歌舞伎

2008年7月14日 (月)

幕引き

きのうのことですが…7月5日から松本で行われていた、平成中村座・信州まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』が、千秋楽を迎えました。
私は2日目の昼の部に一度行ったきりだったんですが、それでも毎日、あぁきょうもやっているんだよなぁと心のどこかで思っていたので…終わってしまったとなると、まさにお祭りの終わりといった感じで、切ないような寂しさがありますね…。そして、偶然にもNHKのニュースの県内版で、最終公演のカーテンコールの映像を見ることが出来ました。最後に幕が閉まる様子を見て、あぁほんとに終わっちゃったんだなぁと…この数日間の楽しい気分をあらためて思い出したりしました。
この9日間、観客数はのべ1万2000人に達したそうです。その1万2000分の1としてこの“お祭り”に参加できたことを、とても嬉しく思います。

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2008年7月13日 (日)

平成中村座・信州まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』inまつもと市民芸術館

Matsumotokabukiもうね…観に行ったの先週の日曜なのに、どんだけ時間かかるんだって話なんですけども。書くならちゃんと書こう!と思う気持ちもあったりして、書き始めるまでに時間がかかりました…。ここからのレビュー、相当長くなるので読む方はご覚悟を(苦笑)。
…先週日曜、昼の部の公演に出かけてきました。
正面玄関はこんな感じで、ポスターとロゴの入った看板がどどんと、そしてその横には役者さんたちのお名前がずらりと。
Matsumotokabuki2車寄せのところには、幟(のぼり)が並んでいました。これと同じ幟が、建物の中に入ると正面の階段にずーっと立っていました。
主ホールのホワイエは、ふだんの公演だとチケットを持っている人しか入れないようになっていますが、この公演ではチケットがなくてもここに開かれた出店を楽しむことが出来て、お祭りの雰囲気が味わえます。


平成中村座・信州まつもと大歌舞伎
『夏祭浪花鑑』
まつもと市民芸術館にて

席に座ってしばらくすると、客席の中というか花道や通路を、祭りに参加する若者たち役の役者さんたちが元気よく行き交い始めて…小さい子どもさんに手品を披露する役者さんもいたりして…ホール全体が、お芝居に登場するお祭りのなかに入り込んだような感じ。
そんな光景のなか、気がつくと主な役者さんたちも登場。通路を行ったり来たり、お祭りのなかをそぞろ歩く様子を演じ始めます。私が座っていたすぐ近くでは、彌十郎さん演じる釣船三婦(つりぶねさぶ)とそのおかみさん・おつぎが階段のところに腰掛けたりして、もうそこでお芝居が始まっていました。
お練りのあとのセレモニーで七之助さんが「出店の近くを役者が通るかも」とおっしゃっていた意味が、このとき分かりました。私は見られませんでしたが、出店の辺りを舞台の延長のように使っていたんですね。
そして…舞台で喧嘩騒ぎが起こり、いよいよ。

喧嘩騒ぎが収まり登場したのは、七之助さん演じる舞台番隆吉。舞台と人物の説明をちゃちゃっと説明してくれます。お客さんをいじりながらの軽妙な口ぶりに引き込まれていきます。そして、花道辺りをウロウロしているのは笹野高史さん演じる義平次。お客さんを相手に引ったくりをしてました。で、舞台番の七之助さんに首根っこを捕まれている姿に笑ってしまいました…。

喧嘩騒ぎがもとで牢屋に入っている団七九郎兵衛(中村勘三郎)。その留守を預かる女房お梶(中村扇雀)はかつて仕えていた玉島兵太夫の息子・磯之丞(中村勘太郎)の放蕩ぶりを案じ、徳兵衛(中村橋之助)ある乞食を茶屋へ連れて行き「放蕩三昧が過ぎて乞食になってしまった」という身の上話を磯之丞に語って聞かせ、身につまされた磯之丞は屋敷へと帰っていきます。

…お梶に言われて磯之丞に嘘の身の上話を聞かせ、みごと彼を屋敷へ帰すことに成功した徳兵衛。褒美に金と着物をもらって嬉しそうに仲間と山分けする様子に、まず笑ってしまいます。また、放蕩三昧の磯之丞が、ほんとにどうしようもない世間知らずのお坊ちゃんで、最初のお梶の説得にも「ここにいる!」と琴浦のひざにころりと横になり駄々をこねています。

