演劇

2008年5月24日 (土)

『わが魂は輝く水なり』inシアターコクーン

Theatercocoon上演期間もかなり終わりに近づいた感がありますが…ようやく、観に行ってきました。チケット取ったのもかなり遅かったので、そんなに良い席ではなかったですが、舞台への集中度と客席との一体感を謳っている劇場だけあって、なかなか見易く、また居心地のいい会場でした。

『わが魂は輝く水なり』
(Bunkamuraシアターコクーンにて)

平安末期、源平合戦のさなか。
平安の武将・斎藤実盛(野村萬斎)は、60歳という老齢の身ながら合戦が続く日々を送っていました。敵は木曽義仲。かつて幼い義仲の命を救ったのは、ほかでもない実盛。そして実盛の息子・五郎(尾上菊之助)は同世代の義仲、巴(秋山菜津子)らと親交を深め、京に向かい兵を挙げた彼らと行動を共にしていました。しかし五郎は不慮の死を遂げ、今は亡霊となって実盛の傍らにいるのでした。
そしてついに、実盛のもうひとりの息子・六郎(坂東亀三郎)までもが義仲のもとに走ってしまいます。…しかし、六郎が見た義仲軍はあまりにも無残で…。


冒頭、琵琶の音と「祇園精舎の鐘の声…」で始まる平家物語。そこから何か、不思議な力が働いたみたいに、舞台に意識が吸い寄せられていきました。で…緊張感と、それがちょっと緩む、コミカルなシーンがいい具合に混ざり合って、そのバランス感覚がすごいなぁと思いました。

萬斎さんが演じるのは、白髪に髭で腰を曲げて歩く老齢の武将・実盛。普段狂言の舞台などで拝見する颯爽とした(太郎冠者とかの)姿とはがらりと変わった様子でしたが、またこれも良かったです。そして、後半の合戦の場面では、見事な殺陣。「え?え?今どうやって動いたの?」って目を瞬いてしまったところもあって…そのスピードと俊敏さ、身のこなしの軽やかさはさすがだなぁと…今年初めにNHKで放送していた『鞍馬天狗』を思い出しました。
そして…いちばん最初に舞台に登場したのは、五郎を演じる尾上菊之助さん。もちろん美しかったんですけども、私はとくに、声が…ほんとに清々しくていいなぁ、好きだなぁと思いました。父親の実盛について歩く亡霊、という役柄(?)でしたが、そのちょっと現実離れした雰囲気に引き込まれ、また親子の間での会話だったり…それが面白くってかなり笑ってしまいました。
実盛以外には見えない、そして聞こえない五郎の姿と声。そんな彼と話す実盛は、周囲からキ×ガイではないか…と疑われていく、その様子もかなり滑稽でしたねぇ…。
かと思えば、実盛がふたりの息子に対して抱く複雑な思いや、戦いを続ける中でそこに関わる人々をどこかまともでいさせなくするなにか…が姿を現してきたりして、ドキドキさせられます。

私は萬斎さんが好きだからこのお芝居を観に行ったわけですけど…もちろん萬斎さんの素晴らしさは言うに及ばず、菊之助さんは菊之助さんで、美しいばかりでなくコミカルな部分も見せてくれて…それもいいなぁと思えて、また秋山菜津子さんの演じる巴が見せる可憐だったかと思えば勇ましい様子に心奪われ…、亀三郎さんの演じる六郎から見える野心とひたむきさにドキドキさせられ…。そうそう。私は長谷川博巳さんの演じる惟盛もかなり好きでした。なんというか…いい意味でも悪い意味でもお坊ちゃんな感じと飄々としたところが笑いを誘いました。…それぞれのキャラクターがすごく魅力的で、萬斎さんが出ていない場面もみんな見所いっぱいで楽しませてもらいました。

この間読んだ「婦人公論」での萬斎さんと蜷川さんの対談。蜷川さんは「液体を用意してます」と言っておられて、「オイディプス王」のときは血糊だったんですけど、さて今回は何だろう?と思っていたら…最後に白粉(おしろい)と紅(べに)が出てきて…合戦のなかで自らの老いた姿が目立つ、という理由で髪を黒く染め白粉まで塗ってしまうという(笑)。狂言では若者だろうが女性だろうが素顔で演じるので、普段は見られない光景にびっくりでしたが…、見かねて手直しをしてあげる五郎っていうその辺りが更に可笑しかったです。

まぁそんなこんなで(?)、ほんっとに楽しませてもらったお芝居でした。
もっと先のような気がしていましたが、来週末、6月1日には萬斎さんが「塩尻能」への出演で塩尻にいらっしゃいます。曲は「梟山伏」。今年初めて地元で観る萬斎さん。楽しみです。
また、コクーンでは平成中村座「夏祭浪花鑑」のポスターを見ました。6月に公演があるそうですが、まつもと市民芸術館での公演は7月前半。こちらはなんとかチケットが取れたので、楽しみに待ちたいと思います。

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2008年5月16日 (金)

相討ち対談

母から借りた「婦人公論」5月22日号に載っていた、蜷川幸雄さんと野村萬斎さんの対談を読みました。…いえ、いつもこの雑誌を読んでいるわけじゃなく、萬斎さんが載っていたからってことで、母が「読む?」って感じで持ってきた、という…。

現在シアターコクーンで上演中の『わが魂は輝く水なり』についてのお話…は、それほどなくて、でもとても興味深く、楽しく読みました。
『オイディプス王』のときのお話は、実際に観たお芝居なので、対談のなかで話題にのぼった、血糊の登場するところを思い出したりして…。狂言にはない、血みどろになって演じるとか、流動物(液体とか)を使ったお芝居についての萬斎さんの「狂言では、ないものをあるつもりでやっているけれど、それが実際にあったらもっと乗れるじゃない?」という考え方も面白いというか…、演じることや、それを人に見せるということについての貪欲さみたいなものを感じて、やっぱりすごい人だなぁと思ったりしました。
また、対する蜷川さんのパワフルさとか…、もう充分すぎるくらいなのに、まだまだ…という感じで、ちょっとでもいい仕事をできないかな、と考えているところや、新しいものを求める姿勢がすごいな、と思います。

来週末、そんなおふたりの演出家と俳優として2度目のお仕事となる、『わが魂は輝く水なり』を観ます。いいタイミングで非常に興味深い対談を読むことが出来て良かったです。

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2008年5月10日 (土)

