人の姿で
 現れ、満開の桜のもと、義経との思い出を二人で舞い・・・。

感想・・・
 後半に、静御前と彼女にとり憑かれた菜摘女が舞うところは、美しくて華やかで
 とても楽しく観られました。
 女性(の役)がたくさん登場する曲は、舞台の上が華やかで、春にぴったりで
 なかなか良いなぁと思いました。

狂言 柿山伏

  シテ  山伏  野村萬斎 
  アド   耕作人  月崎晴夫

あらすじ・・・ 
 修行帰りの山伏が、喉の渇きを覚え辺りを見回すと、そこには見事な柿の実が
 成っていました。・・・あの手この手で柿の実を落とそうしますが、どうにも上手く
 行かず、ついに木に登って柿の実を食べ始めました。そこへやってきた、柿の
 木の持ち主。慌てて木の陰に隠れた山伏をからかってやろうと、山伏に気付か
 ぬ振りをして、様々な動物の鳴き真似をさせ、とうとう鳥ではないかと言って
 空を飛ばせようとしますが・・・。

感想・・・
 そういえば、萬斎さんの山伏は今回初めて観ました。
 柿の実を食べている時の舌鼓がなんとも美味しそうでした。
 柿の木に登っているところを、葛桶の上に乗って表していますが、この葛桶が
 結構小さい上に高さがあって不安定そうな感じでした。
 直径が30センチくらいで、高さは40センチちょっとくらいではないかと・・・。
 私はきっとムリ!とか思ってしまいました^^;
 柿の木の持ち主にひどい目にあわされ「目にもの見せてくれる!」と念仏を唱え
 出す山伏と、柿の実を盗んでおいて図々しい!と呆れる、月崎さん演じる柿の木
 の持ち主のやり取りが滑稽で思わず笑ってしまいました。

能 天鼓 弄鼓之舞

  前シテ  王伯、後シテ  天鼓  浅見真州
  ワキ  勅使  殿田謙吉
  アイ   従者  高野和憲

あらすじ・・・
 中国の老夫婦、王伯と王母の子・天鼓の打つ鼓は打てば妙音を発すると聞いた
 帝は、鼓を召し上げ、これに抵抗した天鼓は殺されてしまいます。しかしその後
 鼓はまったく鳴らなくなり、帝は天鼓の父を呼び出します。愛する我が子を奪った
 帝を一目見てやろうと宮中へ向かった王伯が鼓を打つと、以前のような妙音を
 発したのでした。・・・親子の情愛を感じた帝は、天鼓を弔うための管弦講を催す
 ことに。夜になって、弔ってもらえることを喜んだ天鼓の霊が現れ、鼓を打ち舞い
 踊るのでした。

感想・・・
 簡単にいうと、人情モノというか・・・親子の深い絆が帝の心を動かした、という
 お話で、後半はちょっと感動できる感じでした。
 弔いを喜び現れた天鼓の舞は、ほんとうに楽しくて、お囃子や地謡もリズミカルで
 楽しく観ることが出来ました。天鼓とその父・王伯を1人の演者が演じていますが
 衣装の違いだけではなく声などでもかなり演じ分けをするんだなぁと驚きました。
 また、従者を狂言方の高野和憲さんが演じていて、私は高野さんが狂言の中で
 女性とか聟(むこ)を演じているのが結構好きなんですが、今回は違った感じで
 興味深かったです。


狂言は結構観ているんですが、能に関しては1年半振りくらいで、どうにもこうにも
眠くなってしまうという悪い癖があって、今回も実は不安だったんですが、舞いの
多い曲がふたつということで、今までに観たものより楽しく観ることが出来ました。
そんなわけで演目自体はすごく楽しめたんですが・・・ちょっとマナーが・・・。
能・狂言のとき