牢屋に入っていた団七は兵太夫のとりなしによって、牢屋を出ることになります。それに恩義を感じた団七とお梶は、磯之丞に仕事を紹介し、その後誤って人を殺してしまってからも磯之丞とその恋人・琴浦(中村芝のぶ)を、先輩格である釣船の三婦(坂東彌十郎)と、義兄弟となった徳兵衛らとともに必死に守ろうとします。

…牢屋から出された団七を、近くの髪結床で待っていたのは兄貴分の三婦。その三婦は床屋に、団七がつけるさらしがないので、代わりにと自分のつけているふんどし(!)を外して渡します。そのときの嫌がっている髪結の様子、そして歩き出すとき裾をからげようとして「おっと」とそれをやめ、花道ちかくのお客さんに「見るなよ!」とにらみを利かせて扇子で隠しながら去っていく三婦の様子が可笑しくてたまりません。この場面だけで、もう三婦のことが好きになってしまいます。
…三婦は駕籠の代金を払う払わないで揉めている磯之丞と偶然顔を合わせ、駕籠屋をとりなします。駕籠屋が行ってしまうと、後には駕籠から抜け出しうずくまる磯之丞の姿、これがまた可笑しいです。磯之丞を団七の出所を祝う宴の席へ向かわせたあと、髪結床から出てきた団七は、磯之丞を追いかけてきた琴浦と彼女に横恋慕する大鳥佐賀右衛門が揉めているところに遭遇。彼女を助け、磯之丞と恋仲であることが分かると、磯之丞のいる茶屋へ向かわせます。琴浦を演じるのは中村芝のぶさん。野村萬斎さんの「ハムレット」でオフィーリア役をやっていたときから気になっている人です。美しくって可愛らしくって、今回もうっとりしてしまいました。そして団七が、琴浦に茶屋の場所を教えるのに佐賀右衛門の腕を捻って「こんな松が生えているところを…」なんて言って説明しているので、ほんと…もう笑いが止まりませんでした。
…佐賀右衛門の命を受けた徳兵衛が団七の行く手をさえぎりますが、そこへやってきたお梶がその喧嘩を仲裁し、団七の相手が、乞食の徳兵衛と気づいたお梶が徳兵衛を窘めると、恩を仇で返したことに恥じ入った徳兵衛は団七とともに磯之丞のために働きたいと申し出て、団七と片袖を交わして義兄弟の契りを結びます。団七と徳兵衛の喧嘩の場面がなんだかカッコよく、とくにテレビなどで目にしていた橋之助さんのおっとり穏やかなイメージとはかなり違った、男らしい姿に惚れ惚れさせられました。

磯之丞は徳兵衛の女房・お辰(中村七之助)の許に預けられることになり、かくまわれていた三婦の家を出ますが、琴浦は、彼女に横恋慕する大鳥佐賀右衛門(片岡亀蔵)から金をせしめようと企む団七の舅・三河屋義平次(笹野高史)によって連れ去られてしまいます。

…団七に仕事を紹介され道具屋で働いていた磯之丞でしたが、そこで人を殺めてしまい三婦の家に琴浦とともにかくまわれていました。切羽詰った状況がよく分かっていないのか、琴浦と痴話喧嘩をしている磯之丞。そこへ訪ねてきたのが七之助さん演じる徳兵衛の女房お辰。その美しさと、それゆえに「磯之丞さまを引き取りたい」との申し出に「色気のありすぎるお辰に預けることは出来ない」と言い張る三婦の言い分を聞き怒り心頭に達するその表情、そして火鉢に掛けられた鉄弓(てっきゅう・魚などを炙るのに使う鉄製の道具)を自分の頬に当てて火傷を創り「これでもまだ色気があるか」と三婦に迫る姿…思わず目頭が熱くなるような迫力でした。
そして去り際、「顔にそんな傷をこさえて徳兵衛さんに嫌われないかね」と心配する三婦の女房おつぎに「あのひとが惚れているのはここ(心)でござんす」と胸をぽんと叩くその姿、その気風のよさに拍手、拍手でした。

義平次の企みに気づき懸命に追う団七は、祭りで賑わう表通りとは打って変わって暗く寂しい長町裏でついに彼らに追いつきます。琴浦を取り返そうと必死な団七が義平次についた嘘がもとで、もみ合いになるふたり。そのうちに弾みで義平次を傷つけてしまい、自らの手についた血に正気を失いついには舅である義平次を殺してしまうのでした。
舅を殺してしまったことに呆然としながらも、祭りの喧騒に紛れその場を後にする団七。そこへやってきた徳兵衛は、そこに団七の雪駄の片方が落ちているのを見つけ、そこで起こった出来事に気づいてしまいます。