『日本語を読む』Aプロ『星の王子さま』inシアタートラム

Theatertram先月に続き、東京へ。世田谷・三軒茶屋です。今までパブリックシアターではよく、萬斎さんの舞台を観てましたが、シアタートラムは初めて入りました。初体験の感想としては…何度か行っている、まつもと市民芸術館の小さいホール(小ホールとか実験劇場)と雰囲気が一緒で、初めての場所なのに、なんだか…初めてという感じがしませんでした。

『日本語を読む』~リーディング形式による上演~
Aプロ『星の王子さま』
inシアタートラム
作:寺山修司 演出:今井朋彦
出演:上田桃子、内田淳子、久世星佳、千葉哲也、ともさと衣

内容としては、サン=テグジュペリの『星の王子さま』を元にした…でも本物の王子さまとかは出てこない感じの…もっとリアルな、日本の、東京が舞台で…という感じのお話(上手いこと表現できないのですが)。この戯曲を、普通のお芝居としてではなく、朗読劇風に演じていました。

あの『星の王子さま』は、小学生のころに初めて読んで、それからも何度となく読み返した内藤濯さん訳のとか、あと2~3年前に出版された池澤夏樹さん訳のも読んだことがあって、私の読書人生(?)のなかでも、いちばん長く関わってきた作品です。

…舞台は、なんだか訳あり…というか変てこなホテル。宿帳には名前ではなくヒツジの絵を描く、とか。で、そこにこれまた訳ありな親子が部屋を借りにやってきて…という感じで物語りは進みます。
なんか『星の王子さま』に出てくるものを、ちょこちょこ出してくるのが面白かったです。
今回見た役者さんたちはみんな初めて見る方たちでしたが、私の個人的な好みでは、宿の女主人役の内田淳子さんが、声の感じとかが心地よくて好きだなぁと思って…上手な方だなぁとも思いました。
また千葉哲也さんも、台本でいうト書きの部分と、訳あり親子の親のほうに迫る点燈夫の星役でしたが、点燈夫の星は、なんか危うい魅力?みたいなので…ちょっとドキドキしてしまいました。

そんなこんなで見所はいっぱいあったんですけども、こういう形式に慣れていないせいか、途中でなんども、意識がガクッと途切れそうになって…というか気持ちよくなりすぎみたいな…(笑)。
つまんないとかではないんですが、ちょっと長い時間は無理かも、という。上映時間は休憩なしの1時間程度ですが、この長さが限界じゃないかなぁと思いました。

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2008年3月 9日 (日)

『ジャックとその主人』inまつもと市民芸術館

Jackandorner土曜の夜に、観てきました。お芝居は久々です。


『ジャックとその主人』
まつもと市民芸術館・小ホールにて

恋、そして女たち。
そんな話をしながら、ジャックとその主人の旅は続く…。

ジャック:串田和美  その主人:白井晃
ジェスチーヌ・アガット・娘:内田由紀


昨年の『ヒステリア』(そのときのレビューはこちら)に続く、まつもと市民芸術館館長兼芸術監督・串田和美さんと白井晃さんのプロジェクト第二弾。その、『ヒステリア』で初めて生の白井さんを見て(この時は画家のダリを演じてました)、なんてカッコイイ人なんだ!と思い。で、今回またその姿を見られるっていうので楽しみにしてました♪

ホールに入ってすぐ、舞台には幕はなく、紙芝居とか人形劇に使われるような枠みたいな、小ぶりのステージが置かれているのが見えました。で…開演を待っている間、うーーん…どうやって使うの、あれ?と色々想像したりしてました。
物語は、ジャックとその主人はどこかへ向かって旅をしていて、その道中、ふたりの今までの恋の話が出てきて、その過去の場面が、舞台の上の小さな舞台(?)で演じられる、というそんな感じ。

ふたりが登場してすぐ、客席を指差し「この人たち、なんでみんなこっち向いてるんです?」と主人に尋ねるジャック。それで、あぁ私たち居ることになってんだ?と納得というか、笑ったというか…。そのあとも、客席の中まで歩いて行ったりとか、いくつかあった空席に白井さんが突然座ったりして、客席まで使って演じてました。いちど、白井さんがかなり上のほうまで上ってきて、私のすぐ横に立ってたときがあって、ウワーと思いました!(まぁ表面上は普通の顔してたはずですけど…)近くで見てもやっぱりなんていうか…カッコよくて、オーラあるなぁと感動して…圧倒されてしまいました。
また、串田さんは主人を楽しませようとひっきりなしに喋るジャックをコミカルに、パワフルに演じていました。お気楽そうにも見えながら、過去の色々を抱えている…そんな人物じゃないかなぁという風に感じました。

ふたりの語る恋の話は、ジャックが親友の恋人を取ってしまった話、そしてその主人は親友に恋人を取られた話。立場は違えども、同じ話。そして、結末までもが似ていて…その事実(恋人を親友にとられたこと)に気づいたか気づかなかったか…の違いがあるくらい。…その違いが、ふたりのそれまでの心のありようを大分変えていたような気がしました。
そんな恋の話で、ジャックの相手であるジェスチーヌと、その主人の相手であるアガット、宿屋の女主人の語るある侯爵を騙そうとした恋人の片棒を担ぐ女性を演じたのは内田由紀さん。なんかほんと…フランス人形みたいに可愛らしくて、目にも楽しかったです。

久々にお芝居に行きましたが…役者さんが目の前で演じているという、その迫力というかオーラを肌で感じることができて、ほんとに充実した時間になりました。

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2007年8月12日 (日)

『アクロバティック 白鳥の湖』inオーチャードホール

Acrobaticswanlake私にとって、お盆休み最初のイベントになったのはこちら。去年の初来日公演のときに知って、でも実際に観に行ったのは今回が初めてになります。

『アクロバティック 白鳥の湖』
広東雑技団
(オーチャードホールにて)

チャイコフスキーの名作バレエ「白鳥の湖」と中国雑技を融合した作品。
(ストーリー)遥か東方の彼方、湖のほとりで花をつんでいた美しい娘は、突然現れた黒鷹に白鳥の姿に変えられてしまいます。一方、とある国の王子は、夢の中で、白鳥の姿をした美しい娘に出会い心を奪われるのでした。