…この場面の前、いちど幕が引かれてお囃子のなか、桟敷席の花道と通路近くのお客さんはスタッフの方の合図でカッパを着てらっしゃいました。泥のかかる心配のない私は、お囃子を聴きながらその様子を見物しておりました…(笑)。
…そして幕が開くと舞台は替わって長町裏。駕籠に乗った琴浦をめぐって、佐賀右衛門のところへ急ごうとする義平次と、行かせまいとする団七の押し問答が始まります。「乞食同然だったお前を引き上げてやったのは誰だと思っている」と迫る義平次。徳兵衛が団七とお梶に恩義を感じ佐賀右衛門に加担したことを後悔し団七と義兄弟の契りを結んだように、団七には義平次に大変な恩があった訳です。主人でもあり牢屋から出してくれた兵太夫にも恩義を感じている団七。石ころを懐に詰め「この金で見逃してください」と義平次に懇願し、琴浦を逃がすことに成功しますが、もちろんそんな嘘はすぐにばれてしまい…再びもみ合いになるふたり。照明の落とされたなか、ろうそく灯りに照らされたふたりの様子がさらに危うく見えて…ハラハラさせられます。動くふたりの動きに合わせ、黒衣(くろこ)の人たちが巧みに操る長い竿の先のろうそくの揺れる様が不思議な感覚でした。
…揉みあいのなかで義平次を傷つけてしまった団七は、自分の手についた血に我を忘れ、義平次を追い詰めるととうとう、泥の中に引きずり込み殺してしまいます。舞台が替わったときから中央にあったぬかるみですが、笹野さん演じる義平次がザブンと浸かったとき、その予想外の深さに思わず驚いてしまいます。逃げ出しながらも何度も団七に捕まってはまた泥に浸かる義平次。あぁどうなるんだろう…と見守っていると最後、頭まで浸かって姿が見えなくなってしまいます。…このシーンは泥に浸かることで、相当体力を消耗するのだそうです。そんな笹野さんをいつも気遣っていらっしゃったのはコクーン歌舞伎での初演でこの役をされていた、今は亡き中村源左衛門さんだそうです。笹野さんがインタビューで「お亡くなりになったのが残念でなりません。心配そうにいつも舞台袖で見守っていてくださっていた姿を思い出しますね」とおっしゃっているのを読んで、そんな姿が目に浮かぶようで…目頭が熱くなってしまいました。

(参考)中村源左衛門さんについて…昨年3月に放送された勘三郎さんの襲名公演を追いかけたドキュメンタリー番組のなかで、ご自分も病と闘いながら勘三郎さんを支え、命を削るようにしてその舞台に立ち続けたその姿が紹介されました(レビューはこちら)。

数日後。玉島へ向かう徳兵衛が、家に籠もっている団七の許へ暇乞いに訪れます。お梶が茶を入れに席を立ち団七とふたりきりになると徳兵衛は、長町裏で拾った雪駄を見せますが、団七は覚えがないとしらを切り奥へ引っ込んでしまうのでした。
徳兵衛は、着物のほつれを直してくれるお梶を口説きはじめ、それを耳にした団七と言い争いになり、ついには喧嘩になってしまいます。そこへやってきた三婦がとりなすと、徳兵衛がそこまでお梶を望むのならと去り状を書くのですが…実はそれは親殺しによる極刑から団七を救いたい一心から徳兵衛が打った芝居だったのです。

…休憩後。幕があがるとまず、団七の子・市松が近所のこどもたちとちゃんばらをしている場面から。市松にやっつけられて、わぁわぁ言いながら倒れるこどもたちの様子が可愛らしくてたまりません。そんなちょっと微笑ましい始まりでしたが、徳兵衛が訪ねてきて一気にシリアスな展開に。
…拾った雪駄を見せ、ためらいつつも顛末を尋ねる徳兵衛と、動揺しながらもしらを切る団七。そんな空気のなか一計を案じた徳兵衛は、着物のほつれを直してくれるお梶に迫ります。そんな様子が色っぽく…ドキドキさせられてしまいました。
…団七が義理とはいえ親殺しという大罪を犯してしまったと知った徳兵衛、三婦、お梶の複雑な表情が印象的な場面でした。

そこへ、長町裏の泥の中から団七の雪駄の片方が見つかったため、義平次殺しの罪で召し取ろうと役人がやって来ます。すると徳兵衛は、団七を自らが捕まえたいと役目を買って出ると、役人たちとともに団七の家に向かうことに。
追っ手に囲まれた団七はこれに応戦するものの、ついには徳兵衛に捕らえられてしまいます。しかし徳兵衛が団七の首にかけたのは縄ではなく旅の路銀。これを使って玉島へ逃げ延びろと言うのです。徳兵衛が召し取り役を買って出たのは団七を逃がすためだったのです…。

…団七を捕らえようとやってきた役人を演じるのは勘太郎さん。ダメダメっぷりがどこか可愛らしいお坊ちゃんの磯之丞から一転、お役人さんを凛々しく演じる勘太郎さんを見られて嬉しいです。
…ここからは、捕手に囲まれ奮闘する団七。ミニチュアの町並みの影から登場する捕手が登場してびっくりさせられますが…息つく間もないほどに、畳み掛けるように繰り出される様々な仕掛けに興奮させられます。建物の屋根の上、ミニチュアの団七と捕手が戦う姿が可愛らしく、ミニチュアの家が舞台上でぽんぽん投げられたり、刀で斬られてスパッとまっぷたつに割れるところに、またまたびっくり。これでもかというくらいに殺陣の続くなか、勘太郎さんとの息の合ったつばぜり合いも見ものでした。
…召し取り役を買って出た徳兵衛に捕らえられた団七。しかしそれも団七を逃がそうとするための徳兵衛の作戦。そんな義兄弟の心意気に感じ入った団七は徳兵衛とともに捕手を蹴散らし逃げます。ここの殺陣では、白い照明がカメラのフラッシュのように点滅して、コマ送りのような効果になっていました。そして客席のあっちとこっちの通路で「逃げるぞ!」と合図しあった団七と徳兵衛はダダッと舞台へ戻り、そのまま舞台奥へ駆けていきます。そんなふたりの姿の先、スクリーンに映し出されたのは国宝・松本城。ここでも点滅する照明と、スクリーンの光がどんどん小さくなることでふたりがずいぶん長く走っているように感じられるようになっていました。
そして奥から駆けてくるふたりの姿が少しずつ近づいてきて…最後、舞台が明るくなると、セットが取り払われた舞台の中央は、その奥のがらんとした空間が見えていて…どこかから聞こえるサイレンの音に続き、舞台上には長野県警のパトカーが登場。最後の最後、いちばんのびっくりでした。

渋谷のBunkamuraシアターコクーンの公演では、舞台の奥をぶち抜き、客席から渋谷の街が見え、そこからパトカーが入ってくるという演出だそうです。さっきコクーンでの公演の様子をネットで検索していて知りました。そのシーン、そして役者さんの様子は外からも見学できちゃうらしいのです。た、楽しそう…。

…最後までサプライズいっぱいで、勘三郎さんと演出の串田さんのなかにあるお芝居に対する冒険心、そして自由な発想力を目一杯感じさせられました。
そして前に書いたコクーンでの演出を知って…もしこの演目がコクーン歌舞伎に登場するときには、松本で上演されればもちろん出かけますが、そうでなくても、東京に遠征してしまいそうな自分がいます。というか、遠征が当たり前の自分には全く特別なことではないのですが…遠征してでも観たいもののひとつに、間違いなくコクーン歌舞伎が加わった体験でした。

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2008年7月12日 (土)

てぬぐい(まつもと大歌舞伎編)

Matsumotokabukitenuguiお茶を濁すのも、きょうまでにしたいものです…(つまり、そろそろネタ切れ)。
写真は公式グッズとして販売されている手ぬぐい。
弁慶格子(奥)と菊模様(手前左)がそれぞれ1200円。桜模様(あずき・手前右、白・中)がそれぞれ1000円。
観に行く前日、つまりお練りを観た帰りに購入。公演にはいちばん手前の菊模様のをハンカチ代わりとして持って行きました。
…さぁ明日はいよいよ楽日ですね♪

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2008年7月11日 (金)

はっか糖

Matsumotokabukihakkaレビューを書くまで、どれだけかかるだろう…というか、お茶を濁し続ける我慢くらべ中(汗)。でもそろそろ限界かも…。
写真は、平成中村座・信州まつもと大歌舞伎の公式グッズのひとつ、歌舞伎薄荷糖、500円。
色は白・黒・茶の3種類で、歌舞伎につきものの定式幕の色を表していて、黒には竹炭が使われているようです。味のほうですが…最初に広がるハッカの匂いというか風味の強さにびっくり。この手の刺激に弱い人には厳しいものがあるかも…。でもそのあとは、甘みのほうが強く感じられたような気がします。