バレエって台詞がないのでストーリー(とか色々)が分からなかったらどうしよう…と、ちょっと心配してたんですけど、全然そんなことなくて安心しました。ステージに近い席で、表情も見えたりしたので、それで分かりやすかった、っていうのもあると思いますが…。
前半は王子が白鳥の娘を探す旅に出るんですが、途中で訪れるエジプトや東南アジア、中国などの国々の風景が色鮮やかで、その各シーンで行われる、ボールや帽子を使ったジャグリンク、高さ約5mのポールの間を空中で移動する技(しかもそのポールを下で支えているのは人間の肩)、回転リングを使った技など…楽しさ、そして驚きがたくさんありました。
大きな見せ場になる、王子の肩、そして頭の上で白鳥が爪先立ちになる演技は、ほんとにドキドキしました。そんな不安定な場所に上ることもすごいですけど、演技の美しさを保っている、ということがもっとすごいです。相手に対して、相当な信頼がなければ成り立たないだろうなぁと思いました。
主役のふたりがすごいのはもちろんですけど、舞台上に登場する人たち全ての技術がほんとに高くて、その平均値の高さというか、どこをどう取っても素晴らしいところばかりでした。
最高に興奮して、感動できる舞台でした。

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2007年7月 5日 (木)

『国盗人(くにぬすびと)-W・シェイクスピア「リチャード3世」より-』in世田谷パブリックシアター

Kuninusubito平日の昼間からお芝居観にいくって、かなり贅沢な気がします。東京への行き帰りの電車も、仕事で乗ってるらしい人が多そうでした…。


『国盗人
(くにぬすびと)-W・シェイクスピア「リチャード3世」より-
(世田谷パブリックシアターにて)

赤薔薇一族と白薔薇一族による権力争いの末、勝利した白薔薇一族。
新王・一郎を中心に、宴に酔いしれるなか、ひとり浮かない気持ちを募らせるのは、一郎の弟である悪三郎。醜い姿の自分に、平和な世は災いでしかなく、「もはや悪党になるしかない」と心に決め、王権奪取の野心を抱きます。
言葉巧みに兄ふたりを死に追いやり、数々の女たちを踏み台にし、邪魔な人物を排除して、ついに念願の王冠を手に入れたのですが…。

始まる前からずっと、場内にセミの鳴き声が流れていて、そのせいかとても暑い夏のような雰囲気でした。
原作(小田島雄志さん訳)を読んでから観たんですが…こんなにもユーモアに溢れているとは思いませんでした。登場人物の名前が和風に変わってるとか、色々ありましたけど、出てくるエピソードなどは、元のストーリーとほぼ一緒なので、そこがまたすごいなぁと思いました。
それにしても…萬斎さんがここまでの悪役を演じるのって、私的には初めて見たくらいなので、そういう意味で衝撃的でもありました。でも、どこかコミカルで、そして王座に就いてからの様々な不安や恐怖…というところが印象的でした。それに、悪巧みの仲間が石田幸雄さん演じる久秀と、月崎晴夫さん演じる太郎冠者。息ぴったりな感じが、見ていて心地よかったです。
悪三郎がいかに王にふさわしいか、ということを市民たちにうったえるシーンで、原作を読んだとき、市民はひと言も口をきかなかったとあって、それがどうしてなんだろうなぁと不思議に思ってたんですが…もしかして、原作もこういう意味合いで書かれているのかなぁって思いました。実に上手く、観客とか客席を巻き込んでいきます。なんだか、お芝居を観るだけじゃなくて、そこに自分たちも参加しているみたいな、そんな気分になりました。
そして途中で休憩に入るときと、お芝居を再開するときの方法がまた面白かったです。
そして、萬斎さん演じる悪三郎と、白石加代子さんが演じる杏(赤薔薇の王子の妻)とか政子(赤薔薇の王妃)との激しい言葉のやり取りが凄かったです。なんか、その感情のぶつかり合い、みたいなものを肌で感じました。
また、今井朋彦さんが理智門という、悪三郎の敵を演じているんですけど…なんかすごく爽やかというか、ヒーローっぽかったです。この理智門の前に、悪三郎の兄・善二郎と、理智門の義理の父である右大臣も演じていて(要するに一人三役)、少しずつキャラクターが違ったのもなかなか面白かったです。

…今回、チケット取るのが遅くなってしまったので久々に3階席から観ましたが、それほど遠い感じがしないというか、こういう眺めもたまには面白いなぁと思いました。

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2007年5月24日 (木)

『血の婚礼-blood wedding』inまつもと市民芸術館

Bloodwedding3仕事帰りに急いで向かったんですけども、5分ほど遅刻してしまいました…。まぁ、それはともかく。楽しみにしていたお芝居を観てきました~。

※注意※
この先、ネタバレ…というか舞台の模様を含む文章になっています。これからご覧になる予定で、当日まで色々知りたくないと思われる方は、どうかご覧になりませんように。


『血の婚礼-
blood wedding
inまつもと市民芸術館(主ホール)

婚礼の日、花嫁(ソニン)はかつての恋人レオナルド(森山未來)と逃げ出します。花嫁と逃げた男は、その昔、花婿(岡田浩暉)の父親と兄を殺した一族の人間でした。
この因縁めいた出来事は、宿命なのか…。



なんていうか、もっとドロドロしたドラマを想像してましたが、スペインが舞台だから、ちょっと乾いた雰囲気があって、それほどでもないというか…いえ、でも色々な人間関係などが絡み合って、ハラハラしました。
結婚しようとしている青年を、岡田さんがとっても爽やかに演じているんですけども、観るこちらは、この先の展開を知っているので「あぁこの人、花嫁さんに逃げられちゃうんだよねぇ…」と思ってしまいます。私だったら、こんないい人は絶対裏切れないだろうなぁと思ったして。
そして花婿の母親が江波杏子さん。こういう人、恐いんだけど好きだなぁと。思ったことをぽんぽん言うところが気持ちよかったです。

そうそう。ソニンさんと未來くんが逃げて、ほかの人たちがそれを追いかける、というシーンのとき、未來くんが客席から登場して舞台に上がって行くところがあって。そのとき、通路のすぐ横に座ってた私のすぐ横を、彼が駆け抜けて行きました。ほんとにあっという間で、気がついたときは後ろ姿だったんですけど。もっと早く気がついていたら、横顔くらい見えたかも?と思うと、ちょっともったいなかったなぁって…。

未來くんといえば、ダンスのことも書かなければ。去年の今頃、新感線の『メタルマクベス』のときはタップを見ましたが、今回はフラメンコ。じつは、男の人が踊ってるのって、はじめて見たんですけど…すごくかっこよくて、ひきつけられました。カーテンコールの2回目で、もう一度踊ってくれました。このときは、ソニンさんも一緒に。手拍子で、客席も参加できた感じがして、これも楽しかったです。
結婚式のあとのパーティーでは、登場人物が次々に踊るところが楽しげなんだけれど、うしろに「黒い男」が踊っていて、これから起こる出来事を思ってどこか不安に気持ちにさせられます。