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2008年7月 7日 (月)

夏祭り気分♪

Remitshappi日曜に、信州まつもと大歌舞伎「夏祭浪花鑑」を観てきました。そちらのレビューはまた追々書くとして。
写真は、グッズ売り場で購入した法被(はっぴ)を、うちのクマさんに着せてみたところ。じつはこれ、アルプちゃんの着せ替え用だそうですが…どうですか、うちのクマさんにもぴったりです。
歌舞伎の余韻を味わうために、しばらく着せておこうと思います。

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2008年7月 5日 (土)

平成中村座・信州まつもと大歌舞伎“お練り”

Nakamurazaきょう初日を迎えた、平成中村座の信州まつもと大歌舞伎。公演にさきがけ、昼間にお披露目として行われたお練りに出かけてきました。
…こんなところにサラッと書くことでもありませんが、お練りの模様を携帯電話のカメラで撮ったんですが、帰りに寄った映画館に携帯を忘れてしまい、いま手元にないので写真がUPできません。そんなわけで写真は後日載せますので、そのときに文章のほうも多少編集というか…追加があるかもしれません。

Matsumotokabukioneri1_2さて。交通規制の布かれる真っ只中の駐車場に車を停めたかったので、けっこう早めに松本へ着きました。で…2時間以上時間があったので1本映画を観てから沿道へ。1枚目の写真は、映画館からほど近い大名町通りの交差点から千歳橋方向の模様。を今か今かと待ち構える人が大勢。そして…15分くらいして遠くから太鼓の音が近づいてきて、いよいよ私の前にお練りの一行が。
Matsumotokabukimikoshi_2「信州まつもと大歌舞伎お練り」という、白い大きな幟(のぼり)とお囃子を先頭に、市内の方たちによる御輿や山車(だし)がいくつか続いたあと、いよいよ役者さんたちの登場です。中村勘三郎さんを先頭に、演出の串田和美さん、中村扇雀さん、笹野高史さん、中村橋之助さん、片岡亀蔵さん、中村勘太郎さん、中村七之助さんがそれぞれのお名前の入った幟に続いて人力車でいらっしゃいました。彌十郎さんは、このあとの松本城でのセレモニーには参加されていましたが、体調を崩されたということで人力車には乗られなかったそうです。
みなさん、沿道に向かって手を振って応えてらっしゃいましたが、私の近くで、どさくさにまぎれて七之助さんに握手をして頂いていた方が…う、うらやましい…(苦笑)。
そこから、松本城に向かう道すがら、役者さんたちの人力車を追いかけて、沿道を埋め尽くす人の間を、薄っぺらい体を駆使してすり抜けながら、少しでもたくさんそのお姿を目にしよう!と頑張りました…。
写真は他にもたくさん撮らせていただきましたが、ここへ載せて良いものなのか判断に迷うところだったり、あとはあまり映りの良くないものがあったりということで、自分で見て楽しむ用にとっておきます。お練りの写真はこちらで見ることが出来ます(信州・まつもと大歌舞伎スタッフブログ)

そんなこんなで(?)松本城に到着して、お城の前の特設会場へ。すでにたくさんの人がいたので後ろのほうに遠慮がちに座らせてもらいました。しばらくしてセレモニー開始。役者さんをはじめ、関係者の方々が舞台上に。笹野さんがデジタルビデオカメラでお客さんを撮っていて、それに気づいた亀蔵さんと橋之助さんがカメラの前に回りこんでピースをして遊んでらっしゃいました(笑)。

菅谷市長さんなど関係者の方のご挨拶のあと、串田さんと役者の皆さんのご挨拶がおひとりずつありました。

勘三郎さんや串田さんは、お練りでの沿道からの熱い声援に、この公演に対する期待を感じられたということをお話されていて、勘三郎さんは「普通、パレードというのは優勝したりなんかしたときにやらせて頂くものですが、私たちはまだ何もしていないので、ぜひとも優勝を目指し…」と、公演に対する意気込みを話されて、また、串田さんは「この皆さんの熱気で、公演を観にいらっしゃる方もそうでない方も、みなさんで応援よろしく」と呼びかけていらっしゃいました。
そんななか笹野さんが、勘三郎さんの番なのに出て行こうとして見せたり、ご自分の番のときはマイクにおでこをぶつけて見せたりして、会場を沸かせていました。そして「暑いなか大変ですが、あの人がいちばん大変ですよ」と舞台脇にいた松本市のマスコットキャラクター・アルプちゃんを指差していました。確かに…普通の格好でも暑くて仕方ないあの陽気のなかでは、さぞかし辛いものでしょうね。そしてその後、司会をされていたSBCのアナウンサーの方が「でも、よい子のみなさん。アルプちゃんはアルプちゃんですよ~」と子どもの夢を壊さないようフォローしたことと、その言葉に対しての笹野さんのリアクションで、さらに会場が沸いてました(笑)。
扇雀さんは、とってもお声がきれいで朗々として…それを聞いてるだけでなんだか心地よい気分になって、炎天下での暑さも一瞬忘れそうになりました。
また、このセレモニーから参加された彌十郎さんは、公演で来たのは初めてながら蕎麦と馬肉と山歩きが好きでよく松本にいらっしゃるというお話でした。また、きょうは病院に行って点滴をされたそうです。公演中、暑い時期なのでお体に気をつけて頑張っていただきたいです。
亀蔵さんは「こんなのたくさんの方に来ていただいて、明日から松本で悪いことはできません。きょうからの公演頑張ります」と挨拶されていました。いったい、どんな悪いことをそようと…(笑)。
橋之助さんは「こちらに来てから“まつもとバージョン”を錬りに練っております」とおっしゃってました。なにか台詞とかで地域色を感じられるようなものがありそうで、その辺もちょっと期待してしまいます。
勘太郎さんは、頭に巻いていた手ぬぐいを取って前へ。なんでもきのう、松本市内の床屋さんで丸坊主にしたとかで、どうりで青々ときれいだと思いましたが…、陽射しが直に当たって熱射病になりそうですとおっしゃりながらも「松本最高ー!」と拳を振り上げてらっしゃって、若さを感じました。
そして最後に挨拶された七之助さんは「会場内の露店は切符がなくても入れます、もしかしたら役者が通るかも。当日券もまだあるようですので是非是非会場へ!」と熱く語っておられました。

で、最後に鏡開き。ここで開かれた樽のお酒は会場に集まった人にも振舞われるということでしたが、私は車だったので頂くことはできませんでした。残念。
暑さもあり大変でしたが、間近で役者さんたちのお姿を見るというまたとない機会、そしていよいよ始まる公演にむけて、楽しみな気持ちがますます高まったイベントでした。
また最後になりましたが、このお練りに警備や会場整備などで参加された市民サポーターや関係者の皆さん、暑いなか、ほんとうにお疲れ様でした。

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2007年7月 7日 (土)

歌舞伎鑑賞教室

Kabukilesson七夕のきょう、国立劇場の歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。

国立劇場歌舞伎鑑賞教室
 歌舞伎のみかた 解説・中村松江
 新版歌祭文 一幕-野崎村-

最初の「歌舞伎のみかた」では、まず歌舞伎の行われる舞台の仕組み(定式幕、廻り舞台、セリなど)について説明されていて、なかなかためになる内容でした。
それから、江戸時代には時間を表すのにも使われていた「十二支」。登場する12の動物が次々登場して、可愛らしいものあり、形の面白いものありで楽しかったです。また、その冒頭で「午(うま)の刻」が今でいう午前11時から午後1時にあたり、午前・午後とか正午という呼び名はここからきているという説明もあって、普段何気なく使っている言葉にも色々な由来があるんだなぁと、興味深かったです。
そして、上演される演目についてスライドによるあらすじ紹介がありました(ナレーションは中村福助さん)。

さて、休憩をはさんで『野崎村』の上演。

野崎村の百姓、久作の家では娘のお光(中村福助)が、奉公先から急に戻ってきた許婚、久松(中村松江)と祝言をあげることになり、いそいそと身支度をしていました。
そこへ訪ねてきたのは久松の奉公先の娘、お染(中村芝のぶ)。そのお嬢様らしい様子に嫉妬を覚えたお光は、お染を手荒く外へ追い出してしまうのでした。
縁先で久作に灸をすえ、肩を揉むうちに門の外にいるお染に気がつき急にそわそわしだす久松と、当てこすりを言うお光は言い争いになり、久作はお光を奥へ連れて行きます。
お光たちのいないすきに、「会いたかった」と久松に駆け寄るお染。「どうしても夫婦になれないのなら」と剃刀で死のうとするお染の真剣な様子に、久松も一緒に死ぬ覚悟を固めるのでした…。