ダンスについて書いたので、音楽についても。
レオナルドの姑役の根岸季衣さんと、女中役の池谷のぶえさんがたくさん歌っていて。とくに池谷さんは声がのびのびしていて、気持ち良さそうだなぁと思いました。
そして、ギタリスト渡辺香津美さんが生演奏。…でも、脇でずっと演奏しているだけじゃなくて、パーティーのところでは登場人物として溶け込んでいて、そこが面白いなぁと。それ以外のシーンも、なんかその、舞台の中に普通に登場しているような感覚でした。

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2007年3月25日 (日)

花組芝居『かぶき座の怪人』

Kabukizakaijinさて…この週末の東京行きで最後のイベントがこちら。

花組芝居『かぶき座の怪人』
全労済ホール/スペース・ゼロにて

創立100年を迎える老舗、国立天地(あめつち)劇場。上演されているのは新劇の名門、文芸座の「欲望列車」。主演の九重八重子は大スターではありながら、プライベートでは数多くの男性と浮名を流していました。
一方、リハーサル室では歌舞伎界の風雲児、二代目男女川恋助(みなのがわこいすけ)改メ恋寿と彼の息子である恋松改メ三代目恋助の襲名披露の稽古が行われていましたが、養子である恋松は、自分の才能に疑問を持ち伸び悩んでいました。
そんなとき、劇場支配人の早瀬のもとには、「怪人より」と署名された謎の封書が届きます。それは、劇場に住みつき“かぶき座の怪人”となった、絶世の女形、六代目宇治乃川霧(うじのかわぎり)の霊からのもので…。

花組芝居は、数年前からちょっと気になってはいたんですけども…今回が初体験となりました。上演前の「お客様へのお願い」のアナウンスがよくある女性の声のではなく、加納幸和さんだったのが、いつもそうなのか分からないですが…いいなぁ~と思いました。ちょっとくだけた感じの口調なのも素敵でした。

じつは、「オペラ座の怪人」をそのまま歌舞伎にした感じかなぁ~と想像してたんですが、全然違いました。でも、ギャグがたくさんあって笑えて、歌とか踊りがあってワクワクして、そしてところどころしんみりして…おなかいっぱいになりました。
思わず笑ってしまったのが、“かぶき座の怪人”川霧が、恋助たちの舞台稽古が行われているとき、支配人の事務机にあるものもいじってたり、金魚の泳いでいる水槽をいじったりしていて…そっちがすごく面白いんだけど、真ん中では舞台稽古してるし…でどっちも見たい!という嬉しい困惑。幽霊なんだけど笑えちゃって全然恐くないのが不思議。
また、不思議といえばすべてのキャストが男性というのが、面白さにもなり、一方ではそんなことも忘れるくらいの、身のこなしの美しさに目を奪われました。

もらったチラシをみたら、12月には忠臣蔵をやるんだそうで。すごく興味をひかれます。しかも世田谷パブリックシアターなんですね。あまり大きくない劇場で、2階席・3階席も舞台に近くて、楽しめそう。機会があれば是非出かけたいところです。

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2007年3月14日 (水)

買いすぎ…。

Tickets2さいきん買ったお芝居(など)のチケットです。…というか、こんな感じなので、先月のカードの支払いが大変なことに。ちょっと自重しなければ。…無理かな……(苦笑)。


まず、ひとつめ。
花組芝居『かぶき座の怪人』
3月15日(木)~3月25日(日)
全労済ホール/スペースゼロにて

…えーと。『オペラ座の怪人』の歌舞伎座バーション、みたいな感じのようです。花組芝居は、じつは初めて観にいくんですが、数年前、野村萬斎さんの「ハムレット」に出演されていた植本潤さんが花組芝居の方と知って、その頃からちょっと気になってはいたんですが、今回のは、歌舞伎デビューしたばかりの私としては、すごくすごく気になるお話で。念願叶って、というかいいタイミングが来てようやく観にいくことができます。
予習好きの私なんですが…ガストン・ルルーの原作とか、余裕があったら読みたいです。

そして、ふたつめ。
『アクロバティック 白鳥の湖』
8月9日(木)~19日(日)
Bunkamuraオーチャードホールにて

これは去年だったか、ある方の日記で読んですごーく気になっていたもの。チケット取れたらいいなぁーという軽い気持ちで、チケットぴあの先行に申し込んだら取れてしまいました。席がかなり前の方なので、近くでシッカリ観られそうです。8月の公演なので、まだまだ先なんですが…。いちばん気がかりなのが、お盆の時期と重なっているので、行き帰りの電車のこと。早めに予約しておかなければ。あと、できればオリジナルな「白鳥の湖」も見ておきたい。…でもそんなの、レンタルで置いてるところ、あるのかしらん……。

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2007年3月11日 (日)

「ヒステリア-あるいは、ある強迫神経症の分析の断片」inまつもと市民芸術館実験劇場

Hysteria_2 ゆうべ観にいってきたお芝居です。
…ホールの前に着いてみたらなんと、今日はビデオ収録ありとか書いてあるじゃないですか!びっくり。もしかして、今回の上演ってDVDになったりとかするんでしょうか…。


「ヒステリア
-あるいは、ある強迫神経症の分析の断片」
 
まつもと市民芸術館 実験劇場
  フロイト:串田和美  ジェシカ:荻野目慶子
  ヤフダ:あさひ7オユキ  ダリ:白井晃

1938年、ロンドン。フロイトの死の1年前の、ある雨の夜。
母親がフロイトの患者だったというジェシカという女性が訪ねてきて、かつてフロイトが診療したヒステリー患者の分析を再現するように迫ります。
癌を患うフロイトの長年の友人でもある主治医のヤフダは、最後の著書にあるであろう『モーゼと一神教』の出版を強く反対しています。
フロイトを信奉するスペイン人画家ダリは、自分の描いた「ナルシスの変貌」という絵を見てほしいと頼みにやってきます。
やがて4人の時間はねじれて、フロイトの妄想は…。