…うきうきと身支度をするお光、微笑ましい様子です。婚礼料理の支度で大根を刻むところがあるんですけども、その包丁の扱い、手際がよくてびっくりでした。客席からもたくさん「おぉー」と声が上がってました。女性よりも上手かも、なんて思ってしまいました。
…芝のぶさん、ほんとに可愛らしいです♪お光に追い出され、門の外で涙を拭う姿に思わず「あぁ、かわいそう~」とちょっと切なくなってしまいました。
お光と、お染の姿を見て態度のおかしくなる久松と、そのふたりにはさまれた何も知らない久作、というこの三人のやりとりが面白かったです。
思いつめた久松とお染の様子に結局、お光が身を引くことになるんですけど…それがなんだか切なかったですねぇ。久松とお染は籠と舟に別れて久作の家を去るんですけども、その姿が見えなくなってから、久作にすがって泣くお光。悲しいです、ほんとに。

それから。
舞台が回って、最初に家の正面を向いていたのが裏側になって、家の裏の道と川が現れるのが面白いなぁと思いました。舞台転換をスムーズに行うための装置ですが、私のなかでは、全く違う場面を表と裏で作ってあるというイメージだったのでビックリしました。

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2007年3月 9日 (金)

泣いた、笑った。

Sky8_1今夜は、楽しみにしていた番組がありました。

フジテレビ 金曜プレステージ
「日本中が泣いた!笑った!中村勘三郎 襲名公演家族が支えた664日全記録」

いやーもう…ほんとに笑って泣いて、おなか一杯でした。
とくに名古屋公演で、高校の体育館を芝居小屋に変えてしまったのは、ほんとにすごかったです。それに「身替坐禅」(この字、あってますかねぇ…)、面白いなぁ。全然見たことなかった演目でしたが、ダイジェストになったものでも充分に楽しかったです。この公演は、会場になった高校の生徒さんがたくさん観ていて、自分の高校の頃を思い返したら、やっぱり歌舞伎とか興味なかった気がするんですが、こんなの見せられたらいっぺんに歌舞伎に対するイメージ変わりますよね。
…そして、病と闘いながら舞台に立ち続けた中村源左衛門さん。こういう、ひたむきな人に弱いです。ほんとうに、命を削るような、そんな最後の舞台での姿が、心に残りました。また、千秋楽の口上での仁左衛門さんの言葉と、それを聞きながら舞台上で涙を抑えられない勘三郎さんたちの表情に、もらい泣きしてしまいました。

今年の初めにやっとこさ歌舞伎デビューしたばかりの私としては、これからもっともっと歌舞伎に触れていきたいなぁと思っているところで。今回は、そんな気持ちを改めて強くした気がしました。

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2007年1月21日 (日)

壽 新春大歌舞伎~歌舞伎座初体験。

Kabukiza1シネマ歌舞伎を観たあとに、すぐ近くの歌舞伎座へ行ってきました。いつもお世話になっているななおさんから、東劇までシネマ歌舞伎を観にいくのだったら歌舞伎座もすぐ近くなので…と勧めて頂いたのが一幕見席。1000円台で二幕見られる4階席です。初めてだし、どんなものなのか試しに見るならこれくらいがちょうどいいのかもしれません。
…シネマ歌舞伎の10時30分からの上映が終わったのが、12時少し前。それから歌舞伎座に向かうと(どちらからも建物が見えるくらいの距離なんですね)、すでに数人が昼の部の「勧進帳」「喜撰」を観るために並んでました。1時20分からチケット販売ということなので、私も並んでみることにしました。時間が早いこともあってしばらくは後ろに誰も来なかったんですが、30分もすると長蛇の列に。土曜日のこの時間というのは一番人気があって、立ち見が出るのはもちろん、入場できない場合も結構あるようです。
寒いなか長時間並んだ甲斐あって、何とか座ることができました。私が座ったのは花道のほぼ真上辺りの一列目。始まってから気づくのですが、3~4階席だと、花道がよく見えないんですね。もしかしたら花道から遠い側のほうが、距離はあっても若干見えやすいかもという気がしました。今度行く機会があったら、試してみようと思います。
もっともっと舞台まで遠いのかな?と想像してましたが、急勾配になっているせいか、思ったよりも近くに感じました。でも双眼鏡を忘れちゃったのは残念でした。役者さんの顔をはっきり見たいなら、やっぱり必要ですよね。