実験劇場でお芝居を観るのは、去年の「錦鯉」に続いて2度目でしたが、まず驚いたのは、セットがすごく狭いということ。天井は高いんだけど、フロイトの書斎一部屋しかなく、それもお芝居のセットとすれば、かなり小さいというか。大きな劇場向けのセットではないという感じで。先にこのお芝居を上演していた世田谷のシアタートラムもすごく小さいホールなんですよね。…いえ、入ったことはないんですが…。
そして今回も「錦鯉」と同様、最前列で観たんですが、備え付けの椅子のさらに前に二列足してあって、ステージがすごく近くてびっくりしました。
さて、内容について。
いちおう、コメディーとして書かれた作品ということなんですが…面白いのに怖くて不思議…というか、パンフレットで串田さんも少し触れていますが、「こういうジャンルのお話です」と単純に括れない印象でした。
時空がゆがむというか、そういう感覚をセットを動かしたりして表現する場面…それがなんか、観ている自分もゆがんでいくような、不思議な感覚になっていました。
フロイトは、ジェシカとダリの存在や行動を、ヤフダから隠そう、ごまかそうとして色々な言い訳をしていくんですが、その必死な感じが滑稽で、かわいらしく感じました。
また、ヤフダは至って真面目な人物だと思うんですが、なんだか、フロイトとのやり取りがすごく面白くて…かなり笑いました。ヤフダ役のあさひ7オユキさんは、このお芝居を観るまでよく知らなかったんですが、声とか、心地いい感じでなかなかいいなぁと思いました。
ジェシカは、神経症を患っているフリをしたり、母親の姿をフロイトの前で演じて見せたりして、「こういう人」というのを捉えにくい謎めいた人物…という感じがしました。場面、場面によって違う印象があって。荻野目慶子さんはとても美しく可愛らしかったです。
…可愛らしかったといえば、そうそう。お芝居の最中に、フロイトの書いた原稿(中身はする替わっているけれど、それを知っているのはジェシカだけ)を取り合って、登場人物たちがもみ合うシーンのとき、勢い余ってその封筒がステージから落ちてしまうというハプニングが。落ちた瞬間「あっ落ちた…」と思って、そのあと「もしかしてこれ、演出?」と一瞬思ったんですが、そんなわけなかったですね。あさひ7オユキさんが、アドリブで「すみません、それ取ってください」と近くのお客さんに言ったのが面白かったです。で、カーテンコールのとき、拾ってくださった方に荻野目慶子さんが「ありがとう」って挨拶されていて、その仕草がまた可愛らしかったんですねー。それにしても…「錦鯉」のときは、私、あの辺りに座ってたのに~!と思ったりして。封筒を拾えなくて残念でした、ちょっとだけ。
そして、白井さん演じるダリは、芸術家らしい(というのもナンですが)どこか、子供のような部分を持った人物のように思えました。とくに、頭の中にある絵のイメージをフロイトに話しているところが。それにしても白井さんが、イメージしていたよりもずっと背が高くすらっとしていて素敵でした(今までどんな風に思っていたのやら…)。なぜか、私のなかで強く残っている白井さんというのが「HR」という三谷幸喜さん作・演出のドラマだったから、というのもあるかもしれません。
…やっぱり、ドラマや映画で見る俳優さんもいいけれど、生でお芝居する姿を見るというのは、雰囲気も違うし、その人の持つ空気を感じるというか…そういうのがいいですねぇ。
今日は、ポストトーク付きの上演があるんですよね。観にいかれる方が羨ましいです。きっと、今日は雪が降ったのでそういう話題もあるんでしょうね…。いいなぁ~。

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2007年2月16日 (金)

フロイト。

Hysteria週末に、地元新聞で見つけた記事。来月9日からまつもと市民芸術館実験劇場で上演される『ヒステリア』が紹介されていました。晩年のフロイトが描かれている舞台です。
白井晃さん他出演者方が登場するポストトークもあるそうなんですが、残念ながら私は都合がつかず、別の日のチケットを買いました。本当に残念なんですが、まぁしょうがないかなぁと。
実はいま、偶然にもフロイトの精神分析なんかがチラっと登場する小説を読んでいたりして…意識したわけでもないのに不思議だなぁなんて思いました。
さて、この記事でもうひとつ「おや?」と思ったのが、串田和美さんと白井晃さんの写った写真に「三軒茶屋の稽古場にて」というコメントがあったこと。三軒茶屋ってことは、もしかして…?と調べてみたら、やっぱり。すでに13日から世田谷パブリックシアターで上演が始まっているんですね。パブリックシアターといえば、野村萬斎さんが芸術監督をされている劇場で、面白そうな作品がいっぱい上演されているにも関わらず、まだ私は「狂言劇場」など萬斎さん出演のものしか足を運んだことがなくて…今年辺り、ぜひ他の作品にも出かけられたらいいなぁと…あらためて思ったのでした。

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2007年2月 9日 (金)

はぁ~取れた!

Bloodwedding今日から『血の婚礼』(松本公演)の先行予約が始まりました。
朝の10時からとあったので、会社の休み時間にやろうと思ってたんですが…電話番号とかの載っている紙を持ってくの忘れました…。私のバカバカ……。
帰宅してから慌てて電話したんですが、まだ間に合いました~あぁ良かった~~。で、早速ローソンへチケット引き取りに行ってきました。この間の『スウィーニー・トッド』よりは少しだけ前の席が取れました。また端っこの方だけど、まぁよしとしましょう。
さて…あとは平日ど真ん中の公演ってことで(この辺が、いいお芝居をたくさん観られるようになったとはいえ地方の悲しさ)、仕事終わってから時間までにホールへたどり着けるかが問題です……。

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2007年2月 3日 (土)

ブロードウェイ・ミュージカル「スウィーニー・トッド」inまつもと市民芸術館

Sweeneytodd最近…というかここ数年、まつもと市民芸術館はスゴイです。エッこんなお芝居が県内で、しかも松本で観られちゃうの?という…。去年は新感線の「メタルマクベス」も上演されましたしね。そんなわけで、“地元だし出掛けやすいよね”ってことで私もずいぶんお芝居をたくさん観ることができました。そして今回はこちら。市村正規さん・大竹しのぶさん出演、宮本亜門さん演出のブロードウェイ・ミュージカルです。

ブロードウェイ・ミュージカル
『スウィーニー・トッド』

inまつもと市民芸術館

18世紀末のロンドン。好色な判事ターピンに妻を横恋慕され、無実の罪で流刑にされた、理髪師のベンジャミン。15年後ロンドンへ戻ってきたベンジャミンは、妻は判事に辱めを受け狂気の末に自殺し、娘のジョアンナは判事の養女となったことを、パイ屋のラヴェット夫人から聞きます。
ベンジャミンは“スウィーニー・トッド”と名前を変え、パイ屋の2階に理髪店を開き、自分を陥れた人物たちへの復讐の機会を待っていました。そんなとき現れたのは、スウィーニーの過去を知る人物。強請りにかかる相手を殺害してしまい、その死体の始末に困ったスウィーニーとラヴェット。
しばらくすると、“ロンドン一まずい”と有名だった彼女のパイ屋が大繁盛。材料に使われていたのは、なんと……。