「勧進帳」…兄の頼朝に疎まれ、都落ちを余儀なくされた義経と家来の弁慶。変装して関所を通ろうとします、関守の富樫左衛門はその正体を見破りますが、弁慶の主人を守ろうとする必死な姿に感じいって、通すことにします。

「喜撰」…喜撰法師が小野小町の分身である祇園のお茶汲み女お梶の美しさに翻弄される話。百人一首などでお馴染みの六歌仙、小野小町と五人の男性を描いた五変化舞踊「六歌仙容彩」より。


「勧進帳」は、能っぽいなぁと思いました。義経や弁慶が能でもよく取り上げられている人物だからそう感じたんでしょうか?早口なところは能とは違うんだけれども、言葉遣いとかがとても近かったですね。踊りがたくさんあってたのしい演目ですね。とくに、弁慶と富樫左衛門がにらみ合いながらの部分のリズムが面白かったのと、酒に酔って弁慶が踊る部分でのコミカルでちょっとお茶目な弁慶が楽しかったです。

「喜撰」は、短いながらも踊りや勘三郎さんのコミカルな仕草、玉三郎さんのかわいらしく、でも積極的に喜撰に迫る色っぽいところがたくさん楽しめました。手ぬぐいを巻こうとするけれど坊主頭でツルッとなる(しかも2回)ところが面白かったです。


そんなわけで、初めての歌舞伎座体験でした。そのうち、もっといい席で観られたらなぁと思いますが、雰囲気に慣れるまでは、こんな感じも悪くないなぁと思いました。なにせ、値段が気軽な感じなのがいいですね。

さてこの後新宿に移動して映画をもうひとつ観てきました。
ベートーヴェンの晩年を描いた作品です。…それは、また明日。

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2007年1月20日 (土)

シネマ歌舞伎『京鹿子娘二人道成寺』

Cinemakabuki最近、シネマ歌舞伎やゲキ×シネといった、舞台を映画として見られるような形にしたものが上映されるようになりました。撮影用カメラ、そして映画館の音響などの技術面での向上がその一端を担っているそうです。
…というわけで、玉三郎さん・菊之助さん出演のシネマ歌舞伎を見に行って参りました♪


シネマ歌舞伎『京鹿子娘二人道成寺』

紀伊国、道成寺。新しい釣鐘の供養の行われているなか姿を見せた白拍子花子(坂東玉三郎・尾上菊之助)が、鐘の供養を拝みたいと僧たちに願い出ます。舞を見せることを条件に参列を許された花子ですが、やがて正体を現し…。

ひと言で言えば、とても楽しかったです。
本当に、生で見ているかのような臨場感があって、美しい映像でした。
何度も変わる衣装で目を楽しませてくれる作品ですね。
また、花子を演じるお二人の美しいこと。
玉三郎さんは艶やかで、菊之助さんは可憐でかわいらしく。
菊之助さんの、歌舞伎での姿を目にするのが初めてだったのでとても新鮮でした。
昨年地元であった玉三郎さんの舞踊公演を観にいったときにも感じたんですけども、ここまで美しいと、男とか女とか、もはや考えも及ばないというか…そういうものを超越したところに存在しているような気がしました。
そして道成寺のお坊さんが繰り広げる会話もとても面白くて笑ってしまいました。“…まい”であんなに沢山の話題が出てくるなんて、驚きです。歌舞伎ではその時々の話題などが台詞に盛り込まれることがあると聞いていたんですが、何だか気がつくとそっちの方向に流れている、みたいな。
さて、歌舞伎を観てみたいなぁと思っていたわりに機会がなかったので、ひとつの演目を通して見たのはこれが初めてでしたが…言葉も何とか理解できたのでよかったです。普段、能や狂言を観ることが多いのですが、狂言で使われる言葉に近い感じだったので耳慣れているというか…近いものを感じました。
これを見ると、あぁ歌舞伎って楽しいものなんだなぁと分かるし、気軽に見ることができるので、歌舞伎に興味はあるけどまだ行ったことがないという私のような人にはオススメですね。こういう作品こそ、普段歌舞伎の舞台を見られない地域で上映してほしいなぁと思います。そうしたらもっとたくさんの人が“歌舞伎って面白いんだ!”ってことに気づくと思うのです。

さて、このあとついに生で歌舞伎を観に行って参りました。
その模様はまた明日。

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