もう、ほんとにスゴかったです。
人間の声って、たくさん集まるとこんな迫力があるんだなぁということを、肌で感じることができました。また、生で楽器の演奏があるのも良かったです。とても贅沢な気分です。
そして、なんといっても市村正規さん・大竹しのぶさんのおふたりです。市村さんはほんとに素敵で、声がバリバリと響いてかっこよく、床屋さんの格好も決まってました。輝いてました(イヤけっして照明のせいとかではなく)。大竹しのぶさんは、テレビなどの印象とはかなりちがいました。いやー面白かったです。ほんとにおかみさんって感じで陽気でかわいらしくて。
また、ジョアンナ役のソニンさんと、若い船乗アンソニー役の城田優さん。このおふたりは若々しく初々しくて微笑ましかったです。ソニンさんの歌声は、高音が綺麗に響いていて気持ちが良かったです。
それと、スウィーニーに師匠を殺されてしまった青年トバイアス役の武田真治さん。ラヴェット夫人に甘える姿とか、ヒョコヒョコと特徴のある歩き方とか、仕草とか…かわいらしくて印象的でした。
…最後のカーテンコールは、3回目に市村さん・大竹さんだけが出てきてダンスを見せてくれて、そこで終わりかなぁと思ったらなんと、4回目・5回目がありました。4回目のときだったか…城田さんが、ソニンさんのドレスの裾に足をとられたところに他のキャストの人たちもつられてつまづきながら退場して行ったのが驚きました。客席も、1回目くらいはみんな大人しく座っていましたが、だんだんと立ち上がって拍手する人が増えて、最後には総立ち状態になりました。
ブロードウェイ・ミュージカルというか…本格的なミュージカルは初めて観ましたが、楽しくて感動がたくさんあって、こういう作品に触れる機会に恵まれて、とても幸せだなぁと感じました。

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2006年11月29日 (水)

「錦鯉」inまつもと市民芸術館(アフタートークあり)

Nisikigoiずっと楽しみにしていたお芝居を観にいって参りました~。
この作品、ネットかなにかで見て「面白そう!」と思い東京あたりに観にいこうかなぁなんて思っていたら地元で上演されると知ってもうほんとうに嬉しくて。トークショーもあるならできるだけいい席で…!と意気込んでチケット発売日、少しだけ早起きして並んだお陰というのか、今回はとってもいい席が取れたので、それも楽しみな気分に拍車をかけてました。

「錦鯉」inまつもと市民芸術館(アフタートークあり)

土田英生さん作・演出のお芝居(初演は2000年)で、北九州・大阪・東京・名古屋と各地を廻り、この松本公演が最終公演地だそうです。今回公演が行われたのは、まつもと市民芸術館にあるホールの中でも「実験劇場」という名前のとても小さいスペースです。私はこの劇場は何度も来ているんですが、主ホール(いわゆる大ホール)にしか入ったことがなく、実験劇場は初体験でした。なんというか…小さいだけあってステージも近いし、会場に入っただけでなんだかわくわくしてきます。

おはなし…
とある地方の、港町。ごく普通のサラリーマンだった水野(鈴木一真)は、亡くなった赤星組の先代組長の遺志により、なんと突然ヤクザの組長に。水野の幼馴染でフリーターをしていた吉田(ヒロシ)もなぜか一緒。営業が身についた腰の低い新しい組長と、なぜか事務所を可愛くコーディネートする水野の妻の裕子(田中美里)に戸惑い気味の組員たち。そんななか、佐山組の組員たちが乗り込んできて、右往左往する赤星組の面々。どうやら吉田が面倒を起こしていると分かり、組長としての責任を突きつけられた水野は…。

ゲームひとつに本気で怒って泣いて、仲裁して、なんだか微笑ましい人たちだなぁなんて思って笑いながら見ていて。会話がぽんぽんとテンポよく飛び交って、ハプニングが起こったりして。笑ったり驚いたりしながらどんどん引き込まれていきました。こんなに近くで役者さんたちが演じている~!という感動もさることながらその臨場感もすごくて。とても刺激的でした。…そんな笑える前半から、だんだんとシリアスになっていく後半。喜怒哀楽、いろいろな感情の詰まったお芝居でした。
劇中に登場する「爪の先までいっぱいになりたい」という水野の言葉にはどんなことでも
いいから「自分はこれにかけている!」みたいな気持ちになりたいっていう願いがあるんだろうな…と思いました。そう言う気持ちになれることってなかなかないので(まぁ、一瞬そんな感じになれるときもあったりはしますが…)、共感できるなぁと思いました。

さて…終演後、いよいよトークショーが。
作・演出の土田さんとともに、衣装から着替えた鈴木一真さんとヒロシさんが登場。
ヒロシさんが…よくテレビで見るのに近い感じの黒いスーツになっていて「あ、“ヒロシ”だー」ってちょっと感動♪
トークのテーマは、松本の印象、共演者に対する印象などなど。
松本は初めてというヒロシさんはじめ、松本に着いて間もないということで、「意外と栄えてますね」というヒロシさんの何だかなぁというコメントも飛び出しつつ、話題はこのホールについて、ということに。ヒロシさん曰く「ここがいちばんやりやすかったです」と。またまた~~と思ったら本当にそうだったようで。今回300人ちょっとでいっぱいになる実験劇場で上演されたわけですが他の公演では、大きなところでは1600人ぐらい入るホールでも上演されたとか。そうなると、見るほうも演じるほうも、ずいぶんと印象が違うだろうなぁなんて思いました。
鈴木一真さんは、テレビや映画で見ている印象よりもほんわかした感じで、なんていうか不思議な人っていうか…。冗談を言っても冗談と取ってもらえずまじめに返されるのが悩みのようです。きっと、冗談とか言わない人に見えるんでしょうね。
土田さんは、わーこの人よく喋るなぁーと思いました。特にどういう人とか思っていたことはなかったので意外だとかそういうのはなかったんですけども。すごく楽しかったです。
今まで、お芝居の後のトークっていうのを体験したことがなくて。いつか機会があったら…と思っていたものが叶い、しかもそれが地元で!というのがとても嬉しく、満ち足りた気分になりました。

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2006年11月25日 (土)

坂東玉三郎特別舞踊公演inまつもと市民芸術館。

Tamasaburo_1待ちに待った、玉三郎さんの舞踊公演に行ってまいりました。今日は午前中だけ出勤しなければならなくなって、そのあと高速を飛ばして松本まで行きましたが、かなり時間ぎりぎりで、間に合うかなぁ…と、ドキドキでした(汗)。

坂東玉三郎 特別舞踊公演
in まつもと市民芸術館
(演目)
「藤娘」 藤の精・坂東玉三郎
「鷺娘」 鷺の精・坂東玉三郎

場内の照明がすべて消えて真っ暗になり…闇の中で聞こえる長唄と鼓の音。
そして、ステージに明かりが点いたとき、すでにそこには藤の精に扮した玉三郎さんが。
ぽん、と異世界にワープしたかのような感覚でした。
もう…なんて美しいんでしょう、ため息も出ないほどです。素敵です。
途中で「ご挨拶」なんでしょうか?上手と下手でお辞儀をされました。そしてこちらが拍手するとちょっと恥ずかしそうな仕草をして、それがまた可愛らしくて…。
衣装が何回も替わるので、その度に目でも楽しませてくれます。また、藤の精が舞台から姿を消している間の三味線と鼓の掛け合いになるところも楽しい感じです。
30分弱くらいだったと思いますが、片時も目が離せませんでした。

そして、次の演目まで35分の休憩。
普段お芝居とかを観にいっても15分とかせいぜい20分くらいというのが多いので、随分長いんだなぁ…と思いましたが、よくよく考えてみれば、それ位の時間がないと衣装とか色々大変ですよね。
ロビーで、玉三郎さんのDVDだとか、あと隈取りの手ぬぐいやハンカチといった歌舞伎グッズを販売していて、買おうかなぁどうしようかなぁと散々迷った挙句、何も買わず…でも見るだけでも充分楽しみました。

さてお次は鷺娘。
藤娘の時と同じく、真っ暗な中に響く長唄。しかし、パッと強い光に照らされた藤娘の始まりとは違って、今回は白くぼんやりとした明かりの中に背中を向けて傘を差す、鷺の精に扮した玉三郎さん。
白から始まって赤、紫、など様々な衣装が登場しますが、一瞬にして衣装を変える「引き抜き」という演出が見られるのが、なかなか楽しみなところです。衣装が変わる瞬間をたぶん、目では捉えてるはずなんですが、それが本当に素早いので、本当に一瞬という感覚です。
最後に、鷺の姿(白い衣装)になって悶え苦しみながら倒れていく姿に、切なくて涙が出そうになりました。
本当に楽しくて、幕が下りてくるとき「あぁ終わるのやだな」って思いました。

こちらの拍手に何度も応えて下さって、最後の最後まで楽しませてもらいました。
今回舞踊の公演を観にいくのが始めてで、普段観ている能や狂言だと登場シーンだとか、あと演目の途中で拍手をするっていうのが全くなくて、あるとしても最後に演者の方が舞台から退いていくときぐらいなので、少し戸惑って、ここは周りの人に合わせよう…と思いながら拍手とかしてたんですが、おぉこれはすごい!とか感じたときには自然に拍手したくなるというか、そんなタイミングなのかなぁなんて思いました。今度観る機会があったら、そのときにはもっともっとそう言うことが分かるようになってるといいなぁと思いました。

さて…来週も、まつもと市民芸術館には、鈴木一真さん&ヒロシさん&田中美里さん出演の「錦鯉」というお芝居を観にお邪魔する予定です。こんどはアフタートークつきの上演ということでこちらも楽しみです♪

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2006年10月15日 (日)

やっと来た!

Tamasaburo8月の終わりぐらいに申し込んでいたチケットがやっと、ほんとにやっと!届きました。1ヶ月以上経ってますからねー、ちょっと心配してしまいましたよ。今回届いたのは歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんの特別舞踊公演がこちらで行われるということで、そのチケットです。わーいわーい♪
まだ歌舞伎を観たことがなくて、本当だったらそちらを先に観に行きたかったところなんですが、どうしてもタイミングが合わず。で・・・『和樂』という雑誌だとか、歌舞伎の本だとかで写真を目にして気になっていた玉三郎さんの舞踊公演があり、しかもそれが地元で行われるとなったら・・・これはぜひ出かけてみよう!ということで。
どうせならいい席で観たい、と思って奮発したわりにはビミョ~な感じではありますが・・・とにかく楽しんでこようと思います♪♪

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2006年9月 2日 (土)

『敦-山月記・名人伝-』in世田谷パブリックシアター。

Atsushi去年の秋に初演されたときも観に行ったんですが再演されるってことで今年もまたいそいそと出掛けて来ましたー。

作 中島敦  構成・演出 野村萬斎
『敦-山月記・名人伝-』
in 世田谷パブリックシアター

山月記
袁惨(えんさん)が、仕事で訪れた土地で、林の中の道を歩いているとき
草むらから踊り出た一匹の猛虎。それはかつて、旅先で行方が分からなくなった友、李徴(りちょう)の変わり果てた姿だったのです・・・。唐(いまの中国)、玄宗皇帝のころのお話。
名人伝
趙の都・邯鄲に住む紀昌(きしょう)という男が、天下第一の弓の名人になろうと思い立ち弓の名手・飛衛(ひえい)のもとへ弟子入りします。それからみるみるうちに弓の腕を上げ、師匠である飛衛を倒せば天下第一の名人になれると思い始めた紀昌に危険を感じた飛衛は西の霍山(かくざん)の頂きに居る甘蝿(かんよう)老師を訪ねるようすすめたのでした・・・。

この山月記と名人伝のなかに、このほかの中島敦作品に登場する言葉を織りまぜながら進んでいくのですが・・・。なにしろ言葉が美しいです。もともとの文章自体の美しさ、生き生きした感じ。萬斎さん演じる「敦」と、深田治博さん・高野和憲さん・月崎晴夫さんの3人が演じる「敦たち」。同じ台詞を同時に話しているところなんかすごく揃っていてでもよ~く聞くと、人それぞれ、間の撮り方とか抑揚に特徴があって、それが“ゆらぎ”になっているような感じでそれがまた、なんだか心地よかったです。同じ格好をしているので、遠目には誰が誰だか判らなかったりするんですが声をちゃんと聞くと「あ・・・○○さんだ・・・」とか気がついたりして、そんな所も何だか楽しかったりして。
そして「山月記」で万作さん演じる李徴。ちょっと高いところからひらりと回転しながら舞い降りるところは、ほんとうに身軽で・・・思わず息を呑んでそしてため息が出るほどで。・・・萬斎さんが狂言師にはある程度高い運動能力が必要というのを本などに書かれていて、確かに「三番叟」だとかほかの演目でも結構そういう要素は多いなぁと、萬斎さんはそういう能力に恵まれているんだなぁ・・・といつも思いつつ観ていますが、そうだ、この万作さんのDNAを受け継いでいるんだもんなぁ・・・なんて改めて思ったりして。

「名人伝」では萬斎さんは最初と最後を敦、それ以外を紀昌を演じていて。舞台上のスクリーンとか色々で視覚的にも楽しませてくれて、役者さんを見たいんだけど、スクリーンも面白いから見たいし・・・という嬉しい葛藤。これは電光掲示板狂言会とかと同じような感じといえば、そうなのかな。
このなかで紀昌の師匠・飛衛と、紀昌の妻を演じているのが石田幸雄さん。特別女性らしい顔立ちだとか、そんなことはないのにこの人が演じる女性っていうのが、ほんとになんだか私は好きで。飛衛→妻、妻→飛衛と姿を替えるやり方が面白いです。去年観て知っているのに、というか知っているからこそというのか・・・またまた笑ってしまいました~。
甘蝿老師と年老いた紀昌を演じるのは万之介さん。ちょっととぼけた感じで演じる甘蝿老師とか・・・やっぱりなんか独特で面白くて。なんというかほのぼのするというか。パンフレットのなかで萬斎さんが、紀昌が萬斎さんから万之介さんに代わるところで、お客さんの方がその事実を素直に受け止めようとしているのを舞台で演じていて感じ取れた・・・と初演の時のことを振り返っていますが、確かに去年観たときはそんな感じだったかなぁーと思ったりして・・・。なんていうか・・・あぁ紀昌は修行の末に甘蝿老師みたいな人になっちゃったのかぁみたいな。上手く言えませんが、そんな風に受け止めたような覚えが。
舞台の上に組まれた装置(三日月みたいな形の雛壇?でちょっと高くなっていて、それがぐるぐる回ったり真ん中で割れたり・・・)でも楽しませてくれて。ぐるぐる回る装置の上を役者さんたちが走ったりしてなかなか面白いです♪
また、大鼓の亀井広忠さんと尺八の藤原道山さん。こんな音も出るんだなぁとかこんな表現もできるんだなぁーとか・・・。
そんなこんなで充分に堪能したあとは、カーテンコール。舞台がほんとうに素晴らしかったので、いつまででも拍手していたいくらいでした。こんな気持ちで拍手ができるお芝居を観られるって、すごく幸せなことですよねー。
そしてそして・・・。
ここで初めてメガネを外した萬斎さんの美しいこと。(何を見てるんだか・・・)石田さんが、飛衛→紀昌の妻への変身をもう一度やってくれたりして、なかなか楽しませてもらいました。
すごーく満ち足りた時間を過ごすことが出来ました♪♪

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2006年5月 6日 (土)

新感線☆RS『メタルマクベス』inまつもと市民芸術館。

Metalmacbeth地元でこんなお芝居が観られる機会はそうそうないなってことで、この公演を知った時から絶対観に来るぞ~!と早いうちからチケットを取ってました。
そしていよいよ、観て来ました!!

新感線☆RS
『メタルマクベス』 inまつもと市民芸術館
…新感線のお芝居、初体験で~す。

この劇場に来るのは4回目ですが、過去に訪れた時のどれとも違う独特の雰囲気だなぁ・・・とホールに入って思いました。・・・ていうか、過去3回のうち2回が能舞台を組んだ状態だったんだから違って当たり前なんですけども・・・。
なんというか・・・ライブハウスっぽい(って言ってもちゃんと行ったことないのでイメージですが)雰囲気になってました。

時は西暦2206年。ESP王国が誇る無敵の将軍・ランダムスター(内野聖陽)は親友・エクスプローラー(橋本じゅん)とともに戦を終え城に戻る途中で、三人の魔女に出会い、ランダムスターに向かう「万歳!マクベス!」という不思議な声。訝しがるランダムスターとエクスプローラーに魔女達が手渡した一枚のCD。それは1980年代に活躍したヘビーメタルバンド・メタルマクベスのものでした。
その頃城では、敵国に寝返った領主の公開処刑が行われ、王・レスポール(上條恒彦)は、息子のレスポールJr.(森山未来)を王位継承者と定めていました。それを知り苦々しい思いで帰った居城・メイプル城で出迎えた婦人(松たか子)にけしかけられたランダムスターは、自らが王の座に就くため、レスポール王の殺害を決意するのですが・・・。



原作であるシェークスピアの『マクベス』を読んでから観に行こう~!と思ってたのに結局読めたのは最初の3分の1ほど。原作の形は残ってないんだろうなぁと勝手に思っていたんですが・・・意外と言ってはナンですが、かなり原作に忠実なんだなぁと感心してしまいました^^;そして音楽がたくさん盛り込まれていて、歌やダンスもたくさんあって、なかなか楽しくて良かったです♪
生のバンドが作る音が体にズシンズシンと響いて、ライブ好きとしては、あぁライブ行きた~い!と思わずにはいられませんでした。メタルとかパンクとかは滅多に聴かないけど、でもかっこよかったなぁ・・・。
いいなぁと思ったのは、森山未来くんのダンス・・・!タップダンスや他のダンスもカッコよかったですね。すごく華奢に見えるのにパワフルなんだなぁと感動。
あとは松たか子さん!見た目はかわいらしく綺麗なのに激しい~!と思ったりして。夫役の内野さんとのシーンもかなり好きでした~。歌はやっぱり上手かったし~!あぁ満足です♪松さんのライブを聴いたという感じ。
また、こんなことやっちゃっていいのかなみたいなのとか、非常にタイムリーなネタまで色々あってかなり楽しくって、笑ってしまいました。
それにしても、12時開演で途中に20分の休憩を挟み、終演が16時って・・・。
長かったけど・・・でも楽しくて時間を忘れました。でも後から、座りっぱなしだったせいか、こ・腰が痛い・・・。年寄りみたいだ~。
原作本、まだ読んでいる途中なので、今日見た舞台を思い出しつつ続きを読みたいと思います。

Metalmacbeth2パンフレット3000円也。
外側のケースが、昔のLP盤のケースみたいになっていてA・Bの2冊のパンフレットと、劇中で使われている曲の映像が入っているらしいDVD。
・・・あの映像を家で見るわけ・・・?とか思ったりして^^;
シェークスピアについてとか、へヴィ・メタル史なんていうのもあったりして普通に読み物としても楽しめるな~と思いました。

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